セブン

セブン

たぶん映画を見るのもノベライズを読むのも、これで三度目くらいだと思う。1995年頃と言うと、私はほとんど映画館には行かなかったし、ブラッド・ピットのことも知らなかった。本を読んでから見ると、わりと抑えめ、あっさりめなのがわかる。臭気や汚物、サマセットを追い込むストレス、ミルズの扱いにくさ。サマセットが感じている恐怖や空しさには共感できる。都会で一日過ごせば、10人や20人は始末したいやつらに出会う。実行しないのは自制心があり、法律があり、銃がないからだ(いや、あってもやらないけど)。退職して田舎に引っ込みたいと考えているサマセット。映画はモーガン・フリーマンだから、本のように勤続23年の45歳とはいかない。勤続34年に変更されている。退職まであと一週間という時に、手強そうな殺人事件が起きる。相棒となるミルズは田舎から出てきたばかり。自分では一人前だと思ってる。筋道立ててコツコツというのが苦手で、すぐ結果を出したがる。サマセットの言うことを聞かず、突っ走る。その一方で、ハイスクールで出会って以来、トレーシー一筋という純な面も。ミルズは30歳くらいだから、ハイスクールからだと10数年たってる。グウィネス・パルトロウはこの頃23歳くらいだから、10歳でハイスクールにいたのかよッ!七つの大罪に沿った事件の数々は、今見ると描写は控えめ。画面は暗く、現場も懐中電灯で照らすだけなので、見辛くてイライラさせられるが、やろうと思えばもっとずっとショッキングに、グロテスクに見せられるけど、節度があると言うか。トレーシーの生首も見せないし、俳優の演技と観客の想像力に任せると言うか。個人的に好きなシーンは、夜の図書館。厖大な知識を吸収できる環境にいながら、警備員達は一晩中ポーカーにうつつを抜かす。ここで流れてくるのが「G線上のアリア」。たぶんサマセットの他にも・・天使もそこここにいるはずだ。犯人ドゥ役はケヴィン・スペイシー。ミルズが彼を追うシーンは、見どころなんだろうけど、長いし画面がやたら揺れるので早送りした。検事長がリチャード・ラウンドツリー、警部がR・リー・アーメイ。「肉欲」で殺人やらされるのがリーランド・オーサー・・こういう役が多いね。現場となるマッサージ・パーラーの入口にいる男は「クロウ」のファンボーイらしい。他に脚本を担当したアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーやチャールズ・S・ダットン。