第七の予言

第七の予言

テレビで「ターミネーター」を見てマイケル・ビーンのファンになり、彼が出ているというので映画館へ見に行き・・それで終わっちゃった。私としては珍しく超短命のファン歴。もちろん「エイリアン2」とか好きですけど。何ですぐさめちゃったのかな。この映画でのビーンはとってもステキなのに。でも、インパクトがない。ハンサムでいい人。夫としては申し分なし。でも現実の世界ではそれでいいけど、異常な状況・・世界の崩壊とか・・では不十分なの。と言うか、そもそも私にはこの映画の意味がさっぱりわからなかったんですけど。あんまりおもしろくなかったってことなんですけど。ハッピーエンドじゃないし。聖書に記された七つの予言とか言われても、こちとらキリスト教徒じゃないし、何が何やら。異常気象とか地震とか、昔なら神の怒りと考えても無理ないけど、今はねえ。特にしょっちゅう地震に見舞われている日本人は、何とかプレートのせいであって、神の怒り世界の崩壊とは思わない。聖書の予言よりも、今後〇〇年以内に地震が来る確率は何パーセントという予言の方がよっぽど気になる。こういう映画見る度に、こういう状況になったって人類は変わりませんぜ・・と思う。酒とかタバコとか麻薬とか、体に悪いとわかっていてやめられないのと同じ。戦争も殺人もその他モロモロもなくならない。悪いとわかっていてみんなやってる。こういう映画の常として、誰かヒーローのおかげで、誰かが犠牲になって世界は救われたとかさ。でもそんなの一時的なもの。また同じことのくり返し。で、そんなことやってるうちに、「ノウイング」みたいな滅亡の日が来るとかさ。さて、これが公開されたのは1988年。その後テレビでやったかな?今回WOWOWでやってくれたので、それこそ12プラス16で28年ぶりくらいで見たわけ。ひゃ~もうそんなにたつの?世界のあちこちで異常な現象が起きる。ハイチでは大量の魚が死ぬ。ネゲブ砂漠のテロリストの村は凍りついていた。ちなみにここは昔ソドムがあったところらしい。それ以外にもあれこれ起きる。ローマ法王庁から調べに来ているのがルチー神父(ピーター・フリードマン)。後で彼はこれらの現象は聖書にある予言とは無関係と断言し、法王庁の連中を安心させる。

第七の予言2

ハイチに現われた、場違いな感じの外国人(ユルゲン・プロホノフ)。彼はデヴィッドと名乗ってアビー(デミ・ムーア)の家の離れに下宿する。彼女は妊娠中だが、以前流産し、両手首には自殺を図った時のカミソリのあとがある。夫ラッセル(ビーン)は弁護士で、今難しい案件を抱えている。こちとら聖書の予言より別のことが気になる。ラッセルは、両親を殺したジミーを死刑から救おうと懸命な努力を続けている。両親は兄妹で、ジミーは神の教えにそむいた者を罰したのだと信じている。病院送りはいやだと心神喪失の申し立てを拒む。彼はダウン症だとはっきりわかる顔つきをしているが、それでも死刑になるのか。八方ふさがりの状況に加え、アビーの様子がだんだんおかしくなるのがラッセルの悩みの種。彼にはアビーはノイローゼ、ヒステリーとしか思えない。彼女は何度か病院へ運ばれるが、出てくるとまた動き回る。見ていても流産したいのだとしか思えない。仕事中に何度も電話してくるし、たぶん見ている人は、アビーよりラッセルに同情するのではないか。彼はアビーを失うのではないかと不安に思っている。夫にとっては赤ん坊より妻の方が大事なのだ。でも妻にとっては自分より赤ん坊の方が大事。子供のためなら自分はどうなってもいい。まあ私にはよくわかりませんけど。で、ラストも予想つくわけ。以前見た時は、この赤ん坊が世界を救う・・救世主なのだと思っていた。人類滅亡を食い止める希望の星。ラッセルには救世主を育てる使命が・・とか。でも今回見たらそうでもないようで。生きて生まれたというのが重要で、それ以外は普通の赤ん坊。ラッセルにしてみれば妻を失い、これからは男手一つでこの子を育てていかなきゃならない・・と、うれしさよりも悲しみの方が・・。アビーにしたって、なぜ彼女なのかという説明が不十分。前世での彼女の正体に何か大きな意味があるのか。聖書を読んでいる人にはすぐわかるのか。今回見て、要するに「ギャザリング」みたいな感じかな・・と。行動を起こさず、ただ見ていた罪。その罪を償って、栄光の世界へ・・ってか?そのために命落としたんじゃなあ。まあ要するに私にはアビーよりラッセルの方が気の毒に思えたってことですけど。

第七の予言3

最初に見た時、一番印象に残ったのはデヴィッド。ラッセルのビーンはかすんじゃった。引っ越しはトランク一つですんだ・・と、ラッセルは言う。テレビもステレオも電話もなし。めぼしいものと言えば短波ラジオだけなので、スパイかも・・なんて思ってみたり。雨が降っているシーンが多いが、デヴィッドは濡れたまま。傘は持っていない。引っ越してきたものの、留守が多い。アビーは二回ほど部屋の中を嗅ぎ回る。プライバシーもへったくれもない。デヴィッドもデヴィッドだ。大事なものであるはずの封印された紙を置きっぱなしにする。これじゃ意味があるんだかないんだか。で、何を言いたいかというと、デヴィッドはミニマリストみたいだな・・と。ほとんど何も持ってない。う~ん、でもお金はどうやって手に入れているんだろう(下宿代とか必要でしょ)。彼の正体って何だろう。「人々の代わりにもう一度死ねたら」とか言うので、イエスかなと思うが、パンフには「もう一人のヨハネ」と書いてあって、何のことかわかりましぇん。アビーを助けてくれる少年アビのことは「もう一人のパウロ」。アビはともかく、デヴィッドはどう見たってイエスでしょ。アビーが彼を刺すと、刺されたところから光がパーッと出る。ありゃまこれじゃあ「ザ・キープ」じゃん・・と、笑ってしまった。ところで、パンフを読み返してびっくり。デミの代理で来日したビーンがインタビューで「最初は下宿人の役当てられたけど、自分には合わないと思ったので、夫役に変えてもらった」と。・・ええ~ッ!何で下宿人やらなかったのぉ~!ぴったりなのにもったいない!!彼が下宿人の役をやっていたら・・。そりゃプロホノフははまり役でやんす。文句のつけようがない。でも!ビーンなら!人類のすべての罪を引き受け、一度死んだけど甦り、現代までずっと人類を見続け、もう救いようはないと苦渋の決断下す神の使い。若くて美しくて謎めいていて・・キャ、ぴったりじゃん!ああ何で何で?ビーンがデヴィッドやってたら私のファン歴も続いただろうに・・などと悔しがってみても、28年ばかり遅かりし由良之助。