日経の記事

Post date: Sep 18, 2018 1:39:16 AM

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35362850U8A910C1SHA000/

日経の特集記事にコメントが載った。自分も物書きの端くれなので記事については書いた記者に失礼なので徒らに後講釈はしない。ただ、森脇という人間に関心を持ってこのページまで飛んできた人に白書の内容について少し解説したい。2017年度の経済財政白書のテーマの一つは人手不足なのに賃金が上がらない理由は何か、だ。ちょうどいいタイミングで出版された玄田有史編「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」に強く影響を受けた内容となっているが、白書では少し自分の思いを描きいれさせてもらった。それは、雇用者もだが被雇用者も転職や独立のリスクをとって待遇をあげようぜということだ。

玄田本の執筆者は大学や政府日銀といった雇用の安定した組織の研究者や実務家であり、ほとんどが教授や課長クラス以上のキャリア形成の出来上がった人たちである。そうした立場から、「リスクをとって転職して賃金をあげよう」というのは言いづらい。しかし、30代半ばで、いわゆる安定したポジションを捨てて、一からキャリアを作り直してみるという行動にでる(予定)の自分であれば、納得されるかもしれない。

霞が関の悲惨な職場も、簡単に言えば、厳しい環境でも職員が逃げないとわかっているから、に尽きる。逃げない理由は公共への思いかもしれないし、組織への忠誠心かもしれないが、これは行き過ぎると「俺も苦しんでいるのだからお前も苦しめ」という論理の横行に繋がるし、結局のところ社会のためにならない。

というわけで、嫌なら辞めるということを白書を通じて逍遥し自ら実践したのが私なのだ。