ディック&ジェーン 復讐は最高!

ディック&ジェーン 復讐は最高!

笑えるかなと思ってレンタルしたけど・・あれ?会社が突然倒産し、預金(会社の株)も年金もパーになり、真面目に働いてきたのにこの仕打ちかよ・・と開き直って、夫婦して泥棒稼業。これがなぜか成功して・・というわかりやすいストーリー(のはず)。でもちっとも乗れない。株がどうとかダミー会社がどうとか、何となくわかりにくい。クライマックスで悪社長(アレック・ボールドウィン)から金をだまし取る方法も、複雑すぎて理解できない。社長宅に忍び込み、隠し金庫を見つけ・・の方が(わかりやすくて)いいな。ディック(ジム・キャリー)とジェーン(ティア・レオーニ)が泥棒を決意するのが、映画が始まって40分もたってから。これじゃ遅すぎる。真面目に商売やってるところから盗むのもバツ。一番まずいのがディックのキャラ。冒頭はもちろん彼らの日常の描写。ディックは昇進目前ではりきっている。夫婦仲もよく、子供はかわいい。りっぱな家があり、芝生を入れ、プールを作っているところ。共働きなのでメイドもいる。我々から見れば贅沢な暮らし。私にはディックの仕事が何なのかわからなかったけど、ジェーンの方は旅行会社の苦情処理係だろう。いやな仕事なのでディックの昇進を機に退職する。家にいてもっと子供と過ごそう。ところが会社が倒産。しばらくは生活できる。でもディックの仕事はなかなか見つからず、売り払うものもなくなり大ピンチ。でも泥棒をしてお金が入るとどうしたか。家具を買い戻すのはいいとして、プールを完成させ、隣人友人を招いて息子の盛大な誕生パーティ。やたら車やプールを自慢するいやな隣人がいて、ディックは悔しくて仕方がない。でも得たお金をそんなこと(見栄)のために使うなんて。ジェーンにはある程度共感できるけどディックにはあんまり・・。挫折を知ったことで人と競争することの空しさ、物質的な豊かさではなく精神的なものに気づく・・そういう描写があってもよかった。ラストは元社員のため社長から4億ドルを取り戻し、年金にあてるというハッピーエンド。でもそれだけじゃダメ。盗んだお金をちゃんと返し、見栄の張り合いは卒業・・とならなくちゃ。ホントはこんな説教じみたことなど頭に思い浮かばないほど、笑いころげているはずだったんだけどね。他にリチャード・ジェンキンスが出ていた。