2019年度微分幾何セミナー

  • 2019年4月25日 (講演者が2名います) 15:30 から 1時間ずつ(休憩10分).

    • 講演者その1: 中村聡氏(福岡大学)

      • タイトル:A generalization of Kahler Einstein metrics for Fano manifolds with non-vanishing Futaki invariant

        • アブストラクト:The existence problem of Kahler Einstein metrics for Fano manifolds was one of the central problems in Kahler Geometry. The vanishing of the Futaki invariant is known as an obstruction to the existence of Kahler Einstein metrics. Generalized Kahler Einstein metrics (GKE for short), introduced by Mabuchi in 2000, is a generalization of Kahler Einstein metrics for Fano manifolds with non-vanishing Futaki invariant. In 2017, GKE metrics were rediscovered by Yao in the story of infinite dimensional GIT picture for Fano manifolds. In this talk, we give recent development on the existence problem of GKE metrics.

    • 講演者その2: 坂田繁洋氏(福岡大学)

      • タイトル: 凸多角形のモーメントの極値問題

  • 2019年5月9日

    • 講演者: 相野眞行氏 (名古屋大学)

    • タイトル: Lichnerowicz-Obata estimate, Almost parallel differential form and Almost product manifolds

    • アブストラクト: 正のリッチ曲率を持つRiemann多様体における関数に作用するLaplacianの固有値についての

    • Lichnerowiczの評価は,例えばKähler多様体などの場合には改善される.より一般にGrosjeanは平行な微分形式が存在する際のLichnerowiczの評価の改善を与えた.本講演では,L^2の意味でほぼ平行な微分形式が存在する際のLichnerowiczの評価の改善,およびそのほぼ等号成立に関するピンチングについて述べる.

  • 2019年5月30日

    • 講演者: 船野敬 氏(東北大学)

    • タイトル: Upper bounds for higher order Poincare constants

  • 2019年6月13日

    • 講演者: 照屋靖志 氏(九州大学)

    • タイトル: Convex property of Wulff shapes and regularity of their convex integrands

    • アブストラクト: 単位球面上の非負値連続関数γを一つ与え,そのγによって構成される ”Wulff shape” と呼ばれるconvex bodyを考える.γがconvexの時,γはconvex integrand と呼ばれる.私はconvex integrand γの可微分性とγに対する Wulff shape の凸性との関係について興味があり,2017年の Han-Nishimura による, Wulff shape の狭義凸性とその convex integrand の C^1 級性の同値性の結果を参考にして,その両者の関係を局所的な視点から考察し,Wulff shape の 1 つの方向における ”face set” とその convex integrand の 1 点での ”derivative direction” を導入し,それらの関係を各点で考えることで,Wulff shape の凸性とその convex integrand の可微分性の局所的でより詳細な関係性を明らかにした.本講演ではその結果について述べたいと思う.

  • 2019年6月27日

    • 講演者: 伊敷喜斗 氏(筑波大学)

    • タイトル: On the Assouad dimension and convergence of metric spaces

  • 2019年7月18日 講演開始時間は普段と異なり 16:20 です.

    • 講演者: 櫻井陽平 氏(東北大学)

    • タイトル: ラプラシアンのDirichlet固有値に関する測度集中現象

    • アブストラクト: 本講演では,境界付きRiemann多様体上でいつ測度が境界の周りに集中するかという問題について議論する.まず,そのような測度集中現象とラプラシアンのDirichlet固有値の振る舞いの関連を比較幾何の観点から考察する.さらに「Ricci曲率と境界の平均曲率の非負性のもと,第kDirichlet固有値が大きいとき測度が境界周りに集中する」という主張について,その証明のアイデアを述べる.

  • 2019年10月17日 (15:30開始, セミナー時間 90 分, 議論を込みで終了 18時)

    • 講演者: 服部広大 氏(慶應義塾大学)

    • タイトル:幾何学的量子化と測度付きグロモフ・ハウスドルフ収束について

    • アブストラクト:シンプレクティック多様体とその上の前量子化束の組に対してシンプレクティック形式と整合する複素構造の1パラメーター族に対する正則切断の1パラメーター族を考える。複素構造に対応するケーラー偏極の族が、ラグランジュファイブレーションに対応する実偏極に収束するとき、正則切断の族はボーア・ゾンマーフェルトファイバーに局所化するという現象が、トーリック多様体などのいくつかの例で観測されている。本講演では、測度距離空間の収束の観点からボーア・ゾンマーフェルトファイバーへの局所化を記述できることをファイバーが非特異な場合に説明する。

  • 2019年11月28日 (議論を含め 18:00に終了)

    • 講演者: 高津飛鳥 氏(首都大学東京)

    • タイトル: 対数ソボレフ不等式の等号成立条件について

    • アブストラクト: 重みつき多様体のリッチ曲率が正数で下から抑えられている場合に, 対数ソボレフ不等式の等号が成立するための必要十分条件を明らかにした. 本講演は太田慎一氏(大阪大学)との共同研究である.

  • 2019年12月12日 (議論を含め 18:00に終了)

    • 講演者: 永野幸一 氏 (筑波大学)

    • タイトル: CAT(1)空間に対する体積ピンチング定理

    • アブストラクト: 一般に,n次元である局所コンパクトで測地的完備なCAT(1)空間のn次元ハウスドルフ測度は,n次元標準単位球面のn次元ハウスドルフ測度以上である.Lytchak氏(ケルン大学)と筆者によるCAT(1)空間に対する体積球面定理によって,至るところn次元であるコンパクトで測地的完備なCAT(1)空間は,n次元ハウスドルフ測度がn次元標準単位球面の3/2倍未満であれば,n次元球面に同相である.筆者は,この体積球面定理のn次元ハウスドルフ測度に関する仮定は,CAT(1)ホモロジー多様体に対して緩めることができることを示した.本講演では,CAT(1)ホモロジー多様体に対する体積球面定理を中心に,CAT(1)空間に対する様々な体積ピンチング定理について述べる.

  • 2020年1月9日

    • 講演者: 韓呼和 氏 (西北農林科技大学)

    • タイトル:Maximum and minimum of convex integrands

      • アブストラクト:For given convex integrands $\gamma_{{}_{i}}: S^{n}\to \mathbb{R}_{+}$ (where $i=1, 2$), the functions $\gamma_{{}_{max}}$ and $\gamma_{{}_{min}}$ can be defined as natural way. In this talk, we show that the Wulff shape associated to $\gamma_{{}_{max}}$ (resp. the Wulff shape of $\gamma_{{}_{min}}$) is the convex hull of the union of Wulff shapes associated to $\gamma_{{}_1}$ and $\gamma_{{}_2}$ (resp. the intersection of Wulff shapes associated to $\gamma_{{}_1}$ and $\gamma_{{}_2}$). Moreover, relationship between their dual Wulff shapes are given.

  • 2020年1月16日

    • 講演者: 菊田伸 氏 (工学院大学)

    • タイトル: 準射影代数多様体上のケーラー・アインシュタイン計量の留数について

    • アブストラクト: 準射影代数多様体上のリッチ曲率が負の完備ケーラー・アインシュタイン計量について, その境界因子に沿った留数が何であるかは明らかにされていない.この講演では, 私のこれまでの研究で解明できたことや具体例を紹介したい. また可能ならば, 現在中心的に調べているジーゲルモジュラー多様体のトロイダイルコンパクト化の場合での進展を説明する予定である.