トータル・リコール

トータル・リコール(1990)

WOWOWで見た。原作はフィリップ・K・ディックの短編らしいが、読んだことなし。古本屋へ行くとたいてい105円で文庫が出ているが、著者は別の人。ノベライズだろう。冒頭火星のうすい大気にさらされ、目がぐりぐり飛び出すグロテスクな映像にびっくり。シュワちゃん主演のSFたいさくぅ~と思って見始めるわけだが、いきなりギャグマンガみたいなの見せられ、どん引き~。いや、実際ああなるんだろうけど。クライマックスでまたまたぐりぐり~・・好きだねえ。平凡な(はずないが。シュワちゃんだもの)労働者ダグラスは、なぜか毎晩悪夢に悩まされている。なぜか火星に移住したい。妻のローリー(シャロン・ストーン)は反対だ。ローリーは登場したとたん怪しい。ストーンはいつも私はただ者じゃないわよ光線を全身から放射している。やる気満々、怪しさ全開。推理の妙がないのは困るけど、アクションはがんばっている。いちおうストーリーはあるけど(←?)、それよりミュータント達のグロテスクさを出したいとか、監督の個人的願望を強く感じる。作り手は楽しいだろうが、見ている方は・・。結局ダグラスは実はハウザーという悪党で、ミュータント達に信用される下地を作るため記憶を消したと。でも今のダグラスは善人なので、ハウザーに戻るのを拒否。ミュータント達の味方をする。彼らが狙われているのは、50万年前エイリアンが作ったリアクターという装置のせい。火星に地球のような空気を作ることができるが、そうなると火星を支配している採掘会社が困る。会社が空気作って売って儲けているのか。クライマックスは外へおっぽり出されて死にそうになったダグラスが、空気充満のおかげで命拾い・・って、間に合うわけないじゃん!リアクターのあたりは「禁断の惑星」連想させ、見ていてにんまり。他の出演はロニー・コックス、マイケル・アイアンサイド、レイチェル・ティコティン。ティコティンは「コン・エアー」に出ていたな。ダグラスを助けるタクシーの運転手ベニーに魅力がないのが惜しい。案の定裏切るし。それにしても火星から地球に行ってダグラスとして暮らし、また火星に戻るというのは手間かかりすぎだと思うが。地球にいる人と火星にいる人が直接話しているのもおかしい。もっとも起こることすべては夢の中での出来事という設定なので、つじつまが合わなくても気にする必要はない(夢オチかよッ!)。

トータル・リコール(2012)

こちら火星は出てこない。21世紀末、化学戦争のせいで居住できるのはUFB・・ブリテン連邦とコロニー・・オーストラリアか?・・の二ヶ所だけ。移動手段はフォールで、地中を通る。ダグ(コリン・ファレル)は悪夢に悩まされている。彼の仕事はロボット警官シンセティックを作ることか。ある晩つい記憶を売るリコール会社へ。諜報員なんて刺激ありそう。まあ監督はレン・ワイズマンなので、そこらのSFアクションとはちょいと違う。建物の感じとか「ダークシティ」風で、こりゃタトポロスだなと思ったらやっぱりそう。高速道路でのカーチェイス・・車は宙に浮いてる。普通のカーチェイスなんかもう古い!エレベーター使ってのアクション・・上下に動くなんてのはもう古い!ここのエレベーターは横にも動くんだぜい!ダグの妻ローリー役はケイト・ベッキンセイル。いやあホントよく動いていましたな。ダグはニセの記憶植えつけられていた。ホントの彼はコーヘイゲンの忠実な部下カール。標的はマサイアス(ビル・ナイ)。その記憶を消され、メリーナ(ジェシカ・ビール)に恋して助けたいと思い始めたカール。その記憶を消され、ローリーと結婚してる平凡な作業員ダグ。ダグは当然本当の自分に行き着きたいと思うけど、そうやって動き回るのもコーヘイゲンの計画。動き回っているうちにメリーナが接触してきて、マサイアスに行き着くからだ。マサイアスはあっけなく殺され、ダグはホントのカールに戻されそうになるが、今の彼は本当の自分なんかどうでもいい。さて、録画したままずっとほったらかしておいたのをやっと見る気になったのは、「メタル・トルネード」のスティーブン・マクドナルドが出ているらしいから。この時代のケータイはもう機器の形を取らない。手に埋め込まれていて、手のひらを耳に寄せて会話。そこらのガラスに手を当てれば映像が出る。で、位置を探査されるのを防ぐため、ダグはほじくり出すけど、それをいただいちゃった若者役がマクドナルド。あらまあチョイ役なのね、残念。他にダグの友人ハリーがボキーム・ウッドバイン、リコール社のマクレーンがジョン・チョウ。ファレルを見るのは久しぶりだ。銃を構えると「S.W.A.T.」思い出す。きびきびとしているのがいい。私はオリジナルよりこっちの方がいいかな。ベッキンセイルとビールは見分けがつきにくいが、ああいうふうに長い髪を垂らしていればスタントマンに代わってもばれにくいからだろう。