ダークハウス

ダークハウス

これは日本では未公開らしい。WOWOWでやったのだが、マリア・ベロが出てるならそんなにひどい作品でもないかな・・と思って見た。製作は「ソウ」などのジェームズ・ワンらしい。冒頭はよくある、ニュースとか新聞記事をずらずらっと出してくるやり方。20年以上前、マーサという女性が何人も殺したとか何とか。惨劇のあった家は空き家になってるが、今でも霊がいるとか何とか。ジョンは悪夢に悩まされている。恋人のミッシェルと、その兄サムに相談する。ミッシェルはともかく、サムにとってはジョンの悩みなど他人事で、他の連中も呼んで幽霊狩りができないかな・・なんて考えてる。問題の家に行き、カメラ等設置し、降霊会やって霊の映像ばっちりとって・・。いちおうジョンにはその場へ行って向き合わないと悪夢はやまないぞとか何とかもっともらしいことを言っておく。ジュールはオカルトの専門家で、自分を馬鹿にした連中を見返してやりたいと思っている。技術的なことを担当するのがドニー。ブライアンはミッシェルの元カレで、何かにつけてジョンに絡む。おっそろしく性格の悪いやつ。このブライアンとサムがよく似ていて、区別がつかん。家にはもちろん不法侵入。夜になって近所から苦情が来て、調べに来たのが刑事のルイス。いくつか死体があって、警察が駆けつけ、騒然となる。ジョンは生きていたが、ブライアンとミッシェルは行方不明。ブライアンに家が取りついてみんなを殺し始めたとジョンは言うけれど、ルイスにはそんなこと信じられない。彼は恋人で心理学者のエリザベスを呼び、ジョンの話を聞いてもらうことにする。自分はミッシェルやブライアンの行方を捜す。現在のルイスやエリザベス達の行動と、ジョンの話・・数時間前の出来事・・が交互に描かれる。家には電気が来てないから、常に暗く、はっきり見えない。懐中電灯とかしかないし、見えるのは光の当たっている部分だけ。カメラでうつした映像も多く、当然のことながら揺れがひどい。要するに見ていて非常にいらいらするってこと。見えない、はっきりしない、出てくる連中みんなバカ。すでに死体が出てきているから、この中の何人かは殺されたわけで、誰が殺されるかわからない・・みたいなスリルはない。

ダークハウス2

どのシーン、どのセリフをとってみても目新しいものがない。見ている方はある程度目が肥えてるのに、出てくる連中は揃って自分からやばい状況へ突き進む。こういうよくないいわれのある家へわざわざ出かけていって、降霊会をする。悪霊に対しても大丈夫という自信はどこから来るのかね。今まで大丈夫じゃなかった例だってあるでしょうに。封印がどうとかこうとか言い出した時には、ますますやばいと思った。「新・悪魔の棲む家」見てないの?霊に「姿現わせ」ってブライアンがしきりに言ってたけど、本当に姿現わしたらどうするか考えてないのは明らか。何と言うか、作りにしてもキャラにしても芯がない。こういうものを見せたい、作りたいというのが感じられない。こういうのに行きあたってしまった場合は、顔ぶれを見てるより他にすることがない。どうせ何も解決しないまま終わるに決まってる。ルイス役フランク・ゴリロは知らない人。ちょっと濃い顔立ちで、「NY心霊捜査官」のエリック・バナに似ているから、期待できるかも。でもそのうちこりゃだめだと思い始める。あまり魅力がない。普段彼が直面することとは全く別の性質だから無理もないが。死体がある以上は誰かが殺したんだし、殺す以上は動機があったはず。霊や家の仕業じゃだめなのだ。姿が見えないブライアンが一番怪しいが、ジョンが犯人という可能性もないわけじゃない。はっきりしないことやわけのわからない部分はエリザベスにお任せだ。私はてっきりエリザベス役のベロが主役だと思っていたが・・彼女が移り住んだ家に怪しい過去があり、いろいろな怪奇現象が起きるが、彼女がそれを解決するのだと。そしたら違ってて。じゃあ誰が主人公?ジョン?このジョン役の人は瞳キラキラで、ちょいとごついがいちおう美形。何となく見覚えがある。ダスティン・ミリガン・・「ゴースト・ハウス」に出ていた気のいいあんちゃんだ。前歯がウサギみたいでそこがちょっと残念だったけど、今回はそんなに目立たない。1985年生まれだからジョン役やった時には30近くになってるけど、とてもそうは見えない。ドニー役はアーロン・ヨー。「ディスタービア」や「ラスベガスをぶっつぶせ」に出ていた人。東洋系はやっぱ老けるのが遅いわ~。ブライアン役はスコット・ミシュロウィック。何となく”惜しい”って感じ。細くて繊細な感じ。

ダークハウス3

ジェームズ・ダーシーとかランベール・ウィルソンとかそっち系。アンソニー・パーキンスのなりそこないとか。他にも雑貨店主のハリーとか、ハードディスクの復元に努めていた警官とか、エリザベスがパソコンで調べていた時そばにいた警官とか、イケメンとまではいかなくてもわりとマシなのが揃っていて。こういうのにありがちなイチャイチャシーンもほとんどなかったし。だから84分と短い尺ですんだ。途中でミッシェルが妊娠していたことがわかる。ジョンの母サラがマーサの事件の時の唯一の生存者だったこともわかる。見ていてもよくわからないが、事件当時サラはジョンを身ごもっていたのか。今はミッシェルがそうだから、当時の事件の再現みたいな。それをしようとしてるのがブライアンなのかそれとも・・。クライマックスはよくわからん。と言うか、思った通り何も解決せず終わる。元が悪霊なのか悪魔なのかそういうのもよくわからん。昔の事件はマーサが精神的におかしくなってしでかしたものとされてるが、実際はサラが霊の器にされていたとか何とか。霊が解放されるには全員が死ななければならず、純真な魂・・この場合サラのおなかにいるジョンを介してどうたらこうたら。今回はミッシェルのおなかにいる赤ん坊を介してどうたらこうたら。でもジョンもミッシェルも生きてるから全員死亡という条件はクリアーしてないぞとなるけど、実はもうジョンは死んでいて。ルイスはジョンの死体を見つけ、エリザベスの前からはジョンの姿は消え、今まで撮影していたはずなのに何もうつってない・・となる。恐怖のつるべ打ちというところだろうが、見ているこっちは全然怖くない。霊がサラの体を器として家から出たのは解放ではないのか。今回ミッシェルの体を器として家から出たのは解放ではないのか。全員死亡でなければならないというのと、器として利用するには誰かの体が必要というのとが両立しないように思えるのだが。それになぜまたあの家へ行かなければならなかったのか。なぜ悪夢を見たのか。たぶん見た人のほとんどがこの点で悩むと思うけど、ネットで調べていたら字幕の不備を指摘している人がいて。サラを器にしようとしたけど”逃げられた”の部分が抜けてると。つまり、前の解放作戦・・赤ん坊乗り移り作戦は失敗してたってわけ。だから今回ミッシェルでリベンジ?