ダイ・ハードシリーズ

ダイ・ハード4.0

公開二週目の日曜日。近くのシネコンで見たっていいんだけど、わざわざ新宿プラザまで行って見たのよ。たまにはねえ・・1000席以上あるこういう大きなところでお客さんに囲まれて見たいわけよ。ここは「タイムライン」に続いて二度目。席は二回とも4割くらい埋まっていたかな。前の三作はテレビやビデオで見てるけど今回初めて映画館で見たのよ。サイバー・テロということで、何でもコンピューターに頼っている今の社会が、便利な反面危ういものなのだということが描かれる。「ファイヤーウォール」に似ていて、悪党どもの最終目的はもちろんお金。何だかんだ言っても結局はお金。ボスのガブリエル(ティモシー・オリファント)、パートナーのメイ(マギー・Q)などの一味、報酬に釣られ、それと知らずに利用されるハッカー達・・彼らはいずれも安全なところから操作する。ボタンやキーでも人は殺せるし(信号を操作して事故を起こさせるとか)、お金を盗める(他人の口座に侵入する)。直接手を汚さないぶん罪悪感はうすいし、優越感は強まる。ハッカー達は用がすむとすぐ殺されるけどちっともかわいそうじゃない。仮想世界にどっぷりつかり、現実の危機にはうとくなってる。この映画は深いこと考えず、主人公マクレーン(ブルース・ウィリス)の不死身ぶりだけ見てりゃいい。軽く10回は死んでるはずだが生き残る。カーチェイス、ヘリ、戦闘機、高所からの転落、爆発、そしてもちろん銃撃戦。そのけたはずれのスケールと迫力を楽しめばいい。笑わせるところもあるが、あんまり笑えない。ウィリスが「ホステージ」や「16ブロック」みたいな感じなので、いつ号泣するか、いつ酔いつぶれるか、こっちも身がまえてしまう。中年の悲哀を出すのもいいが、どことなく同情を買おうとしているような・・。特に娘のルーシーとのやり取りなど見てらんない。どんな目に会っても死なないマクレーンだが、娘の一言、冷たい一瞥には死ぬほど傷つくんですよ。ケッ!こんな甘ったれた父親にはルーシーじゃなくたってうんざりだいッ!半分ストーカーだし。ところでこのルーシー役の人鈴木杏嬢に似てません?今回マクレーンとコンビ組むのはジャスティン・ロング扮するマット。他にFBIのボウマン役でクリフ・カーティス。何か見ていて・・顔ぶれ地味と言うかぱっとしないと言うか・・。ドハデなアクションが売りだから別にそれでもいいんだけど・・。

ダイ・ハード4.0 2

何かもっと目の保養になるものがあってもいいと思うんだけどな。マギー・Qは美人だけど、このメイって女、どこにも人間らしさがない。ガブリエルも同様。「ファイヤーウォール」のポール・ベタニーと似たキャラだけど、何のカリスマ性も感じられない。何か同じアクション映画でも「アドレナリン」みたいなのは突っ込みどころがいっぱいあって、さっさかさーと感想書ける。でもこっちはあんまり浮かばないんだよな。超大作でしっかり作ってあって文句のつけようがないんだけど、思わず筆(?)の踊るような魅力的なキャラがいない。みんな地味で、これじゃ監督のレン・ワイズマンの方がよっぽどハンサムじゃん、特別出演して欲しかったな・・なんて。まあこんなふうにわりとフツーに一回目は見ていましたの。そしたら・・エンドクレジットでびっくらこきましたの。マット・オリアリー?出てたっけ?二回目今度は目をこらして見てましたよ。あらッ!一番最初に出てるじゃん。ハッカーの一人。すぐ殺されちゃう。えッこんなにすぐ?ギャッ、ホワッ、グェッ、ドワッ、なぜ?なぜ彼じゃないんです?なぜ彼にしなかったんです?マット役をオリアリー君にするべきでした。ええもう絶対に。別にジャスティン君に不満があるわけじゃないけど、彼じゃ埋もれちゃうんです。ウィリスはいくらタフでもちょっとたそがれてる。それを補う若くてぴかぴかしたのが必要なんです(ウィリスは古くてぴかぴかしてるけどさ、それじゃだめなんですッ)。若さと美と能力にめぐまれているけどまだ未熟で世間知らず。それがマクレーンと行動ともにして、イキがっていたのがぺしゃんこになって、またはい上がる・・みたいな。第一見ていて楽しめるでしょジャスティン君よりオリアリー君の方が。「スパイキッズ」シリーズではまだ成長途中、これからどう変わっていくのかはっきりしなかった。演技じゃなくて顔立ちとか体格のことだけど。それが今作では順調に行ってることがはっきりした。背は高いしすばらしく美形!それをもっと見せて欲しかったんですの。モロオタクイモ兄ちゃんジャスティンより彼の方が絶対女性客増えたはず!うぅ残念。他に目についたのはフランス語しゃべっていたアンチャン。「アルティメット」のシリル・ラファエリですな。マギー・Qのアクションなんかと違って、彼のは本格的ですよ。ちゃんとやってる。でも最後はミンチに・・(合掌)。

ダイ・ハード/ラスト・デイ

今回で五作目か。もうそろそろ終わりにしたら?最初奥さんで、次が娘、今回は息子・・次回は孫?画面が暗く、ストーリーもわけわからん。誰が誰で、どっちがどっちで、何がどうなってるのやら。と言って誰がどうなろうとこっちも気にならないけど。銃撃シーンに爆破シーンにカーチェイスにヘリ爆発、おまけに放射能。もちろん人体への影響は驚くほど軽視される。ガスで簡単に中和(ホントかよ)、髪が抜けるかも・・ってどうせハゲだし。舞台はロシア。マクレーンは息子ジャックが悪の道に踏み込んだとばかり思ってる。モスクワの拘置所にいて、裁判のため法廷へ。マクレーンが行ったって何もできないはずだが。もちろんそこで被告コマロフ強奪事件が起きるが、これがどちら側の作戦なのか見ていてもよくわからない。ジャックがコマロフを連れ出すが、邪魔をしたのがマクレーン。ジャックは何とCIAのスパイ。でもミッションはマクレーンのせいで中止。向こうの人ってホントあきらめが早いから、ほうり出されたジャックは窮地に陥る。コマロフはあるファイルを隠していて、それが手に入るとチャガーリンという大物を葬ることができる。彼が権力を握ると、アメリカにとって都合が悪いらしい。しかしファイルなんか実際は存在しない。コマロフはCIAを利用して刑務所から逃げ出したかっただけ。チェルノブイリに隠してある10億ユーロ相当の兵器用濃縮ウランが目的。娘イリーナも協力している。チャガーリンはコマロフの手下に暗殺されるし、計画はうまくいくように思われたが、そこに立ちふさがったのがマクレーン親子。「3」あたりまでは、それでもまだ生身の人間らしく思えたけど、今じゃ・・。あれじゃあ何度も死んでるはずだが。その代わり彼の歩いたあとには死体の山ができる。いや、正確に言うと死体って車の残骸のことだけど(含ドライバー)。ハデなカーチェイス延々と見せられるけど、ただ破壊を楽しめと?破壊しまくれば観客は喜ぶと?ぐだぐだ続くおしゃべりにもうんざりだ。俺の息子だ、俺は父親だぞ・・そして最後は愛してる。しゃべってる間に手遅れになるはずだが、映画だから間に合う。ジャック役ジェイ・コートニーは知らない人。筋肉りゅうりゅうだが、さほど見せびらかすこともなく好ましい。真面目で、まだちょっと青いところがあるジャックのキャラ・・イリーナが父親を裏切るのが信じられないところ・・も好ましい。相棒マイク役はコール・ハウザーだが、すぐ死んじゃった、残念。それにしても・・ミルズと言いマクレーンと言い、他国に来てやりたい放題。家族のためなら何やっても許されるみたいな傲慢さは不快。