デンジャラス・ビューティー2

デンジャラス・ビューティー2

さほどヒットしなかったが、クライマックスの水中シーンなどサンドラ・ブロックはがんばっているし、アーニー・ハドソン、ウィリアム・シャトナーなどの顔ぶれも、グレイシーの住居、扉のよく閉まらないレンジも前作通りで楽しい。舞台をベガスに移し、前作を上回るヒット間違いなし!・・のつもりが半分以下。一番の問題点は女性の相棒。別にレジーナ・キングが悪いってことではないのよ。ただお客はベンジャミン・ブラットとの再コンビを期待したと思う。それなのに理由もはっきりしないままヒロインは一方的にふられ、その後は男っ気なしでがんばる。新しい相棒とは気が合わない。・・あのねぇ、女二人のののしり合いなんて誰が見たいと思う?次の問題点は事件のしょぼさ。前回もしょぼかったけど、今回はよりいっそうしょぼい。しかもわかりにくい。あたしゃてっきりスタン(シャトナー)が黒幕だと・・そしたら違うのね。犯人がアホならべガスのFBIもアホ。誰かと思ったらトリート・ウィリアムズじゃないのよ、こんな役やって哀しすぎるぜ!あとびっくりしたのはスタンの母親役のアイリーン・ブレナン。シャトナーの方が年上のはずだが・・。まあとにかく起きる事件くらいまともなものであって欲しかった。前作が感動的だったのは、マイケル・ケイン扮するビクターのおかげ。彼には信念があった。その信念はグレイシーに影響しただけでなく、見ているお客(私)にも影響した。生きていく姿勢、人間にとって大切なものは何かなどいろいろ考えさせられた。でも今回はそれが弱い。同じくエレガントなスタイリスト、ジョエルが出てきて楽しいのだが(実は私が見に行く気になったのは、彼がどういうキャラか気になったから。ケインの再来を期待していたのだ)伝わってくるものが・・。でも演じているディードリッヒ・ベイダーは気に入った。特に美声にはうっとりさせられる。・・てなわけで明るく元気でサービス満点の映画だし、作り手や出演者がすごく楽しんでいるのが伝わってくるの。でもそれだけじゃだめなのよ。男は結局女の敵で(邪魔してばっかり)、女どうしで事件を解決して堅い友情で結ばれて女性バンザイ!ってそれだけじゃだめなのよ。この映画には作り手のいくつかの見込み違いがあったと思う。前作を気にしなきゃそれなりに楽しめると思うけどね。私もけっこう楽しかったです。でも・・ケインとブラット、カムバ~ック!!