スウォーム

スウォーム

「タワーリング・インフェルノ」などで大プロデューサーとなったアーウィン・アレンが監督に乗り出したものの、大コケ。しかも出来サイテーという作品らしい。蜂の大群じゃ見る気も起こらんが、ブラッドフォード・ディルマンが出ているからね。2時間半以上あるが、公開時は116分らしい。モタモタしてるのはそのせいか。アメリカのミサイル基地が蜂の大群に襲われる。昆虫学者クレイン(マイケル・ケイン)によるとアフリカバチの突然変異種で、致死率が高いが、解毒剤、抗毒剤はなし。退治する方法もわからない。彼が指揮を取ることに不満なのがスレイター将軍(リチャード・ウィドマーク)。生意気だし、偶然基地に居合わせたというのも怪しい。そこで元情報部のベイカー少佐(ディルマン)にクレインを監視させる。クレインの謎めいた出現にちょっと期待するが何もなし。犠牲者の死体に動揺するので、過去に何かあったのかと思わせるが何もなし。これじゃベイカーの出番がない。ケインはまるで蜜壺の中から出てきたみたいな甘い二枚目ぶりだが、クレインは高慢ちきなので感情移入しにくい。校長のモーリーン(オリヴィア・デ・ハヴィランド)にクラレンス(フレッド・マクマレー)とフィリックス(ベン・ジョンソン)が相次いで求婚するところは、花に群がる蜂のようだ。蜂のせいで夫をなくしたばかりのリタ(パティ・デューク)は、産気づいたため避難をやめ、病院へ。おかげで命拾いする。モーリーン達の乗った列車は転覆。たぶんみんな死んだだろう。転覆も、原発の爆発も、ヒューストンの火災も、みんな蜂に襲われてパニックになった人間が起こしたもの。原発による汚染、強力な殺虫剤による生物への影響、ラストの海洋汚染など、むしろこれからが大変。何をやっても効果がなく、解決方法を見つけたのは映画が終わる数分前。蜂に襲われる直前、ミサイル基地では警報のテストをしていた。その時点でクレインはぴんとくるものがあったはずだが・・。解毒剤を自分に試して死んでしまうクリム役でヘンリー・フォンダ、原発止めるのを拒んだアンドリュースがホセ・ファーラー、説得に行って命を落とすハバードがリチャード・チェンバレン、クレインと仲良くなるアンダーソンがキャサリン・ロス、トンプソン将軍がキャメロン・ミッチェル、他にスリム・ピケンズ、リー・グラント。出産したばかりのリタに医師のトーマス(アレハンドロ・レイ)が求婚し、受け入れられるところはほのぼのとしてよかった。