トランセンデンス

トランセンデンス

この映画は大コケしたらしい。ジョニー・デップ人気にもそろそろかげりが見えてきたのか。こういう時に限ってヴァネッサ・パラディと破局、年下の新恋人と結婚なんていうニュースが流れたりする。ああ、デップよ、おまえもか・・。監督はクリストファー・ノーラン・・と思っていたら違うようで。彼がやっていたらもう少し何とかなったのかな。デップとSFの相性の悪さを書いてる人もいるけど、そう言えばSFは少ないな。「ノイズ」があったけど、私は嫌いじゃない。宇宙人に乗っ取られて無表情演技。今回も人工知能の中での存在だから似たようなもの。主役なのにちっとも活躍しない・・いえいえ、彼は主役じゃない。妻エヴリン役レベッカ・ホールが主役でしょ。いつでもどこでも出ずっぱり。デップ本体(←?)は最初と最後だけ。でもデップ扮するウィルのキャラは悪くない。「シークレット・ウインドウ」の正常な時のモートに似ている。奥さんに首ったけで、ヒゲ剃りクリームをほっぺにくっつけて追っかけてくるようなかわいいダンナ。こっちのウィルも、頭はいいけど性格は無欲で無邪気。人工知能になってからの行動は誤解されるけど、それだって口べたと言うか。人類のため、地球環境のためという純粋な理念がうまく伝わらない。最大の理解者であるはずのエヴリンさえ誤解してしまうほど。最後は二人の愛が強調され、結局はありきたりな結末。キリアン・マーフィ、ポール・ベタニー、クリフトン・コリンズ・ジュニアという私好みの俳優が出ていたけど、あまりうまく使われていなかったな。ベタニーのマックスが安易にブリー(ケイト・マーラ)とくっつかないのはよかったけど。他にモーガン・フリーマン、コール・ハウザー。ルーカス・ハースはどこに?ウィルを撃った人?先の読めない展開で、前半はワクワクしながら見ていたけど、死者が蘇る、障害が治る・・あたりから気分が萎えてきた。マスコミは大騒ぎしないのか。ここはもうちょっと何かあるはずでしょ・・と思っても先に行ってしまうなど、詰めが甘いと言うか、なまぬるい。ラストも世界中が大混乱に陥ったはずだが、被害は無視される。う~ん、こんなんでいいの?エヴリンがホテルに泊まる時、チューリングという名前を使うのが何だか意味深。