トレマーズ
少し前「午後のロードショー」で四作とも放映してくれた。ありがとうテレビ東京!一作目はだいぶ前に見て、けっこうおもしろかった。今回も十分楽しめた。とにかくよくできてる。怪物は正体不明だし、どうして今頃現われたのかも不明。とにかく人や動物を襲う。生き延びるための知恵比べが始まる。次から次へと息つくヒマもない。一つ一つは(ギャグにしろ仕かけにしろ)ささやかでも、たくさん出してくるのでしょぼい感じはしない。よく見りゃ怪物はかなりアレ。どういう形にするのか、最後まで意見がまとまりませんでした状態。顔の部分に集中していて、後ろの方はな~んも考えてない。グァッと出てきてガーッと走ってグチャッと潰れて・・それだけ。あんな大きいのが土の中猛スピードで動き回って、かいた土は後ろへ行くのか。かいて出た大量の土の行方が気になるのはジェットモグラと一緒だな・・って関係ないけど。何でも屋のアール(フレッド・ウォード)とヴァル(ケヴィン・ベーコン)は、今度こそ町を出るぞと決心するものの、いつも逆戻り。今回も、あと一日早く決心していたら・・と、後悔するはめに。町から出られなくなり、人数はだんだん減り・・。怪物のことはよくわからないが、目がない代わりに振動を感じ、襲ってくる。だから静かにしていなきゃならないんだけど、まあみんなよくしゃべるんですわ。生きてるイコールしゃべる・・なんですな。何だ何だ、どうしたんだ、ワーワーギャーギャー・・こういう時にこういうやつらと一緒にはいたくない。助かる者も助からなくなるから。1989年作だから、この頃のベーコンはさわやかで。ハンサムじゃないけど、独特の魅力がある。ウォードも、とぼけた中に重みがあって、それがこの作品の質を上げてる。とにかく二人とも生き生きしている。ヒロイン、ロンダ役フィン・カーターは嫌味がなく、さわやか。怪物から逃げるためズボンを脱ぐんだけど、白いショーツがまぶしい。「2」で印象的だったバート(マイケル・グロス)だが、「1」では奥さんヘザーの方がいい。車のナンバープレートがウージーなんて、細かいところがいい。ラストもさわやかで後味がいい。何だか久しぶりに「2」も見たくなってきたぞ。ところでベーコン君、いつから脱ぎたがりに?
トレマーズ2/グラボイズの逆襲
ブラッド・レンフロに続き、ヒース・レジャーまで死亡。二人ともまだ20代・・いったいどうなってるの?もっと命を大事にしようよ!ヒースは「バットマン」の「ザ・ダーク・ナイト(原題)」が遺作になるのかな。こっちまで気分がダークになるけど、バカ映画「トレマーズ2」のことでも書いて気をまぎらわそう!「1」にはケヴィン・ベーコンが出ていてそれなりにおもしろかった。もう内容忘れたけど。「ザ・グリード」もテレビでまたやった。こっちは見なかったけど、私こういうくだらないモンスター映画大好き。ベーコンと言えば「エコーズ」の原作を古本屋で見つけた。50年近く前のだからかなり傷んでいたけど、手に入るとは思っていなかったのでとってもうれしい。「2」の主演は「1」に続いてのフレッド・ウォード。彼はリチャード・ギアに似ているなあといつも思う。でもギアのような高級感(大スター感ってこと)はなくて、どことなく大安売り風。くだらないモンスター映画の、しかも続編でもいいから使ってください・・みたいな。アール(ウォード)はグラボイズ退治で一躍時の人になったけど、もう落ちぶれている。お金はいつの間にかなくなっている。元々金儲け、世渡りがへたなのだ。そこへ持ち込まれたのがまたまたグラボイズ退治の話。一度は断るけど礼金に釣られ・・。今回はベーコンなし、目玉焼きだけ・・じゃなくてぇ!ベーコンの代わりに似たの出してくる。代用ベーコン。若くてちょっとハンサムで威勢だけはよくて。怖いもの知らずでノーテンキ。アールはうんざり。グラボイズの怖さは体験した者でなきゃわからないのさッ!途中で女の学者が出てきてアールもまんざらではなさそう。彼女に関しては後で楽しい事実が明らかになる。ストーリーはモタモタしてるし、犠牲者は出るにしても全体的にはのほほん、お気楽ムード。それと節約ムードぷんぷん。みみっちい、せこい、しょぼい。ウォードはいちおう渋い二枚目だが、この時点で50越えてる。でも年くったのがしぶとくがんばっているのがいいのだ。いくら若くてきれいで将来有望でもレンフロやヒースみたいに死んじゃったのでは何にもならないんだぜい、もったいない!応援にかけつけるアールの友人バートがいい。笑われようが呆れられようが自分のやり方貫く。大量の銃、爆薬、食料、そしてサバイバル技術。これくらい用意周到でなけりゃこの世は生き残れないのさッ!
トレマーズ3
「午後のロードショー」でやったもの。「3」ともなれば出演者一新となりそうなものだが、今まで脇だったバート(マイケル・グロス)が中心に。脇にいるからこそバートのキャラは目立つのだが、主人公となるとどうかな。冒頭はアルゼンチンで、テレビ取材班を呼んでのグラボイズ退治。次に自分の住んでるパーフェクションへ戻っての退治。続編になると都会へ舞台が移るものだが、こちらは砂漠から離れない。と言うか、製作費がなくて離れられないのか。牛を飼ってるミゲル、雑貨店やってるジョディ(スーザン・チャン)、学校やめて戻ってきたミンディ、その母ナンシー、グラボイズ捜しのツァーやり始めたジャック(ショーン・クリスチャン)。主演がグロスじゃ地味すぎるので、若くていちおうハンサムなクリスチャン持ってくる。ほんのちょびっとブラッド・ピット似。彼のツァーは助手を使ってのインチキだが、そのうち本物が現われるのはお約束。バートは地下にコンクリートの頑丈な壁を作り、家のまわりにはフェンスを張りめぐらし、地震計のようなものを設置。後でわかるが、水や食料を数年分備蓄し、銃の他に火薬やガソリンも。用意怠りないが、ナンシーやミゲルは違う。せっかくの装置も電池切れだのアンテナが壊れたのをほったらかしなどで、いざという時役に立たない。まあ一般人はそうだよな。もう何年も現われていないとなれば、なおさら気もゆるむ。バートは助けを呼ぶ気はないが、ナンシーが呼んでしまう。やってきた役人スタトラーはほんのちょびっとマーティン・フリーマン似。この映画は104分あるらしい。だから十数分カットされている。役人や博士は貴重な種であるグラボイズを生けどりにする気だが、もちろんやられてしまう。ここらへんがカットされているらしく、見ていてもつながりが悪い。怪物の方は次々に変異し、最終的には空を飛ぶアスブラスターとなる。オナラで飛ぶからアスなのかな。途中でバートが怪物に食われ、びっくりする。彼は途中退場で、ジャックが弔い合戦?いやいや、例のコンクリートの壁に怪物を激突させて殺す。でも中にいたバートだって衝撃受けるのでは?クライマックスは暗くてよく見えない。粗が見えてもいいから明るいところでやって欲しかった。粗も含めてみんな「トレマーズ」シリーズを愛しているのだから。
トレマーズ4
1889年のネバダ州が舞台。リジェクション(拒絶の意)という町は、銀鉱山のおかげでにぎわっていたが、怪物のせいで一気にさびれてしまう。多くの作業員が死んだため、みんな逃げ出したのだ。銀行も郵便局も閉鎖。銀鉱山のオーナー、ハイラム(マイケル・グロス)がやってくるが、資産家ということで子孫のようなサバイバリストの面影はなし。今残っているのは雑貨店やってるチャン夫妻とその子供フー。この子がすごくかわいい。ジェット・リーみたいな顔をしている。ホテルをやってるクリスティーン(サラ・ポッツフォード)。彼女とハイラムの子孫がバートか。他にメキシコ系のフアン(ブレット・ローム)、ネイティヴ・アメリカンのテコパ、途中で死んじゃうじいちゃん。フアン役ロームはロバート・ダウニー・ジュニアに少し似ている。ハイラムはフアンと、残っていた四人ほどの作業員と共に鉱山へ行くが、犠牲者を増やしただけだった。そこですご腕ガンマンを雇おうと、新聞に広告を出し、一ヶ月後やってきたのが黒手のケリー(ビリー・ドラゴ)。実はハイラムは父親が全財産を鉱山の購入につぎ込んだため、ほとんど文無し状態。銃も持ってない。バートとは正反対なので、おや、期待したのと違うぞ・・と少しがっかりさせられるが、それを補ってあまりあるのがドラゴ。吹き替えの声がまたすばらしく合っていて、聞いていて楽しい。ポケッとしているハイラムに銃の撃ち方を教えるなど、ケリーは意外と辛抱強い。怪物に食われて途中退場なのがすごく残念。もうだめと一度は町を離れたハイラムだが、怪物が町に迫っていると知り、金時計を売って武器を買い込み、戻る。怪物そのものは目を瞠るものがあるわけではなく、人の手を感じさせる。つまり後退する時はいかにも人の手で引っ張られている感じ。知ってる人はグロスだけだが、ドラゴもロームもいいし、しぶとさを感じさせるチャン夫妻もいい。その分グロスはカゲが薄くなっちゃった気も。バートはなぜ大量の武器を揃えたり、家に手をかけたりできるのかずっと不思議に思っていたが、怪物が退治されて鉱山が再開し、ハイラムが資産を残せたからなんだろうな。