ダブル・インパクト

「レプリカント」と同じでヴァン・ダムが二役をやるが、あちらほどおもしろくもないし感動もしない。赤ん坊の頃両親を殺され、孤児院で育った兄アレックスは今じゃ香港裏社会のちょっとした顔だ。両親の親友フランクに育てられた弟チャドはハリウッドでカラテのインストラクターやってる。２５年たってやっとアレックスの居どころつかんだフランクは、今こそグリフィスやザンに復讐を・・と、チャドを連れて香港へ。飛行機が降下するシーンは「燃えよドラゴン」にも出てくるが、ホントビルの上すれすれに飛ぶのよね。昔両親と香港へ行った時、いきなり目の前にビルが現われてびっくりしたっけ。ヴァン・ダムはまだ若く、溌剌としていて見ていて気持ちがいいが、いくら一卵性でもオデコにあるコブまで一緒かなあという気はする。ストーリーはいいかげんで中途はんぱ。双子という設定もうまく生かされていない。途中で仲間割れするのもばかばかしい。彼らがやったことのせいでグリフィスやザンの組織内に、誰かが裏切ったのでは・・という不信感が生まれる。ちゃんと調べもせず、怪しい即処刑となるので、こんなアホな組織ほっといても崩壊する、あと二、三回かき回せば・・と思える。それなのにわざわざ彼らの前に姿現わし、自分達がやった、両親の仇討ちだと明らかにする。どちらも頭悪いな～。アレックスの恋人ダニエルはグリフィスの秘書をしていて、何やら書類を持ち出す。身体検査されたのにどうやって持ち出したんだ？どこに隠していたんだ？アレックスがダニエルをチャドに取られたと妄想するシーンは、これでもかとばかりに延々うつす。もっと短くコメディーっぽくやればいいのに。ところでこの映画にはヤン・スエが出ている。「燃えよドラゴン」のボロだ。「アウト・フォー・ジャスティス」のイノサントスよりはマシな扱いだが、それでももったいない使われ方。彼って出番の半分は百面相してるんだよなあ・・。一番印象に残るキャラはキャラ。いや、役名がキャラなんですけどさ。私最初男の人かと思った。太腿とかすごくたくましくて。そしたらコリー・エバーソンという、ミス・オリンピアに何年も連続してなった人で、要するに女シュワちゃん。本職のアクションスターではないのでそっちの方は楽しめないが、まれに見る筋肉美。しかもなかなかの美女。ダブルのヴァン・ダムよりインパクト大。