29 恐怖の空中ファッションショー

今回は29話について書こうと思うけど、気持ちを盛り立てるのが大変。このエピソードはぺネロープ達女性陣のファッションを楽しめばいいの?でも私全然興味なし。男の子向けには巨大なスカイ・トラスト号ですか?でも私の見るところあの翼はまずいんじゃないの?という気がする。地面にこすりそうな形をしている。最後の方で胴体着陸するけど、止まるまでにもう下の部分半分が都合よくなくなってるぞ。実際には滑走路にこすれてキーコキーコひどい音出して、そのうち摩擦熱で燃え上がると思うな。非常時でなくても離陸時や着陸時にちょっとバランス崩しただけで、地面に接触すると思うよ。ブレインズは何であんな設計したのかな。もっとも彼が担当したのは安全装置であって、スカイ・トラスト号全体を設計したわけではなさそうな口ぶり。これって逃げ口上に聞こえる。スカイ・トラスト号そのものは性能がいいとはとても思えない。そのスカイ・トラスト号の先端部ですけど、ボールペンの先っぽに似てますな。テスト飛行を見るためにロンドンに現われたブレインズはハイラム・K・ハッケンバッカーという偽名を使っている。空港の説明官(実は15話のオーチャード博士だよね、この人形・・)はしょっちゅう名前を言い間違えていて、その度にブレインズは「正しくはハッケンバッカーです」と訂正するんだけど、ちゃんと呼ばれた時にはついうっかりと返事をし忘れる。ここらへんがけっこうおかしい。展望室でのブレインズはサングラスをはずし、素顔をさらしている。人形の顔立ちはどことなくジョンとの共通点があるのがわかる。26話でのちょっとはれぼったい目をしたジョンに似ているのだ。同じ人が人形を作っているから共通点があるのだろう。もっとも旧ブレインズと旧ジョンを似ていると思ったことはないけどさ。

スカイ・トラスト号の離陸は問題なし。でも秘密の装置のテストはまだだ。ブレインズは胴体着陸をしない限りは働かない安全装置を、どうやってテストするつもりだったのでしょう!このエピソードの主役はブレインズとぺネロープ、大道具がスカイ・トラスト号で小道具がぺネロン。決してサンダーバードではない。「サンダーバード6号」を見ている時も感じたが、作り手と見る側との意識にずれがあるのよ。見る者が期待するのはサンダーバードの活躍、救助メカの登場だ。ファッションショーなんかどーでもええっちゅーねん!作り手の個人的なリキ入ったものを「どーだ、すごいだろー」と無理に見せられているような気がする。あと3話しかないっちゅーのに、こんなどうでもいいもん(盗聴器、通信ペンその他モロモロ・・)次から次へと出してくるなー!救助隊(ぺネロープ以外の)がちゃんと活躍するエピソード作れー、ボケ!・・なんてテレビの前で歯ぎしりしてるのは私だけですかね。

さて・・ぺネロープは(そう、ぺネロープなのよ。トレーシー兄弟の誰かであることは絶対にないのよ!)パリでデザイナーのフランソワと密会(違うって)している。スタッフの力の入れよう、こだわりはパリの家並にも現われている。あまり高くない(高層ビルでは決してない)建物の、屋根裏部屋から見たような景色。ごたごた建込んでいて、屋根と屋根とが接近していて、庶民的で・・。でも考えてみてよ、これって1960年代の景色じゃん。設定は未来のパリなんでしょ。50年や100年ではパリの家並は変わらないってこと?スタッフにはフランス人がそれほど保守的な人種に見えるってことよね。それとも単にパリのそれらしい景色を作りたかっただけなのかしら。そりゃ高層ビルなんて他でさんざん作ってるし、そんなの画面に出してもパリらしさゼロだけどさ。感心したのは内装。日本だとすぐに古いもの壊して新しいの丸ごと建てちゃうけど、あっちの人は違うのよ。古い町並はちゃんと残し、ただし中は超モダンに改装するの。地震はないし、建物はしっかり作ってあるからそれができるのよ。フランソワの部屋もふかふかのじゅうたんが敷いてあったりしてとても豪華・・と言うか念入りに作ってある。窓からはエッフェル塔が見える。あの距離、あの方角に見えるってことは・・知ってる人が見ればフランソワの住まいがパリのどのあたりにあるか見当がついたりして・・。じゅうたんと言えば28話に出てくるゴードンの部屋にも敷いてある。10話でのバージルの部屋には敷いてない。だから28話を見た時には手をかけているなあ・・という気がしたものだ。他の人は1号や2号の操縦席を見て、シリーズ前期とは違って作り込んであるなあ・・と思うのだろうが。

フランソワは目のまわりが青だか緑だか・・ほんのりお化粧しているんですかね。服飾関係者がちょっと女っぽいというのは今では珍しくも何ともないけれど、1960年代もそうだったんですかね。・・で、未来にもやっぱりこういうのがいて、えり元に花をつけたり指輪をしたりほんのりお化粧したりするんだろうと思っていたんでしょうか。どうせなら髪を染め、ピアスでもさせればすごい先見の明!ってことになったんでしょうが・・。だけど後から出てくる犯人の一人メイソンも目のまわりに色ついてたな。ペネロープの服はいつにも増して上等に見える。白い服の生地と帽子の裏地は同じものなんでしょ?ファッションショーに出てくる服はあんまりいいとは思わないが、最初着ていた白い服はこだわって作ってあるな・・という感じがする。

さてこのエピソードで一番印象的なのは、2号が砂漠にいる犯人二人を攻撃するシーン。子供の頃なら砂まみれのトホホな二人を見て笑っておしまいだが、今見るとおかしさよりも別のことを思い浮かべてしまう。彼らの仕事は救助活動であって、警察活動ではないはず。スカイ・トラスト号の件がかたづいたのなら、砂漠の二人は地元の警察か国際警察にまかせればいい。二人の位置を教えるだけでいいのだ。そりゃ砂漠までつかまえに行くのは手間がかかるけど、犯人達だってササッと逃げるわけにはいかないのだから、取り逃がすってことはないと思う。救助隊の鉄則をいとも簡単にジェフ自らが破った理由として考えられるのは次の三つだ。その1・・最近事件がなくて欲求不満だった。・・誰が?ジェフがよ!ペネロープから連絡が入った時言ってたでしょ、「静かすぎると思った(字幕)」って。何も起こらないのは平和な証拠なんだけど、ジェフにとっては不自然な状態なのよ。事件が起きて、救助隊が出動して、みんごと(見事の撥音化)解決・・ってのがジェフにとってのこの世のあるべき姿なのよ。何も起こらなくて救助隊が必要とされないのでは、救助隊を作った意味がない。つまりジェフは自分の存在意義を見失うのが怖いのよ。だからペネロープの目が光っただけで何も確かめもせずあわただしく1号と2号を発進させたのよ。それにしても緊急時にはペネロープのネックレスが点滅するんじゃなかったっけ?1号と2号から得たデータでスカイ・トラスト号の位置を割り出していたけど、あのーこういう時5号の出番てないんですか(愚痴)?ジェフは普段は出動に慎重なのに、ヒマだったり新しい装備を試したい時はホイホイ出動させちゃうんですね。つまりかなり気まぐれなんですね。今回コンテナには何が入っていたんですか?何も入ってなかったりして・・。胴体着陸なら高速エレベーターカーだけど、1話ではあんまりうまくいかなかったからパンクしたままそこらへんにほったらかしにされているんでしょうか。1話の教訓からあんなの使うより燃料タンク切り離した方がいいだんべ・・って今回の装備考えついたんですかね。話を戻して、ヒマだったから砂漠の二人を攻撃させたってのは考え方にムリがありますか?じゃあ理由その2・・ブレインズが設計した(ジェフに言わせりゃ全部ブレインズが設計したってことになるのよ)スカイ・トラスト号を狙うとは何事じゃい、おしおきしてやるーってのは?救助隊の一員であるブレインズの手がけた仕事であるから、処女飛行は何としてでも成功させたいわけ。ブレインズの受ける栄誉はそのまま隊長であるジェフの栄誉でもあるわけよ。でもそこまでブレインズのこと思ってるかな・・隠し子ならともかく。じゃあ理由その3・・ジェフが大あわてで1号と2号を出動させ、やらなくてもいい攻撃までさせた真の理由は・・「オレのペネロッピーに手を出すな!」・・やっぱこれでしょう。「オレのペネロッピーを危ない目に会わせたのはどこのどいつだ!」「オレが相手だ!」「オレが始末してやる!」・・でもスカイ・トラスト号を撃ち落とすわけにはいかないから、代わりに砂漠にいる二人に矛先を向けたわけ。つまり完全なるやつ当たり。あの二人はある意味幸運だったんですよ。バージルとアランだったからあの程度ですんだのですよ。ジェフだったら間違いなく基地ではなくあの二人に照準合わせて、こっぱみじんに吹き飛ばしていたでしょうよ。「おのれ、ペネちゃんの恨み」地元警察がつかまえに行く手間を省いたことでしょうよ。

以上は妄想ですけど、ありえないことではないでしょ。それともああいう展開にしたのは内容の帳尻合わせですかね。このままだと1号も2号もほとんど何もしないで終わっちゃうから、最後にちょっと見せ場作っとけ・・という。「おまえ達の仕事はすんだから速やかに島へ戻りなさい。あとは警察にまかせるのだ」とジェフに言わせるのがこの場合スジだけどさ。さてと・・スコットは今回またしても何の役にも立っていませんでしたな。せっかく久しぶりに・・と言うか、いまだかつてこんなことがあっただろうか、いやない(反語)というくらい貴重な体験をしたのに。つまりミンミン、ペネロープ以外の女性、しかも妙齢の美女マドレーヌと会話できたのに、メッチャ冷たくあしらわれてさ。気の毒に。もっともスコット君何も感じていないようね。「全然言うこと聞きませんっ」・・ってそれだけかよ。せめて「犯人は驚いたことに女性ですっ」くらいなこと言うでしょ。むくつけき男だろうが悩ましい美女だろうが、スコット君には「犯人!」のひとくくりですんじゃうんでしょうなあ。犯人は女性→モデルの二人のうちのどちらかが、あるいは両方が犯人→身元調査の結果メイソンと砂漠にいる仲間二人の身元も判明・・とかさ、スコットの報告からそういう流れになるんでしょ?50分もあるんだから少しはスコットに時間割いてよ。あれじゃあの後1号は何もすることがなくてすごすごと・・いや早々に島へ帰ったんだろうなあ・・ってことになっちゃうじゃないのよ。「ああボク何しに来たんだろ」そんなスコット君にもいつの日か運命の出会いはあるのでせうか!もっとも運命の女性と出会っても気がつかなくて通り過ぎちゃいそうだ、彼って。そう言えばウチのダンナ、見合いして二回目に会った時、見事に私の目の前通り過ぎたよな。今でも時々通り過ぎるけど・・(あたしゃ透明人間かい!)。

さてと・・吹き替えだとわからなくて、字幕で気がついたということがあって、それがラストのブレインズとミンミンの会話。そこへ至るまでの状況がやや意味深だ。スカイ・トラスト号がロンドンからパリに向けて飛び立った時、ミンミンは島にいたのに、いつの間にかロンドンへ来て、ブレインズと二人でパリから戻るスカイ・トラスト号を待っている。管制塔では時ならぬ美女の来訪なので大切に扱われるが、事件が解決してペネロープが登場するとみんなの注目は彼女に集中してしまう。何だかんだ言ってもミンミンの美しさは野に咲く可憐な花の美しさ。ゴージャスなペネロープにはかなわないのだ。ミンミンは有名なデザイナー、フランソワに会えるのを楽しみにしていたのだが、当のフランソワは「彼女(ペネロープ)と一緒なら地の果てまでも」などと浮かれている。ウェディングドレスのペネロープを見た時絶句していたから、かなりポーッとなっていると思われる。1993年ものだというシャンパンはハッケンバッカーの提供だ。「ペネロープのあとについていけばシャンパンにありつけますわよ」というミンミンの言葉は冷やかだ。表情も(この人形は元々そうなのだが)さびしそうに見える。みんなが行ってしまった後でブレインズがミンミンに声をかける。原語版では「ミス・キラノ」と言っていて、ミンミンの方は「ミスター・ハッケンバッカー」と返し、お互いに堅苦しい態度を取っている。それでブレインズが「ハイラムと呼んで」と頼み、ミンミンはその通り「ハイラム」と呼ぶ。吹き替えだと「ミス・キラノ」ではなく「ミンミン」と呼びかけ、ミンミンが「ハッケンバッカー博士」と答えるとブレインズが「ブレインズと呼んで欲しいな」と頼み、ミンミンはその通り「ブレインズ」と呼ぶ。つまり吹き替えだとハッケンバッカー博士なんて堅苦しい呼び方はやめて、いつも通り気楽にブレインズって呼んでよ、ミンミン・・という状態である。キラノとかハイラムなんていうのを出すとややこしくなるので、ミンミン、ブレインズといつも通り呼ばせることで二人の距離の近さを出そうとしている。原語版だともうちょっとハッケンバッカーという名前にこだわっていて(何しろエピソードの題名にまでなっているし)、ブレインズはミンミンにボクをファーストネームで呼んで・・と頼んでいるのである。ブレインズとかハッケンバッカー博士と呼ぶ人はまわりにいくらでもいるけれど、ハイラムと呼んで欲しいのはミンミンだけ!・・そんなふうに言われればミンミンだって悪い気はしない。一座の花ペネロープを見送ってちょっと落ち込んでいたミンミンだが、これで少しは元気が出たようだ。さあ展望室へ行こう・・とうながすブレインズの右手・・もしかしてミンミンの肩に?おーっとブレインズ君、今回ばかりはおいしい役まわりですな。みんなはペネロープに夢中だけれど、ボクだけはちゃんとミンミンのことを考えているからね!ってさりげなくアピール。女性の扱い方けっこううまいじゃん。ところで一番最後に大きなシャンパンのビンを持ち上げたのは誰?ブレインズ?・・ってことはみんなはシャンパン目当てで展望室へ行ったけど、持って行くのは忘れたってこと?

ついでに書いておくと、ブレインズがスカイ・トラスト号の車輪収納部を撃つよう指示した時、原語版ではバージルはちゃんとハイラムと言ってます。用心深いんですね、彼って。次に今回の小道具ペネロンについてだけど、タバコケースにおさまるくらい小さくたためる・・ってのが新機能。ある種の女性にとっては夢のような製品だ。つまりペネロープのような女性は、旅行に出かけるとなると車のトランクも座席も荷物でいっぱいとなるのだが、ペネロンで作った服ならトランク一つですむというわけ。形が崩れない・・というのは形状記憶素材でできた衣類やメガネが現実のものとなっているが、タバコケースにおさまる衣類というのはまだ実現していないんでしょ?圧縮できるのはせいぜいフトンくらいのものだ(違うって)。フランソワもペネロープもペネロンの発明はファッション界に革命を起こすと興奮するが、私はそれを見ながら別のことを考えていた。「サンダーバード」と同じ頃作られたSF映画に「ミクロの決死圏」というのがある。人やものをミクロの段階まで圧縮して人体(重傷の重要人物)に注入し、脳にできた血のかたまりをレーザーで破壊するという内容だが、なぜそのケガ人が重要かと言うと、彼が圧縮技術のカギを握っている科学者だからだ。圧縮技術が開発されたものの、その効果は1時間しか続かない。1時間たつとまた元の大きさに戻ってしまうのだ。その効果をもっと持続させることができたら・・。「ミクロ」についてはここでは詳しくは書かないが、この技術がなぜ注目されるかと言えばそれはもちろん軍事目的のためである。トランク一個がクローゼットになるのならまだ平和だが、トランク一個に軍隊がおさまるとしたら?戦車だって戦闘機だって・・。つまり私の言いたいことは、夢の繊維ペネロンは使い方によっては軍隊用の装備にも応用できるってことなの。パラシュートとかテントとか。ファッションの革命ではなくて戦闘装備の革命かもしれないってこと。そしてこっちの方がうんと儲かるっていうこと。マドレーヌやメイソンはペネロンで作ったフランソワの作品で一儲けしようと企んだわけだが、そんなのは大したお金にはならない。ペネロンの化学的な組成表を軍部かどっかの企業に売りつけた方が話は早いのよ。ただしペネロンの存在が世間に発表される前にね。ショーが開かれてファッション関係の人がペネロンの存在を知ってしまった後では彼らがペネロンを売り出すことはできない。だってフランソワが開発したってもうわかっているんだから。もちろんスカイ・トラスト号に乗っている者を皆殺しにしちゃうんなら話は別よ。マドレーヌはペネロンのことはずっと前から知っているんだから、どうしてショーの前に盗んで姿を消さなかったの?マドレーヌがそうしなかったのは、29話をそういうストーリーにしなかったのは、「人形劇で華麗なるファッションショーやったる!しかもどでかい最新鋭の航空機の中で!」・・という目的が最初から作り手の頭にあったからでしょうね。だからマドレーヌ達は、砂漠に着陸した後スカイ・トラスト号やフランソワ達をどうするつもりだったのか・・なんてことは考えていないと思う。つじつまもへったくれもなし。

さて大道具の方のスカイ・トラスト号、最新鋭の航空機としてどこかの国に売りつけることも可能なんだけど、マドレーヌ達にそういう考えはないみたい。あくまでもフランソワの新しいドレスで儲けることだけを考えていたのだとしたら、彼らもずいぶんスケールの小さい連中だと言える。砂漠で待ってた二人は2号をスカイ・トラスト号だと思い込んでいるし。そりゃ砂嵐による視界の悪さもあるけどさ。もっともスカイ・トラスト号自体前にも書いたけど高性能には見えない。つまりどこの国も欲しがらないと思う。安全装置は応用がきくけど、スカイ・トラスト号はただ図体が大きいというだけ。大量の輸送能力があるってだけのことでしょ。これもおそらくは作り手がファイアーフラッシュ号、ゼロエックス号に続く巨大メカを登場させたかった・・ってだけのハナシ。それとも画面には出てこないけど、何かすごい能力が備わっているんですかね。最後胴体着陸したけどあの機体はまた使えるんですか?滑走路も痛んだんでしょ?安全装置のテストができた・・なんて喜んでいる人達を見て首を傾げたくなるのは私だけ?そりゃ人命は大切だけどさ、スカイ・トラスト号はでかいだけに制作費もものすごいと思うよ。ペネロープも罪なお願いごとをしたものだ。

どうも書いてていつものようなハイテンションになれない29話。何かこう話の核になるものがないのよね。救助隊はそれほど必要とされていないし。事故が起きてどうしようもなくて救助隊を呼ぶってのがスジだけど、ペネロープはちっとも困っていないでしょ。パーカーの所在もあいまいだ。吹き替えだとペネロープはパーカーに「(パリは)楽しかったでしょ」と言っている。そしてペネロープ号がスカイ・トラスト号に乗り込むシーンが出てくる。スカイ・トラスト号はパリからロンドンに戻るのだから、ペネロープ、パーカー、車が乗っているのは自然なことである。 ところが字幕だとペネロープは「私が戻るまでパリで楽しむのね」と言っていて、パーカーに休みを与えているのである。だからスカイ・トラスト号で乗っ取りが起きてもパーカーは姿を見せなかったわけ。もし乗っていたら彼は必ず何かしら行動を取ったはず。・・どうもペネロープはまたパリへ戻るつもりでいるらしい。まあスカイ・トラスト号でショーをやるというのは彼女の思いつきで、元々はそんな予定じゃなかったんだし。それにしてもパーカーに休暇をやったってことは、例によって「私一人で大丈夫」って思っていたってことよね。パーカーもいつもだったら黙ってスカイ・トラスト号にもぐり込むところだけど(28話ではちゃんとホテルにもぐり込んでいたでしょ)、パリの魅力には勝てなかったようで・・。機長のアシュトンも、スパイがうようよいて何が起こるかわからないような危険なことに大事な機体を貸すなよ。双方にとっていい宣伝にはなるけどさ。ペネロープが頼みごとをしている席でも早速盗聴器が見つかる。ところであのウエーター、メイソンと似ているけど別人(形)でっせ。メイソンがウエーターに扮して・・って書いてる本もあるけど。ひんぱんに出てくるペネロープの手・・ありゃどう見たって26歳のピッチピチ女性の手じゃないよね。シルビアが自分でやってるんじゃないか・・と私はにらんでいるんですが。アシュトンと会う時のヘアスタイルも、イメージとしてはシルビア風。ヘアスタイルだけで感じががらりと変わるのにも驚くが、最初の頃のブリジット・バルドーのイメージはうすれてきている。またウェディングドレスの時のペネロープを見るとわかるが、ああいう頭にするとペネロープは美人には見えない。髪の毛がふんわりしていないとただの頭でっかちのオバサンだ。ドレスもあれではしょぼくてだめ。スカートをふんわりさせなきゃ。私にはフランソワの顔が、ペネロープの美しさに見とれていると言うよりあまりの似合わなさに絶句しているように見えたことを明記しておく。最後の方ではペネロープはいつの間にかピストルをマドレーヌ達に突きつけているし、ホントストーリーいいかげんです。持っているんならマドレーヌ達が正体現わした時点で抵抗しろっての。やたら出てくる秘密兵器は誰が提供しているの?ブレインズ?それとも昔の職場(彼女情報部員だったらしいですから)のつてで入手するの?新しいバージル人形を見るのはちょっと辛いものがある。どう形容したらいいかわかんないけど。眉をしかめた人形もひんぱんに出てくるけど、普通の表情の時の人形とちょっと差がありすぎるような・・。スカイ・トラスト号にコースを変更させた後も、アランは何困った顔してるんでしょ・・。人形チェンジするの忘れたんですかね。ああいう仕事アランよりゴードンの方が向いてると思うんですけど・・ああまた愚痴が・・。ここだけの話ですがスカイ・トラスト号の車輪収納部はミサイルも何も当たってないのにひとりでに穴開いてます(何でやねん)。・・先が見えてきたのか、この際やりたいこと何でもやってやれ・・というような雰囲気を感じます。31話の金塊強奪シーンなんかもっとそうですけどね。延々と描写していて、こだわり方がはんぱじゃない。国際救助隊の活躍というコンセプトはどこかに行ってしまっている。シルビアの存在も今回は強く感じられた。実際のところは知らないが、私にはシルビアイコールペネロープになっている気がする。もっと救助隊に重点を置き、ジェフが「基地を破壊しなさい」と言った時バージルが「えっパパ、それはボク達の仕事じゃないですよ」と言い返す・・そんなオトナなエピソードが見たかった。

さてと・・30話でのペネロープはやっぱりたくさんの荷物持って出かけていましたな。ペネロンの普及にはまだまだ時間が必要なようで。あとねぇペネロンはケースから出す時はいいけどしまう時はどうやってたたむの?丸めて押し込むの?話は変わるけど少し前にテレビでやった「こんなはずでは!!」。見たのは「サンダーバード」が出てくるからだが、私は普段はこういうバラエティーものってほとんど見ない。めまぐるしく話題が変わり、あとからあとから情報が流されるが、よく考えてみると底が浅いのよ。こじつけとしか思えないようなこと(今回ので言うと阿部晴明とか・・)をもっともらしく言うのもいや。うわっつらだけを大急ぎで広く浅くなで回し、大勢のゲストをワーワー騒がせ、CMで細切れにして何とか1時間持たせる。終わった時には何にも残っていないけど、作り手としてはそうでなくちゃ困るわけ。追究されるとボロが出るから今見たことはすぐに忘れて、来週のことに興味が移って欲しいのよ。2号の機体のこととか、興味深い部分があるのは確かだけど作り手に安易に乗せられちゃだめよん。