シルク

シルク

公開二週目のレディス・デー。ガラガラだろうと予想していたけどそうでもなかった。朝の10時だけど20人くらいはいたかな。私のお目当てはマイケル・ピット。「完全犯罪クラブ」「ヴィレッジ」くらいで、あんまり彼を見る機会はないんだけど、前から注目してはいるのよ。今回は何たって主役だからね、キーラ・ナイトレイがうつっていようが、何とか言う注目の新人うつっていようがピットから目を離さないようにするのだわん。ストーリーは・・わけわからん。”少女”は”日本娘”はエルヴェ(ピット)の幻想なんですか?”真実””真実”ってパンフには何度も出てくるけど、どこが真実なのよ。ちっとも解明されてないじゃん。いやいやこんなことほじくるのはやめよう。夢のような話ってことなんだわ。そういうことにしておこう。フランス人なのに英語しゃべってるなんてほじくるために映画見に行ったわけじゃないし。ピット見に行ったんだもん。西洋人から見た日本女性はさぞミステリアスなんでしょうなあ。つややかな黒髪、なめらかな肌、言葉は不要・・目で会話する。繊細な指先、流れるようなしぐさ。この人十兵衛(役所広司氏)の奥さんなんですか?どうせなら眉落としてお歯黒つけて、もっと不気味にして欲しかったな。夜伽の女性は現代的すぎて興ざめ。彼女は十兵衛の妻の分身で、しかもエルヴェの幻想らしい・・ってどういうことですか?わけわからん。キーラは今回は珍しく耐え忍ぶ役。中谷美紀さんは背伸びしているような肩に力入っているような。私の印象に残ったのは本郷奏多君。どう見てもほっそりとした若い女性だけど、声は男。この時期にしか存在しない、少年のひとときの美しさ。他の女性の美しさなどかすんでしまうほど。もっと彼をはっきりくっきりうつして欲しかった。ルドヴィク役の少年もいい。他にアルフレッド・モリーナも出ている。でもまあ・・何たってピットですよ。私の場合ブラピじゃなくてマイピなんです。彼独特のうじうじじめじめもったらもったらした感じがたまらない。彼にはゆっくり流れる時間が似合う。異国にあっても、自己主張せずひっそりと目立たず溶け込んでいるところがいい。とりとめのない映画だけどこれはこれでいいじゃん。坂本龍一の音楽もよかった。