地底王国

地底王国

バローズの「ペルシダー」シリーズの一作目の映画化だが、このシリーズは読んだことなし。主演はダグ・マクルーアとピーター・カッシング。ザ・シネマで「地底王国」と「アトランティス/7つの海底都市」が続けて放映された。マクルーアファンにとっては、盆と正月が一緒に来たようなものだ。まあファンがいたとしての話だが・・と言うか、私もいちおうファンのはしくれだが。ジェットモグラをほっそりさせたようなアイアンモールがいよいよ運転の運びとなる。山を貫通して反対側へ抜けるはずが地底深くに。出発してすぐ操縦不能になり、デヴィッド(マクルーア)もペリー博士(カッシング)も失禁・・じゃない、失神しちゃったから何がどうなったかわからないのだわ。モールが止まって、目を覚ました二人が外へ出てみると、何だか様子がおかしい。変な怪獣に追われたり、変な顔をした連中につかまったり。自分達と同じ人間もいるけど、どうやら奴隷として連れていかれる途中らしい。変な顔の連中はサゴス族と言って、鳥みたいなメーハーに操られている。奴隷はメーハーの餌食になったり、マグマの流れを変える労働にこき使われたり。何が何だかさっぱりわからなくても、デヴィッドは美しいディア(キャロライン・マンロー)に一目ぼれして早速アタック。たまげたことに人間達は英語をしゃべるのだ、オー・ノー!しかも片言ではなく、複雑な状況説明もオーケー、アンビリバボー!まあいいや、勝手にやってくれ。1976年というとマクルーアは40過ぎたとこ。「眼下の敵」の頃に比べりゃふくよかになってきているが、デブという感じではなく、たくましい。カッシングがカトンボみたいにやせてるから、ますますたくましさが目立つ。それとあの笑顔がいい。マクルーアの場合、ニコッじゃなく、ニカッなのだ。地底だから太陽はないけど、彼が太陽。それにしてもカッシングがこんなオトボケ演技やるとは意外でした。他の映画ではいつも悲壮な感じだからさ。マンローは目のまわりが真っ黒で、汗をかいても涙を流しても落ちませんでしたな。悪いやつらが滅んで、デヴィッドはディアを花嫁として連れ帰るつもりだったけど、ディアはここへ残ると言い張る。見てる人全員、モールが出発してホコリがおさまったらそこにデヴィッドが・・!って期待しただろうけど、それはありませんでした。原作がそうなっているのかな?