トランスフォーマーシリーズ

トランスフォーマー

ものすごくお金と手間のかかった映画だというのが最初の印象。ロボット、人間、破壊される建物、飛んでいく弾、煙、車、戦闘機、戦車、ヘリ・・そういった多種類のものがスクリーンの中で複雑に交錯する。時々はスローモーションになる。でもいつどんなシーンでもきっちり計算されていて、すきがない。そこは感心した。出演者は地味。シャイア・ラブーフはひ弱な感じがいいのだろう。彼ががんばれば誰だって応援したくなる。恋人ミカエラ役ミーガン・フォックスは野性的な感じ。サム(ラブーフ)の父親役はケヴィン・ダン。中古車販売店の店長役は先頃亡くなったバーニー・マック。もっと出番多いかと思ったらあれだけ?サムの友人マイルズ(ジョン・ロビンソン)は木に登ったり車に乗るのにドアを使わず窓から入ったりのアホアホぶり。出番は少ないもののなぜか印象に残るキャラ(「原始のマン」のリンクを思い出させる)。前半は思春期少年の日常のドタバタぶりと、緊迫した事態に置かれる国防総省やカタール駐屯部隊が交互に描写される。国防長官はジョン・ヴォイト。彼が召集したコンピューターのエキスパート達の一人マギーが「シャッター」のレイチェル・テイラー。やや化粧がきつい。彼女とグレン(アンソニー・アンダーソン)との関係は?他に謎の組織セクター7の一員シモンズがジョン・タトゥーロ。他の登場人物のキャラはみんな型にはまっているが、彼だけは妙にとらえどころがない。はみ出している。憎まれ役、道化役、ホントはいいヤツかも・・役。着ているシャツやパンツの柄も何か意味があって笑いどころなんだろうけど、私には全然わからん。後半はロボット中心だが、どれがどれやら区別がつかない。ロボットそのものに全く魅力が感じられない。クライマックスもあっけない。・・と言うか、意味わからん。あのキューブ何?いつの間にか終わってる。いかにも続編ありそう。さて、サムの車はカマロ。車のことは何も知らない私だが、カマロと言えば「ザ・ドライバー」!あの映画はホントカッコよかった。「トランスフォーマー」は文字通り変身(トランスフォーム)するところはカッコよかったけど、ロボット自体はクズ鉄の集まりみたいだった。それにしても大の大人が大金かけて子供っぽい映画作って・・きっと楽しかっただろうな。

トランスフォーマー リベンジ

ドッカーン、ドッカーン、ストーリー?ありましたっけ?最初と最後で何か変わってます?2時間半経過したってことの他に・・。一度死んでから生き返ったでしょ、サムもロボットも。見たのは三連休の最終日。関東ではもう夏休みに入ったんでしょ?こっちはまだで~す。それでもシネコンはこんでた。いつもは一人か二人の窓口のねーちゃんも今日は四人?五人?スタンプ一つもらい損ねたぞ。チクショーこれからはちゃんと押してあるかどうかその場で確認しなくちゃ。料金高いからスタンプ一つでも大事なのよ。何の何のスタンプの一つや二つ・・なんておうようなこと言ってられないわ、こら~ちゃんと仕事しろ~。館内がごちゃついているのは「ごくせん」や「ハリポタ」のせいでしょ、こっちには関係ないわ。本音を言うと「ノウイング」早く見たいけど休日だから隅に追いやられて夕方から。だから平日ダイヤに戻ってからね・・って列車かよ。何でこの映画見に行ったかというと、大きなスクリーンで見たらどんな感じかな・・ってそれだけ。もう公開してからだいぶたってるからお客は13人くらい。いいのよ私にはこういうパラパラの方が居心地いいの。公開直後のぎちぎち状態なんて・・ケータイはピカピカ光るし出たり入ったり落ち着かないし、こうやって静かになった頃見るのが通なのよ(←持論)。それにしてもやかましくもめまぐるしい映画だな。何が何だかさっぱりわからないわ。出てきては戦うだけなんだもの。皆さんにはロボットの区別つくんですか?運動会みたいに紅白にするとかしてよ。映画終わってもどれがどれかさっぱり。何がやられて何が残ったの?何やら戦う理由がもっともらしく提示されていたけど、ケンカするならどこか別のところでやってよね。片方(悪い方)にとっては、地球はどうせ破壊するものだから、地球で戦ってもいいだろ・・ってことなのかもしれないけど、地球でやると人間からの攻撃も受けなきゃならない。そこんところになぜ気づかないの?人間の武器なんか彼らにとっては単独ではさほどダメージ受けないと思うけど、相手ロボットと戦ってその間にもちょこまか動き回る人間も相手にして・・となると、集中できないんじゃないの?人間がいないところ(宇宙空間とか)でロボットどうしで戦って決着つけてから地球へ来ればいいじゃん。それと何で英語話せるのかな(素朴な疑問)。

トランスフォーマー リベンジ2

それにしても何ですな・・彼らの世界では出せる力の量が巨大だから、彼らには普通でも人間にとってはものすごい破壊力で。何かする度に台風や地震並みの被害出るわけで。だからよそでやってくれないと決着がつく前に地球が壊れちゃうよ。ドッカーン、シュルシュル・・貴重な人類の遺産景気よくぶっ壊していたじゃないの。ああピラミッドがペトラがぁ~・・てめーらひとんちの庭先でやりたい放題・・やるんならどっかよそでやっとくれッ!人様の迷惑にならないところでやっとくれッ!米軍も何だよ一緒になって壊しまくって、誰にも迷惑かからない砂漠の真ん中に誘導するとか少しは考えろッ!日本に来たらどこを壊すのかな・・自民党?ロボットのことは理解できなくても人間達のドラマなら理解できるかしら。大学生になり寮に入ることになったサム。母親は息子と別れるのが悲しくて仕方ない。その気持ちはわかる。わかるけど何だあの騒ぎ立てぶりは・・。普通じゃない。異常。そのうちハッパやってラリってる。おかしいんじゃないの?シャイア・ラブーフはそろそろ素でこの年頃やるの難しくなってきている。えらくとんがった感じで、顔や頭の形が何かおかしい。らっきょうみたいで酢に漬けたくなる。ちょっと小汚い感じで、少しは大人の男に・・見えねーよ!何かに取りつかれて(?)ヒクヒクしたり、ロボットにいじくり回されたり、演技するの大変だったと思うけど、見ばえはよくない。まあ見に来ているのはたいてい男性だからつるんとかわいいラブーフ見せる必要ないか。ミカエラ(ミーガン・フォックス)との別れのシーンではカメラがぐるぐる回って太陽の光がピカッとまぶしく・・うう、何という古くさいうつし方だ・・。こういう時くらいカメラ動かすな。動かす時と動かさない時とメリハリつけろ。・・と言うか、目が回るじゃないか~。二人がここでベタベタしなくたってこの後すぐまた再会して愛の確認するの見え見えだし。大学で他のかわいコちゃんと出会ってもめるってバレバレだし。でもそのかわいコちゃんが敵方ロボットだというのはちょっとびっくり~。そんな手のこんだ近づき方する必要ないと思うが・・。大学で過ごしたのは二日くらい?天文学の教授役の人は「Gガール 破壊的な彼女」に出ていたレイン・ウィルソン。サムとミカエラの他に、今回は寮で同室になるレオが加わって三人での珍道中。

トランスフォーマー リベンジ3

静かにしなきゃならない時でもべちゃべちゃべちゃべちゃ。まあそれはロボットも同じで、とにかくよくしゃべる。宇宙空間でもしゃべるのかしら(音伝わらないと思うが)。何で英語でしゃべるのかしら・・彼ら自身の言語はないの?あのロボット・・フォールンだっけ?どこから来たのかしら。でもそんなこと考えるヒマ与えてなるものか、ケチつけるスキ与えてなるものかとばかりにドッカーン、シュルシュル、シャキーン。いったい何回変身したでしょう。大画面で動きが速くて何が何だかわからないんですけど、前作のところでも書いたように全く手を抜かず隅々まで気を配って。絶対にボロを出さない。ほめるとしたらそれくらいですかね。鉄クズの寄せ集めのことはほめようがないし・・(よく集めましたね・・とか?)。俳優達は皆がんばっている。一番がんばっているのはもちろんラブーフだけど、今回のサムにはあんまり魅力感じない。ロボットによる戦いの対極にはいつもサムとミカエラの甘い関係がある。破壊一辺倒の単純な映画じゃないちゃんと青春してるぜ、愛だぜ!愛!って感じなんだけど、それがどうもありきたり。サムがアリスに誘惑されているところにタイミングよくミカエラが現われるとか、一人で行動した方が身軽だけど私も行くわ・・となったり、どんなに急いでいる時でも愛を確認したり(きっとその間は時間が止まるのだ)。サムが一人で戦っているのなら応援してあげたくもなるけど、わざわざ二人で行動し、何かあると甘いシーンが・・ってのはねえ、まあかってにやってろって感じ?どんなにスケールが大きくても、結局は二人の愛の確認が一番大事なんだろう。後半になるとジョン・タトゥーロが出てきて、それでやっと人間部分のドラマが引き締まってくる。もちろん軍隊関係の方も冒頭からガンガン出てくるけど、結局のところ彼らってすごくうすっぺらにしか描写されない。大量の武器と最新の装備があって、精神的にも体力的にも充実しているけど、どこかが抜けてる。ついさっきまで自信満々だったのに、通信ができないというだけでとたんにおたおたし始める。すべてが完璧に揃っていないと機能できない。軍隊が消耗品みたいに描写されているのを見て、これでいいの?って思ったのは私だけ?二年の間に何かいい対策検討しなかったのかしら。残党が現われると大きな被害出しながら退治・・そのくり返しだったみたいね。

トランスフォーマー リベンジ4

さてタトゥーロ扮するシモンズだけど、彼はセクター7がだめになって今じゃ家業継いでいて、失意の状態にあるけど、彼自身の世界はしっかり作ってある。地下に資料庫を作り、機密情報もしっかり収集。集めるだけじゃなく知識が頭に入っている。あまり心が広いタイプじゃないけど、ねばり強さ、信念があるから一度行動を起こすと迷いがない。物事を別の観点から見ることのできる人物の登場によって、それまでのドッカーン、ラブラブ路線に変化が出てくる。まとまりをつけてくれそうな人物・・それがシモンズだ。何かやたら英雄になりたがっているようなセリフがあるのは興ざめだけど、サムやミカエラと違って彼にはどうなるかわからない(つまり生き残るかどうか)という不安がある。だからいっそう注目してしまうのだ。変なブリーフの意味は私には相変わらずわからないけど。エジプトか何かのシーンでは「チャーリーとチョコレート工場」のウンパルンパがちょこっと出てきてびっくり。あれで実は彼は人間にまぎれ込んでいるロボット(アリスみたいな)というのなら、見ている人全員納得すると思うが、何の意味もないまま通り過ぎちゃった。また、アカバを出してくるなら「アラビアのロレンス」のワンシーンパロって欲しかったな。アカバ攻略の再現はCG駆使しても無理か(デヴィッド・リーンは偉かった!)。ラスト、平穏な日々が戻り大学生活を送るサム。冒頭の中国もそうだけど、いろんなもの破壊されちゃったエジプトは災難でしたねえ。家を壊された住民どうするのかしら。とにかく何をやるにしても力まかせだから被害が大きくなる(ウルトラマンもそうだけどさ)。復興にはロボット使いなさいね。おまえらどうせ普段はやることなくてヒマなんだからちっとは働け・・ってね。はあ~何だか疲れちゃったな。首が痛くなっちゃった。こんな壊すだけの映画よく作るな。実りがないな。え?サムのロマンスは実る?いいよ、実らなくて。18かそこらで一生を誓うより、もっと視野を大きく・・。「3」も作られるんだろうな。「トランスフォーマーズ -卒業-」とか?あら?「アナコンダ2」や「ランボー 最後の戦場」のマシュー・マーズデン出ていたの、気がつかなかったわ。

トランスフォーマー ダークサイド・ムーン

お客は八人。3-D嫌なので(しつこい)通常版。吹き替えだけど皆さんとてもよかったです。変な素人持ってこられるとホント困るんです。2時間半くらいあって、全編クライマックスみたいで、クライマックスはもっとクライマックスで、ホントものすごい映画でした。たぶん今まで見た中で一番。「アイ・アム・ナンバー4」なんてどっかに吹っ飛んじゃいました。ランキングからもシネコンの上映メニューからも早々に。・・いや、あれはあれで好きなんですけど私。「トランス」のものすごいところは、三作目だというのにいまだに何が何だかわからないこと。オートバックスにインセプションにクォーターマスにハッブル望遠鏡・・いや、違うなオートボットにディセプティコンにオプティマスにバンブルビーだっけ?ブルブルビー(違うって!)はわかるな、何度もおいしいシーンあるし色は黄色だし。他は全然・・だってクズ鉄の塊じゃん。しかもやることと言ったら壊しまくってるだけ。たぶんアメリカ人以外にはロボット達がアメリカ自身に見える。ひとんちに勝手に入り込んでそこらじゅう壊す。出てっとくれ!ほっといておくれ!今回はシカゴ(たぶん)壊しまくるけど、そりゃあピラミッドじゃ怒られるわな。オプティマス(たぶん)が、地球は今では我々の故郷・・とか、人間達を守ってやっているとか言ってたけど、ひどい勘違いよねえ。おまえら両方とも今すぐ地球から出ていけ!だってこのままじゃ持ちませんぜ地球。空気なくても平気なら火星にでも行って、そこで好きなだけ戦っとくれ!私の好みは回転する蛇みたいなショックウェーブです。ヤマタノオロチみたいでカッコいいじゃん。石炭掘りとか油田掘りとかいろいろ役に立ちそう。さてと・・何が何だかさっぱりわからなくて半分呆然としていた私ですけど、そのうち思うようになりました。映像自体を楽しめばいいのだ!ってね。2-Dだからって迫力が減じたわけじゃない。私にはこれ以上の迫力は想像つかないし、求めてもいない。見づらさ、不快感と引き換えの迫力なんかいらない。昔の3-D・・例えば「空飛ぶ十字剣」・・別に立体メガネかけて見たわけじゃなくて普通に見たんだけど・・立体シーンは、これがそうですよ的に入ってた。槍が突き出されるとか・・わざとらしく、ちょびっと長めにうつす。「トランス」を見ていた時はそういうわざわざ感はほとんどなかった。かえって普通の3-D映画ならここでこっちに向かって飛んでくるはずだが・・なんて思ってた。

トランスフォーマー ダークサイド・ムーン2

すごく自然な流れで、スローモーションのタイミングもほどがよい。特撮オンパレードなのにやたらめったら感も大安売り感もない。すごいの連続なのにさりげなさもあって、その行き届いた計算には特撮以上に感心してしまった。もちろん生身の俳優達もがんばっている。特にサム(シャイア・ラブーフ)は何度死んだかわからん。たぶん彼もロボットだろう。あれで生きてられるわけないもん。落っこちるし振り回されるし叩きつけられるし。冒頭・・アポロ月面着陸、ケネディにニクソンとか出てきて、オ~イ、話広げてるぞだいじょぶかぁ~。オルドリン宇宙飛行士まで出てきたぞ。そこまでやるならマリリン・モンローも出せ!(←?)・・人類を二度も救ったのにサムは職にありつけない。異星のロボットという現実離れした話の一方で、厳しい現実にあせる青年・・というところを見せたいのか。でもあんなチョースタイルのいい美女と恋人どうしなんて・・やっぱり現実離れしている。サムが職探しなら恋人はウエートレスかレジ係ってとこでしょ普通。異星ロボット以上に不可解な存在はサムの両親・・と言うか母親。サムが今どんな状況かは関係なし。人類の危機も関係なし。「いい?女ってものはね・・」・・作り手としてはここで息抜き、笑いを取るつもりなのだ。でも私はあの低俗さにゾッとしたな。サムとカーリー(ロージー・ハンティントン=ホワイトリー)との、お約束の・・愛こそはすべて路線も嫌だったな。結局はそこが出発点で、終着点。途中ボスとのパーティに出るって約束したじゃないの的展開がある。カーリーに迫られてもサムはやっぱりオプティマスらと戦う方を選び、そこはまあよかったと思う。パーティがディナーが旅行がデートがって今までどれだけ妻や恋人が主人公困らせてきたことか!あたしとどっちが大事なのッ!!それだけ女性の視野は狭いってことだろうけど、他に描き方はないのかね。ボス役はパトリック・デンプシーで、出てきた時にはびっくりしたな。だって・・守備範囲違う。金持ちでプレーボーイでやり手で余裕たっぷり・・と思ったら裏の顔あるし。サムは嫉妬しまくり、あせりまくり。落ち着きもない。相手にされないのはまわりの見る目がないと言うより、本人に問題ありすぎ。彼を雇うのがジョン・マルコヴィッチで、ほとんどの人はこいつが悪ボス・・と思ったはず。

トランスフォーマー ダークサイド・ムーン3

でも結局は何でもなくて、ハンサムなデンプシーが・・ここは意外だった。マルコは途中から出てこなくなっちゃったな、何で?薄気味悪い東洋人とのトイレでのドタバタはかなりアブナイ。この人老けてからのジミー・ウォングに似てるな。おっそろしく嫌味な長官がフランシス・マクドーマンド。シモンズ(ジョン・タトゥーロ)と昔何かあったようで。やはりこのシリーズ、シモンズが出てくれないとね。話が進まん。あとジョシュ・ディアメル。人間側主要キャラの一人だけど、私いまだに彼がどんな地位でどんな役割担ってるのかよくわからん。ロシア人の一人が「薔薇の名前」「2010年」に出てる人。レナード・ニモイとか声で出てるけど、吹き替えなのでこちとら関係なし。さてと・・映像を楽しめばよいと書いたけど、今現在できる最高最上の映像見せられてるんだと思う。どこにも穴がないように(ストーリーの穴は別として)、どこにも粗相がないように、注意に注意を重ねて。そうやってものすごいもの作っても、次のが出ればみんなそっちへ行っちゃう。次のがどころか、映画が終わったとたんすごさを忘れ始める。実に空しいことではあるけど、でもこの2時間半だけはお客は作り手の手中にある。しばらくすればテレビで見られるけど、この大迫力はスクリーンでなきゃ無理。暑い中ここまで来るのは大変なんだけど、でもそれだけのことはありましたな。今回が完結編、これで終わりってのはちょっと意外な気も。これからもロボットは人類と共存?こんなに大きくて力の強い存在は、壊しまくるだけで、人類にとっても地球にとっても迷惑なだけ。果たして人類は、オプティマスが思っているように守り人とみなしてくれるかどうか。強大な存在があることによって保たれる平和。核兵器に代わる脅威。他の国が持っていることは許されず、アメリカだけが持つことを許される、持っていて当然なもの・・それがオプティマス達。映像に驚嘆しながらも頭の片隅ではそんなこと思ってた。オプティマス達が地球にいることによって・・じゃないのよ、アメリカにいることによって・・なのよ。この数年彼らが地球にいることによって何か変わった?人類どうしで戦ってる場合じゃない・・となった?サムのドタバタぶりを描くのに忙しく、抜けているものがあるとすれば、それ・・地球目線。サムを少し落ち着かせ、ロボット達が地球にいることの意義をはっきりさせれば・・オプティマスがどう思ってるかだけじゃなく、人類が彼らをどう思ってるか・・チョー破壊映画よりワンランク上の映画になったのに。

トランスフォーマー/ロストエイジ

私はてっきりこのシリーズは終わったと思っていたのよ。そしたらまた始まって。やたら長いし、何が何だかさっぱりわからないに違いないからスルーしたいんだけど、マーク・ウォールバーグが出ているんだよな。しかもこれの後の五作目にも。困ったなあ・・マークは見たいし。大昔エイリアンが地球へ。恐竜の絶滅はそのせいらしい。時代は下ってテキサス。妻をなくし、一人で娘テッサを育てるケイド(ウォールバーグ)。テッサは17歳のお年頃。ケイドは心配して束縛しまくり。発明家と言いつつ、ガラクタに埋もれ、家賃も払えず追い立てを食っている。シカゴでの戦いの後、エイリアンは敵とみなされ、見つけたら通報することになっている。ある日ケイドが手に入れたポンコツトラックは、ロボットだった。パートナーのルーカス(T・J・ミラー)は賞金欲しさに通報するが、金どころか殺し屋集団がやってくる。ルーカスは死ぬが、ロボットみたいになっているので、あら?人間じゃなかったの・・とびっくりするが、有機生命体を金属生命体にするとか何とか。その後は追いつ追われつだが、何が何だかさっぱりわからない。誰が誰だか、敵か味方か、何をやってるんだか。この状態で2時間半以上は酷です!そこらじゅう壊しまくっていて、そのうち舞台が香港に移るが、もううんざりしてどうでもよくなる。早く終わってくれないかとそればかり。今回もいっぱい犠牲者が出たことだろう。ビルや橋、道路も破壊されまくる。何と言うか、災害が続発しまくっている今の日本、あるいは外国のことを考えると、こうやって無意味に破壊されるのを見ているのは、快感どころか苦痛。ウォールバーグは見ていても安定感がある。体もよく動く。敵役としてケルシー・グラマー。この人は「潜望鏡を上げろ」のノーテンキな艦長だ。スタンリー・トゥッチのジョイスは途中で改心する。「ドラゴン・キングダム」のリー・ビンビンと「サンダーバード」のソフィア・マイルズが美を競う。マイルズ扮するダーシーがケイドと仲良くなるくらいの描写あってもよさそうなものだが何もなし。作り手はガッチャンガッチャンドカンドカンしか興味がないようだ。

トランスフォーマー/最後の騎士王

やれやれ長かったな。何でこんなに長いのかいな。冒頭はアーサー王やらマーリンやら。どんだけ話を広げるのかいな。1600年たって、地球は破滅の危機に。オプティマスは故郷のサイバトロン星へ帰るが、荒廃していて。創造主クインテッサが言うには、復活するにはマーリンの杖が必要と。サイバトロン星は地球へ近づき、地熱だか何だかを吸い上げるらしい。もう見ていても何が何だかさっぱりわからない。何が何だかわからないってことは、見ていてもおもしろくないってことで。とにかく戦って壊して、べちゃべちゃしゃべってるだけ。ワクワクもドキドキもしない。このメカにはこういう性能があってとかいう段階じゃない。変身しては壊し、変身しては壊し。見ている人は楽しめるんでしょうか。普通の人は・・いくら変身が好きでも破壊が好きでも・・そのうちうんざりするんじゃないの?作り手が観客のこと全然考えてないという意見があるけど、全くそう。今回はあの映画とか、あのキャラとか頭に思い浮かぶことも多かったな。小型のロボット、スクィークスはどう見たって「ウォーリー」。警護ロボは「ロボコップ」、海中に沈んだ宇宙船は「エイリアン」、クインテッサはエイリアンクイーン。アンソニー・ホプキンスが出てきた時にはびっくりした。いかにも途中で裏切りそうなうさんくさいキャラだけど、執事ロボ、コグマンがずっと仕えているってことは本物の伯爵なんだろう。ホプキンスは演技しているというより楽しんでいる感じ。レノックス(ジョシュ・デュアメル)とかシモンズ(ジョン・タトゥーロ)とかおなじみのキャラも。スタンリー・トゥッチはどこに出ていたんだろう・・マーリン役?続投のウォールバーグは少し髪が長く、そのせいか若く見える。頼むから次回は出ないでね。出たらまた見なくちゃならなくなるから。いやホント、マークはステキなんだけど、ストーリーがアレなもんで。ヴィヴィアン役はローラ・ハドック。「ミス・マープル」の「ポケットにライ麦を」に出ていたらしい。ヴィヴィアンのおばのマリーやってるのは「ルイス警部」のボス、レベッカ・フロントだ。困ったことに(←?)次に続くようなラストで。あの~まだ続けるつもりなんですか?

トランスフォーマー/ビースト覚醒

このシリーズは終わったんじゃなかったの?ある程度行くと今度は昔に戻ってというのはよくある手。時代設定は1994年。ノアは年の離れた弟クリスと、母親との三人暮らし。最初クリスは彼の息子で、女性は奥さんかと思ってたら違った。じゃあ独身だからエレーナといい仲になってもおかしくないけど、そっちへは行かなかったな。ロマンスはなしで男の方は家族を思い、女の方は出世を夢見る。クリスには遺伝性の血液の病気があり、金がないためろくな治療もできない。ノアはそれが気になって面接もうまくいかない。思い余って車泥棒の片棒をかつぐが、盗んだポルシェはオートボットのミラージュだった。一方博物館でインターンをしているエレーナは、運ばれてきた像が気になり・・。実は像の中にはトランスワープ・キーの半分が隠されていて・・。残りの半分はペルーにあって、キーが揃うとユニクロンが来て地球を食べちゃう。その一方でこのキーがあればオートボット達は故郷の星へ帰れる。ノア役アンソニー・ラモスエレーナ役ドミニク・フィッシュバックも知らない人。何と言うかあまり知られてない人使って出演料節約しようみたいな。特殊効果に莫大な費用がかかるから・・みたいな。声の方もロン・パールマンやミシェル・ヨー以外は知らん人。ラモスはそこらの頼りないアンチャンって感じだけど、クライマックスでは鋼鉄戦士に変身。なかなかよかったと思う。フィッシュハンバーグ・・じゃない、フラッシュバック・・じゃない、フィッシュバックのエレーナも、上司にこき使われているけどめげずに野心を抱いているのがよかった。まあそれ以外のことは・・ロボット達のことは・・何が何だかわからんし、わかろうとも思わないし、どうでもいいって感じ。ドカンドカンにガチャンガチャン。動く度にそこらへん壊してるし・・遺跡とか。だったら見なきゃいいんだけどいちおうシリーズ物だし。おまけにG.I.ジョーとくっつけられそうだし、そうなるとまた何作か続くのかいな。ラストでノアはミラージュが変身するところリークに見せていたけど、あんな口の軽いやつに秘密見せるなんて信じられない。