NY心霊捜査官
これは映画館でも公開されたらしい。原作があるようだが、文庫ではなく単行本か。2010年のイラク、三人の兵士が戦闘中穴を見つけ、入ってみるとものすごい悪臭。そのうち何やら起きる。何となく「エクソシスト・ビギニング」風。時は移って2013年のニューヨーク。市警のサーキ巡査部長は相棒のバトラーと組んでパトロール。毎日夜勤なのかな。サーキはバトラーからレーダーと言われている。ただのありふれた通報も、中にはぴんとくるものがあって、そういうのはいただきだ。捨てられて死んだ赤ん坊、妻を殴る亭主、地下室から聞こえる奇妙な音に悩まされる家族、動物園での子供殺害未遂・・どれもこれもやりきれない事件だ。バトラーは深入りせず楽天的にふるまうが、サーキは考え込む方だ。家でもうわのそらだと妻ジェンに文句言われる。二人目の子供ができたのに、仕事仕事で家庭を顧みない。何かあるのなら私も知っとかなくちゃ。話してくれなきゃ力になれない。まあここらへんはいかにもアメリカですな。黙ってることは許されない。サーキは動物園で危うくライオンの餌になるところだった。動物園でおかしくなったジェーンには噛みつかれたし、HIV感染の危険とも隣り合わせだ。DV亭主のジミーはイラクの三人のうちの一人だ。妻の話によると、時々発作を起こし、道路や床を引っかくと言う。彼はイラクでは映像をとる係で、その時のが家にある。あの~軍事作戦の記録が何で家にあるの?例の家の地下室からは何と死体が出てきた。塗装工グリッグスのだ。彼も三人のうちの一人で、妻はジェーン。残りの一人サンティノと組んで、塗装会社を始めたばかり。昔のよしみでジミーの家の壁も塗ってくれたが、サーキがはがしてみると何やら文字が。ジミーのうつした映像、ライオンのいるところの壁にも同じ文字が。サンティノが書いたそれを見たジェーンが影響され、子供を放り投げたらしい。まあ要するに調べていくうちにみんなイラクでの出来事に繋がるわけ。以前からジェーンの面倒見てるのが神父のメンドーサ。登場した時女性達(ジェーンも)の写真貼ったアルバム見てるし、その後外を走って、途中でバーに入る。すぐに女性が声をかけてくる。
NY心霊捜査官2
だから私はてっきりこいつは連続殺人犯なのだと。この女性に目をつけて店に入ったのだと。そしたらすぐ店を出ちゃうし、じゃあ外で待ち伏せかと思ったら違うし。後で神父とわかって、あれれとなる。カラーもつけず、酒は飲むわタバコは吸うわ、おまけに元薬の依存症。彼が悪霊がどうのなんて言ってきてもサーキは相手にしない。彼は過去のある事件のせいで無神論者になってる。彼は他の人には見えないものが見え、聞こえないものが聞こえる。神からの贈り物だが、その代償として悪魔に目をつけられる。家族にも危険が迫る。サンティノはバトラーを殺し、ジェーンを殺し、サーキの妻子を誘拐する。その居場所を吐かせるには悪魔ばらいをするしかない。てなわけでクライマックスはバリバリの悪魔ばらい。「ザ・ライト」もそうだったけど、悪魔に名前を言わせるのが勝負の分かれ目なのね。どんな悪魔、悪霊にも名前があるのね。私は冒頭からの地味で退屈ではあるけれど、いや~な感じのする流れが気に入って。見ていて、オッ、久しぶりに拾い物に出会ったぞ・・と喜んでいたんですの。だから騒がしくてチカチカしていて、画面揺れまくりのクライマックスはちょっとねえ。サーキ役エリック・バナを見るのは初めて。地味としか言いようがないけど、元々はコメディアンとして有名らしい。彼もよかったけど、それ以上によかったのはバトラー役のジョエル・マクヘイル。大柄で頼りになる。軽薄そうに見えてまとも。それだけに途中で死んじゃうのは残念。何で銃を使わなかったのかな。メンドーサ役はエドガー・ラミレス。「バンテージ・ポイント」や「ボーン・アルティメイタム」に出ていた。サンティノ役ショーン・ハリスは「プロメテウス」に出ていたようだ。今回の役は大変だっただろうな。血と汗にまみれて大奮闘して、お昼ごはん食べてから「はい、続き行ってみようか」ってなるんだろうなあ、俳優さんも偉いな。サーキは実在の人で、警察をやめてメンドーサとコンビ組んで除霊行脚しているらしい。これからも霊能警官として・・じゃないのね。まあ、そっちはお金にならないものねえ。てなわけでちょいとアレな部分もあったけど、全体的には好みのタイプ。見てよかった。