トリプルXシリーズ

トリプルX

この映画を見たのは日劇3だが、入ってびっくり。スクリーンが巨大なのはうれしいが、横に広く、奥行きのない館内の作りは、一番後ろの席で見ていてさえ首が痛く、目も疲れた。客にとってはえらく疲れる映画館だと思う。しかも予告編は頭がくらくらするくらい刺激が強いものばかり。ディズニーの予告が流れた時はホッとした。若い人は平気なのかな。見ている間ずっと、この大きなスクリーンであの映画を見ることができたら・・この音響装置でこの映画を感じることができたら・・といろいろ考えていた。そうやって思考があちこちさまよっていてもこの映画はいっこうに平気。伏線があるわけでも見ごたえのある演技合戦が展開されるわけでもない。娯楽性、迫力、スケールの大きさはけたはずれで、某映画のような思わせぶりもケチくささも皆無。サービス満点で出し惜しみしない。コロンビアの麻薬工場が攻撃されるところなんか、最初の方でこんなにすごいことやっちゃっていいの?というくらいの凄まじさ。普通の映画ならクライマックスにこれを持ってくると思う。「ハム2」のミイラなどと違って、この映画は生身の人間が体を張ってがんばっているなあという気がする。ただし雪崩のシーンは合成だってわかってるからそういう目で見ちゃうけど。私が一番気に入ったのは、本編が終わった後バラの花とか心臓とか車とかが出てくるところ。なぜか強烈な印象を受けた。見終わってスカッとした気分になれること請け合いで、きっと2も作られるんだろうな。よくなかったのは出演者の演技が平板で裏側まで見え見えなこと。食堂テストもオペラ拷問(ラップ命のXにとってオペラは拷問てのは笑える)シーンも説明されなくたってこちとらお見通しよ。それとヴィン・ディーゼルにはお色気シーンは似合わない。ベッドの柱に美女が張りついてお出迎えのシーンは、ビデオで見た「アラビアンナイト」のアリババのエピソードが思い出されて頭の中で爆笑した。宝物を守るトカゲの化け物が、柱に張りついてアリババの方を見ているところにそっくりなんだもん。アクション映画としては個人的には「スズメバチ」の方が私は好きだ。見終わった後心に残る何かがある。この映画は残るものがない。まあ見てよかったという満足感はあるけど。先週は他に「フレイルティー/妄執」も見た。こっちはもう一気に感想を書きまくりたくなるようなすごい映画。でも少し頭を冷やしてからね。

トリプルX ネクスト・レベル

作られたものの大コケ。日本じゃ公開すらされずビデオスルー・・いや、今はDVDスルーか。小規模でもいいから公開して欲しかった。スコット・スピードマン出ているから絶対見に行ったのに。公開されなかったのは主演がアイス・キューブ・・と言うか肉まんだから?いつもブスッとしていて、本人はニヒルに決めてるつもりらしく、笑うのも口の端ちびっと上げるだけ。でもいいんです、こっちはスコット目当てだから。先代Xは殺されたんで、急遽二代目。間に合わせなのでかぼちゃまんでガマン。ドハデに刑務所脱獄させる。伝染病とか言ってこっそり連れ出しゃすむことなのに大騒ぎ。そのうちサミュエル・L・ジャクソン扮するギボンズまで死んじゃって、あれまこれで「1」とは完全に決別よってか?残ってるのブタまんだけど主役これでガマンしてくれろってか?大統領がピーター・ストラウス(老けてどことなくジョン・ハート風。ハートほどシワシワじゃないけど)、側近がウィレム・デフォー(出てきたとたん黒幕ってわかる推理いらずな俳優)。クーデター起こして自分が大統領になるつもりらしいが、そんなことできるほどアメリカって単純?まあ大作らしくいろいろあるけどヘリにしろ列車にしろCGバレバレだし主演カレーまんだし・・。地味・セコイ・無愛想。まあ太ってるわりには格闘シーンとかちゃんとやってたけど。余計なラブシーンないのもよかった(見たくねー)。代わりにハンバーガー・ポテト・シェイク・おかわり・テイクアウト・・太るぞこら!ってもう太ってるか。ギボンズはもちろん途中からまた出てきて、あら生きてたの?となります。そりゃアンまんだけじゃ映画引っ張れませんから。スコットは・・天使みたいです。「ダーク・スティール」みたいに途中で死んじゃうんじゃないかとそれだけが心配で・・(ストーリーはどうでもよろし)。だって言うでしょ美人薄命って。ケバイ女数人出てくるけどスコットにはかないません。白い肌、金髪、青い瞳・・。最初はあんまりしっくり来ない。捜査官で指示とか出していても美しすぎて貫禄ないから。でも・・だんだんよくなるんです!白いシャツがさわやか!Xより射撃の腕は上!勇気はあるし・・最後まで生き残ってよかった!キムチまんがさすらいの旅に出ようがそんなのどうでもよろし。はー地上に舞い降りた天使だわー。「3」もありそうなラストだったけど、コケたからムリかなー。