ヅラ刑事

ヅラ刑事

公開当時テレビで紹介されたのをちょこっと見たことがある。予告だけ見るとおもしろそうだが、ギャグだけじゃ映画にはならない。公開されたのは2006年だが、出演者のうちウガンダ・トラ氏や飯島愛さんは故人だ。刑事の源田(モト冬樹氏)はカツラを愛用している。ただのカツラではない。投げるとなぜかちゃんと戻ってくる。そこへ至るまでは特訓の日々。他にもいろいろあるが、いちいち書くのもばからしい。源田は有能なのになぜか厄介者扱いされ、七曲署ならぬ花曲署へ。どうも「太陽にほえろ!」のパロディ狙ってるらしい。ボスの面堂(中野英雄氏)は石原裕次郎風。他にチビとかイケメンとかオヤジとか皆愛称で呼び合う。ある日ウラン235が盗まれ、原爆が作られ、首都圏のどこかで爆発させる、止めたけりゃ50億出せと要求が来る。この頃はまだ福島の原発事故も起きておらず、こんなふざけた設定もできたけど、今はどうかな。モト氏は元々ハンサムだし、歌もうまい。ハゲを逆手に取って笑わせてやろうという発想が生まれるのももっともだ。しかしストーリーは陳腐で貧弱だし、出演者の多くは演技がへたというのでは話にならない。薄い内容を何とかごまかそうとひんぱんに回想が入る。モト氏の歌がまるまる一曲流れる。愁いを帯びた面持ちのモト氏があちこち歩き回り、画面の下には歌詞が出る。まるでカラオケだ。つぎはぎだらけのストーリーは、あっちへふらふらこっちへふらふら着地点が定まらない。見始めた以上は最後まで見届けるぞという意地で見ているだけ。CMが入るとうれしい。早送りできるから。ところどころ笑えるところはある。イジリー岡田氏が耀子(江口ヒロミさん)の前で作り話をし、聞いていたテロリスト達がもらい泣きするところはおかしい。あと、公安調査室(って何?)の八田役斉藤工氏は印象に残った。長身でちょっと変わった髪型。「カンフーハッスル」に出てきそう。それにしても爆弾の解除・・なぜ耀子にやらせるのだろう。爆弾を作った蛇沼(堀内正美氏)がそばにいるのに。一番最後に「つづく」と出るが、調べてみたらテレビで「ヅラ刑事 頭上最大の決戦」という続編が放映されたらしい。