超高層プロフェッショナル

超高層プロフェッショナル

期日までにビルを建てようと奮闘する男達の熱く、汗臭い物語。それに花を添える一人の美女。まずジョージ・ケネディ扮するルーが登場。彼は現場監督だ。工事は遅れている。ルーの弟エディは鉄骨の輸送を担当しているが、全然信用できない。作業員がもめるのも遅れの原因だ。でもケネディなら強引に推し進めてビルは完成するだろう。そう思っていたら・・15分で退場。ビルから転落して死んじゃったオヨヨ。ラスト、A.J.バクナスに捧ぐと出るのは、ケネディのスタントマンが死亡したかららしい。あの転落のところかね。高層ビルの建築現場が舞台なので、やたら高所から下を覗き込むシーンが出てくる。高いところが苦手な人にとっては見ているのが苦痛。命綱もなしに仕事してるけど危険だよな。鉄骨の上を歩いていて、突風でも吹いたらどうするのかね。さて、ルーのあとを継いでビルを完成させようとするのが娘のキャス。たぶん彼女は建築に関しては素人だと思うけど、この映画は下をうつして観客を怖がらせることに忙しく、多くのことは説明不足。ピグノーズのアドバイスで、キャスはキャットンという男を監督に引き入れる。ケネディが退場して、じゃあ誰が主役なんだろうと思っていると、出てくるのがリー・メジャース。キャットンは今は長距離トラックの運転手をしている。キャスに頼まれても、すぐには決心つかない。彼にはエディの仕事で仲間二人をなくした過去があるらしいが、詳しいことは不明。以前は平気だったが、今は高いところが苦手。それもその時のことが原因なのか。とにかく説明不足。キャスが「何があったか聞いたわ」と言った時、観客全員オレはアタイは何も聞いてないで~と思ったはず。メジャースはテレビシリーズの「600万ドルの男」で有名だけど、日本ではどっちかと言うとファラ・フォーセットの元ダンナとして知られているかも。登場した時はわりと型破りな感じの風来坊的アンチャン。運転中ビールの缶にコーラのラベルを巻きつけて隠して飲んでたり。でも仕事に入ってからは真面目。その分キャットンがかき集める昔の仕事仲間がユニークなキャラ揃い。

超高層プロフェッショナル2

キャットンがキャスと恋仲になるのはこういう映画のお約束だけど、そうもならなくて、そこはちょっと意外だった。キャス役はジェニファー・オニール。私は見たことないけど、数十年前「おもいでの夏」という映画で盛んに美女だ美女だと雑誌に取り上げられていた。もっとも私の印象は美しさよりも結婚回数の多さ。九回くらい結婚してるらしい。すごいね。ピグノーズ役はアート・カーニー。「ハリーとトント」のじいちゃんだ。ピグノーズの役回りが私にはよくわからなかったけど、組合長らしい。話を戻して途中キャスはキャットンを食事に招くけど、彼には退屈で。途中で二人で抜け出すが、普通の映画なら夕暮れ、牧場、二人きり、見つめ合ってキスシーンとなるけど、そうならない。キャスがそれとなくモーションかけても乗ってこない。「世界が違う」とあっさり。で、私感心したんですよ。自分のことよくわかってるんだって。一時の感情に流されないんだって。ラスト、エディの数々の妨害にも負けず骨組みが完成して二人で見つめ合って・・でもやっとキャットンが手を出すとキャスは反対方向向いて。抱き合ってキスしてとはならない。まあこの後接近するんだろうけど、本編の間にラブシーンゼロというのは珍しいですな。と言うか、私にはオニールがファラ・フォーセットに見えて仕方なかったんですけど。ダンサー役リチャード・リンチは「アリゲーター2」に出ていた。エディ役ハリス・ユーリンは「ゴーストバスターズ2」の判事。エディの腰巾着ケリンは「デビルスピーク」のR.G.アームストロング、タンク役はアルバート・サルミ。知ってる人はそれくらいかな。クライマックスのヘリの登場にはびっくらこく。鉄骨の受け渡しにはハラハラする。野郎どもの描写は熱く、むさくるしく、ワイルドだけど、紅一点キャスはあまりうまく溶け込んではいない。肩の出たファッショナブルなドレスで登場したりすると、その場違いさ度にはクラクラする。願わくばキャットンには、仕事は終わり、ルーの供養もできたことだし、元の気楽な長距離トラックの運ちゃん稼業に戻って欲しい。