ドラキュラ・ゼロ

ドラキュラ・ゼロ

これは字幕版になかなか当たらなくて、今回こそと思ったらまた吹き替え。吹き替えだと人の名前とか地名とか聞き取れないんだよな。見るのやめようかと思ったけど、もう放映も終わりだろうし・・と見ることに。主演のルーク・エヴァンスがハンサムなので前から気になってはいたのよ。串刺し公と言われたのは昔の話。久しぶりに領地に戻ったヴラド(エヴァンス)の望みは愛する家族との暮らしと領民のための治政。でも、オスマン帝国皇帝メフメト2世(ドミニク・クーパー)が無理難題を押しつけてくる。昔は一緒に戦った仲だけど、偉くなると尊大になるやつっているんだよな。こっちはちゃんと貢物して恭順の意を示しているのに。息子を差し出せ、男子を1000人差し出せ。見ながら思ってましたよ、「軍師官兵衛」と同じだなあって。何だかんだ言いがかりつけて取り潰そうとする。嫡子を差し出せ、奥方を差し出せってね。身分の高い人も楽じゃない。日本なら涙こらえて自己犠牲となるけど、向こうはそうはいかない。行かないですむって言ったじゃないですかとか、大丈夫だと言ったじゃないですかとか反撃食らう。息子一人のためにいったい何人死んだのかいな。いやもちろん妻のため息子のため愛のためなら何でも許されるんですけどさ。今回はあまりにもヴラドの境遇が悲惨すぎてねえ。・・ヴラドはトルコの偵察兵が潜んでいるらしいと、牙の山へ。洞窟で部下を二人なくすけど、そのうちの一人アンドレだか何かはかなりのイケメンで、早々の退場は残念。シュシュッ、シュババッ、パッパッ、チカチカ・・相変わらずなくならないなオレオレ詐欺・・じゃない、ユレユレ撮影。何が何だかさっぱりわからん。ヴラドは何とか魔物から逃げるけど、メフメトとの戦いが避けられないと悟ると、自分から魔物に会いに行く。魔物の力でも借りない限り勝つのは無理。魔物は要するに吸血鬼で、自分の代わりを見つけないとここから出られない。それを向こうからノコノコやってきてくれたのだからチャンス!魔物の血を飲んで吸血鬼としての能力は身につくものの、太陽の光や銀は避けなければならず、血を求める強烈な飢餓感も耐えなければならない。三日たてば人間に戻れるけど、人間の血を飲んだらそれまで。ヴラドは吸血鬼になり、魔物は解放される。要するに三日の間にトルコの大軍をやっつけなければならないってこと。

ドラキュラ・ゼロ2

で、ほとんど彼一人でやっつける。戦ってるところを味方に見せるわけにはいかない。人間離れしているのだから。で、疲れきって帰ってきて休みたいのに奥さんが迫ってくるわけ。いやホント向こうの人は大変ですな。見ていて目新しいものはないです。何をやろうが例のうつし方されるとみんなおんなじになっちゃう。変わっていると言えばヴラドの苦悩で、敵ばかりではなく味方にも襲われる。最初は隠してるけど、隠しきれるもんじゃない。奥さんに説明してよって言われるけど、説明すればまた私に黙ってと何たらかんたら言われるし。息子手放すのいやだってごねたのアンタでしょ~が。味方はヴラドを焼き殺そうとするし、おまえらのためにこうなったんだろ~が!と、ヴラドがブチ切れるのも無理はない。兵隊も領民も結束力のなさ、もしもの時に備えての用意のなさがとにかく目立つ。城では持ちこたえられないと山の上の修道院へ。城が攻撃されてあちこち崩れてるってのにヴラドと妻はキスを・・オラオラそんなことやってるバヤイではないだろ~が!太陽が昇る前にやっとくこといっぱいあるだろ~が!いや、私がヤキモキしても仕方ないんですけどさ。まあ敵もねえ。ヴラドの強さに兵の中には動揺する者もいて。見えるから怖いのだ、見えなければいいのだと全員目隠しして行進・・バカか?結局息子はさらわれ、妻は死に、妻の血を飲んで吸血鬼に。死にかけた味方を吸血鬼にして敵を滅ぼし、その後は太陽の光で吸血鬼を滅ぼす。それというのも吸血鬼達が息子を殺そうとするから。息子を逃れさせ、自分も死ぬけど後で生き返る。彼は現代も生き続け、ある日妻そっくりの女性にめぐり合う。今のヴラドは太陽も平気らしい。数百年の時を超えて愛する人に再会して・・これからどうするんだ?人間と吸血鬼じゃ結ばれるのは無理ですぜ。成り行きが気になるのは魔物も同じ。さてどうなるか見てやれとばかりにあとをつけるストーカーじじい。ロマンチックなラストだわ~と皆さん思います?あたしゃあんなつらい思いしたのにまた同じ女に引っかかるのかよとがっかりしましたな。遠くから見て微笑むだけにしとけばロマンチックだったのにナンパしたんじゃあねえ。とは言えエヴァンスはステキでした。魔物役はチャールズ・ダンス、賢者シミオン役は「ルイス」で見たばかりのロナン・ヴィバート。