デッド・シティ2055

デッド・シティ2055

トーマス・ジェーンのファンと言いつつ、全然彼の作品見ていない私。この映画・・日本では公開されたようだけど、アメリカではどうなのかな。IMDbだと製作費は推定1000万ドルくらいで、全盛期のブルース・ウィリスならそれくらいの出演料取りそう。マイケルズ(ウィリス)という男がいて、リゾート施設ヴァイスを作る。会員登録すると、その中では好きなことができる。銀行強盗とか殺人とか、普通ならできないことがやれちゃう。居住者はクローン・・人造人間・・レプリカント。あまり人間に近づけすぎるとまずいので、一日ごとに記憶をリセット。撃たれるとか殴られるなどしても、修理して元通りに。登録者・・顧客は増え続けているが、刑事のロイ(ジェーン)のようにマイケルズのやり方が気に食わない者もいる。欲望を施設内で発散させれば犯罪が減るかと言うと、そんなことはない。一度味をしめた者は、さらに歯止めがきかなくなる。ロイは市民を守りたい。しかしマイケルズは市の税収の半分を払っているとかで、警察も見て見ぬふり。余計なことはするなと上司にクギをさされても、ロイは無視する。ある朝目覚めたケリー(アンバー・チルダーズ)は、同居するメリッサ(シャーロット・カーク)に夢の話をする。ケリーは酒場に勤めているが、今日でやめるつもりだ。旅に出るのだ。客の一人と話をして、なぜか好意を持つ。店から帰る時、気に食わない客が絡んできたと思ったら、メリッサを撃ち殺す。ケリーの首を絞める。助けを求めてもみんな知らんぷりだ。最初のうちは何が何だかわからない。銀行強盗のシーンでカメラがぐるーっと回ったりして、何かいやな予感。登場人物のまわりをくるくる回るうつし方って好きじゃない。そういううつし方する映画って、たいてい大したことない。なぜケリーとメリッサのやり取りになるのか、わけがわからない。最初は恋人どうしかと思ったけど、ケリーが一人で旅に出るってことは・・そうじゃないのだ。ん?ただの友達?そのうちわかってくる。二人ともレプリカントなのだ。あの男は顧客なのだ。女性を撃ち殺し、絞め殺したいという望みをかなえたのだ。でも、相手が本物の人間かレプリカントかどうやって見分けるのだろう。顧客には女性もいるはずだが。ネットを見ていたら、レプリカントは全員女性とある。では顧客は全員男性なのか。映画の中では説明されていたっけ?

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さてロイは、施設にもぐり込んで殺人犯ホリスターをつかまえる。彼は女性を殴っている最中だった。施設の中では警察は何もできないが、外の世界で起こした犯罪には目をつぶるわけにはいかない。後になって気づいたが、あの殴られていた女性もレプリカントなのね。次の日、ケリーはまた目を覚ます。そばにはメリッサがいる。仕事は今日でやめる。記憶をリセットされ、体も修理され、また同じ一日が始まるはずだった。ところが・・記憶の断片が次々に蘇り、ショック状態に。収容され、拘束されるが逃げ出し、外の世界へ。その際施設側が火器を使ったせいで、外の世界向けには施設のことをよく思わない者によるテロ行為と説明するはめに。印象としては「ブレードランナー」のレプリカント思い出す。「サロゲート」にも似たところがある。邦題に2055年とあるからには、その頃の設定なのだろう。原題は「ヴァイス」。謎を投げかけておいて、だんだん説明していく流れは悪くない。ウィリスのマイケルズが出てきて「どんな望みでもかなえる空間」と言うのが笑える。髪フサフサという望みだけはかなえられなかったのね!ケリー役のチルダーズは知らない人だが、金髪で前髪を下ろし、目の化粧だけ強調。細いが均整の取れたやわらかそうな体つき。後で髪を引っつめにするが、リース・ウィザースプーン風味になる。まあリースほどしゃくれてないけど。要するにヒロインとしてはなかなかいい感じだ。ジェーンは1969年生まれだから、この映画では40代半ば。太ってたるんでいたらどうしよう・・と心配していたが、よくわからないというのが正直なところ。なぜか長髪もじゃもじゃだから顔がよく見えない。こういうヘアスタイルって初めてかな。まあ・・あんまり変わってないように見えたけど。この映画で不思議なのは、似たような顔した男優がぞろぞろ出てくること。警察側の二人、ケリー達を襲った男、ホリスター、ケリーが好意持った男性・・見分けがつかん。いちおうケリーが好意持った男性は、後でエヴァンと言って、ケリーを作った人とわかって区別できるけど。このエヴァン演じているブライアン・グリーンバーグは、ティム・ロスとジェイミー・ベルに似てるかな。

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彼は妻ミシェルを病気でなくし、彼女と同じ顔をしたケリーを作る。人工知能は禁止されたけど、マイケルズは手を回してレプリカント作ったと。それにはエヴァンの技術も使われていると・・そういうことらしい。でもレプリカントとは言え、妻と同じ顔をした女性が毎日殺されたりレイプされたりしているわけで、そこらへんどう思っているのかね。厳重なはずの施設内の警備はザル状態だし、撃っても撃っても弾はケリーに当たらないなど、不可解なことが多い。一般市民のことはほとんど描写されず、この町以外がどうなってるのかも不明。ケリー逃亡に関連して一般市民まで犠牲になるけど、マイケルズは気にしてない。エヴァンはケリーをハッカーのジェームズのところへ連れていき、存在を消して新しいID与える。ついでにエヴァンも。彼は彼女をセントヘレナへ行かせようとするが、なぜそこなのかは不明。なぜ自分は行かないのか、それも不明。そのために新しいID作ったんじゃないのか?もちろん彼は敵の手に倒れ・・。ケリーはセントヘレナへは行かず、マイケルズを倒すため、ジェームズにアップグレードしてもらう。何をアップグレードして、どう変わったのかは不明。ヘアスタイル変えただけじゃん。ロイと共にヴァイスへ乗り込むが、何もできないままつかまるし・・やっぱウィンドウズ10にしなくて7のままの方がよかったのかしら。10にしたらアップグレードどころか不具合の連続。印刷すると文字化けするし・・って何のこっちゃ。この後レプリカントの記憶がいじられて、人間に復讐するなどてんやわんやの騒ぎに。ロイはヴァイスの警備員とか次々に撃ち殺すけど、後で困らないかね。もちろんそうしないと自分が殺されちゃうんだけどさ。マイケルズが死に、レプリカントが目覚め、この後どうなるかは不明。ロイも気にしてなさそう。いつでも刑事やめる覚悟できてるし。ラスト・・マイケルズの目が開く。死んではいなかったようで・・と言うか、私が思うに彼は人間ではなく人工知能なのでは?すでにすり替わっていたのでは?ま、別にどうでもいいんですけどさ。全体的に中途半端で、たぶんお金がなかったんだろうけど、惜しい気がする。アップグレードし損ねたようです。