スターシップ9

スターシップ9

ウ~ム、何ですかこりゃ。SF映画!って考えちゃいけないんでしょうなあ。ラブロマンスよ~ウフってことなんでしょう。地球から一歩も出てないし。最初はてっきり宇宙船の中だと。エレナ(クララ・ラゴ)はたった一人でセレステへ向かう。移民にしては一人ってのがそもそもおかしいんだけど。両親は三年前酸素不足から娘を救うため宇宙船を離れた。ある日、その酸素不足の修理のためエンジニアのアレックス(アレックス・ゴンザレス)がやってくる。やっと救難信号が届いたのか。エレナにとっては両親を除けば初めての人間。しかも若くてイケメン。彼女はこの先20年も船内で過ごさなくてはならない。今20歳くらいだから、40歳まで・・人生の半分だ。てなわけで彼女は大胆にもアレックスに迫る。翌朝船を離れるアレックス・・ありゃ?宇宙船だよね?でも森の中に出てきたぞ。は?ワープしたのかいな。ワープできるなら何もわざわざ何十年もかけて行かなくたって。と言うか、突然全然別の映画始まったのかいな・・と驚く。しかも・・アレックス、軽トラ運転してるぞ!アンタ数分前まで宇宙船にいたんじゃなかったんけ?結局ここは地球でした。見ている者はここではっきりした説明を強く欲するが、説明はされてるんだかされてないんだか・・うっすら感が漂う。ごまかし感とも言うが。どうやら宇宙船は地中にあるらしい。それもエレナのいるシャトル9を含め、全部で10あるらしい。地球の人口は80億を超え、環境は悪化し、人類は地球以外の星へ移る必要性が出てきている。しかし宇宙船の事故で多くの犠牲者が出たと。でもって宇宙船(実は地中船)にモルモット代わりの人間乗せて、バイオセンサーで常に人体がどういう影響受けるか調べると。当然40年たってセレステに着いたらどうするのかということになるが、コンピューターの間違いでした、旅はまだ続きます・・と延長される。要するに死ぬまで。これって実験してる側も20年40年かかるわけで、人類の危機が差し迫っているわりには気の長い話だ。莫大な金もかかるし。さて、戻ったアレックスは鬱々としてはずまない。計画に賛同して協力し始めたものの、人間をモルモット代わりにすることに疑問が生じている。と言うか要するにエレナが気の毒になったわけで。エレナがモーションかけなきゃ、彼もあのまま帰って、また船内に設置された監視カメラ映像見続けることになったろうが。

スターシップ9 2

ところでたいていの映画なら二人が結ばれるシーンはもっと長くうつされると思う。しかしこの映画はキスシーンの次は翌朝ベッドで目覚めるという慎みのあるうつし方。そこはよかったと思う。こちとらイチャイチャ見せられても困る。SF映画見ようと思って録画したんだから。スペイン=コロンビア映画ということで知らない人ばかり。ラゴ嬢はアン・ハサウェイ風味、ゴンザレス君は若い時のエリック・ロバーツ風味。仕事が終わって宇宙船を離れる時、ドアが閉まるんだけど、閉まる寸前ちょっと首を傾けて・・1秒の何分の一かでも長くエレナを見ていたいってふうで、そこは印象に残った。で、アレックスは決心してエレナを外に連れ出す。今まで録画した分を流し、ニセの生体信号送り続けていりゃばれない・・と、楽観的。その後も彼女を友人達に紹介するなどあんまり隠してない。見ているこっちは今まで無菌状態で生きてきたのに大丈夫?とか、紫外線は重力はと心配になる。そのうちエレナは自分がクローンであることを知る。両親だと思っていた二人は軍の科学者で、娘のために犠牲になったのではなく単に地上に戻っただけ。エレナだけでなく他のモルモットもクローン。クローンだから人権とか考えなくていいってことなのか。二人が逃げる時、アレックスがセラピー受けてるシルヴィアが犠牲になる。ここらは緊迫感出すためだと思うけど、後味は非常に悪くなる。アレックスのボス、ウーゴはさほど残忍なやつじゃないけど、忍者部隊みたいなのは人殺しも平気で。ウーゴのボス、キャサリンのこともよくわからない。もうここらへんになると何が何だかわからない。ジェイソン・ボーンシリーズみたいな逃走劇見せられても今更って感じ?エレナの妊娠がわかるけど、それがどうしたって感じ。実験が一人ってのがそもそもおかしいんだけど。男女にしとけば子供だって生まれる。二人は船に戻り、すっかり年を取ったウーゴの前に少女が出てくる。ここが地中だと・・地球だとわかって暮らしていて、それで実験になるのかね。それと他の九人はどうなったの?てなわけで何だこりゃ映画でした。画面は青っぽくて暗いシーンが多くてはっきりしない。内容もパンチがなくてふにゃふにゃ。今がいつで地球がどういう状態なのかだけでもはっきり描写して欲しかった。全然差し迫った感じしないんだもん。