21 にせ者にご注意

21~24話はあんまり盛り上がらない内容だよな。25話から28話までは力作だけどさ。29話のファッションショーなんて最悪だよな。救助隊がうんと活躍してくれなきゃいやん。そりゃぺネロープやパーカーが活躍するエピソードがあったっていいけど、私はやっぱりトレーシー兄弟の活躍が見たい!いつもはすましかえっているぺネロープが泥だらけになっているのがおもしろいか、おもしろくない。それよりゴードンはどこへ行っちゃったのさ。ギャンブル狂のばあさんが無一文になりかかっているのを助けてあげたくなるか、ならん。あんな欲ボケばあさんほっとけ!欠陥だらけのモノレールにジェフが試乗すると思うか、思わん。これぺネロープ、自分が金出すのいやだからって、ジェフに話を回すな!人騒がせな子供二人は・・省略。

まあそんなことを言いつつも、今回は21話について。国際救助隊のニセ者が現われて、人を助けるフリをしてAL4の設計図を盗む。疑いは本物の救助隊にかかるから、救助活動ができない。・・で、秘密隊員の登場だいっ。こういう時に限って宇宙空間で事故が起きちゃったりなんかしてー。まずこのAL4ですけど、光速を出せる戦略戦闘機・・ってこれは絶対ありえませんぜ。わかって設定しているんですかね。1秒間に30万キロですぜ。地球を7周半する距離ですぜ。そんなもん飛ばして何するんですか。ロケットだって言うのならまだわかりますけど。その設計図、ガセですぜ、ダンナ。ランバート大将は今回の事件を怒って、全世界の捜索を命じる。草の根分けてでも国際救助隊を捜し出し、たたきつぶしてやるーって、それくらい意欲満々なら、ぜひぜひ宇宙も捜索して欲しかったんですけどー。せめて一回くらいはジョンをピンチに陥れて欲しかったんですけどー。やつらの救助活動は全世界に散らばっている・・とそこで分析をやめないでくださいな。ほらほら♪みあーげてごらん、よるのーほーしを♪・・宇宙でも活躍しているじゃないですか。救助活動の要となる(強調)宇宙ステーションがあるんですよ、こら。なぜ気づかない。私いつも想像(妄想)するんです。美しいジョン(あるいは5号)が危機に陥るところを。全32話を通じて5号がピンチになったことって一度もないでしょ?たまに島との通信ができなくなるくらいで。・・でもさ、そばをロケットが通ることもあるだろさ、隕石が降ってくることだってあるだろさ。♪だけどボクらはくじけないーって、違う違う!そういうのをあらかじめよけるよう設計されているとは言え、一度くらいは5号に異変が起きて欲しかったわけよ。今回の事件でどうして誰も5号に目を向けなかったのか・・いや軍の関係者が・・ではなくて、スタッフ(脚本家)がさ。くやしー。

ランバートは今回の憎まれ役。不始末の責任を取って辞任するどころか、反対に国際救助隊をヤリ玉に上げる。そりゃ攻撃は最大の防禦ですからな。警備の手落ちなんて指摘されないよう、世間の目を救助隊に向ける。あんなに苦労して人様のために働いてきたのに、世間の目は冷たい。皆ランバートの意見にうなずいちゃって、反対意見も弱々しい。あー世間なんて結局はこんなもん。そう言えばスーパーマンだってひどい扱い受けてたよな。トレーシー島にも捜索の手が入るが「彼らには無理だね」と、ジェフは自信たっぷりだ。ランバートの指示(威光)は末端までは届いていない。捜索隊は形だけのおざなりな仕事しかしなかったのだろう。でなければトレーシー邸の外観と内部とでは矛盾があるって気づいたはずだ。何しろ建物の一部は1号の格納庫だからね。テレビのニュースを見るシーン、前の方にスコットやバージルがいて、アランとジェフは後ろにいる。ジェフは動いているが、アランは全く動いていない。「あやつられていないアラン」を見ることができる。インタビューを受けるランバート。さすがの彼もテレビ向けに態度を軟化させている。あんまりいばりくさった態度を取ると、反感持たれて「そもそもはてめーのせいだろーが」なんて言われかねない。ちょっとは愛想よくしなくちゃね。しかもテレビにうつるなんて生まれて初めてだし、ルンルン。・・てなわけで「出演できて光栄だ」なんておべんちゃら言うわけよ。・・でそれを見ていたゴードンがすかさず「これは本音だね」と突っ込みを入れて、ジェフに「もうよせ」なんて言われるわけよ。吹き替えだとゴードンの「頭にきちゃうな」、ジェフの「静かにしなさい」となって、字幕とは少し意味合いが違ってくる。「頭にきちゃうな」は見ている者全員の気持ちでもあるけど、「これは本音だね」も皮肉がきいていて捨てがたい。いかにもゴードンらしくていい。

さて南太平洋地区の監視を受け持っている観測ステーション3号では、追跡装置が故障したため、観測員のエリオットが修理しようと船外に出る。このステーションを見ると、私はいつも消火器を思い出す。これ以上はムリですというくらいいろんなものがくっついている。中には穴あきオタマみたいなものもくっついていて、笑ってしまう。作業中にエリオットはスパナを落としてしまう。宇宙空間で落とすという言い方も変だが、遠くに離れてしまったスパナは取りに行くことはできない。何でこんなどうでもいいようなシーンをわざわざ入れるのかなーって見ていて思った。エリオットがこの後事故で宇宙空間に飛ばされるっていうのは明らかなんだけど、スパナの件は予兆ってことですかい?あたしゃてっきり一度離れたスパナがどういうわけか戻ってきて、ぶつかったはずみでエリオットが飛ばされるんだとばかり・・。だからスパナがあれっきりっていうのはどうにも解せませんでしたぜ、ダンナ。そりゃスパナがスーッと戻ってきたらホラーになっちゃうけどさ。要するにうっかりスパナを落とし、間違って噴射ボタンを押しちゃった(よくわからんけどそうなんでしょ?)エリオットは、注意力散漫になっていたってことなんでしょうな。それもこれもランバートに早く直せってせっつかれたためだよーん。

さてアメリカ南部にいる秘密隊員ジェレマイア、いいですよねーのどかで。獲物を取ってきてもおっかあはほめてくれない。台所のテーブルの上で「ウフン、どうにでもして」状態になっている獲物のぬいぐるみがかわいい。せっかく怪しい飛行機のタイヤの跡があるって報告したのに、ジェフは関係ないだろう・・って判断ミス。ところで私、最初はジェレマイアとおっかあは夫婦だと思っていたんです。奥さんのことをおっかあって呼ぶこともあるでしょ?でも違うのね。母親と息子なのね。このおばあさんの不敵な面構えが何とも言えずすばらしいわ。きっとトレーシーおばあちゃんとは気が合わないでしょうね。公爵夫人に至ってはライフルで撃ち殺されると思うわ。我が道を行く・・という感じで、ガンコを形にすると彼女みたいになるわけよ。こういうしっかり者に限ってふやけたダンナもらって、早死にされるわけよ。・・で父親そっくりの気のいい息子が残されるわけ。しかしねえ、いくら達者なおっかあでもゆり椅子で針仕事はムリだと思うよ。椅子をゆらすか針仕事(靴下のつくろいらしい)をするか、どっちか一つしかできないと思うよ。次に出てきた時にはこりずに椅子ゆらしながら鍋かき回していたけど。

一方のぺネロープ、イギリスからアメリカまでファイアーフラッシュ号で飛び、早速情報集め。パーカーまで一等翼席に乗せるという気前のよさ。さすがのパーカーも舞い上がっております。ぺネロープは車のトランクが閉まらないほどの大荷物。世界一周か、こら。ジェレマイアは田舎者だけれど、礼儀は心得ている。ぺネロープに「私がやります」ときっぱり言われれば、反対はしない。でもこのへんのことはこっちの方がよく知っている。あんな車で行ったらすぐに立ち往生だ。おびただしい荷物の中に、長靴は・・いやブーツは入っていないらしい。きゃしゃな靴で泥の中を歩くなんてムリ。つまずいてころんでいやーんもう、目指す廃鉱に着いて威嚇射撃をしようとしたら弾の代わりに泥水がピューでいやーんもう。それに何よひどいわこの格好・・なーんてファッションチェックしてる場合か、こら。二人して突っ立ってペチャクチャしゃべるから犯人達に気づかれる。あれじゃ撃ってくれと言わんばかりじゃないか、やれやれこれだからお嬢様は困るぜ・・とジェレマイアはささっと仕事をこなして犯人達を降参させる。だてに秘密隊員はやってませんて。彼がジェフと会ったのは軍隊時代。ジェフの計画に気づくくらいだから頭もよく、勘も鋭いのだ。見かけで判断しちゃいけません。それにしても今回のぺネロープ達は能なしもいいとこ。この犯人達、ニセ救助活動の時、変装もせず、素顔をさらしていた。写真をとられて新聞に載ったけど、人相からの素性割り出しは全然やっていなかったな。一番の手がかりなのにさ。救助隊に罪をかぶせるのが狙いだから、再び救助隊を名乗ることはありえない。名乗ったらつかまっちゃう。それでいて潜伏先の鉱山ではちゃーんと制服をハンガーにかけて吊るしているんだから笑っちゃう。

さて観測員ヘイルは、エリオット救出のためにロケットを出動させるようランバートに要請するが、断られてしまう。思わず「国際救助隊なら・・」と口走るが、ランバートにとっては国際救助隊を捜し出すことの方が大事。まだエリオットが死んだわけでもないのに「彼がこの作戦にささげた命は・・」でかたづけちゃったよ、おい。助ける気なんてこれっぽちもないのよ。ついでに言うと、わざとエリオット救出を要請して救助隊をおびき出すなんていうアイデアも思いつかないみたいね、ランバート君は。まあジョンに見破られるけどさ。でもそうなると、誰かこの通信を傍受している者がいるぞ、衛星をチェックしろー、きゃー5号のピンチだわーうれしーとなるかも(アホ)。5号は救助活動のただなかに置かれたことは一度もない。常に離れた場所から「聞いている」立場である。ジョンは最初観測ステーション3号の追跡装置故障の件を報告した。故障が直らないうちは、出動しても見つかる心配はない。「早く(秘密隊員からの連絡が)あるといいですね」というセリフは、字幕では簡単に「幸運を」となっている。ジョンにはそう言うより他にない。実際に救助活動をするわけではないジョンは、今回のようなことがあっても、彼自身の仕事には何の影響もない。いつも通り傍受した通信の中から重要と思われるものを選択し、島に伝えるだけだ。離れているだけに歯がゆい思いは人一倍あるだろうが、彼は自分の仕事を忠実にこなす。二回目に連絡したのはエリオットの事故のこと。命の大切さをジョンに説教したことのあるジェフだが、自分達の将来に関わることとなると話は別らしい。出動してつかまったらどうする、今問題になっているのは一人の命だが、数ヶ月では500人だぞ・・などと言ってスコット達を脅す・・じゃない戒める。今つかまらなければ、そして疑惑が晴れて活動できるようになれば、数ヶ月の間には500人も救える・・ってそういう意味ですか?エリオット君はそのための尊い犠牲ってことですか?これじゃランバートと同じじゃん。ここらへんのやり取りは、結局は後で救助隊が出動するから不要と見なされたのか、カットされている。でも出動するのかどうか、将来助けることになる大勢が大事か、今この瞬間に助けを必要としている一人が大事か、家族の中でも意見が異なることを表わした大事なシーンだと思う。カットしないで欲しかったな。エリオットのことを思って苦悩するスコット(そんなに落ち込むなよ、あんたのせいじゃないって。でも彼ってホントにいい人なんだな)、考え込むバージル(この時の彼のポーズ、まさに半跏思惟像だよな、足は見えないけどさ。半跏思惟と言えば弥勒菩薩。ある本によれば、何を考えているかというと「仏教の理屈とか、世界の真相とか、いわゆる理論的なことを考えているわけでは」なくて、「いかにすれば、衆生をもれなく救うことができるかという、きわめて実践的なことを考えている」のだそうだ。実践的ってバージルにぴったりじゃん!)。

さて、何だかんだ言っても、サンダーバードが出動しないことには事件は解決しないので、スコットとアランが3号で出発する。隣りの(?)観測ステーション4号がロケットをキャッチするが、守備範囲ではないので、どこから発進したのか特定できない。悔しがるランバート。へん、どうせ悪いことをしたので罪滅ぼしのつもりなんだろうが、ごまかされるか・・などと憎たらしいことをほざく。レーダーでエリオットを捜している時のスコット、髪が一瞬糸に引っかかってピョンとはねるのがかわいー!「ほら、何かうつった」と言う時のアラン、手に持った鉛筆振り回してますよ、かわいー!地上では大統領→長官→ランバートへと連絡が入り、捜索中止ということになる。ランバートは納得がいかなくてふくれっつらしてるし、やっと故障が直りましたーと言ってきたヘイルにはやつ当たりする。クビにしてください、こんなアホ。捜索中止になったのは真犯人がつかまったからだけど、そこらへんの警察から連絡が行ったのではランバートは無視するかもしれない。だからジェフは例によって上層部に働きかけて、一番上から連絡が行くようにしたのだろうな。でもなあ、裏でそんなことができるのなら、今回のことは濡れ衣ですって上層部に言うこともできたはずだし、そこらへんはよくわからないな。さて無事に救助されたエリオット、ああやって落ちついた状態でいられるとは思えないな。例え数時間とは言え、宇宙空間にほうり出されて漂っていたのだ。絶望と恐怖に押しつぶされて、錯乱状態になっていると思うよ。考えてみれば宇宙ってどっちが上でどっちが下かもわからないんでしょ?そんなとこ漂ってみなさいな、ああーやだやだ。・・それにしても今回もジョンは美しかったな。一回目に出た時も二回目に出た時も、この上なく美しかったな・・。はーもう一度言うけど何でジョンが活躍する、あるいはピンチに陥るエピソード作ってくれなかったのよ、くやしー。結局はこれが言いたかったんですの、オホホ。

さてと・・「太陽系に惑星状の新天体」というニュースがあったけど、夢があっていいよな。最近暗いニュースばっかりだからさ。職場ではいつもBGMが流れているんだけど、ホルストの「惑星」の中の「火星」がかかった時にはびっくりしたな。「木星」は有名だけどこちらはあんまり知られてない。勇ましい「火星」を聞くと、仕事間違えそうになるよ。