追憶の森

追憶の森

青木ヶ原の樹海というと「JUKAI-樹海-」がある。そのせいかこっちの映画を見ていて、あ、前にも見たような・・と何度も思った。もちろんこちらは監督があのガス・ヴァン・サントだし、マシュー・マコノヒー、ナオミ・ワッツ、ケン・ワタナベという大スターが出ているから、出来も比較にならぬほど・・。でも妙な期待はしちゃいけないんだよな。何しろケン・ワタナベだし。ボーッとした感じで空港に車をとめ、飛行機に乗って東京へ来るアーサー(マコノヒー)。渋谷がうつって・・観光したのね・・新幹線に乗って、タクシーで青木ヶ原へ。運ちゃん怪しまないのかな。樹海に入って心安らかに薬飲んで・・でも邪魔が入る。ブツブツ言いながらフラフラ歩くオッサン、ナカムラ(渡辺氏)。道に迷ったと言うけど手首に切り傷あるし、自殺しようとしたけど気が変わったってとこ。タイミングよく現われるし、英語しゃべるし、渡辺氏だしで、こりゃ臭いぞと思うわけ。すでに死んでいて成仏できなくてさまよってる霊に違いないってね。ここでこういう有名な人を出してきちゃうと、先が読めるのよ。全然知らない人ならこれからどうなるかわからない。最後までいるのか、途中で消えちゃうのか。生きてるのか死んでるのか。通りすがりなのか重要なキャラなのか。渡辺氏だともう死んでいてアーサーの運命変える人って丸わかり。この映画で予測できなかったのはアーサーの妻ジョーン(ワッツ)の死に方だけ。ほとんどの人は手術は成功したけど容体が急変して亡くなったのだと思ったはず。ナカムラのせいで、いつしか自殺も忘れ、森から脱出しようと奮闘するはめになったアーサー。崖から早々に落ちるので、大ケガして動けなくて、これからラストまでどうやって持たせるのかいな・・と思ったら動いてる。鉄砲水で溺れたかと思ったら動いてる。せっかく近くまで助けが来ているのにまた滑り落ちて、力尽きそうで、こりゃだめだ助からん・・と思ったら歩いてるし、何を基準に見たらいいのかわかりましぇ~ん。しぶといと言うか、都合よすぎと言うか。夜の間ナカムラと歩き回るのもどうなんだろう。暗闇の中、ますます迷い込むだけだと思うが。明るくなってから動いた方が安全だと思うが。それとも動いていないと体温が下がって危険なのかな。

追憶の森2

どちらにせよ夜のシーンは暗くて何が何だかわからない。あたしゃ猫じゃないので見えませんてば!時々アメリカでのシーンがはさまれる。アーサーは大学の非常勤講師か。年収が2万ドルというのは低いな。だからジョーンが住宅売って稼ぐ。どうしてもアーサーに不満ぶつけてしまう。アルコール依存症でもある。お互い愛し合ってるのだが、どうしてもケンカになってしまう。ところがジョーンの頭に腫瘍ができて、手術にはリスクが・・となって夫婦仲は一変する。いさかいをやめ、昔のようにベタベタ。ここらへんはどうもねえ・・。向こうの人は険悪になったりベタベタしたり極端から極端に走る。ジョーンが死なずにいたら、またそのうち険悪になっていさかい続きの暮らしに戻ったんじゃないのかね。ジョーンを亡くしたアーサーはボーッとして講義にも身が入らない。理想の自殺の場所をググって青木ヶ原へ。救助されても残してきたナカムラが気になる。絶対戻ると約束したし。誰も森へは入っていないと言われても納得できない。で、再度森へ行く。やっと自分のコートを見つける。ナカムラに掛けたコート。でも下にあったのは・・。ここもたいていの人はガイコツ予想する。でも一輪の花でした。アーサーはアメリカへ持って帰って増やしました。ここで感動しなきゃならないのはよ~くわかってるんです。ここで感動しなくてどこでするんだ・・って。でも心に浮かぶのは・・りっぱな家だなあ。でもここに住んでいられるのもジョーンの稼ぎがあったおかげ。今はアンタ一人。年収2万じゃローン払えませんて。じゃんじゃんアルバイトしないと。それとアーサーはまだ若い。このままジョーンを想って一生独身でいるのもちとかわいそうじゃないのか。あの花は可憐でいいけど、不精ヒゲで臭そうな渡辺氏の化身には思えない。もうちょっと若くてきれいな・・精霊のような美青年か美少年か美少女出してきてもバチはあたらんと思うが・・。やれやれ、何という感想文だ。マコノヒーは時々トム・クルーズに見えた。以前は似てるなんて思ったことなかったけど。