サマー・シュプール/ぶっ飛び!ダイナマイト・レース

サマー・シュプール/ぶっ飛び!ダイナマイト・レース

ちょっと「キャノンボール」に似ている。あっちではロジャー・ムーアはなかなかいい味出していたが、こちらのジョージ卿も似たキャラ。大企業の社長だけど森林やらサイやらの保護に金をつぎ込み、会社は破産寸前。自殺するが遺産はスポーツ競技の賞金に。そうすりゃ債権者に渡さずにすむ。競技には母親の異なる三人の遺児、アレクザンダー、ルーシー、ダドリーも参加すること。疎遠だった三人が力を合わせて優勝し、賞金を獲得するのがジョージの願い、確信・・というのが導入部。まあホント自分かってでお気楽な殿様。借金しても返す気はなく抜け道考える。賞金は1億3500万ドルで、借金を取り返そうとする企業とかいろんなチームが参加。開会式ではそれぞれのチームが紹介される。アイザック・ヘイズや宇宙飛行士オルドリンも出てくる。オルドリンはアームストロングに続き二番目に月を踏んだが、人類最初の・・という栄光を逃したせいで、その後の人生いろいろあったようで。彼なら言いそう・・「二番目じゃだめなんですッ!」。チームの中に製薬会社のバイエルがあったのが懐かしかった。平塚に工場あった記憶が・・。競技はスキー、車、川下り、ダムの壁上りなど七種目。この映画たくさんのスタントマンやその道のエキスパートが出ているのだろう。「EX エックス」と似た感じ。どうやってとったのだろう、とるの大変だったろうな、スローモーションが美しいな・・などと感心しながら見ていた。「キャノン」と違い、出演者は小粒。アレクザンダー役はサイモン・シェパード。ダドリー役ジェフリー・ムーアはロジャー・ムーアの息子。かなりのハンサムだが、映画の出演作はほとんどない(もったいない!!)。ジョージ卿の秘書セレナ役はシャーリー・ベラフォンテ。もちろん卿の自殺は芝居で、執事と入れ替わって子供達やレースを見守る。父子の断絶などはさほど深刻には描かれず、レースを通じて三人の結束も強まり、最後は優勝し、丸くおさまる。笑わせるところがいっぱいあり、楽しめる掘り出し物。いやらしいシーンもなし。残念だったのはヴィクターとその姉によるライバルチーム。私達にももらう権利があるとか言うので、てっきりジョージ卿の隠し子かと・・。それなら彼らの執念深さ、三人への反感もわかるけど結局あいまいで。単にお金が欲しかったのか。引っかかるものがあるままで終わらせるのはよくないぞ。