4 ピラミッドの怪

4話の「ピラミッドの怪」ってちょっと変わったエピソードだと思う。子供の頃は何とも思わなくて、どちらかと言うと印象のうすい話なんだけど、今見るといろいろ・・。一番アレなのはZ団だけど、それはまあ置いといて、まずサンダーバード。今回ほとんど何もしてましぇーん。最初東京から帰る途中の1号。火事とけんかは江戸の花・・じゃないけど、東京が火事だったらしい。行ってはみたもののすることもなくて、そのまま帰ってきちゃいましたという設定。だから2号も出動していましぇーん。時にはこんなこともあるでしょう。救助隊が活躍しなくてすむってことは世の中平安てこと、喜ばしいこと。・・で、スコット君、どういうわけかアフリカのサハラ砂漠上空を飛んでいるわけです。でも東京から南太平洋に帰るのに何でアジア→アフリカ→アメリカ回り?かなり遠回りでっせ。第一海の上を飛ぶのと違って大陸の上を飛ぶのは危険でっせ。まあ考えられるのは高速の1号にとって地球一周なんて目じゃないってこと。大してすることもなかったから疲れてないし、天気もいいし・・で、ドライブでもするような軽い気分でこっちのコース取ったんでしょう。考えてみりゃこんな機会めったにない。島じゃ気晴らしのドライブ(車での)もできないしね。鼻唄なんか歌っちゃってゴキゲンなスコット君。あ!そうか、ジェフと離れて息抜きしたいわけね、なるほど。そこを謎の戦闘機に攻撃されてあえなく墜落。日本(世界)中のよい子が思ったはずよ。「よわー!」ってね。私なんかは救助隊は人命救助が仕事だから、1号や2号が弱くたって別に不思議だとも思わなかったけど。戦争用の兵器じゃないんだからさ。逆に29話とか「サンダーバード6号」みたいにムチャクチャに攻撃したりするシーン見ると、何であんな武器備えているのかなーって違和感覚えた。最近になって1号や2号の武器に見える装備は、建物の破壊や除去に使用するのだとわかってやっと納得がいったけど。

さて敵機の接近に全く気づかず無抵抗なままやられてしまったトホホなスコット君。アンタそれでも空軍出身かよ。サルも木から落ちる。1号も空から落ちる。シートベルトしていてよかったね。救助のために2号が出動するけど、「アタシも行くのー」とダダこねたのがミンミン。そのシーンでタバコふかしてるのが何とも場違い。とてもスコットの身を案じているとは思えましぇーん。何でこのシーンで彼女にタバコ持たせたのかな。あの時代(1960年代)、テレビや映画にタバコを吸うシーンが出てきても誰も何とも思わなかったと思う。でも今はうるさいよな、特にアメリカは。映画批評の中には、この映画にはタバコを吸うシーンがあるとか、お酒を飲むシーンがあるとか、裸があるとかいろいろ細かくチェックしているのがある。きっと自分が見る時、あるいは子供に見せる時の参考にするんだろうけど、テレビにだってそういう放送基準があるだろうから、「サンダーバード」はタバコでそれに引っかかってしまうのでは?と、いつも思う。子供向けの番組にしては「サンダーバード」には喫煙シーンがホント多いよ。さてミンミンだが、タバコを吸うという行動が板についていないように見えるのは私だけ?私は新しい時代の女よ!自分の意見ははっきり言うし、タバコだって吸うわ!と背のびしているように見えてしまう。これがぺネロープだと上流社会の女性のたしなみですのよ、オホホ・・となって、板についた行動に見えるんだろうけど。ところで五兄弟の中で喫煙の習慣がないのはアランだけなんでしょうね。劇場版ではカッコつけて葉巻持ってたけど、普段の彼は吸わないと思う。彼の場合背のびをしても生意気には見えず、余計かわいく見えちゃう。

さてスコットを救ってくれたのがリンゼーとウィルソン。2号が降りてくるのを言葉もなく見つめているのがいい。そりゃ1号や2号を間近に見れば誰だって・・ね。この時の2号は6番コンテナをつけているけど、何が入っているかは不明。おそらくは無線修理の道具とキャンプ用テントとアップルパイの材料と・・そんなところですかね。二つのテントのうち一つはミンミンが一人じめ。もう一つのにはスコットとバージル。寝袋のそばにある青い小袋がいいですな。洗面道具が入ったポーチですか?ウフ、かわいー!ブレインズは2号の中で寝たんですか?ミンミン達の寝ているシーンはテレビ放映ではカットされてますけど、こういうシーンがあると誰だってナニかあるぞ・・って思っちゃいますぅ。1号を攻撃した連中が闇にまぎれて近づくとか、ミンミンの絹を裂くような悲鳴とか、すわ一大事とかけつけようとしてすっころぶスコット君(寝袋で寝ているの忘れて)とかさ。でもなーんも起こらなくて夜風がテントをかすかにゆらすだけ。砂漠の夜は静かに更けていくのでした。・・てなわけで、ここらへんは巨大な2号と小さなテントとの対比がおもしろく、何ということもないのに妙に心に残るシーンだ。時間稼ぎのシーンかな・・とも思えるが、作り手の余裕も感じられる。

さて次の日、島へ帰ってきたスコットは、5号へ行くアランを送っていく。5号はどういうわけか二回ほど静止画像(写真?)になっている。いつもはてっぺんの観測ドームで光がチカチカ点滅しているが、それがない。光がつきっぱなし。あとピラミッドも一回写真みたいに見える時あり。スコット達と別れた後も砂漠を走るウィルソン達。途中ウィルソンの乱暴な運転のせいで水・ガソリン・食料などを失ってしまう。無線でベースキャンプに救援を求めるが、電波が飛ばない。リンゼーの水なしでは死んでしまうというセリフのすぐ後にミンミン・ゴードンの水たっぷりプールシーン。脚本のアラン・フェネルさん、こういう対比好きですねえ。3話でしょ、26話でしょ。ねえ、バージル、泳がない?アランがいなくなったしチャンスよ。いや、後でパパとテニスするから。優雅ですねえ、バージル。それにオ・ト・ナ。今回バージルはほとんど活躍しないけど、けっこうステキです。砂漠へ向かう途中の2号では、操縦する彼の両脇にブレインズとミンミンがぴったりくっついている。バージルが要の存在なのだなあというのが、見ているこちらに伝わってくる。このシーンではくっついているのがミンミンだけなら色っぽいシーンになるのだろうが、反対側にブレインズがくっついていて、しかも自分がお邪魔虫だということに全然気づいていないところが笑える。ミンミンとしては「まずスコットを介抱してあげて、その一方ではバージルに接近するチャンスだわ!アランは1ヶ月留守だし二人とお近づきになっちゃおーっと。でも邪魔だなこの顔半分メガネのダッコちゃんは・・。私のバージルにくっつくのやめてくれない?」・・なんて思ってるわけですよ(アホ)。アランの質問攻めとミンミンのお色気攻勢とおばあちゃんのケーキ攻めに会っているスコットと、それを止めるジェフ。その横で新聞を手にスコットの方を見ているバージルの表情が好き。彼もスコットを見ているんだけど、ジェフとは微妙に視線の方向が違うのよ。彼っていつも表情にスキがないでしょ。助けを求めるウィルソンの声を聞き分ける時の表情とかさ。それがこの時は何となく定まらないような目つきをしていて、無防備であどけなささえ感じてしまうの。黙っているのもス・テ・キ。

さて5号のジョン、帰り支度もすっかり整って、アランが来るのを今か今かと待っている。スコットの負傷で一日交代が遅れたけど一言も文句言わない。でも心の中ではそれこそ3号に縄投げてたぐり寄せたいくらいでしょうよ。普段は冷静なジョンだけど、アランが乗船チューブから姿を現わした時のうれしそうな顔ったら!ジョンの場合、顔がアップになることってほとんどない。たいていはマイク持ってるところとか、通信機器とセットでうつる。ヒゲが生えたり汗をかくというシーンもないし、顔がテカったりなんてこともない。16話でちょっと顔が汚れたくらいなもの。だから他の四人にくらべると人間らしさが希薄に感じられる。この場合肉体的な意味での人間らしさということよ、もちろん。ジョンは動物的と言うよりは植物的だし、陽と言うよりは陰、行動の人と言うよりは思索の人だ。スコットやバージルはヒーローになれるがジョンはなれない。逆にジョンは王子様(手の届かない存在という意味よ)になれるが、スコット達はなれない。「サンダーバード」もあと数話で終わりだが、たまにこうやって最初の頃のエピソードを見返してみると、人形の顔つきの違いに驚かされる。特にスコットは変化が大きい。4話でのスコットには例えば目尻にシワがあり、30歳ほどのほどよく経験を積んだ大人の男性に見える。顔だけ見るとそうなのだが、全身がうつると頭でっかちなのでバランスが悪い。ところがそのバランスの悪さが、彼の成熟した部分と未熟な部分を表わしているようにも思えてくる。もちろん子供だったらそんなところまでは読み取らないで、普通に見ているのだろうが。家族うちでワイワイやってる時ならともかく、キャンプで他人を前にして4枚目のパイを欲しがるスコットはちゃんとした大人には見えないよ!話をジョンに戻すと、彼は目尻にシワなんかないし、アップルパイどころか5号で彼が食事をしているシーンすら想像しにくい。そんなジョンではあるが、家に帰れるうれしさで輝く彼の顔がアップになれば、ああ彼も人並みに家が恋しいのだ・・というのが伝わってくる。いちおう聞こえてくる微弱な通信にも注意ははらっている。でも心はどうしても家に飛んじゃっているジョン。いつもよりはほんの少し熱心さが欠けていたかもしれないジョン。・・だとしても彼を責めることなんて誰にもできない。ヒゲが生えなくたって汗をかかなくたって、食べ物の代わりにお星さまの光をエネルギーにしているように見えたって、やっぱり彼も人間で、感情があるんだってこと。ジョンが「やっと家に帰れるよ」と言う短いシーンに、いろんなことを想像してしまう私なのであった。乗船チューブに片足乗っけているジョンに胸キュン、足を下ろしてゆっくり体の向きを変えるジョンに胸キュン。そして・・3号が島に戻ってきてソファが上がってきたら・・何でスコット一人?途中で落っこちたの?ジョンはどこ?かわいそうなジョン、地球上でのシーンには登場させてもらえないのかしら。普通親だったら「お帰り、ご苦労だった」くらいは言うでしょうが。ジョンだけジェフと顔を合わせないでいいよう別ルート?んなアホな!メカのすばらしさだけでなく、家族のきずなの強さもウリなんでしょ?それなのにジョン(とゴードン)に関してはポッカリ穴の開いたような不自然な描写ばっかり。不思議でしょうがないよなー、と言うかしっかりしろ脚本家!ボケ!(今更言っても無駄だけどさ)ともあれ5号の勤務交代シーン、ジョンの輝く笑顔・・貴重です!お宝です!

さてスコット君、5号から戻ってきた時には額の傷治ってまっせ。驚異的な回復力(復元力?)。休む間もなく1号で砂漠へ。恩返しのためとは言えこき使われていますなあ。今回のエピソードは最初から最後までスコット・スコット・スコットです。くどいスコット・濃いスコット・こってりスコット。あるいは渋いスコット・クールなスコット・大人のスコット。あるいはドジスコット君・胸キュンスコット君・半泣きスコット君。まあ要するにスコットの魅力いっぱいのエピソードってことです。彼の美しいダークブルーの瞳がたっぷりと拝めます。ジョンはこんなに大うつしにはならん・・グスン。サンドイッチの具みたいに間にはさまれるのがウィルソンとリンゼーです。サハラ砂漠で幻のピラミッド捜してまーす。正体は考古学者、探検家、あるいは・・ホント言うとよくわかりましぇーん。ヨタ話に釣られたただのオッチョコチョイといううわさもあります。いちおうリンゼーは象形文字が読めるし、「砂に敬意を払え」なんて奥の深い言葉吐いたりしてます。常識があって慎重派に見えます。ところが困難にぶつかると意外ともろい。水がなくなると死んじゃう・・と騒ぐし、宝を見つけると疑心暗鬼になってまわりの者全部がそれを横取りしようとする泥棒だと思い込む。相棒のウィルソンも助けにきたスコットもみんな敵に見えちゃう。一方のウィルソンは神経が太い。水がなくなってもピラミッドに閉じ込められてもパニクったりしない。逆境に強い。だがリンゼーの警告を聞かず乱暴な運転をし、水やガソリンを失うという逆境を招いたのは彼である。最初はベースキャンプを呼び出していたが、ウィルソンはふと思いついて救助隊を呼ぶことにする。ここで気になったのは彼の「トレーシー君は助けてくれるだろう」という言葉。7話でもハンソン機長の言葉の中にミスタートレーシーという言葉が出てくる。吹き替えだとトレーシーという言葉は出てこないので今まで何とも思わなかったのだが、救助された側が名字を知っているのは・・まずいんではないかい?つまり救助現場でスコットとかバージルとか名前を呼び合っているのをまわりの人に聞かれたとしても、さほどのことはないと思うのだ。だがスコット・トレーシーとかバージル・トレーシーとかフルネームがわかってしまうと身元を調べやすくなる。軍とか学校とかに彼らの資料が残っているし、父親が大富豪のジェフ・トレーシーだということもすぐわかってしまう。まあスコット達が名字を名乗るはずないのに、ウィルソンやハンソンが名字を知っているのはおかしいのだが、作る側にはそこまできっちりしようという気はないのだろう。私自身は、助けてもらった人達は恩義を感じて、例え名字を知ったとしてもそれを元に素性を調べたりはしないのだ・・とかってに解釈している。彼らの素性をあばけば大金が手に入るかもしれないけど、でも黙ってる。世の中にはお金より大事なものがあるから。信頼関係・・それがあるから彼らに助けを求めることができるのだし、彼らも呼ばれれば救助に来てくれるのだ。

さて幻のピラミッドを見つけ、中に入ったものの閉じ込められてしまった二人。誰かいませんかーっているわけないんだけど、それにしては灯火がいっぱいついてて、誰がつけたんだ?入口は自動ドアだし(ホントは手動デス)、冷水器はあるし(”永遠の泉”印ポカリツェット(Z)飲みホーダイ!)、おまけにハムナプトラ印の財宝ざっくざくー!ウィルソンは閉じ込められているという状況を把握しているけど、リンゼーの方は「金持ちは閉じ込められない」・・なんてわけのわからないことを言って、もうすでに精神的におかしくなり始めている。こんなに財宝があるのだから助からないはずがない・・ウィルソンより分別のありそうなリンゼーのこの言葉が印象的だ。普段は表に出てこないその人の本性・弱さが顔を覗かせたような、妙なリアルさを感じる。そこへタイミングよく現われたスコット。「国際救助隊が助けに来ましたよ」・・実際にはスコットも閉じ込められたクチでーす。ジェフはスコットから連絡受けても「10分後に2号を差し向ける」だってよ!前に1号が攻撃受けたことを考えれば、あるはずのないピラミッドがあって、スコットが出られなくなっていることを考えれば、普通はさっさと2号を出動させるでしょーが、このボケ!・・なんちゃって。スコットが持ってる赤ん坊のガラガラみたいなのは無線マイクですか?きっと1号の機械を経由して島と交信する長距離用の無線ね。最後の方でピラミッドから出てきた時は腕時計でバージルと交信していたわ。こっちは近距離用ってことなのかしら。そのガラガラ・・じゃない、無線マイクを銃で撃って壊してしまうリンゼー。「大変な思いをしたね、さあ病院へ行こう」やだもーん、病院へ行ってる間にこの宝を盗むつもりだろうけど、そうはいかないもんねー。ボクちゃん死んでも宝と一緒にここにいるんだもーん。ボクちゃん錯乱してるから相棒のウィルソンだろうが救助隊のスコットだろうがみーんな撃ち殺しちゃうんだもーん。怖いものなしのリンゼーと、何だかんだ言っても相手を傷つけるわけにはいかない(病人ですからね)スコット君とでは、心理的にリンゼーの方が有利。あっと言う間に銃を飛ばされたとしても、スコット君のことをアホだのドジだのマヌケだのと責めるわけにはいかない。銃を奪ったリンゼーはますます調子に乗って撃ちまくる。像の後ろへ隠れるしかないスコット君。像の足の部分が撃たれて(そのうちの一回は、まず火がついて、それから爆発してます。火薬で爆発させているってのがバレバレですぅ)、そのたんびにスコット君が後ずさりするように片足上げてるってのがリアルー。かわいそうなスコット君、怖かったでしょうね。とうとう像が倒れる時の両手をちょっと上に上げてる無力なスコット君に胸キュン。遮蔽物がなくなり、なすすべもなく立ち尽くす泣きそうな顔のスコット君に、何てドジなの・・と思いつつも胸キュン。「サンダーバード」の中でスコットが一番危なかったのってこの時だと思うな。Z団が現われなかったら彼死んでたよー。彼が助かったのはZ団のおかげ・・あれ?Z団て彼の命の恩人じゃん。

それにしてもなあ・・ピラミッドの入口が開いてびっくりするスコット、入口が閉まってびっくりして振り向くスコット、リンゼーに撃たれないようササッと移動する忍者走りのスコット(首の角度と移動の速さ→絶妙)・・などなど、人形の表情の出し方のうまさ、あやつり方のうまさにはホント脱帽!さて4話最大の謎Z団。ZombiteのことをZ団て訳してますけど、ゾンビと関係あるんですかね。「砂漠の下に何世紀も隠されてきたZ団の進化した文明」って「大百科」に書いてあるけど、数人しかいないじゃん。彼らのシンボルは確かにZに見えるけど、ギザギザの矢印って感じで、私はZと言うより稲妻を連想した。天気予報でよく見るじゃん、あれよ。一番最初に1号を攻撃したので、それでもう「悪者!」ってことになっちゃったけど、彼らの言いぶん何も聞いてないよー。聞いても何しゃべってるかわかんないけどさ。彼らの資金源がピラミッドの財宝だってことは想像がつく。戦闘機の燃料をここで作っているってのもいい。だけどそのための施設や戦闘機などはどこかに発注するんでしょ?つまり外部との接触なしで戦闘機やミサイルを作るのはムリなんだから、彼らが全く独自の言語・文明だけで存在してるってことはありえないわけ。サンダーバードに似た言葉発しているのだから、国際救助隊のことも知っているはず。それでいて、つまり国際救助隊がどういう存在か知ってて攻撃してきたんだからやっぱりZ団は悪の存在だ・・とすることもできる。そう考えた方が悪が滅んでメデタシメデタシ・・で終わることができる。でもそれでいいのかな。1号が攻撃されたのは、1号が彼らにとって招かれざる客(Uninvited)だったからだ。トレーシー島だって正体不明機が飛んできたら警戒体制取るでしょ。そりゃ1号への攻撃は警告っぽかったけど、2号は本気で撃ち落とそうとしていたし、彼らが善意の集団じゃなさそうなのは確かなんだけどさ。ただねえ・・本当の悪なら1号にとどめを刺すし、リンゼーがスコットを撃ち殺すのを邪魔しないと思うよ。意味不明の言葉をしゃべり、閉鎖的なのは確かだけど、彼らの目的ははっきりしない。世界征服が目的なのか自分達の民族、あるいは文明の独立が目的なのか。彼らをあいまいな存在にしたために、かえって全くの悪とは考えにくくなってしまった・・と私は思う。もちろん子供の頃はそんなことは考えなかった。今、大人の目で見て・・の話である。顔つきが変わってて、言葉が通じなくて、人づき合いが悪くて、砂漠の地下深くで何やらコソコソやっている。それが彼らを滅ぼしていい理由になる?まあ作る側としてはそこまで考えず、砂漠・ピラミッド・財宝・謎の集団・・というエキゾチズムを出したかっただけなんだろうけどさ。「サンダーバード」ってほとんど画面に死者の出ない作品だけど、4話ではZ団が皆死んじゃう。スコットがモノレール(?)から撃って、毒ガスがもれ出し、皆中毒して倒れちゃう。最後にはピラミッドが大爆発起こして、スコットが「失われたピラミッドは永遠に失われたな」と言うんだけど、その原因作ったのアンタじゃん。スコットは世界を救ったのかもしれないし、一つの文明を滅ぼしたのかもしれない。そんなふうに思ってしまうのは私だけですかね。ガスで倒れていくZ団の連中が何だか哀れに思えたのよ。

さてスコット救助のために飛んできた2号。ジェフの言葉通りなら、スコットと交信したすぐその後、(リンゼーが無線を壊して)交信不能になったから2号を出動させたのだということになる。でもそれだと救助間に合わないんですけど・・。島から砂漠までは8000キロある。2号は最大速度が時速約8000キロで、普段は時速約3200キロで飛ぶ。つまりどんなに急いだとしても1時間以上はかかるのである。字幕だとバージルは「到着は1.4時間後」と言っていて、これは普通に考えれば1時間24分後ということで、妥当な数字だと思う。しかしスコット達は1時間以上もピラミッドの中にいたとは思えない。吹き替えだとバージルは10分と言っていて、これだとスコット達の行動と時間的に合う。しかし2号がそんなに早く到着できるわけはなし、考えられるのはジェフが出動を命じる前に、バージルとゴードンがかってに出かけちゃったのよーということ。時間的・距離的にムリが生じてもいいんだもーん、どうしても舞台をサハラ砂漠のピラミッドにしたいんだもーん・・と作っちゃったのがこのエピソードよね、よーするに。1時間以上たってるってことになると、基地はずいぶん地下深くにあるなってことになる。スコット達はまだモノレールから降りてもいないのだから。それだと今度は逃げ出す時の描写に困るわけよ。今回ゴードンが2号に乗っていたのは、1号みたいに攻撃された時のことを考えてのことなんですか?つまりばつぐんの射撃の腕前を買われてのことなんですか?それとも単にアランがいないから・・なんですか?どっちにせよジョンのことは考えもしなかったんでしょ。これは私の妄想ですけど、ジョンも射撃はうまいと思うな。熟練した技術の持ち主。冷静だしね。ゴードンの場合は技術と言うよりセンスがいいんだと思う。天性のカンのよさ・・ハハ、好きなこと言ってるよ。ところでアランが5号に行ってる時に宇宙での事故が起きて、3号が出動する必要が生じたらどうするんですかね。アランが5号にいる時には宇宙での事故は起きないことになっているんですかね。3号はスコットでもジョンでも操縦できまっせ。オラオラ、何でそういうエピソード作らんかったんじゃい(怒)!

さてと・・前ゴードンは左利きらしいが銃を撃つ時は右手に持ってると書いたけど、あれってよく考えたら右手に持たせるしかないのよね。制服がそうなっているんだから、あはは。それはさておき、もし戦闘機が現われたら、ゴードンの活躍が見られたんでしょうなあ。でも2号は来ただけ。なーんもしない。これから着陸という時にスコットから連絡が入ったから。2号が何番コンテナ持ってきたのかも不明。なかみも不明。何もしないのだから何番つけてようが関係ありましぇーん。てなわけでコンテナ選択シーンも、出動シーンもなし。だからバージル達はジェフに黙ってかってに出動しちゃったのよ、なんていう妄想も可能なわけよ。結局このエピソードで作り手のリキ入ってるのは、ウィルソン達の車が砂漠を走るところとかZ団の基地が爆発するシーンとかであって、サンダーバードの救助メカではないわけね。だから4話はちょっと変わったエピソードという印象を受けるのよ。まあそのぶん5号での勤務交代の様子とか、砂漠での野営とか、ラストの1号と2号が一緒に飛ぶシーンとかいろいろサービスしているけどさ。それにしてもゴードンにとっては初出動だったんだよね。いつも留守番ばっかりなのは、5号にいて何もできないのよりある意味辛いかも。だって島にいて1号や2号の出動を毎回間近に見てるんですぜ!「早く着陸して中を探りに行こう」というゴードンの言葉には、意気込みはもちろんだがあせりも感じられる。バージルが一緒でなかったらゴードンはきっとヘマをやらかしていただろう。バージルも着陸してすぐにスコットを捜しに行こうと思ってはいるが、ゴードンのように浮き足立ってはいない。彼はいつだって冷静で頼りになる。二人の性格の対比がうまい。せっかく出動したのに何もすることがなかったゴードンはさぞがっかりしたことだろう。彼の本格的な仕事は「原子炉の危機」までお預け。でもその後経験を積んで25話とか26話のような手堅い仕事ぶり・・となるわけよ。ところでスコット君、ピラミッドの外へ出た時にはちゃんと自分の銃取り戻してますね。いつの間に?ピラミッドの入口がタイミングよく開いてくれたおかげで命拾いしましたけど、普通はあんな偶然ありえませんぜ・・と言うか、ここでもZ団に命助けられているんじゃん・・。開かなかったらどうするつもりだったんですかね。2号に頼んで壊してもらうとか?でもそれだと爆発が早まって吹き飛んでいたことでしょうよ。1号の狭苦しいどこかに乗っていたウィルソン達、しっかりつかまっていなさいよ。まあ機体が垂直上昇することはないとは思いますけど、アンタ達の座席にまで水平維持装置がついているとは思えましぇーん。ポッケに忍ばせた宝石がこぼれ落ちないようご注意遊ばせ。真面目なスコット君は考えもしなかったでしょうけど、アソコを通る時くすねてきたんでしょ、お二人さん。ちゃんとわかってるんだから。

今回印象に残ったのはおばあちゃんのケーキ攻撃。手前の大きいのはケーキと言うよりパイでしょ。エピソードの中で甘いもの攻撃にさらされるのはスコットとアランの二人。やっぱり五人のうちでも長男と末っ子が一番かわいいのかしら。二人とも気をつけないとだめよ。進められるままにケーキよく食べているとパイ死に・・いや早死にしまっせ。4話のポカシーン、と言ってもわかってやってるんだろうけど、3号でのアランの服装の変化の他に、スコットまで出かけた時と帰ってきた時の服装が違ってまっせ。行く時黄色で帰ってきたら青い服。いとしのジョンに会うためわざわざ着替えしたんですか?あ、次の1号出動シーンのためですか。1号に乗り込む時はこの服装でないと乗り込めないんですよね。