ドクター・エクソシスト

ドクター・エクソシスト

これはアーロン・エッカートが出ているから見た。冒頭ヘンリーという男の前に現われて妙なことを言うエンバー(エッカート)。実は彼はヘンリーの頭の中に入り込み、取りついたものを除去しているのだ。彼が自分の能力に気づいたのは26の時だが、まわりには隠していた。それがこんな仕事するようになったのは、妻子を交通事故で失ったせい。あの時相手の女性ドライバーは明らかに何かに取りつかれていた。事故のせいでエンバーは車椅子生活。彼は自分のことはエクソシストだとは思っていない。取りついているのは悪魔ではなく寄生体。バチカンからの使いカミラは、11歳の少年キャメロンにマギーが取りついていると言ってくる。マギーこそエンバーの妻子の仇だ。キャメロンは母親リンジーと二人暮らし。父親スパロウはアル中で暴力もふるったようだが、リンジーとは違い、キャメロンには父を慕う気持ちがある。マギーはそれを利用して少年の心を操る。父親との楽しい夢を見させる。悪魔ではなく寄生体だとエンバーが思ってるのが珍しいが、それでいてバチカンとか十字架が出てくるので、さほど独創的な設定とも思えない。時間も短いし、見るからに低予算。頭の中に入り込むのは「ザ・セル」みたいだが、あっちのようなゴージャスさは皆無。キャメロンが部屋の中に座っているだけ。画面が暗く、クライマックスなんか何がどうなってるのかさっぱりわからない。見えないのでハラハラもドキドキもしない。蘇生薬を捨て、血清・・いわば自殺用のクスリ・・を用意させたあたりで、結末は予想つく。自分の身を犠牲にして少年を助けるんだろう。一度病院で目が覚めて、例の交通事故から三日間眠っていただけと言われる。そばには妻子がいるし、足も何ともない・・と喜ぶが、実はこれはマギーが彼に見させている夢。こうであって欲しいという彼の願い。でもキャメロンの代わりに自分が寄生されているしるし。で、自分が死んでマギーも葬ろうとするが、マギーがそばにいたカミラに乗り移ったせいで、エンバーの努力もふいに。ここらへんは「悪魔を憐れむ歌」などで使い古された終わり方。てなわけで救いようのない内容だけど、私のお目当てはアーロンですから。不精ヒゲのむさくるしいエンバーはアレだけど、夢の中では髪はすっきり、ヒゲもなしのハンサムさんだから許す!助手のオリヴァーの格好が「8MM」の時のホアキン・フェニックスみたいなのが笑える。演じているキーア・オドネルは「モール★コップ」のヴェックだ。