シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア

シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア

これはネットではわりと好意的に評価されているようだ。ニュージーランド製とあって、知ってる人はゼロ。普通のコメディーかと思ってたら、ドキュメンタリー風味。四人のヴァンパイアがウェリントンで共同生活をしている。ヴィアゴ役タイカ・ワイティティは、ジェイク・ギレンホール風味。彼は379歳で、ニュージーランドへ渡ったのはカトリーヌという女性に恋したため。ところが船で棺を送る時ミスをして、まわり道。着いた時には彼女はすでに結婚していた。幸せそうな彼女を見た彼は身を引くが、彼女が96歳になった今も思い続けている。ラストは彼女もヴァンパイアになって、やっと思いがかなう。この映画はヴァンパイアや狼男が出てくるので、グロいシーンもあるのだが、それを和らげているのが大人しくてロマンチストなヴィアゴの存在。ディーコン役ジョナサン・ブローはイル・ディーヴォの中にいそうな顔立ち。彼は183歳と比較的若い。ヴラド役ジェマイン・クレメントはビリー・ボブ・ソーントンによく似ている。彼は862歳。ピーターは何と8000歳で、ディーコンをヴァンパイアにしたのは彼。決まりきった日々が変化したのは、新米ヴァンパイア、ニック(コリ・ゴンザレス=マクエル)のせい。空を飛べると浮かれ、自分はヴァンパイアだとまわりに吹聴する。そのせいでヴァンパイアハンターに目をつけられ、ピーターが死ぬ。その一方でニックの友人スチュー(スチュー・ラザフォード)のおかげで、彼らはネットの世界を知る。自分達の目では決して見られない朝日も、パソコンでなら見られる。いろいろと便利なので、スチューは人間のままにしておく。内容はバカバカしいのだが、よく考えられており、楽しめる。資金がないのか、わざとなのか知らんが、特撮はぎこちない。でも、それでかまわない。ヴァンパイアは食事の後始末や衣類のクリーニングに手間がかかること(血だらけだからね)、ゾンビは映画みたいに速くは動けないこと、狼男は変身する時いちいち服を脱ぐか、ぶかぶかのズボンでないと破けてしまうことなど、常識的なことが描かれる。今回はわりとこぢんまりとしていたけど、話はいくらでも広げられるだろうから、続編ができてもおかしくないな。