沈黙の激突

沈黙の激突

スティーヴン・セガールの映画は、シネパトスでよく予告見たけど、結局一回も行かなかったな。1800円出して見るようなものじゃない。三本立てで1800円なら許してあげるけど、見終わるとみんなごっちゃになって内容思い出せない。結局はお金も時間もムダにした・・と悔やむ、そんな出来に違いない。それと最近の彼は、三本で一本分しか動いていないんじゃないの?とか何とかボロクソに言ってる私だけど、心の中では密かに彼とヴァン・ダムの映画は全部見たい・・と思っていて。いつか・・できたら・・そのうちに・・だけど。今回はCTXとかいうクスリの話。パリの上水道に入れて、人々を中毒させるか死なせるか(どっちなんだ?)。売って大儲けしようとは思ってないのね?セガールの役は軍のはみ出し者マーシャル。ストーリーはさっぱりわからない。何だかわからんけど敵をやっつけるために武器を用意しろ、部隊を召集しろ、いつものやり方で行く・・という方向へ話が進む。じゃクライマックスはそれらの武器使ってハデにやるのかな。あら?もうクライマックスの話?いやいやちょっと待てよ。全然動かなくてアンタやる気あるのかよ・・みたいなセガールには呆れるけど、感想までやる気なしの文章にするつもりはありませんからね!マーシャルの背景は全然わからない。まるで彼を主人公にして、すでに何本か作られていて、今更何を説明する必要あるのか・・みたいな感じ?「沈黙の戦艦」の後で「暴走特急」のライバックには説明不要・・みたいな。でもこのマーシャル、別のに出ていた形跡なし。ってことは単に作り手の怠慢・想像力の欠如ってことね。わかんなくたっていいのだ、細かいことごちゃごちゃ言うな、黙ってセガール様の映画見てろ!ってか?お客に沈黙を強いる映画。マーシャルが上の命令聞かず、独断的で扱いにくい男だっていうのはわかる。セガールが演じるのはたいていそういうキャラ。ただ今回全く魅力のない男に描かれているのは不思議だった。大きな声じゃ言えないが(←?)頭がいいようにも見えない。・・我々が彼の映画見る時感じるもの、期待するものはいくつかある。一番期待するのはキレのいい本格的なアクション。次は・・いつもの、おなじみの彼。長くて黒々とした髪、ヒゲはきちんとそり、いつでもきっちり着込んでいて、決して上半身裸になったりパンツ一丁でスネ毛見せたりしない。

沈黙の激突2

お金や女性の誘惑には決して乗らず、高潔。悪は憎むが、例え敵でもむやみに殺したりしない。余計なことはしゃべらず、適度にユーモアがあり、善良な女性には敬意をはらい、非力な存在(子供、老人、貧しい人々)にはやさしい。私は彼の作品は一部しか見ていないから、全体的な傾向は知らないが、彼のイメージはこんな感じ。だから今回のマーシャルのようなタイプにはとまどいを覚える。女といちゃつくのにはびっくりしたし、大量の武器で対抗することしか思いつかないような頭の悪さにもがっくり。人を見下すような態度、背後から撃ち殺す卑怯さ。高潔さも謙虚さもなし。彼がなぜ上司のロビンソンやワーナーから煙たがられるのかはっきりしない。自分達が後ろ暗いことをやってるから、マーシャルが目ざわりなのか。敵(アルーン達)をやっつけるのではなく、マーシャル達とロビンソン達が殺し合う展開には開いた口がふさがらなかった。仲間どうしで殺し合ってどうする!それくらい頭が悪いのかよ、おまえら。ムダに死んでいく部下が気の毒。マーシャルはティアと元恋人どうしらしいが、詳しいことは不明。とにかく何もかも不明。セガールみたいなタイプがいちゃつき始めたらおしまい。しかも自分の娘みたいな若いのと・・ムリがある。女性とめったにかかわらないのがセガールである。かかわったとしても節度があるからセガールなのだ。それがいちゃついてしまったのでは他の人と同じってことになってしまう。他の人・・他の役者・・と同じでいるには、セガールは演技へた。どんな役もこなせる器用さはない。何かをしないことによって、他の役者との違いを出す。自分のカラーを出す。それがセガールだ。マンネリでも何でもいいから、寡黙で高潔、それでいてユーモアに富んだタイプ貫いた方がいいと思う。ティア役リサ・ラヴブランドは「7セカンズ」に出ていたらしいが記憶なし。口元がだらしないというかひん曲がっているものの、いちおう美人だしスタイルもいい。クライマックスであっさり殺されてしまうのにはちょっとびっくり。殺されてしまうと言えばマーシャルのよき相棒ドウェイン(デヴィッド・ケネディ)も。東洋人ぽいのが一人いて、ノブなんて呼ばれていたから日本人の設定か。出てくる兵士は精鋭部隊のわりには顔つき、動きがゆるんでいて・・。現地調達のエキストラか・・と思える人も多いが、このノブ役の人はちゃんとしていた。目つきが鋭く、動きにスキがない。

沈黙の激突3

この人は助かるんだけど、これはきっとマーシャルのそばにいたからだろう。味方はどんどんやられていくけど、マーシャルは絶対死なないから、彼にへばりついていれば安心!いろいろ起こって人はどんどん死ぬけど、ストーリーはメチャクチャだからハラハラもドキドキもしない。マジェスティックって何?軍の薬物計画のこと?一回じゃわからないからもう一度見たわよ(それでもよくわからないのは私の頭のせい?)。ワーナーとロビンソンは、アルーンとティアにCTXを開発させたのね。このクスリは兵士を殺人マシンに変えてしまう。ある程度成功してから発表して自分達の手柄にするつもりだったけど、アルーンが行方をくらましてしまう。こりゃまずいと計画を中止。マーシャルのようなうるさいやつも近づけないようにしていた。自分がのけ者にされているのはおもしろくないが、マーシャルには新しい任務が。三人の新人の訓練。ところがこの三人、ストリップバーへ出かけて女(リーナ)を引っかけ、ホテルに連れ帰るが惨殺されてしまう。マーシャルは三人の正体を知ってる者の仕業だと思い込む。本当は違うんだけどね(ただの偶然)。三人には死因となった外傷の他にクスリ(CTX)も検出された(いつ飲まされ・・あるいは注射されたんだ?何のために?)。それでマーシャルはCTXの件に首を突っ込むことになり・・。まあこんなことは本当は書いても仕方ないんだけどね。リーナがクスリをホテルに置いたままいなくなるとか、ドウェインが拘束したアルーンをほったらかしにしてあっさり逃げられちゃうとか、つじつまの合わないこといいかげんなことばっかり。こんなふうでも映画ってできちゃうのね。冒頭わけのわからないアクションシーンがあった後、舞台はパリへ移る。冒頭の件とパリでの出来事がつながっているのか全然別のものなのか不明。前に書いたように三人の若者が訓練(それもたったの二日)の前に命の洗濯・・と夜のパリへくり出す。ストリップバーでリーナに出会い、ホテルで楽しもうと・・このシーンがやたら長い。三人のバカさかげんを、これでもかと見せる。そう言えばオープニングの部分も、もやもやしていてバクテリアの分裂かな・・と思っていたら、どうやら女性が腰をくねらせているところで。こんなのをオープニングに持ってくること自体セガールの映画らしくないんだけど。

沈黙の激突4

三人の死後マーシャルやドウェインが「よく訓練された精鋭だった」とか言って悼むんだけど、とんでもない話。鼻の下をのばし、でれでれしていただけじゃん。人生最高の夜だ~!とか浮かれまくって・・人生最後の夜になっちゃった。リーナはCTXの常用者。彼女が三人を殺したのは単にクスリのせい。地元警察のランベール刑事が現われるが、マーシャル達は最初から高飛車でケンカ腰。これもよくないなあ。ランベールの役回りもあいまい。バーのオーナー、アルーンとは顔なじみのようだ。こういういかがわしい店と警察の間ではワイロがつきもの。ランベールも受け取っており、たいていのことには目をつぶっている。リーナのことも知ってるし、じゃあ彼は悪徳刑事で、だからマーシャル達は彼を敵視しているのか・・とも思ったが、そうでもないようでどうもよくわからん。そのうち自分の部下を殺され(マーシャル達と同じ立場になり)、クライマックスでは協力し合うのかと思ったら、アルーン達のアジトの場所だけ告げて帰っちゃう。何でアジトわかったの?何で軍の大将とすぐ連絡取り合える仲なの?何で帰っちゃうの?部下の仇討ちは?ウーム、わからん。何のために出てきたのかランベール。クスリをやっているのはリーナだけではない。アルーンがオーナーになってから、どうもあのあたりで殺人事件が増えたようだ。リーナやアルーンが怪しいぞ・・というのでランベールが動き出し、嗅ぎ回っているうちにマーシャル達と出会い、協力し・・となれば話はスムーズにつながるけど、作り手はそういうの全然してない。セガールも動かないし。とは言え夜のパリへくり出す三人を見送る二人の中年男の図はちょっとおもしろかった。彼らだって若い頃はああだったかも。でも今は・・明日に備えて自重する。マーシャルの方はティアと再会すると早速いちゃつくが、ドウェインの方は最初から最後まで何もなし。そのせいで心に残るのはドウェインの方。マーシャルには(セガールの演技へたなせいもあるが)なかみがない。今も昔も変わらず、いつだって独断的で扱いにくいんだろう。なぜそうなのかはわからない。生まれつき?死ぬまでこのまま?一方ドウェインの方は変化を思い描くことができる。昔はかなりムチャをしたと思う。自信過剰で血の気が多く、あの三人を合わせたよりももっとバカで無鉄砲だっただろう。

沈黙の激突5

大ケガもしただろうし大失敗も挫折も一通り経験したはず。刻まれたシワの一本一本にそれがにじみ出ている。あれこれあって今の彼ができあがったのだ。もうムチャはしないが、熱いものは今でも胸に秘めてる。いつでも行動起こす準備はできてる。椅子に沈み込んで三人やマーシャルを見送っていても、彼は決して老け込んでしまっているわけではない。待機モードと戦闘モード、その切り替えが瞬時にできるだけ。・・椅子に座っているだけでこれだけのものを連想させることができるんだからケネディの演技はすごいと思う。セガールだとなまけているようにしか見えん。くり返すが今回のセガールは全く魅力なし。アクションも全然だめ。前にくらべるとカットが短い。こうしている・・というのが見て取れないから、ごまかされているような気も・・。猫のケンカ・・なんて書いてる人もいるけどホントにそう。・・と言うか、猫に対して失礼だ。アクション面での目玉はリーナなんだろう。CTXを使うと休日高速料金が1000円になる・・じゃない、超人的な動きができる。使っているかどうかは目の変化で判断する。目が一瞬猫娘みたいになるのだ。モロアニメで笑っちゃうが、アイデアとしてはいい。もう一人アルーンのボスみたいな女が出てくるが、正体は不明。わかっているのは豊富な資金持ってることだけ。その金はロシアから来るが、クスリをまいてどうしようと思っているのかはよくわからない。パリ市民の安全と引き換えに金を要求するとか、どこかの国に武器として高値で売りつけるとか、何かしら目的があるはずだが、そういう気配なし。単に犠牲者を出してやれ、パニックを起こしてやれというテロ行為か。どこかから頼まれたのではなく、自分がそうしたいからなのか。でもそれだとロシアからお金が送られてくる理由がわからん。金を出す以上何か目的はあるはずで・・。それと何か重大なことを託すにしてはこの女若すぎるね。普通大物の娘であるとか、何か背景くっつけるものだが。リーナにせよこの女ボスにせよ、悪役として出てきても若い女性なので重みがない。演技やアクションがすぐれているわけでもない。細切れカットでごまかしているだけ。クライマックスでは女ボスがマーシャルと戦うが、露出の多いコスチュームで登場した時には引っくり返りそうになった。

沈黙の激突6

一瞬何かのギャグだと思った。ひと昔前のお色気スパイアクションといったところか。パンチやキックは申し訳程度。ムチムチボディーで悩殺しようと企んでいるようにしか見えん。もちろん女ボスは悩殺しようなんて思っていない。大真面目。マーシャルと戦って勝つ気でいる。マーシャルはと言えば、むくんだ顔にどんよりした目つき。今までほとんど何もしてこなくて、やっと重い腰上げてここまで来たけど、これ以上動きたくない。できれば何もせずそこらへんちゃちゃっと見回って終わりにしたいと思ってる。ドウェインやティア、ノブがいるし。来るのいやがったワーナーも無理に連れてきちゃった。もちろんあっという間に殺される。これでロビンソン、ワーナー、気に食わない二人は始末できたぞ。ワーナー役ダニー・ウェッブは片岡鶴太郎氏に似ている。マーシャルの敵だが、何だか気の毒に思えてしまった。さて、マーシャルは女ボスのムチムチボディーには気づいた様子もない。ノブは気づいたけど。とにかくクライマックスのハイライトは猫のケンカ。見ている者の注意はセガールの華麗な手さばき・・ではなくて、女ボスのコスチュームに行く。いつオッパイポロリとなるか、裂けたベストを注視しカウントダウン。もうほとんど出かかっているのに・・その先が・・しぶとい。あらッ、ポロリとなる前に勝負ついちゃいました。結局半ポロで終わっちゃいましたとさ(ケチ!)。セガールがいつあのキレのいいアクション見せてくれるのかと根気よく待っていた私も、いつしかそんなこと期待するだけムダだと気づいた。やっとマーシャルが動き始めても相手が若い女性や細い男性ではねえ・・。若さやクスリのせいでアルーン達の方が断然有利なはずだが、それでもマーシャルが勝っちゃう。セガールだから死ぬわけない。どんなにむくんでいても動くの大儀そうでも勝つ。何だよ~もっと動け~真面目にやれ~。こんな(自分が活躍するわけでもない、いやいや動いてるようにしか見えない)映画なぜ作ったんだろう。と言うかなぜ作れたんだろう。製作費どうやって集めたの?ついでに言うと感想一回(1000字ぽっきり)で終わらせるつもりで書き始めたのに、何でまだ書いているんだろう。一つはっきりしてるのは、セガールがだめでも、脇にいる人達のおかげで何とか見られる映画になってるということ。

沈黙の激突7

さらに言うとセガールはいなくてもかまわない。ドウェインのキャラで十分引っ張っていける。彼とランベールを協力させ、それにティアをからめればいい。ドウェインとランベールだと顔が似ていて、区別つかないのが難点だけど、ランベールの方をもっと若くてハンサムなのに代えればいい。前にも書いたようにこの映画支えているのはケネディ。ラヴブランドも悪くないし、このコンビはいけそう・・なんて好きかってなこと書いてる私。今更何書いても遅いんですけどさ。さて・・こんなどうしようもない映画だけど、実は私途中から熱心に見てましたの。テレビの前に身を乗り出してね。アルーン役アダム・クローズデルが登場したとたんイケメンアンテナがピピッと反応。ストーリーの欠点とかどうでもよくなっちゃいました。アルーンはストリップバーのオーナーにしては若すぎる。正体不明。後になって実は科学者ってわかるけど、それにしたって若い。きっと天才なんだわ。とにかく大変なハンサムで、えッこんな美形がこんなクズ映画に出ていて大丈夫なの?キャリアの汚点にならない?って心配しちゃったくらい。IMDbによると1980年生まれだから、この映画の頃は25歳くらいか。若くて細くてひょろっとしている。やや頭が大きく、60~70年代・・80年代でもいいけどポップアイドルグループのリードボーカル担当みたいな感じ?女の子がキャーキャー言って失神しそう。敵役としては押し出しが弱い。でもセガールがアレだから・・ドーンとしていてむくんでいて、しゃべってんだか黙ってんだか、起きてるんだか寝てるんだか、やる気あるんだかないんだか、目つき悪いし態度尊大だから、すべてにおいて美しいクローズデルが映えるわけ。彼はいろんな人に似ている。ダドリー・ムーアを1億倍くらいハンサムにしたような。他にジョン・キューザックとかアンドリュー・マッカーシーとかスチュアート・タウンゼントとか。でも一番似てるのは若い頃のグレゴリー・ペックかも。とにかく甘くてきれいでかわいくて(えくぼがキュート!)。それでいて頭がよくて抜け目がなくて、どことなく悪の香りがする。彼ならクスリばらまいて多数の犠牲者出ても何とも思わないだろう。今までは兵士実験台にしてクスリのテストしていたけど、それが一般市民に代わっただけ。

沈黙の激突8

お金のためでも主義主張のためでもない。自分の開発したものを試してみたいだけ。ティアに仲間になるよう誘いをかけたけど断られた。でもそんなこと大したことじゃない。女ボスのうるさい口出しもどうってことない。彼にとっては自分が一番。一番優秀なのは自分だから自分の思い通りにことを運ぶ。映画のうつし方はただただ平凡。何の工夫も閃きもない。いかにも意味ありげなうつし方・・覗き見的うつし方しても、それはただそうやっているだけ。何の意味も効果も次につながるものもない。でもクローズデルがうつる時は別。どういうとり方しようが美しいものは美しい。カメラは正直。平凡だろうが冗長だろうが、彼がうつっているというだけで意味が・・意義があるのさッ!彼が死ぬシーンなんてその最たるもの。血が流れ、目がうつろになり、生命が抜け出る。普通だったら長すぎると感じるこのシーンも、美しさのおかげで長いと感じない。それにしても彼の黒々とした目・・美しい・・。クライマックスはパリからバスティアとかいう場所に移る。バスティアがどこにあるのか知らんが、パリからそう遠くはないだろう。そこにある古い教会がアルーン達のアジトだとランベールが連絡してくる。しつこいようだがもう一度聞く。何でわかったの?それとマーシャル達はリーナをつかまえ、口を割らせ、バスティアのことを知った。だからわざわざランベール出してくる必要ないんですけど。クスリはすでに上水道に混入され、広がり始めている。しかしどういう被害が出たのか(出なかったのか)、どういう防御策講じたのか(講じなかったのか)、全然描写されない。ティア達はCTXの開発と同時に抑制する薬も研究したはずで・・。冒頭出てくる、何者かに奪われそうになったものが、その抑制に関係あるようにも見えるが結局つながらない。すべてほったらかしなのだ。この映画のほとんどはパリが舞台だが、画面からはそれらしい雰囲気は全く伝わってこない。夜のシーンなど黒や茶色を多用し、ルーマニアとかそんなムード。建物もそうだし、出てくる人々も・・女ボス、バスティアの村人・・ルーマニア人ぽい顔立ち。ランベールの部下達やカップルが襲われるところ、クライマックスの教会付近、いずれも吸血鬼映画っぽい。

沈黙の激突9

牙がのびたり目が赤くなったり血を吸ったりするわけではないが、やってることは吸血鬼とさほど変わらん。退治する方も十字架やニンニクを使うわけではないが、やってることは・・。「アンダーワールド」とか「ヴァンパイア/最期の聖戦」と同じ。こちらの敵は超人的な動きができるとは言え、銃で撃たれりゃそれっきりだからあんまり怖くない。特殊部隊の方が装備が万全なぶん有利なはずだが、それでもポロポロやられ・・だらしがないなあ。で、こういう長くて迫力のないクライマックス見せられるわけだけど、ほんの一瞬私をハッとさせるシーンがある。それも別に目新しいものではなくて、他の映画で何度か見たのと同じなんだけど・・。石の柱の上でアルーンがうずくまってるシーンがあって。これがアナタ「ザ・クロウ(のポスター)」「デアデビル」「アンダーワールド」などでおなじみの構図なわけ。闇の世界に生きる者が高いところから人間どもを見下ろす・・今回は高さと暗さがちょっと足りないけど、超超ハンサムなアルーンだから、私にとっては誠にウヒョホなわけですの。ああもうこういう私好みのシーンが一つでもあれば、他のことは・・たいていのことはオッケーなんですの。猫のケンカも水太りのセガールも許してあげます、なかったことにしてあげます。クローズデルはまだ日本ではほとんど知られていないんだろうな。こんな超超ハンサム、こんなクズ映画一本きりで(日本でのお披露目)終わってしまうの超超もったいない。何かメジャーな映画でその美しさぞんぶんに見せて欲しい。IMDbを見るとポアロシリーズの「鳩の中の猫」に出ているようだ。他に「レオナルド」とかいうのにミケランジェロ役で出ているらしい。ウギャッ、ぴ、ぴったりじゃん黒い目黒い髪・・ミケランジェロは醜男だったらしいがそんなこと気にしない気にしないウキャキャ。まあこれは見るのムリだろうけど、ポアロの方はそのうちNHKBSでやってくれそう。いえ、絶対やってくれるわ!あ~ん忘れないよう覚えておかなくちゃ、彼に再会できるその日まで私待つわ!!何だかセガール映画の感想とは思えない方向へ行っちゃったけど、こういう思いがけない発見があるから、どんなクズ映画もいちおう見ておいて損はないということで・・。