沈黙の監獄

沈黙の監獄

だいぶ前に録画して、ほったらかしにしといたのをやっと見た。少し前にもやった。けっこう同じものをくり返しやっているのだな。ストーリーは何が何だかさっぱりわからない。どちらがどこの所属なのか。CIA、特殊部隊、海兵隊・・まあ、いつも通り。わかっているのはセガールとその仲間が正義の味方で、珍しくもマイケル・パレが悪役だということ。これから書く感想の中には間違ってることもあるかもしれないけど許してたもれ。これでもあれこれ確認してから書いてるのよ。字幕ならもう少しはっきりするんだろうけど。閉鎖作業中のアメリカの軍事施設。収容されているのはとびきり凶悪な囚人四人と、つい昨晩連れてこられた女囚二人。ここのことは地元警察もノータッチ。オレゴン州北部と出てくるので、人里離れた山奥・・と思っていたら、ラストの空撮見てびっくり。すぐそばに人家がいっぱいあるじゃん!一晩中銃声や爆発音していたのに・・住民が騒ぐのでは?何だかよくわからんが、クロス(セガール)やマニング(スティーヴ・オースティン)、ブラッドリーら五人のチームが、施設閉鎖処理のため来ている。あれやこれや遅れが出ているせいで、囚人の移送ができない。ん?軍事施設じゃなくて刑務所なの?廃棄物処理サービスの大型トラックが来る。会社の名前がトロイで、ごていねいに木馬の首の絵が車体に貼ってある。中に誰かいるってのが見え見え。と言うか、中に何人も隠れられる空間が?ゴミ収集車とは違うのか。運転してきたマックスは見慣れない顔だし、作業はちっとも進まないしで、マニングはいらつく。そのうち故障だとなって、役立たずのマックスに代わって車体の下に潜り込む。中では傭兵達が表へ出るため爆薬を仕かけ・・ん?入ったところから出ればいいじゃん。下にいるマニングにはてっきりその音が聞こえたと思ったら・・何も聞こえていなかったようで。傭兵達がガスマスクかぶっているのは、密閉された空間だからかな。連邦保安官らしいブレイク(パレ)が来て、女囚二人を引き渡すよう要求するが、他の四人も一緒でないとだめと刑務所長(イアン・ロビソン)は拒否。で、すぐブレイクは正体あらわす。MPの一人フィールズが内通しているが、あれこれ手違いがあって、何事もスムーズにいかない。

沈黙の監獄2

フィールズは何やら紙を落とし、それをテレンスが拾う。不審に思ってクロスに渡し、クロスはブラッドリーに渡す。何やらアラビア語で書かれた暗号らしい。この時点では当然のことだが、囚人の脱走計画だと思っている。あれこれあって施設はブレイク達の手に落ちるが、手際が悪いと言うか・・。彼らの目的は女囚だが、いつの間にか監房を移されていて・・。それだってマックスの時間稼ぎのせいなのだが、施設のことを知ってるはずのフィールズが何も知らないようなのは変。女囚二人・・サマンサ(ステフ・ソング)とシャーロット(アリーヤ・オブライエン)のうち、狙われているのはサマンサの方。その理由が、見ていても今いち飲み込めないのよね。CIAの裏金2億ドルのありかがわかるチップが体内に埋め込まれているとか何とか。このサマンサは貧相な感じで、何か見ていてもどうでもいいという感じで。ぜひ助かって欲しいとかそういう感情が起こらないタイプ。なぜそんな仕事をしていたのか、自分でもよくわかってないみたいな。いざとなったら誰も助けてくれないような危ない仕事だとも思っていなかったのかな。彼女に比べるとシャーロットは顔立ちも派手だし、後でわかるけどブレイクの仲間。お金のためというのがはっきりしていて、凶悪な囚人を倒すなど腕っぷしもなかなかのもの。途中でマニングを襲い、昏倒させるが、とどめは刺さない。ご都合主義とも言えるが、サマンサに逃げられ、急いであとを追わなければならないという事情も。マニングがやられたのは、彼女の正体を知らず、油断したせいだが、怒るどころか「まいったな、ほれちまったぜ」。こういう骨のある女性が好みらしい。次に見つけた時には彼女はサマンサに撃たれて死体になっていた。「ちくしょう、俺の未来の元嫁殺したのどこのどいつだ」と嘆くのが笑える。それにしてもシャーロットはサマンサと同じ房で一晩過ごしたはずで、チップのこととかそれとなく聞き出す暇は十分あったのに、何もしてなかったようで。施設が乗っ取られた時にはクロスはお留守。ブラッドリー達が時間をつぶしている酒場がうつるだけで、あとは全編施設の中。それじゃあ間が持たないので、途中でブレイクは囚人達の監房を開ける。これもお約束。

沈黙の監獄3

もちろん彼らはみんな死に、MP達も次々にやられる。一人女MPがいて、彼女はなかなかしっかりしていたけど、結局どうなったんだっけ?死ぬところはうつってなかったから生きてるのかなとは思うけど、途中から出てこなくなる。ラストも出てこない。チームと一緒に活躍させて欲しかった気も。ラストはもちろんクロス達の勝利。サマンサも助かる。クロスとブレイクの対決は一方的。対決までいかない。ブレイクはクロスに触れることもできなかったのでは?2012年と言うと、セガールは60を過ぎたところ。今作のセガールは太っているしたるんでいるけど、見苦しいというほどでもない。あんまりはっきりうつさないようにしてるみたいな。画面からはみ出るくらいの大うつしはなし。後半は帽子やサングラスで何となく隠しているし。アクションはほとんど手技だけだったと思う。ま、早すぎて何が何だかわからないという、いつも通りのうつし方。あの体格じゃ、足も上がらんだろうなあ・・腹が邪魔で。彼よりずっとキャリアが長いパレに、ほんの少しの見せ場も作ってあげないところはすごいな。無敵のセガール拳にブレイクは手も足も出ない。徹頭徹尾やられっぱなしで、最後は爆死させられちゃう。おまけに彼が狙っていた2億ドルはクロスがいただいて、マニングと山分け。何に使う・・ってアンタ、いくら足のつかない金だからって元は庶民の税金かもよ。しかも1億ドルあったって半分は借金で消える・・ってアンタ、どういう生活しとるねん。たぶんその借金はお気に入りの武器を集めるため・・ついついふくらんじゃったとか?使い道を言い合ったところで、真顔になって冗談もこれくらいにしてじゃあ大統領あてに金を送っておくかとか何とかそういうふうにすれば、好感度大だったのに。それにクロスはサマンサが気に入って、たぶんこの後はお楽しみのはず。面倒な後始末はマニング達に任せて・・クロスもサマンサもいい気なものだ。でもまあクマみたいなごっついクロスが、小柄で細いサマンサに抱きつかれて「ハッハッハ」と笑うところは微笑ましくてよかったけどね。おびえるだけだった彼女が重い銃を抱え、ふらつきながらも助けにきたんだものねえ。

沈黙の監獄4

オースティンはWOWOWで何本か主演作が放映されたから、名前だけは知ってるけど、実際に見るのは初めて。有名なプロレスラーだったそうで、たくましい体にツルツル頭。たぶん悪役レスラーだったんだろうけど、そういう人って愛敬があったりして憎めないと言うか。一時セガールはヒップホップアンチャンをよく出してきていたけど、それが間違いだってのに気づいたかしら?バイロン・マンとか今回のオースティンとか、私はまだ見てないけどヴィニー・ジョーンズとか、ちゃんとした人を出してきた方が映画も少しはマシになるとわかったかしら?マニングは慎重で信頼できる男。彼に任せておけばクロスは安心して留守にできるし、太っていられるし、たるんでいられるし・・あれ?パレの方は、よくこんな役引き受けたなあって思うけど、出てくれるだけでいいんです!年齢と共にこういう二枚目は悪役も似合ってくるのです。それにいつも書いてることだけど、悪役って大事なのです。ヒーローだけ目立ってりゃそれでいいってもんでもないのです。ブラッドリー役ブレン・フォスターは若いし体もよく動く。ちょっとコリン・ファレルに似ているかな。こういう映画では珍しく、クロスのチームは全員生き残る。代わりに他の連中がバタバタ死ぬ。ちょっとびっくりしたのはテレンス役リチャード・ストロー。ん?どこかで見たような・・。どこかで聞いたような・・。そうです、そうです、エドワード・ファーロング主演の「コベナント」の謎の男役で私が注目した人ですよ、まあ久しぶり。少し髪が後退したかな?テレンスには厨房で働く恋人がいるけど、まあ一般人だから仕方ないけど聞き分けが悪いし、おびえるしで、一緒に隠れていても動いたり音を立てたり。結局見つかって二人とも殺されちゃう。あとは・・そうそう、音楽がうるさかったな。全編にわたってのべつまくなし。チャンチキチャンチキ、カンカラカンカン、ドーン、カーン、チーン、ジャーン・・まあとにかくうるさい。たぶん見る人に考える暇与えちゃならん・・ってことなんでしょうな。ボロが出るから。画面が切り替わる時にギギッとかガガッという感じで揺れるのもなあ。こういうのってホラー映画でよくやる。悪霊やゾンビが出てくる時にノイズが入ったみたいに。まああれこれ書きましたけど最後まで見ましたよ。何があっても無傷なセガールにはハラハラもドキドキもしないけど、わりとまわりにしっかりしたの揃えていたからね。