リーマン多様体上の最適化の理論とその応用について研究しています.ユークリッド空間における制約つき最適化問題は,その実行可能領域がリーマン多様体(曲がった空間を抽象化した概念)をなす場合には,その多様体上の無制約最適化問題と見なすことができます.その解法は,ユークリッド空間の無制約最適化手法をリーマン多様体上に拡張することによって導出することができ,その収束性解析とともに近年研究が盛んに行われています.
私は,そのような手法の中でリーマン多様体上への拡張の研究がまだあまり進んでいない非線形共役勾配法に特に興味を持って研究しています.また,リーマン多様体上の最適化問題として定式化される現実問題は数多くあり,理論的な研究成果の数値実験による実証や諸分野への応用研究も並行して行っています.その際には個別のリーマン多様体を考え,その特徴を活かした最適化が重要となります.
最近の研究課題
非線形共役勾配法のリーマン多様体上への拡張とその収束性解析
確率的最適化手法のリーマン多様体上への拡張とその収束性解析
リーマン多様体上のニュートン法の数値線形代数からのアプローチによる解法
リーマン多様体上の最適化手法の諸分野(数値線形代数,制御理論,統計手法など)における問題への応用