遊星よりの物体X、遊星からの物体X

遊星よりの物体X

「遊星からの物体X」の前章が映画化されるらしい。この目で見られるのはいつかわからないが、実現を祈ろう。相変わらずリメイクや続編は多い。「アローン・イン・ザ・ダーク2」「モーテル2」「8MM2」などなど。これらの中には「1」とは無関係で、題名だけちょうだいしたってのもあるんだろうな。前章と言うと「エクソシスト・ビギニング」や「バットマン ビギンズ」がある。最近では「アンダーワールド:ビギニング」。そのうち日本でも公開されるだろう。さて引越ししてもうすぐ一年たつけど、最近になってやっとレンタルのカードを作った。品数は少ないけどそれでもね。店のオススメ未公開作品の棚に「地獄の変異」があったりして、そうか、こっちでは未公開なのか・・なんて思ってみたり。レンタル中になってるのがなぜかうれしかったり。「遊星より」は「遊星から」ファンの私にとって前々から気になっていた作品。見つけて早速レンタル。製作は何とハワード・ホークス。知ってる人は誰も出ていなくて、エイリアン役のジェームズ・アーネスだけ。ピーター・グレーブスのお兄さんで、まだ生きてるようだ。体がでかいからこの役やったのかな。大昔の映画だからこんなふうなのは仕方ないけど、それにしたってウームな出来だ。原作(「影が行く」・・創元SF文庫で読むことができる)と違い、舞台は北極。他にも女性が出てきてロマンス物になっているとか(うっそ~!)、エイリアンの生態、人間側の主力が軍人とかかなり違っている。見る前は「遊星より」の方が「遊星から」より原作に近くて、「遊星から」は原作とはかけ離れているのだろうと思ってたけど逆だった。「遊星から」の方がずっと原作に近い。原作で強調されているのは、誰が乗り移られているのかわからない恐怖。隣りにいる仲間が信用できない。エイリアンかも。いやいや、そういう自分自身、すでに乗っ取られているかも。形も意識も100%模倣され、同化している。恐怖それ自体が模倣。エイリアンは自分から攻撃をしかける必要はない。人間達が疑心暗鬼にかられ、自滅していくのを待ってればいい。「遊星から」には、誰がエイリアンかわからない恐怖、判別するにはどうすればいいかの知恵くらべなど、さまざまなおもしろさがあった。しかし「遊星より」にはそういうのが全然ない。人間は人間、エイリアンはエイリアン。両者の間には距離がある。「同化」は全くない。

遊星よりの物体X2

科学者、軍人、新聞記者など登場人物は多い。いろんな種類の人間出してきたのは時間稼ぎのためだろう。純粋なSF的要素だけでは映画が持たない。お金もないし(たぶん)、エイリアンが犬や人間に同化するシーンを作る技術もない。だからロマンスめいたものをくっつける。新聞記者に報道の自由を叫ばせる。科学の進歩のためなら人命なんて・・と科学者を暴走させる。代わる代わるべちゃくちゃしゃべってれば、それで時間が過ぎる。肝腎のエイリアンはフランケンシュタインの怪物とさして変わらない。体がでかく、あばれ回るだけ。顔のクローズアップはしない(できない)。映画が終わってもどんな顔だったか思い出せない。原作では目が三つあり、顔を見た者はその夜から悪夢に悩まされる。・・正体不明の物体が北極に墜落する。原作では2000万年前、南極が凍りかけていた頃、地球の磁力のせいでコントロールを失った宇宙船が墜落。外に出た乗員はあっという間に氷漬け・・ということになっている。こちらは墜落したばかりのほやほや。放射能の反応もある。しかしどのSF映画もそうだが、放射能はただの小道具。ただの数値。君達防護服もなしでよく気軽に近づけるねえ。さて、氷に閉ざされているせいでよくわからないが、物体は大きくて円形で地上に垂直翼のようなものが突き出ている。しかも見たことのない金属。・・となれば答は一つ、空飛ぶ円盤だ!ヘンドリー大尉は軍人らしく手っ取り早い方法を取る。氷を溶かす爆薬を使おう。しかし多くの場合そうであるように、この場合も失敗する。本体は吹っ飛び、元も子もなくなってしまった。もっとも世紀の大発見がふいになってもさして残念がらない。残しておいて他の国(もちろんソ連)に嗅ぎつけられるよりマシ。発見や恩恵はアメリカが独占しなければならず、独占できないなら何もない方がマシ。最初から何もなかったことにする。軍人にとってはエイリアンなんかいない方がいい。こっちがかなわないような武器持ってたら困る。逆にエイリアンのせいで地球が平和になっても困る。自分達が失業する。今のままの方がいい。戦う相手は自分達と同じ人間の方がいい。何考えてるかわからない、どんな武器持ってるかわからない敵は困る。てなわけで、どっちにせよ「世紀の大発見」なんてない方がいい!まあこれはアメリカに限らないだろうけど。そしてこの考え方は当然科学者とは相容れない。

遊星よりの物体X3

話を戻して、氷漬けになったエイリアンが見つかり、氷ごと切り出して基地に運ぶ。生きているはずないと思われたが、氷が溶けると姿を消してしまう。あとは時々騒ぎを起こすだけ。ろくに調査できていないはずだが、映画なのでどんどん正体が明らかにされる。地球で言うと、動物より植物の方に似ている。犬や人間の血液を養分とし、急速に増殖・成長する。キャリントン博士はヘンドリー達には隠し、せっせと育て観察する。知性イコール平和の使者、心が通じると思い込んでいる。害になりそうなものは即排除の軍人も困るけど、こういうマッドサイエンティストも困るね。さてヘンドリーはキャリントンの秘書ニッキーにほれている。前にも何度か会っているが、まだ浅い関係。彼にとっては任務も大事だけどニッキーに言い寄ることもそれと同じくらい大事。せめてキスまでは進みたい。この映画では男が女に迫ると言うより、女が男を翻弄する、リードする。ヘンドリーが後ろ手にしばられ、ニッキーにお酒を飲ませてもらってるシーンには引っくり返りそうになった。あの~これSF映画だよね。女が主導権を握り、男がぼやく。でもヘンドリーはやすやすとヒモをほどいちゃうし、戦いの指揮を取るところは男らしい。いくら自立だの何だの言ってもそういうシーンでは女はお呼びじゃないのだ(最近の映画は違うけど)。それにしてもお気楽な映画だな。寒くて退屈な見張りは部下にやらせ、自分は美女と恋の駆け引き。ヘンドリー役はケネス・トビー。ニッキー役マーガレット・シェリダンは美人である。常盤貴子さんに似ているかな。ラストはもちろんハッピーエンド。人類の危機は去り、二人は結婚するだろう。新聞記者の「空から目を離すな」という警告は印象的だけど、説得力はない。「遊星から」みたいな誰も助からない暗いラストもいやだけど、こっちのノーテンキなエイリアン退治もいや。もっと真面目にやれ!まあすぐれた原作やリメイク(でもないか)のこと考えなければ、これはこれで楽しめるけどね。まだCGがないせいで飛行機をちゃんと飛ばしてるのがいい。C47という輸送機で、舞台が北極なので足にスキーと言うかソリがついてるのが珍しい。今は何でもCGだけど、いくら精巧に作ってあっても画面に差が出る。実物にはかなわないのだよ。・・てなわけで「遊星よりの物体Xと白い恋人たち」でした。

遊星からの物体X

「遊星から」は「遊星より」のリメイクだが、「遊星から」の前日譚が今年10月アメリカで公開されるようだ、ばんざい!!たぶんそのうち日本でもやってくれるだろう・・やってくれなきゃいやいやいや~ん。まあ予告を見ると主人公は女性のようで、そこはまあ今風かな・・と。こちらの「遊星から」はヤローばっかしである。一人は女性入れる予定だったらしいが、結局は全部ヤロー。結果的にはそれがよかった。潔くて。公開当時テレビでも紹介されてたけど、見に行かなかったな(大馬鹿です私)。「ニューヨーク1997」でカート・ラッセルに惚れ直し、ジョン・カーペンターの名前もちゃんと知ってたのにぃ・・。これあんまりヒットしなかったんでしょ?と言うか、カーペンターの作品てどれもあんまり・・コケる方が多いんでしょ?関係ないけど「エスケープ・フロム・ニュージャージー」というのがあるみたいなんだな。主人公はもちろんスネーク・プリスキン!でも・・何だかおかしいんだよな。さすがにラッセルじゃなくて、全然知らない人。一時スネークをジェラルド・バトラーがやるってニュースがあって、キャ!ぴったりじゃん・・と喜んだけど、その後音沙汰なし。しぼみにしぼんでニュージャージーになった・・わけないよね。45分だし、何だかおなか出てるし、いくらスネークでも見ない方がいいかも。と言うか、見る機会ないだろうけど。話を戻して、原作の「影が行く」は創元SF文庫で読むことができる。作者はジョン・W・キャンベル・ジュニアで、発表されたのは1938年。彼は1910年生まれだから、20代で書いたのね。38年と言うと、南極越冬隊の様子も今とはだいぶ違うんだろうなあ。もちろんヘリなんか出てこない。そう言えばノルウェー隊も出てこない。”それ”を見つけたのはマクレディやギャリー。宇宙船見つけて爆薬で溶かそうとして失敗・・ってあたりは、「遊星より」の方が原作に忠実。でもその後は女性だの記者だの出してきて時間稼ぎ。その点こっちは潔くヤローばっか。妻や恋人を懐かしむとか、電話とか手紙とかそういうの全然なし。ラスト死を目前にしてもそう。これを潔いと言わずして何と言いましょうや!ちなみにIMDbによると、マクレディがやってるコンピューターのチェスゲームの女性の声は、当時カーペンターの奥さんだったエイドリアン・バーボーだそうな。

遊星からの物体X2

原作では隊員は37人だが、さすがにこちらはうんと減らしてある。・・と言うか、1938年頃はたくさんいたの?「ホワイトアウト」もいっぱいいたな。こちらは映画が終わってクレジットのところになると、一人ずつ名前が出てきて、あ・・そんなふうにできるくらい出演者少なかったんだ・・と、改めて気づく。そのわりには似たようなのがいて・・カッパーとブレアとか、パーマーとウィンドウズとか。ちなみにIMDbによると、ブレアはドナルド・プレザンスがやる予定だったのが、スケジュールの都合でだめになったらしい。・・中心になるのがマクレディ(ラッセル)。いちおうギャリー(ドナルド・モファット)が隊長なんだけど、どうも無能な感じ。1982年の冬の南極。雪原を犬が走り、ヘリが追いかける。男が空から銃で撃つけど、なかなか当たらない。犬はアメリカの基地へ逃げ込み、弾はチャイルズだか誰かに当たる。それでギャリーが男を撃ち殺す。いきなり撃ち殺すってのがまず信じられないよな。犬を人間が追いかけるのを見て、犬に何かあるとは思わないのかな。例えば狂犬病とか。犬じゃなくて人間の方が狂ってると思っちゃうのかな。アメリカ人の犬好きを反映?それにしたってすぐ人間撃つ?犬を追ってここまで来たわけで、何か理由あるはずで、チャイルズに当たったのは彼を狙ったからじゃないってわかってる。それでも・・手でも足でもなく額の真ん中撃ち抜く。はい、アメリカ基地の運命はこの時決まりました。地獄へGO!ギャリーのせいです。この銃撃シーンは、基地じゃなくて砦に見えましたな。ギャリーは無能な指揮官。彼のせいで砦は陥落、部下は無駄死に。・・いや、西部劇に見えるってことですけど。隊長にしては誰にも頼りにされてなくて、何かあるとみんな何となくマクレディの方頼る。彼は・・ラッセルだからだけど・・いかにも西部の男・・ガンマンて感じ。一人だけ自分の小屋持ってるなど一匹狼風・・風来坊。ヘリの操縦士で、まあ馬がヘリに代わっただけ。長髪にヒゲ、サングラス、ウィスキーラッパ飲み、テンガロン(←?)ハット、ガンベルト・・いや全くガンマンですってば!原作だと頼りになる大男、ブロンズ色の男、副隊長。

遊星からの物体X3

チャイルズ(まだ若いキース・デヴィッド)は、彼にライバル心燃やしてる。でもチャイルズは血の気が多いのが欠点。それさえコントロールできりゃ、いい線いくんだけど。で、死んだ男はノルウェー基地から飛んできたらしい。事件を報告しようにも、もう二週間も交信不能。もちろんノルウェー基地とも連絡が取れない。と言うわけで、ヘリでマクレディと医師のカッパーが飛ぶ。行ってみると廃墟みたいになってるし、何か人体みたいなのが燃やしてあるし。で、このシーンが今度のやつの参考になるんだろうなあ。「遊星から」があんまりヒットしなかったのは、ラストがハッピーエンドとはほど遠く、暗い気分になるからか・・と、私は思ってるんだけど(それとも「E.T.」にお客取られた?)、今度のやつだってどうせ全滅して終わりなわけで。それでヒットするかいな。それとも何かひねってあるのか(早く見たいよ~ん)。「遊星から」の見どころは、ぐちょぐちょぽたぽたぴらぴらひゅるるん、胸がぱっかんお手手をぱっくん、首が逆さでずりずりぽっとん、そのうち首から足が出た~だと思うけど、めったやたらに出すほど無節操なやり方はしていない。今回何度目かの鑑賞なわけだが(前日譚公開記念・・祈念!)、音楽も控えめだし、画面をゆらすなんて余計なこともしていない。特撮だってよくできてる(CGじゃないらしい)。たいていはフィルムの逆回しだと思うけど、見ていて思うことがあって、それは・・全然別の・・かけ離れたものより、知ってるもの・・人間とか犬とか・・に似ていた方が怖いってこと。人間の顔みたいだから怖い、犬になりかけだから怖い。基地の中を犬が歩き回って、どこへでも行けるから怖い。犬を殺そうとしたのは人間の方が狂ってたから・・こんな暮らしで神経やられるのはよくあることさ・・と決めつけて、犬のこと何にも調べてないのが不思議。で、犬が檻に入れられるのが怖い。これから変身するってわかってるから。他の犬が見つめる中、真ん中に座って・・。で、ぴらぴらひゅるるんで、この細く長く触手が伸びるのが嫌だわ~ん。どうやって撮影したのかしら。このDVD、コメンタリーついてるけど字幕なし。

遊星からの物体X4

印刷された訳文ついてるけど、場面見てテキスト見て・・なんて、そんな器用なことできませんッ!さて、この映画のすばらしいところは、特撮だけでなく、人間が疑心暗鬼に陥るところをちゃんと描いてること。原作が書きたかったのもまさにそれ。「遊星より」にはそれがなかった。怪物と人間の間には距離があった。同化の恐怖はなかった。疑心暗鬼もなし。こっちの場合、隣りにいる者は人間じゃないかもしれず、それよりもっと怖いのは、自分がすでに乗っ取られているかもしれないってこと。体液一滴だけでもう同化オッケー。ブレアはたぶん原作通り生物学者で、将来のこと考え、シュミレーションする。ノルウェー基地にあったビデオテープ再生し、その後彼らが通った場所にも行ってみる。そこで見つけたのは、10万年前飛来し、そのまま氷に閉じ込められていた宇宙船。この映画の場合爆破は成功したようで、ちゃんと形残ってる。フタ(←?)開いてるし、せっかくだから内部も探検して欲しかったけど、省略されちゃった。近くに四角く掘られた穴も見つける。この部分に宇宙人が氷漬けになっていて、基地に運ばれ、溶かされ・・となったのだと思う。元々どういう形していたのかは不明。原作だと三つ目で、大の男が寝込むほど邪悪な顔つきしてるらしい。今までその生き物が脅威にならずにすんだのは、着陸した場所が南極という孤立した地域で、しかもすべてが凍りついていたから。凍っても死んだわけではなく、冬眠と同じ。覚めた後、何かに同化してここから出て行けばいい。ブレアが考えたのは、”それ”をここから出してはいけないということ。だからヘリを壊し、雪上車を壊し、無線も壊す。犬も殺す。誰も寝てはならぬ・・じゃない、出て行ってはならぬ・・なのだ。こいつが同化を始めたら2万7千時間で人類はおしまい。いや、もっと早いと思う。なぜなら人間は疑心暗鬼になって、お互い殺し合いを始めるから。この時点ではブレアは頭がおかしくなってるとは言え、”それ”に乗っ取られてはいないようだ。もしすでに”それ”なら交通手段、通信手段をなくすようなことはすまい。この場合もみんなの前で説明するとかじゃなく、すぐ壊しにかかる。

遊星からの物体X5

銃もぶっ放していたから、みんなを殺すつもりだった?途中でマクレディも?・・と思わせたりして、工夫はしてあるが、全体的には単調で、もたもたしてるかも。次から次へ、息をもつがせぬ・・って感じじゃない。ここはこうなってるけどあっちはお留守・・みたいな、行き届かなさを感じる。でも・・興行的には失敗でも、その後長くSFファンに愛され、支持される理由はわかる。ちゃんと作ってあるのだ。ちゃらちゃらゆれる画面や、いきなりの大きな音、飛び散る血や内臓だけの映画なら今頃忘れ去られていただろう。さて、血の反応によって人間かどうか見分ける・・というのは原作通りだ。指を切るシーンは見たくないなあ。子供の頃何度指を切ったことか(いや~ん)。最後の方はちょっと不満が残る。クライマックスのはずだが、チャイルズがちっとも出てこない。手作り宇宙船・・ウームやっぱり宇宙船って手作りできるんだわ・・と「ターミネーターズ」思い出す私。道具小屋に閉じ込められていたはずのブレアだけど、短時間の間にいろいろやったようで。いつの間にか乗っ取られてるし。一度マクレディが小窓から覗くけど、手前に首吊り用のロープが下がっていて・・ギャグ?乗っ取られる前に自殺?”それ”と勘違いされ、外に置き去りにされ、孤立したマクレディのシーンも・・緊迫すると言うより笑っちゃう。眉とかまつ毛とか凍りついて・・ギャグにしか見えん。発電機がやられ、どうせこのまま凍死するならみんな燃やしちゃえ・・となるのも、いかにもアメリカ的。じっと待つとか、細々と生き長らえるとか、そういう発想はないのだ。パッと華々しく散ろうぜ!って感じ?で、何とか”それ”をやっつけるけど、生き残ったのはマクレディとチャイルズだけ。しかも凍死は時間の問題。春になって救援隊が来るまでそのままよ~ん。最初見た時は、このまま終わるはずないって思ってた。救援隊が現われると思ってた。まずノルウェー基地ともアメリカ基地とも全然連絡が取れないってのがある。そのままにしとく?次に宇宙船溶かすための爆破がある。あんな巨大な穴が開くくらいだから、かなり大規模で、アメリカ基地でもゆれを感知したはずなんだけどな。

遊星からの物体X6

もちろん他のところでも(他の国の基地だってあるでしょ?)。あるいは宇宙からも・・監視衛星とか・・(1982年じゃ無理?)。それにノルウェー基地から何か異変知らせる連絡(本国に)出ていたかもしれないじゃん。一目見りゃ宇宙船ってわかるし。それやこれやで救助に出発していたっておかしくない。近づいてみりゃ基地が爆発し、景気よく燃えてて、まわりがよく見える。それ急げ・・と駆けつけ、マクレディとチャイルズは危ないところを助かりましたよかったね・・となって何がいけないんですか。どうしてこんな救いのないラストにしたんですか。そのせいで目ざとい人が、チャイルズの息が白くないぞ、マクレディのは白いのに・・と気づいて。さてはチャイルズ、姿消してる間に乗っ取られ(血液テストはオッケーだったから、その後ってことになる)たな・・と指摘する。私なんか今まで数回見てるけど、そんなことじぇんじぇん気がつかなかった。言われてよく見りゃあらホント白くない。そう言えばブレアもいなかったし・・なんて思ってみたり。結局マクレディの苦労も水の泡?でももう死ぬんだし、どうなろうとかんけーねーって感じ?でもネットによるとこれはたまたまで、別にチャイルズは乗っ取られたわけじゃないそうで。息のつけ忘れ・・と。それにしても”それ”はどういう形しているんですかね。同化するってのはわかるけど、同化する前の状態が不明。ああいう宇宙船を作るほどの文明持ってるくせに、なぜ形を持たないのか。でも氷漬けになっていたってことは形があったってことだし(わけわからん!)。私自身は、彼らが宇宙船操縦していたとは限らないと思う。彼らは廃棄物、ゴミ、厄介者だったかも。創り出したものの、制御できず、始末に困った誰かが捨てたのよ。蜘蛛みたいに足がパッと出るシーンがあったけど、基地のどこかにいた蜘蛛と同化したのよ。鳥がいれば翼を持ち、魚がいれば泳いで移動する。そう言えば原作ではアホウドリが出てきて、マクレディ達を心配させていたっけ。ああやって燃やし尽くしたとは言え、どこかに一滴でも残っていれば、侵略は可能。危機は去ったわけじゃない、そういう警告も含め、ああいうラストにしたのかな。日本での公開はいつかな。見たらフフンやっぱカーペンターの方が、カート・ラッセルの方が上だぜい・・とか思うんでしょうなあウヒ。

遊星からの物体X ファーストコンタクト

「遊星からの物体X」の前日譚が作られたと知った時には驚いた。リメイクならわかるけど・・。リメイクでラストをハッピーエンド風にしてくれるなら大歓迎だが・・。前日譚も興味深い設定ではあるけれど、何が起こってどういう結果になったのかははっきりしている。悲惨な結果、全滅。そういうのを見たい人いるかね。まあこれを見に行く人は「遊星からの物体X」ファンがほとんどだろうな。ジョン・カーペンターやカート・ラッセルにしびれた人達。それとあの特撮。ノルウェー基地というのははっきりしているので、そこにアメリカ人が加わるという苦肉の策。全編ノルウェー語でやるわけにいかない。生物学者ザンダーとその助手アダム、それと古生物学者ケイト。何を掘り出したか言ってくれないザンダーだが、ケイトは引き受ける。これが運命の分かれ道。基地へ向かうヘリのパイロット、カーターはケイトが気になるようだ。冒頭雪上車がクレバスに落ち込むので、こりゃ助からんと思っていると何事もなくスルー。何か重要なこともこの後あれこれスルーされてて。誰が何の役目やってるのかも不明。はっきりしているのは犬係のラーシュくらい。と言うか、誰が誰やら。ザンダーのキャラもお約束。地球外生命体の発見は秘密にしておきたい。だから救援呼びたくない。エイリアンが動き始めてからは何が何だかわからない。流れは「遊星からの物体X」と同じで、目新しいことはなし。血液検査の代わりに口を開けて詰め物があるかどうか調べるくらい。肝腎のエイリアンも見せ方がへたなせいか驚きはなし。どの部分を取っても「これは・・」というものがなく、これじゃ作った意味ないじゃんと思うばかり。一番げんなりするのは、ケイトがカーターを焼き殺すこと。彼女はピアスの有無でカーターをエイリアンと判断するのだが、このシーンに説得力がない。確かに前にカーターのピアス少し長めにうつるシーンはあるのだが、そんなことに気づくのはノベライズ読んでる人くらいで。ちなみにノベライズではケイトがエイリアンということで終わるが、映画ではなし。逃げ出した犬をヘリで追い、「遊星からの物体X」につなげなきゃならないからね。あたしゃケイトとカーターがこの後数日かかってアメリカ基地へたどり着き、生存者二人を見つけるというラストにして欲しかったです。ケイト役はメアリー・エリザベス・ウィンステッド。カーター役ジョエル・エドガートンがラッセルに似ているのがうれしい。この人「キンキーブーツ」に出ていたのね。