20 湖底の秘宝

今回は20話の「湖底の秘宝」について書く。内容は宝捜し。湖底に沈んだ古代の神殿。・・夢のあるストーリー、しかけも大がかりないいエピソードだ。細かく見るとつじつまの合わないところがいっぱいあって、突っ込みどころ満載だけど、いいエピソードだ。主にブレインズが活躍するけど、活躍と言ってもヘマ、ドジの部分での大活躍である。でも・・それでも20話はいいエピソードである。え?さっきから何強調しているのかって?それはつまり私にとってのいいエピソードとは、まずジョンが出ていること。それもただ出ているだけではなくて、いつもの5号勤務とは違ったジョンの姿を見ることができること。次にゴードンが活躍してくれること。それも4号で。この二つが条件。20話はこの二つの条件を満たしている。だからいいエピソードなのだ。ジョンは後半出てこなくなるけど(何でやねん)、ゴードンが活躍してくれたのでまあいいとしよう。

さて他の人がどう感じているかはわからないが、私にはブレインズは、一般の人の間に一人で投げ出されると、うまく立ち回れないタイプの人間に思えてならない。誰かがそばにいてサポートしてくれないと、ボロを出したり笑い者になったりする。例えば「火星ロケット」のエピソードでは、ぺネロープと一緒にいるぶんには、彼は普通にふるまうことができる。何があってもぺネロープがうまく対処し、ブレインズはそばにいるだけでよい。ところが一人で行動し始めると・・この場合は橋のコントロールセンターに行って、そこの職員と対峙した時・・と言うことになるが、信用されなくて邪魔者扱いされるのは無理もないとして、時計と話したりしてあいつは頭がおかしいんじゃないか、病院から逃げてきたんじゃないか・・などと思われて心理分析医のところへ連れて行かれてしまう。ぺネロープが来て、やっとその場から逃れることができたが、医者に質問されても答えることもできずに横たわっているブレインズの、困ったような表情が印象的だ。「サンダーバード6号」では新世界航空の重役達にさんざん笑い者にされていたし、今回だってミンミンがそばにいたから何とかなったけど、ブレインズ一人だったらブレークリー教授との間にちぐはぐなムードが漂ったことだろう。トレーシー兄弟は、アランの場合しか描かれないから(19話)、他の四人は推測するより他にないが、一般の人に無理なく溶け込めると思う。しかしブレインズは、単独では浮いた存在になってしまう。トレーシー島にいれば、あるいはぺネロープ邸にいれば、彼は何の違和感も感じなくてすむし、自分のやっていることに自信や誇りを持つこともできる。外の世界だったら、こんなに研究に資金や設備を気前よく提供してくれるのは、世界征服か金儲けが目的の悪者くらいなものだろう。そう考えると、彼がジェフにめぐり合えたのは、彼にとっても世界にとっても幸運なことだった。そして彼をサポートしてくれるミンミンやぺネロープがいてくれたことも。二人とも如才ない気配りのきく、しかも美しい女性であるから、相手は彼女達に目が釘づけ。ブレインズの存在は頭の片隅に追いやられてしまう。天才発明家としてのブレインズには、子供だったら自分もこうなりたい・・と一度はあこがれることだろう。しかし大人の目で見ると、彼に感じるのは、進みすぎた頭脳を持ってしまった者の悲哀である。保護してくれるはずの両親も早くに亡くなってしまった。彼自身は家族愛に飢えているようには決して見えないが(むしろ家族がいてもどうつき合っていいかわからないだろうな)、女性達にとってはほうっておけない弟のように思えると思う。前にも書いたが、深夜ミンミンが寝ているところに忍び込んでも、全く色っぽくもデンジャラスにも思えないのは、そんな彼のキャラクターによるものだ。これがバージルだったら・・バージルがミンミンを介抱するシーンときたらあなた・・メチャクチャ色っぽいです、デンジャラスです。バージルったらミンミンの手を自分の太腿の上に置いて、何企んでいるんですか。何か体温までこちらに伝わってきそうなリアルさ。意識を失っていて体が冷えてしまったミンミンには、やさしく介抱してくれるバージルの体温が心休まるものに思えたことだろう。「私眠たい」なんて、ついつい甘えてみたくなったりしてね。何ともおいしい役どころのバージル君。スコットとゴードンは暑い中をいも掘り・・いやブレインズ掘りですぜ!ミンミンとバージルは怪しい・・なんて言われてもしょうがないよなー。でもバージルはまるで妹を見守るように・・と私は思いたい。あの左手だって、きっとミンミンの脈をはかっていたのだ・・なんてことあるわけないか。あれれいつの間にか話がそれたぞ。ブレインズのことを書いていたのに、何妄想してるんでしょ。

今年は元日に「サンダーバード6号」をやってくれて、ファンにとってはうれしいお正月だった。予告の字幕が19話の前編が終わる時に出たが、それを見ていたウチのダンナ、「サンダーバード6号なんてのがあるの?でも息子は五人なんでしょ?6号は誰が操縦するの?」と首をひねったあげく、「ウヌ、そうか隠し子がいたのか・・」なんて一人でアホなこと言って納得していて、「子供向けの番組でそんなことあるわけねーだろーが」と心の中で思ったけど、説明するのも面倒で黙ってた。いろいろ素性に不明なところのあるブレインズ。ジェフの隠し子だとしてもあたしゃ驚きませんぜ。

さて20話、いつものように遠隔催眠でキラノから宝捜しの計画を聞き出そうとするフッド。ここでホンネを言わせてもらいますけど、キラノが床に横たわって「ああー、ああー」ともだえるシーンは、いいかげんやめて欲しいんですけどぉ・・。特に夕食を食べている時にはね、どう反応すればいいんですか。見ないフリをしてごはんをかき込むとか・・。これを見て「またあやつられて(確かにあやつられてはいるけどさ、全員)キラノったらかわいそうに・・」なんて思う人いるんでしょうか。今は子供だって「いいかげん気づけよ、バーカ」とか思うんじゃない?「もだえるキラノ」か・・いかんいかん仕事中には思い出さないようにしなくちゃ。宝捜しの方はメチャクチャ簡単に見つかって、そっちの方のおもしろさってないんだけど、出発前にみんなして宝が見つかったら・・なんて話しているシーンは、最初に見た時からよく覚えていた。何たって久しぶりにジョンが帰ってきていて、絶対に宝になんか興味があるはずないのに、「僕は金の延べ棒がいいな」などと言って、乙女の夢をぶちこわしてくれたからである。そんな!ジョンに限って宝を欲しがるなんてことありえなーい!しかも!当時の私は「金ののべぼう」なるものが、何なのか見当がつかなかったのだ。「金」はわかる。宝のことを話しているのだから。でも「のべぼう」って何?・・で、いろいろ考えた末に私の出した結論は・・きっと帽子の一種なんだろうということ。「金ののべ帽」・・でもどんな帽子なんだろう。で、これまたいろいろ考えた末に私が出した結論・・きっとナポレオンがかぶっているような変な形の帽子なんだろうって。ジョンはずいぶん変なもの欲しがるのね・・って長いこと思い込んでいた。バカな私・・。それにしてもこのシーンでのジョンの服装、センス悪いな・・。ジョンには凝った服なんて必要ないのよ。黒っぽいシャツ着ているだけで美しい金髪、すべすべお肌が引き立つの。高貴さ、優雅さが匂い立つのよ。あんな赤いチャンチャンコみたいなの着せないでよね!ヒモを引いたら救命胴衣みたいにふくらみそうじゃんよ。それとスコット、あんたどさくさにまぎれて爆弾発言してまっせ。ダイヤをプレゼント?いったい誰に?ただよく見るとここらへんは皆ふざけて冗談言い合っているだけなのよね。ミンミンが「ねえ、おみやげは何がいい?」と言い出して、スコット達がそれに応じたというような・・。だからダイヤも金の延べ棒もどうでもいいのよ、言ってみただけよーん・・て感じ。ウーン、やっぱりね。宝になんか見向きもしないのよジョンは。この時のミンミンは、ヘアスタイルのせいかメイクのせいかいつもとちょっと感じが違い、素朴な感じ。最初うつった時のいきいきとした目の表情がとてもいい。

さて冗談が通じないのがおばあちゃん。宝が見つかったというブレインズの報告でトレーシー家の食卓がにぎわっているというのに、彼女だけは険しい顔。ミンミンは宝石をいっぱい持っているじゃないの・・。この言葉がちょっと引っかかるなあ。だってミンミンはジェフの援助で大学を卒業できたんでしょ?キラノはフッドに財産奪われて困っているところをジェフに助けられたんでしょ?だからキラノは自分の命も娘の命もジェフにささげてもいいくらい、ジェフに感謝しているんでしょ?テレビを見た限りでは二人の関係はそう見える。でも「サンダーバード」の本にはキラノはケネディ宇宙センターに勤めていただの、パリのホテルのシェフ長だっただのと書いてある。それだと生活に困るわけじゃなし、ミンミンが宝石をいっぱい持っていたって不思議じゃないけど、でもそうなるとジェフがミンミンの教育費を援助する必要もないわけでしょ?キラノがジェフに死ぬほど恩義を感じているのは金銭的なことではないってこと?まあどうでもいいんですけどね。とにかくおばあちゃんは苦労人で、きっとどん底生活も体験しているのだ。若い者が苦労もせずに大金や宝石を手に入れるのは許せないのだ。こういう健全な考えの持ち主が家族の中にいれば、苦労知らずのお坊ちゃま五人も道を踏みはずさなくてすむってこと。結局おばあちゃんの機嫌が悪かったのは、ミンミンがそばにいなかったからなのだ。ミンミンはおばあちゃんのお気に入りなのだ。ところでスコット、あんた爆弾・・いや問題発言してまっせ。「特別に作った水着見たけど、ありゃすごいね」水着というより潜水服でしょ、あれは。今はウエットスーツっていうの?きっとスコットは5号勤務で留守のアランに代わって、ミンミンが試着するのを手伝ってあげたんでしょうな。「ねえ、スコット、チャック上げてくれない?」「いいとも」「うふん、ありがと」・・なんちゃって。今はチャックじゃなくてジッパーっていうの?・・その時のことを思い出して、スコットはつい口をすべらせたんでしょうな。隠し事のできないスコット君。もちろん慎み深いジョンは聞こえなかったフリをして・・。

さてバージルはシリーズが始まった頃の大車輪の活躍がここのところカゲをひそめていて、ちょっとさびしい。19話も20話も運転手役。アランを送って行って、ブレインズとミンミンを送って行って・・では2号も宝の持ちぐされだわさ。どういうわけか宝捜しにアナスタ湖へ行くことになったブレインズとミンミン。いつもとは違った目的で出かけるので何となくウキウキ気分。ブレークリー教授は考古学者だけど、冒険家あるいは探検家と言った方がいいかも。疲れを知らず、底抜けに楽天家なのは宝捜しをするのに向いている。何事も大ざっぱで、一つのことに成功してもまたすぐ次のことに心を奪われ、満足するということがない。考古学の権威じゃなくて山師だよな、これじゃ。こういう人には関わらない方が身のためで、ブレインズもミンミンもそのことを身を以て体験することとなる。今回のフッドは性格も言動もメチャクチャ。まあいつもメチャクチャなんだけどさ。宝を横取りしてやる、国際救助隊をぶっつぶしてやる、サンダーバードの秘密を盗んでやる・・あのねえ、一人じゃ無理ですってば、そんなにたくさん目標かかげても。いつものようにキラノをあやつって、いつものように変装して・・。はいはい目が光るのね。・・で、見つめられた方は気を失って倒れちゃうわけね。でもそんなに強い眼力持っていて、何でブレインズの口を割らせることができないのさ。砂に埋められたブレインズは、宝がどこにあるのか白状しないのでフッドも持てあます。ブレインズって意外とガンコなのよ。32話見てもわかるけど。まあ白状したってフッドは助けてくれるわけないから、言わなくて正解なんですけどね。ブレインズは宝に執着するようなタイプじゃないし、フッドがミンミンか教授に危害を加えるぞ・・とか何とか言って脅せば、「中央の柱に・・」ってすぐ白状したと思うよ。それをせずにただブレインズに迫るだけのフッドはホントにアホ。二人のやり取りは、お互いに自分の言いたいことを言っているだけで、会話になっていないのよね。まるで違う言語を話しているみたい。フッドもブレインズ同様世渡りがヘタで、一般の人にまじると浮いた存在になるんだろうな。

さて定時連絡が来ないので、ジェフは不審に思う。通信機をいじくっているジェフの隣りの、何もうつっていないテレビに注目。画面部分がたるんでいるぞ!きっと紙でできているんだぜ、ベイビー、ちゃんとノリでくっつけなきゃだめやんけ。見ていてちょっとトホホな気分。でも今回はアランがいないのでゴードンが出動だ、イエーイ!いや湖だから4号で、4号だからゴードンの出番で、アランは関係ないって?まあいいや、どちらでも。小さな4号が活躍するとエピソードはぐっとおもしろくなるのよ。「火星ロケット」でしょ、「海上ステーション」でしょ、「MI.5」でしょ・・。フッドは救助にかけつけた1号と2号を見て怒り出す。「何で来るんだよー」・・あんなに写真とりたがっていろいろ企んでいたくせにいつの間にか心変わり。宝の方が好きらしい。でもやっぱり気が変わったらしく、撮影開始。そのまま逃げても大金が入ったはずだけど、悪人の常でやっぱり宝も欲しい。で、そのままそこに残る。最初車に潜水艇積んで、アナスタ湖まで来たのよ。で、潜水艇は湖の中へ。車はそのままにしておくとブレインズ達に見つかるから、どこか遠くに隠さなくちゃならない。だからかなり遠くまで車を置きに行ったはずなの。その後テクテク歩いて湖まで戻ってきたのよ。はーご苦労さん、と言うか手下を雇う費用もないんでしょ?潜水艇のレンタル代だけで精一杯なんでしょ?だからあれ(宝)もこれ(サンダーバードの写真)もと欲張ったんでしょ?その気持ちはわかるけど、でもねえ・・一人でできることには限度があるってことを、あんたいいかげんに悟るべきですぜ。一方スコット達が来て、やっとのことで掘り出されたブレインズ。宝の発掘どころか自分が発掘されているんじゃないのさ。さすがの救助隊もリップクリームまでは用意してなかったようで、最後までカサカサ唇のブレインズ君。ミンミンに借りればよかったのに。その夜、ミンミンの寝所に忍び込むブレインズ。ミンミンはがっかりしたでしょうね。何でブレインズなのよ・・。スコットかバージルなら大歓迎なのに・・って。でもブレインズは自分のことで頭がいっぱいで、ミンミンがよからぬことを考えて顔を赤らめているのにも気がつかない(すみません、妄想です)。迷惑をかけた、自分の責任だとブレインズは言うけれど、よーく考えてみると(いや考えなくたって)別に彼の責任でも何でもないのよね。でも彼には世間にほうり出されると自分は無力だというあせりがあるから、何とかして男を上げたい・・とそればかり考えている。頭に血が上っているからミンミンが何を言ってもだめ。それにしても真夜中に湖にもぐって、まわりは見えるんですかね。そりゃ満月だから明るいことは明るいんでしょうが、神殿が沈んでいるくらいだから湖底まではかなりの深さがあるはず。ライトをつけなきゃ見えないと思うんですけど。それとミンミンともぐった時に見つけたものはいったい何だったんですかね。宝石には見えないんだけど、ブレインズが大喜びしていたからやっぱり宝石なんだろうなあ。それを見つけた柱は、ちょっとはがすともう宝石がわんさか。いやーちょろいもんですなあ、宝捜しなんて。ところが柱の根元にある漬物石・・じゃない不審な石をどけると、何やら電線のようなものが・・。潜水艇の中ではフッドが「警報装置に引っかかったな」などと喜んでいて、そんなアホな!フッドは宝がどこにあるのか知らないはず。知らないからブレインズを砂に埋めて、場所を白状させようとしたんでしょ?それなのに何で宝の埋めてある柱の根元に警報装置をしかけるのよ。まさか偶然だったなんて言うんじゃないでしょうね。チマチマ捜すのは面倒だ・・とあちこちに爆薬をしかけて、一挙に吹き飛ばす暴挙に出たのは宝のありかを知らないからでしょ?

さてミンミンの忠告を無視して、なおも単独行動に走るブレインズ。一人で始末をつけようという心がけはりっぱだけれど、研究以外のことでは彼は赤ん坊も同然。フッドに見つめられて気を失ってしまう。フッドは神殿を爆破し、ブレインズは下敷きに・・。ミンミンにたたき起こされた(たぶん)スコットとバージルの顔にはうっすらとヒゲが・・。ムム、何というリアルさだ。とても子供向けの人形劇とは思えん。でもゴードンには生えてないぞ。すべすべお肌だぞ。シャンプーしたばかりみたいなサラサラヘアーだぞ。いやんステキ。きっとゴードンはおヒゲは二日に一度そるくらいで間に合うタイプなのだわん。スコットやバージルみたいに一晩でむさくるしくなるタイプではないのだわん。しかも!二人ともアブラの浮いたようなテカテカ顔!だから・・リアルすぎるって!ここまでやる必要があるのか・・と言うか楽しんでやってるんだろうな。さすがの救助隊も洗顔クリームまでは用意していなかったのだ。ミンミンに借りればよかったのに。絶対予備持っていそう・・。ところでスコット達はどこに寝ていたんでしょうか?2号には宿泊設備があるけど二人ぶんしかないみたいだし。あまった一人はトレーラーのソファで寝たのでしょうか。それとも一つのベッドに二人で寝ていたんでしょうか。2号のは二段ベッドで、枕元にはテレビまでついていてカプセルホテルみたい。でも娯楽用のテレビではなくて、通信用のスクリーンなんだろうな。ジェフのおっかない顔がうつって「何してるんだ、もう寝なさい」なんて怒られたりしてね。何してる・・って救助に来ているんでしょうが。ああ、たまにはパパの目の届かないところへ行きたいなあ!

さて湖にもぐってブレインズを捜す4号。神殿が破壊されているのにびっくりするけど、あんなにハデに爆発したのに全然気づかない君達の方がおかしいよ!フッドも隠れてりゃいいのにノコノコ出てきて4号を攻撃する。しばらくじっとしてりゃ救助隊は引きあげるのよ。ブレインズを救出し、ケガをした教授を病院に運ぶ手配をしたら、宝なんてほったらかして基地に戻る。彼らは宝なんか興味ないんだから。写真をとられたらしいことは気になるけど、スコットは犯人を捜し出そうとするより、いったん基地へ戻ってジェフの指示をあおぐタイプだし。そんなことではいけないんだけどね。そうすりゃ後はフッドの思いのまま。好きなだけ財宝が手に入るってのに、ワシの腕を見せてやるーって余計なことして、しかも思いっきりはずしているじゃんよ。しかも相手はフラッシュ・ゴードン・・じゃない、ハッスルゴードンよ。「ブレインズはあとまわしだ、キャッホー!」と大喜びで潜水艇を追っかけ回す。何たっていつも留守番役でしょ、鬱憤がたまってるのよ。「アチョーッ、潜水艇を攻撃だいっ!」とばかりに、燃えよドラゴードンになっちゃうわけよ。そうなるともう(ストーリー上のお約束として)フッドは逃げられないんだってば。ところで二度目の攻撃は4号に命中しているはずなのに、何ともないみたいだわ、どうして?煙が出ているのがそれっぽくていいわあ。フッドをやっつけた後、スコットと一緒にブレインズを助け出すゴードン。柱を浮き上がらせ、すきまに体を差し込んでブレインズを引きずり出す。間一髪、柱をゆわえていたヒモ(ワイヤー?)が切れて、危うく下敷きになるところだったわ。何て勇気があって男らしいの、ゴードン!このシーンは単純なしかけなんだけど、見ながらドキドキしちゃったわ。フーセンの上に糸がついているのがご愛敬。神殿もよくできていて、爆破されて神像が倒れるところでは、むき出しの部分と、今まで神像が立っていてかげになっていた部分とではちゃんと色が違うのよ。水中シーンはおかしいぞ・・ってところがいっぱいあるけど、そこらへんはあんまり突っ込まないでおく。だって無理だもん、人間の吐き出す空気の泡とか、ブレインズが倒れた時に舞い上がるはずの砂とかさ。本当に水の中でやっているわけじゃないんだから。でもちゃんとやっているのよね、できることは。あと水中を身軽に動き回る4号がかわいくて・・。

ラスト、入院中の教授を見舞ったブレインズとミンミン。教授は大変な目に会ったというのに全然こりていなくて、次はカリビア海だ・・なんて言い出す。でも二人はもうこりごり。早々に引きあげて、ミンミンの「やっぱりおうちがいいわ」の一言でしめくくる。「火星ロケット」でのぺネロープの言葉も「さあおうちへ帰りましょう」だった。そうよブレインズ、おんもの一人歩きは危ないってこれでよーくわかったでしょ。おんもへ出る時は必ず保護者同伴でね、わかった?ところでこの病院どこにあるのかしら。きっと現地よね、エジプトとか、そこらへん。お二人さんどうやって帰るの?ミンミンの操縦でジェット機で島までひとっ飛び?まさかバージルが2号でお出迎えとか。でも彼ならいやな顔もせずに来てくれそう。フッドはどうしたのかな。潜水艇はパーになっちゃったし。どうせレンタル料は踏み倒すつもりだったんでしょうけど。え?前払い?大急ぎで逃げたから潜水服の下はパンツ一丁で、仕方がないから潜水服のまま車までテクテク歩いたんでしょ?