本研究会は昭和58年に設立され、8月25日に第1回の大会を開催しました。それから今年は40回目の節目となります。第1回目のテーマは「登校拒否、粗暴な生徒の対応について担任としてどのようにかかわればよいのか」という内容でした。
本研究会発足する以前から「学年・学級は生徒にとって最も重要な場所であると共に、その経営こそが学校教育の基盤となるものである」という考えを持つ心ある諸先輩方が、土日の休日に手弁当で研究会を開催されていました。そんな手作りの研究会が、「学年・学級経営は、学習指導・生徒指導を支え、ひいては学校経営に関わる上で最も重要なものである」という基本理念のもとに、常に学校現場に視点を置き、実践的な研究を通して今日的な課題解決に取り組んでまいりました。
現在では東京都中学校教育研究会の1団体として各区市町村教育委員会から分担金をいただき、本会の運営を行っているところです。本日お集りの先生方が無料で参加できるのもこの分担金のお陰であり、分担金を確保するため、各地区の中学校長会の方々にご尽力いただいているところです。さらに東京都教育委員会からは東京都教育委員会研究推進団体支援事業の認定を受けて活動しています。そのため私たちは研修出張として参加することが可能となっています。
『友だちが好き、先生が好き、学校が好き』は約20年間変わっていません。本研究会ではこの主題・副題は「変える必要が無い学校教育の根幹に関わるものである」と判断しています。
現在の学習指導要領から、中学校の学習指導要領にこれまで明記されていなかった「学級経営」という文言が入ってきました。そこには次のようなことは書かれています。
集団における合意形成では,同調圧力に流されることなく,批判的思考力をもち,他者の意見も受け入れつつ自分の考えも主張できるようにすることが大切である。そして,異なる意見や意思をもとに,様々な解決の方法を模索し,問題を多面的・多角的に考えて,解決方法について合意形成を図ることが,「互いのよさや可能性を発揮しながら」につながるのである。
と書かれています。こうしたことを私たちは常に念頭に置き、生徒一人一人を尊重し、生徒が互いのよさや可能性を発揮し、生かし、伸ばし合い、よりよく成長し合えるような集団の場としての学級経営にしなければなりません。
本日のこの会が、明日からの全国の中学校教育において、実践として結び付き、実り大きなものとなることを期待しています。