天使とデート

天使とデート

あけましておめでとうございます。今年も書きまくりますのでどうぞよろしく。この作品は最初テレビ東京でお昼にやったのを見たんだと思う。だいぶ前のことなので確信はないけど。その後ビデオを買った(まだDVDは出ていなかったと思う)。フィービ・ケイツとエマニュエル・ベアールという、タイプの異なる美人女優の共演が売り。主演のマイケル・E・ナイトのことは誰も気にとめない。私も最初見た時は物足りなかった。見終わるともう顔が思い出せない(主役なのに!)。ハンサムと言うにはちょっとまのびした顔立ち。今ならジェームズ・マーズデンあたりがはまりそう。ジム(ナイト)は化粧品会社の社長令嬢パティ(フィービ)と婚約中。娘を溺愛する社長(デヴィッド・デュークス)は、ジムに仕事を仕込み、後継者にするつもり。将来は約束されたようなもの。でもパティを愛し、仕事をがんばろうと思いつつも、ジムはなぜか迷っている。元々は作曲家志望だったけど、うまくいかなくて自信なくしている。パティと知り合ったおかげで別の道が開けたけど、本当にこれでいいのかな。婚約パーティにマスクをかぶった三人組が乱入し、ジムを拉致していく。実は彼らはジムの悪友。いつまでたっても大人になれず、バカばっかりやってる頭からっぽ無責任トリオ。翌朝ジムが目を覚ますと部屋は散らかり、三人はいなくなってる。パーティをぶち壊された社長やパティはかんかん・・あやまりに行かなくちゃ。ところが裏のプールに天使(ベアール)が落ちてくる。・・ジムは普段から頭痛に悩まされているが、まだ若いので自分が病気だなんて思いもしない。実は天使は彼を連れに来たのだ(一回目見ている時にはわからないが、天使の表情やしぐさに注意して見ると、彼を天国へ連れて行こうとしているのがわかる)。ところが途中で人工衛星にぶつかって羽根を傷つけてしまった。これでは連れて行けない。ジムはそんなこととは知らず、天使の出現に驚きつつも手当てをする。彼女の存在をパティに知られてひともんちゃくとか、どなり込もうとした社長が天使を見、彼女をモデルにすれば会社を立て直せる・・と夢中になったり。今まではパティをモデルに使っていたのだが、売り上げが低迷し、会社はピンチなのだ。他に三バカトリオが天使を使って一儲けしようと誘拐を企むとか。そういったドタバタ部分と、天使を中心としたファンタジックな部分とがある。

天使とデート2

製作は1987年。どことなく「マネキン」思い出す。どちらも主人公は夢見がちな好青年。ちょっと頼りないけどやさしくて純粋。恋に落ちる相手は現実にはありえない存在。それに今つき合ってる相手もいるし・・。軽快な音楽が流れ、ラストは二人が結ばれハッピーエンド。この頃はこういう甘くてさわやかで夢のあるラブコメがあったんだ・・。いや、今でもあるけどさ、ここまでほんわかしていて楽天的で、ある意味突き抜けたようなストーリーって・・。当時の日本ではフィービの方が人気も知名度も上だっただろう。髪も目も黒い彼女は日本人には親しみの持てるタイプ。明るく健康的で気さくな感じ。この映画ではショートカット。令嬢ということでドレスやら何やら。内容が内容だからパティは憎まれ役だ。勝ち気でわがまま。それでも最初の方ではジムの頼りなさをがまんし、まわりにとりなすけなげさを見せる。しかし婚約者の家に美女がいるのを見れば・・そりゃ怒りますわな。嫉妬し、泣き、酔っ払い・・そのうち銃を持ち出す。何もここまでやらなくても・・とファンはびっくりし、悲しく思ったのではないか。鼻のあたりが土で黒く汚れた彼女なんか見たくない!・・とかさ。最初見た時は、結局最後にはジムとパティが仲直りして結ばれるのだろう・・と私は思ったんだけど。だって天使とは結婚できないもん。それにフィービだし・・。そしたら頭痛持ちという設定が意外な形で表に出てきて・・。フィービの作品は二つくらい見たけど、あんまり印象に残っていない。今回見ていてもさほど演技がうまいとは思わない。もっとも軽いラブコメだから深い演技は必要ないんだけどさ。要求されているのは大げさで単純な演技。泣き、わめき、怒り狂い・・。一番よかったのは酔っ払ってジーンズの上にピンクのパンティはいて出かけるとこ。おバカだけどとってもかわいくて笑える。父親役デュークスは「ゴッドアンドモンスター」に出ていた。この頃はまだ若い・・あたりまえだけど。残念なことに「ゴッド」の後しばらくして(2000年)亡くなってしまった。アホトリオはこの世からいなくなってくれた方がいい存在で、誇張されてるとは言え見る度に悪寒が走る。知性ゼロ、常識ゼロ。仕事何やってるんだろう。あの変な格好でお届けサービスみたいなことしてるのかな。三人組にころりとだまされ、ジムを思うパティが哀れ。

天使とデート3

リーダー格は背が高くてわりとハンサムだが、それでいて顔が全く思い出せないタイプ。金髪の方は顔は思い出せるが、どうってことないタイプ。三人目はミュージシャンにこんなのいるよな・・って感じのタイプ。天使の目の魔力にふらっとなるなど、三人の中では一番印象に残る。・・で、天使だけど「この映画は本物の天使を、天使役に起用したことで大きく成功」・・という批評があるけど、まさにその通り。フィービの役とは何から何まで正反対。あんな損な役フィービはよく引き受けたな、ある意味偉いよ。映画の大半は天使の美しさ(無敵)、純粋さ(無類)、神秘的魅力(無限)を表現するのに費やされている。私だったら・・美しさ(無残)、純粋さ(無知)、神秘的魅力(皆無)ですけど・・って何を書いてる。とにかく作り手は寄ってたかって総力あげてベアールを光り輝かせている。お化粧し、ふわふわの衣装を着せ、最上の効果をもたらすライトを浴びせる。天使のことはある程度都合よく解釈されている。宗教的なもの、深いものはほとんどなし。連れていくべき相手に一目ぼれしてしまった恋する乙女・・ってとこ。羽根は形も動きも不格好で、ベアールの背後に誰か隠れて手動でやってるって見え見え。飛ぶシーンなどの特撮も今見れば稚拙。でもそんなことは全然気にならない。何たってベアールがすばらしいから。人間の言葉を話さないから大半は目の演技、それと顔の表情、首の傾げ方。話すことができないのは不利だ。傷つき飛べない今は誰かに頼らなくてはならない。一方のパティは大金持ちだし化粧品会社の顔だしもうすぐ結婚・・と、絶好調。登場した時にはパティの方が優位にいる。でもそのうち逆転する。パティはどんどん落ちていく。最後は天使の怒りに触れ、さんざんな目に会う。天使って意外と残酷?こらしめるのならあの三人組の方でしょ。何で彼らはおとがめなし?とにかく天使は上り調子。傷も癒えるし、神様にお願いして休暇をもらい、人間になってジムと結ばれる。けッ!何て甘っちょろい結末だ・・と思いつつも胸キュン。くだらないストーリーではあるけれど、ベアールの顔がアップになる度に見ている者は納得してしまう。何と言う美しさ、彼女は本物の天使だ、この世に天使がいるとしたら彼女こそがその天使だ。いやホント、この世ならぬ美しさって最近じゃあまりお目にかからないからさ。

天使とデート4

美女はそりゃあいっぱいいるけれど、どこかしら生活臭があったり、人工的なものが感じられたり。そういうのを全く感じさせない純粋さ100%のキャラって、この作品の天使と「原始のマン」のリンクくらいじゃないの?信じられないほど小さな顔、あどけない顔立ち、波打つ金髪・・の他に、ベアールの体つきがまたすばらしい。小柄(163センチ)だけど胸がぼわんぼわんと大きくて、ウエストがきゅきゅっとしまって、お尻がどどーんと大きい。何と言うかふわふわの枕があって、中央をヒモできゅきゅっとしばったような感じ。いくらでも細くなりますよ~。背中からお尻にかけての曲線のすばらしさ着衣版はラスト近くのナースになった時の後ろ姿でどうぞ。ちなみにグーグルで画像検索すると、雑誌の表紙らしい美しい後ろ姿のヌードが出てくる。森の中を軽やかにかけるシーンがあるんだけど、その走り方がまた・・。しなやかでふわふわしてて、それでいて弾力がある。体が透けて見えるような衣装がまたいいですな・・いや、変な意味じゃなくて幻想的で・・。初めて靴(ブーツ)をはいて、うまく歩けないシーンもかわいらしかった。天使はいつも素足だし、羽根が使えないと動きがぎこちなくなるんだな、きっと。森の中でああやって軽やかに走れたのは羽根で半分飛んでいるからなんだろうな。社長は天使を見たとたん、パティより会社の方が大事・・といろいろ計画するが、動物達に邪魔される。そういうシーンも楽しいが、私は天使を使った広告写真も見てみたかった。くっきりとシャープなパティに対し、天使のはきっと正反対、神秘的で夢見るような感じになったことだろう。ラストシーンは(評判いいようだが)私は不満。ジムの病気があっという間に治り、ナース姿の天使が豊かな金髪をとき、ベッドに倒れ込む・・なんていうのは、ロマンチックだけど安易。今までジムは大変な思いをしたのだから、しばらくベッドで休ませてあげたい。ちゃんと手術を受け、天使が献身的に看護・・というふうであって欲しかった。もう羽根はないけど文字通りの「白衣の天使」!ジムをやさしくつつみ込む美しい微笑で十分だったと思うよ。・・まあこんなのは私の個人的なちっぽけな不満ということで・・。それにしても天使が夢中になり、むさぼるように食べるフライドポテトのおいしそうなこと!そのせいか最近ではシネコンへ行く度注文しちゃうのだ。