世界殺人公社

世界殺人公社

1969年製だから、懐かしい人がいっぱい出ている。昔と違い、今では殺人も精度が高くなった。こりゃ裏に何かあるに違いない。新聞広告をよく見ると、殺人の依頼らしきものがある。もちろんちょっと見にはわからないが。私を雇ってくれれば正体を暴いてみせる。実はもう広告を出しておいた。そう売り込んだのがウィンター(ダイアナ・リグ)。新聞社の社長ボストウィック(テリー・サヴァラス)も承諾。ウィンターはほどなくイワン(オリヴァー・リード)と会う。殺人を請け負う公社を創立したのは彼の父。遺志を継いで今は彼が代表。依頼人の素性や標的のことはちゃんと調べる。理由が正当なものとわかれば引き受ける。ウィンターは殺人なんて許せないし、記事を書くのが目的だから、殺して欲しいのはイワンだと言い出す。驚くイワンだが、結局承知する。会員を集め、自分を殺すか、自分がみんなを殺すかだと言い出す。実は公社の副代表はボストウィックで、このチャンスを生かして自分が代表になろうと企む。彼は公社が・・自分が欧州を支配できると思い始める。ここらへんの流れには無理がありすぎ。ばかばかしすぎる。ウィンターは当時の女性としては当然のことだが、男性に伍していくには思いきったことをするしかないと思っている。しかし意気込みはあるものの、細かな計画があるわけではない。イワンは普通ならこんなの承諾しない。たぶん彼は今の公社は堕落してきていると感じ、そろそろ潮時かと思っているのかも。ただ、こういうのがちゃんと表現されてないので、何となくドタバタやってるぞとなってしまう。ウィンターが持ち込んだことのせいで、かえって死人が増えているようなのも後味が悪い。舞台はパリやウィーン、スイスにイタリアとあちこち移る。アメリカが出てこないのが非常に珍しい。ヨーロッパだけで映画作っちゃうんだも~んと意地張ってるみたい。リグはジュリー・アンドリュース風で、きれいだ。ドイツ勢はクルト・ユルゲンス。彼のコメディー見るのは初めてかも。ロシア人ムンゾフ役はヴァーノン・ドブチェフ。クライヴ・レヴィルはどこに出ていたんだろう・・調べてみたらチェザーレ役だった。彼を殺す妻役の人はなかなかのグラマー。彼女と不倫していると思われるアンジェロ役はジェス・コンラッド。知らない人だがなかなかの美形。フランスからはフィリップ・ノワレ。列車とか飛行船は合成バレバレだが、飛行船爆発のシーンは迫力があった。