ヤングヒーロー

ヤングヒーロー

これはテレビで二回ほど放映された。誰が出てるかも知らず録画したのだが、私の大好きな熊長貴が出ていたので、狂喜乱舞した。他に彼を見ることができるのは「ドキュメント 燃えよカンフー」くらいだと思う。今はユーチューブで武術大会での演武とか見られるけど、当時はね。ストーリーはよくわからない。何やら真剣に、あるいはコメディータッチであれこれやってるけど、土台となる知識がないので何が何やら。日本では未公開で、ビデオもDVDも未発売。ヤクオフあたりでDVDが出てるようだが、よくわからん。見ようによってはチビッコ達の大冒険と言うか。出てくる悪人どもも、残忍な反面愛敬があって抜けているし。逃げてはつかまり、つかまえては逃げられたりのくり返し。いちおう冒頭に今から250年前というナレーションが入るから、清朝に入って100年以上たってる。王二毛(張勇)という子供が天地会のリーダーの息子で、いけどりにすると賞金が出るらしい。天地会は清朝を倒そうとする者の集まりで、子供達はその砦を目指しているのか。彼らに加わるのが”大丈夫”という10歳の子供。これはニックネームか。臆病なのを心配した親が、しっかり者の10歳年上の女性と結婚させるが、大丈夫は怖くて逃げ出してきたと。この嫁さんやってるのが蛇拳の女王張小燕。美しさ、強さだけでなく、包容力のありそうな、頼りがいのありそうなタイプ。20歳の女性が10歳の子供と結婚させられてどう思っているのかなんてのは関係なし。こういう映画では1か10しかない。生きるか死ぬか、やるかやられるか同様、独身か既婚かであって、その間の揺れ動く微妙な女性心理など存在しない。結婚した以上子供だろうが何だろうが家にいなければならない。だからいなくなったら地の果てまでも追いかけて捜し出し、連れ戻すだけ。大丈夫が怖がろうがいやがろうが関係なし。それに大丈夫は逃げ回っているけど、ピンチを助けてもらったりするとやっぱりうれしい。戦いのシーンの連続だが時々息抜きのシーンもあって笑わせる。それとお色気シーンは皆無なんだけど・・きれいな女性が出てきても戦うだけでそれ以外の部分が人生に存在しないみたいなのだが・・やっぱり張小燕が出てくると画面がパッと華やかになって。いかにも柔らかそうな体つきで、顔立ちもかわいらしくて、それでいてキッと目に力が入ると強さを感じさせて。

ヤングヒーロー2

蛇拳は文字通り蛇の動きを取り入れているけど、しなやかで鋭い手の動きだけでなく、体もくねらせる。それがまあ見ようによっては色っぽいし、笑わせようと思ってやってるんじゃないけど、つい笑ってしまうと言う・・。まあ自分で書いててもわけわからんけど、見たことのある人にはわかってもらえるでしょう(たぶん)。大丈夫は郝勇という人・・と言うか子が演じているけど、武術の選手と言うよりはアクロバット系に思える。他の子はみんな表情が硬いけど、この子は表情豊か。子供の部分と大人の部分があって、他の子より演技の幅が広い。冒頭のシーンでは死者がいっぱい出る。王二毛を逃すための戦いなのかな。悪人どもは賞金稼ぎと書いてる人もいるけど、リーダー格司馬力は将軍らしいから、清朝政府側の追っ手なんだろう。司馬力役は李殿芳(方)。ヒゲのせいで30くらいに見えるけど、来日公演の時のパンフレットによると1961年生まれ。この映画は1983年だから22歳くらいか。彼に限らずみんな若いのよ。子供達は別としてほとんどの人が1960年前後の生まれ。李は細身で整った顔立ちで、悪役なのがもったいないくらい。八の字ヒゲを生やした高明役は胡益林。ちょっと三宅裕司氏似。頬から毛が生えてる変色龍が呂立。公演パンフレットにある呂力という人とそっくりだけど、同一人物だろう。范龍役は任剛。任剛も来日公演で見た。武術雑誌に何度か記事が載るほど有名な人。マイケル・シーンみたいな顔立ちの李超役は曹科潤。この人もハンサムだな。で、お目当ての熊長貴だけど、鉄彪という役。一回目に見た時より二回目の方が時間が数分長くて。彼の出番も二回目の方が多かったような。こらッ、熊長貴の出演シーンを削るなんてどういうことだッ!許せんッ!他はどこが削られていたのかよくわからんけど、ええいめんどくさいどっちもダビングしてしまえ・・と。放映時はベータで録画したから、後でVHSにダビングし直すはめになった。で、今度はDVDでしょ。DVDは甥っ子に頼んでベータからダビングしてもらったのよ二種類。ベータからVHSにダビングしたのも二種類あったはずだけど、いつの間にか一本見当たらなくなって。で、今回見直したら残っていたのは数分短い方で。でも仕方ないからこれをDVDにダビングするのだわ。

ヤングヒーロー3

それと言うのもベータからダビングした方は画面に最初から最後までノイズが入りっぱなしで。そのうちなくなるかなと思ったら最後までチラチラしてて。でも仕方ないんだわ。いつ録画したのか思い出せないくらい昔のテープなんだから。だから今度は画面がちらつかないようずっとへばりついてトラッキング調整やってたんだわ。今度ダビングしたら三枚目のDVDになる。わたしのまわりは「ヤングヒーロー」だらけだわ、いったい何をやってるのかしら。内容のことはほとんど書いてないけど、これまでのことからわかるように、あってないようなもので。これで日本で公開されていれば少しは情報も増えたんだろうけど。まあ出来はいいとは言えない。川のそばで何かやってたかと思うと山にいるし、山かと思ったら雪や氷の世界になるし。いったい季節はいつなんだろう。そのうちモンゴルかチベットみたいになって、羊の暴走かと思ったら牛の暴走やってるし。こんなに広大な地域逃げたり追ったりじゃめぐり合わないと思うけど、必ずめぐり合うし(GPSでもつけとるんかいな)。そう言えばモンゴルだかチベットだかのジイサンは清朝とは思えないようなしゃれたメガネかけてたな。いつの間にか馬に乗ってるし、上半身裸になったかと思うと次の瞬間には元通り着てるし、何が何やら。でもそんなのは気にしないで追いつ追われつを楽しんでいりゃいいんでしょう。鉄彪はみんなに裏切り者と思われていて、彼が裏切り者のはずはないから(熊長貴だし!)、じゃあ誰が裏切り者なのかと思うけど、悪人どもの他は子供ばっかりだから該当人物おらん。そのうち裏切り者じゃないとなるけど、何で疑い晴れたの?結局彼は子供達を助けるため砦から派遣された用心棒らしい。クライマックスの戦いのうち前半は夜の闇の中だから、何が何だかよく見えない。そのうち・・と言うか、いきなり明るくなって味方がど~っと押し寄せて乱戦状態。中国全土から集められた武術隊のメンバーがここぞとばかり妙技を披露。こうなると五人しかいない悪人どもは不利で。次々にやられてしまうのは小気味がいいと言うよりかわいそうで。全編にわたって軽快な音楽が鳴り響き、エンドクレジットでは武術雑誌でおなじみの名前がずらずらっと流れる。沈建軍、沈素絹、王萍、彭英・・。でも何と言っても熊長貴です。きりっとした醤油顔。ほよよ~。張小燕と二人で氷の山を行くところ・・手なんか差し伸べちゃったりして親切な・・。年齢も近いし何かあってもよさそうなものなのにねえ・・ムヒヒ。