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これはだいぶ前に一度見ていて、今回久しぶりに再見。これとか「RONIN」でのロバート・デ・ニーロは、ちょっと枯れかかって渋い感じでいい。ニック(デ・ニーロ)はジャズクラブのオーナーだが、裏の顔は凄腕の金庫破り。ブツを捌くマックス(マーロン・ブランド)とはもう25年の付き合いだが、恋人ダイアン(アンジェラ・バセット)と落ち着いた暮らしをしようと、次の仕事で終わりにするつもりだ。話を持ってきたのはジャック(エドワード・ノートン)。彼は障害者のフリをして税関で夜間清掃員として働いている。ブツはフランスの国宝級の笏で、地下金庫に入っている。ニックはどこか油断のならないジャックが気に入らないが、クラブのローンを終えるのに金が欲しい。また、マックスも借金を払わないと命が危ない。こういう・・中年の熟練したプロと、生意気で自信家の若造との、父子のような、師弟のような関係は別に目新しいわけでもない。ただ、演じているのがどちらも一流の演技派で。特にノートンは二種類の人間を巧妙に演じ分けていて、すごい。彼の切れ味の鋭さと、デ・ニーロの余裕。ニックは若い時から慎重で、向こう見ずなことはしない。恩義も重んじる。経験の浅いジャックへのアドバイスでもあるのだが、後でわかるが彼には全く通じていなかった。ジャックはお膳立てしたのは自分というあたまがある。自分が中心にいないと気がすまない。笏を手に入れた後、ニック達に抜け駆けされるのではと思っていたようだが、もうすでに一人じめする気でいたのかも。ニックの方も彼が裏切るのはうすうす予想していて・・。それにしてもあのまま計画通りに動いていれば・・。宝物を手に入れ、それぞれの報酬を手にし、警察に素性がばれることもなく、丸くおさまったのにねえ。でもそれだと映画にならないか。ラスト・・ニックがあのまま安穏に暮らしていけるとはとうてい思えないのだが。ジャックは必ず復讐に来ると思うが。指名手配されてると言っても芝居がうまいから、つかまらないと思う。ところで、この映画のテーマ曲・・聞き覚えがある。お天気チャンネルで数ヶ月ずっと流れていた曲だ。