DOOM ドゥーム

DOOM ドゥーム

「DOOM」はゲームの名前らしいが、私はゲーム関係は全く興味ないし知識もない。辞書によればDOOMは運命(悪い方の)とか最後の審判という意味である。映画の売りは「一人称視点シューティング」なのだそうだが、何のことですか?予想としては「バイオハザード」みたいな感じかな・・と。出演者はザ・ロック様、カール・アーバン、ロザムンド・パイク。この顔ぶれにそそられて見に行きましたの。平日のシネコン、お客は八人くらい。ほとんどは若い男性、つまり普段からゲームやっていそうな人達。オバさんは私一人、当然のことですが。いきなり火星にあるユニオン宇宙社の研究所で何か起こって、ゾンビかエイリアンにでも襲われているような騒ぎ。かけ込み乗車はおやめくださいってば。もう扉閉まりかけていますってば。ほーら手をはさまれた、言わんこっちゃない、はさまれただけでなくちぎれてポロリですよ。地球に緊急連絡が入り、海兵隊の緊急対応戦略部隊、つまりザ・ロック様を隊長とする精鋭達、つまりロックグループが手に手にギターを持って・・じゃない、銃を持って出動するのでありんす。えッ!間に合うの?と心配した私は世間知らずでした。分子操作装置とかいうので火星までばびゅーんとひとっ飛び、ぱ・る・る送金だいッ!冒頭ナレーションが入るんだけど意味よくわかんなーい。2026年ネバダ砂漠と火星の古代都市をつなぐ通路が発見されたんですってさ。その通路が「アーク」で、なぜ作られたかは20年後の今も謎のまま。要するに「スターゲイト」みたいなもんでしょ。ザ・ロック様扮するサージが乗り込んだからにはもう安心。これ以上はないというくらい目玉ひんむいてすごみきかせるけど、前にも書いたけど百面相にしか見えないんですってば。カール・アーバン扮するリーパーは別として残りの六人は犠牲になること間違いなし。中には日系のもいて、名前がカツヒコ・クマノスケ・タカハシですってよ!すみませーん誰か注意する人いなかったんですか?何でクマノスケ?どうせならカツヒコ・クマノミ・ニモ・タカハシにしろッ!デストロイヤー役の人は「サンダーバード」に出ていたの?フッドの部下かな?ゴート役の人はリチャード・ロクスバーグにちょっと似ていて印象に残る。火星の通信員ピンキー役の人は、どこかで見たような・・とずーっと思っていたのだけど「ビロウ」に出ていた。

DOOM ドゥーム2

このピンキー、下半身がないんだけど、分子操作装置のミスらしい。上半身と下半身が別々のところへ転送されちゃって、それでよく生きてられたよなあ。リーパーは火星に何かいやな思い出があるらしく(トラウマですよ、お約束の設定)、サージも連れていきたくなさそう。でもやっぱりリーパーは思い直して一緒に行くんです(行かなきゃ映画にならんもん)。出迎えた美女サマンサとは顔を合わせたそうそう険悪ムード。さてはこの二人恋人どうしで、気まずい別れから10年たっていて、会えば会ったで焼けぼっくいに火が・・って誰もが思ったはず(私もです)。でも・・違うんでーす。姉と弟?しかも双子?うっそー全然似てないじゃん。双子にする必要ゼロ。この映画色恋沙汰はゼロです。普通ならリーパーとサマンサの恋、それがだめならサージとサマンサの恋、それがだめならリーパーとサージの恋(冗談ですってば)、とにかく何かしらロマンスの要素を入れる。しかし皆無なんですよ。変わった映画。さて姉と弟は火星での両親の死が原因で疎遠になっていたんだけど、はっきりしたことは全然わからない。この映画(この映画に限ったことではないが)ストーリーの土台となる部分が省略されていたりいいかげんだったりする。迷路のような施設での怪物との戦いがメインになっている。だからそれ以外のことはどうでもよくて、映画としての厚みも深みもないの。出演者の魅力とか変わった映像で何とか最後まで引っ張っていくの。「アーク」って何なの、サマンサが研究しているヒューマノイドのルーシーって何なの、火星の古代都市って何なの。誰が築いたの?元々火星人がいたのか、古代の地球人が「アーク」を通って火星に来たのか。謎は何一つ解明されないの。焦点になるのは24組目の染色体。これがあると知力・体力は人間以上、細胞分裂の速さは50倍、傷を負ってもすぐに治っちゃうし細菌もウィルスもへっちゃらの超人となる。サマンサは知らなかったけどここでは死刑囚、つまり凶悪な人間に24組目の染色体を移植する人体実験が行なわれていた。その男が怪物化したのが今回の事件の発端と言うわけ。ルーシーは超人の方だったらしい。まあそういうことはいいんだけど、私が気になったのは細胞分裂の速さ。速いとそれだけ老化も早いんじゃないの?せっかく超人になっても寿命縮んだら何にもならんのでは?

DOOM ドゥーム3

そういうわけのわからんものをサマンサはリーパーに注射しちゃうんですよ。あなたは超人になるから大丈夫・・って根拠のない自信でいっぱいのサマンサねーさんにリーパーは困惑します。もし怪物の方になったらどーするの、ボクチャン困るんですけどぉ・・でも!映画だからリーパーは超人になります。よかったね!でも副作用とかそういうの全然わからない状態でムチャなことしますな。いざとなると女の方が度胸あるんですよ。どうせ変身するの私じゃないしぃ。困惑するアーバン君かわいいです。一方登場した時には正義の味方、ヒーローバリバリだったのに、ここへきておかしくなっちゃったのがサージ。何か理由があっておかしくなったと言うより、いつの間にかおかしくなっちゃった。だいたい軍と会社の関係からしてわかんない。普通何かトラブル起きたら会社の保安部門が処理するでしょ。でも直接海兵隊が出動している。軍が動くってことは会社ではなくアメリカ、あるいは地球を守るってこと。火星で処理できなかったら今度はトラブルが地球に持ち込まれないようくい止める。ところが怪物は「アーク」を通って地球へ行ってしまった。そうなったら今度は怪物が地上に出ないよう会社の地下部分でくい止めなくてはならない。そのためには怪物だけでなく、これから怪物になるかもしれない人間、つまりここにいる者全部を殺すとザ・ロック様は宣言するのだ。ザ・ロック様がそう決めたら誰も反対することは許されませんのじゃ。怪物に襲われても全員が怪物になるわけではないとサマンサが説得しても聞く耳持ちません。言うこと聞かないやつは例え自分の部下でも殺しちゃう。だってそれが我々に与えられた任務なんだもーん。あまりにも強すぎる使命感、責任感。それでいて火星での実験や何かのデータを持ち帰るようサマンサに命令していませんでした?おぞましいデータ全部破棄して、将来同じことする輩が出ないようにするのが普通だけど・・。火星ではこんなとんでもないことユニオン宇宙社のやつらがやってたという証拠にするのかな。まあこのあたりのサージの言動がおかしくなり始めた最初。見ていて「あれ?」と思う。サージらしくない。元々そういう傾向があったのかサージはどんどんおかしくなり、怪物に襲われた後自分も怪物化。スコーピオン・キングで見慣れてるから怪物になっても平気よ。

DOOM ドゥーム4

でもこの映画ではそこまで行かなかったな。わりと元のままでリーパーと戦っていたな。結果的にそれでよかったんだけどさ。超人になったリーパーによる一人称視点シューティングは、カメライコールリーパーの目線イコール我々お客の目線。我々は自分が怪物を撃ち殺しているような気分にひたれるわけ。この部分は宣伝するだけあってよくできていると思う。超人の目線が訓練された海兵隊員の目線とどう違うのかという疑問は残るけどね。やられる方は大した抵抗もせずやられっぱなし。中には逃げるのもいて、こら怪物にあるまじき行動だろ、逃げてどうする・・それじゃ怖くないってば。続編作るとしたらやられる側にもうちょっと工夫(抵抗)お願いします。せっかくリーパーが超人になったんだから「2」も作ってよ。解明してない謎いっぱい残ってるしストーリーなんかすぐ作れるってば。あとは資金だよな。とにかくアーバンよかったですぅ。ザ・ロック様には迫力とか信念とかあるけど(ありすぎるけど)、暗い過去とか姉弟間の確執とか、そういうこみいった表現はムリ。ザ・ロック様は生まれた時からギロリと目をむいていて、背中には刺青あって、国に命ささげていると思う。オギャーなんて言わない。「出動!」とか言って出てくる(どこからだよ)。アーバンは私としてはもうちょっときれいな感じで出てきて欲しかったけど・・不精ヒゲでちょっとむさくるしいけど・・まあいいわ。ブラピとデル・トロ足して二で割ったような感じ。暗くて複雑で、でも純情で心やさしいの。超人になってもそのやさしさは変わらない。細い体でザ・ロック様との肉弾戦をこなす。この映画最後近くまで銃撃ちまくり描写が多く、単調なの。隊員一人一人が違うタイプの銃持つんだけど、私には違い全然わかんない。みんな同じに見えちゃう。ものすごく大型のバイオ・フォースガンというのが出てきて、これだけは他と違うのわかるけど、使われ方が今いち。もっとハデにどんどん使ってそこらじゅうぶっ壊せばおもしろいのに・・残念。てなわけで単調でわかりにくく(暗くて見えにくい)、銃で撃ちまくるだけで終わりなのかなと覚悟していたんだけど、最後ボッカスカ直接戦ってくれたので・・よかった。まああんまりヘンな動きにならないようワイヤーは控えめにしております。いちおう使っているんですよ。でもコソコソって感じです。あら?使ってるのばれました?

DOOM ドゥーム5

すみませーん、まあこれくらいは見逃してネ、ウフ・・そんな感じです。ザ・ロック様本職ですから迫力あります。嬉々としてやってます。アーバンはよく耐えてます・・じゃない、よくやってます。超人には見えないけどそりゃ仕方ないです。生まれた時から超人のザ・ロック様に対し、こちらはほやほやですから。そう言えば昔「超人ロック」というマンガあったな。さて、この映画ザ・ロック様主演だと思って見に来るわけですが、ちょっとびっくりします。もしかしてアーバン主演?おかしくなったサージは何の罪もない女子供まで全員殺す(さすがにザ・ロック様のイメージダウンになるといけないからそのシーンは出てきませんが)。しかもそのサージが今度は怪物になって地上を目指すけど超人となったリーパーがやっとのことで倒す。つまり主演はどちらかと言うとアーバンの方に思えるんですけど。ラストはエレベーターで地上に上る姉と弟。リーパーは足をケガしたサマンサを抱いている。うつむいた愁いをおびたリーパーの表情がステキです。この映画ラブシーンゼロで、この二人も姉弟なわけですが、どう見たって恋人どうしです。ロマンチックです。そこがよかったですぅ。ただし見方によってはロザムンドが恐縮しているようにも見える。抱いてもらうのはいいけど何しろ彼女豊満ですから・・アーバン大変だと思う。「お・・重い、は・・早くカットの声かけて・・ほ・・し・・い・・ぐるじい」と訴えているような彼の表情。ロザムンドの表情も「ご・・ごめんねアーバンさん、あの一皿やめておくべきだった」って言ってるみたい。これが配役逆で(逆でもおもしろかったと思う)、サマンサ抱いてるのがザ・ロック様だったら・・楽勝よね。片手にサマンサ、片手にリーパー、両手に花でも平気よ!エンドロールではまた一人称視点シューティング。今度は怪物ではなく、出演者の名前が標的。凝っててよかったと思う。クレジットを見ていたらアクション振付担当でディオン・ラムの名前が・・。もしかしてテレビの「ザ・ハングマン」に出ていた人かしら。さてと・・全体的にさほど怖くも衝撃的でもなく、どこかで見たようなものばかり。単調でうすっぺらいけど、でもけっこう楽しめた。シネパトスまで行けば二回見られるから、ストーリーももっとよくわかったと思うけど、シネコンで一回で間に合わせちゃった。ああザ・ロック様、その体力私にも少し分けて!