猿の惑星シリーズ

猿の惑星

NHKBSでやってくれたのでやっとちゃんと見ることができた。さすがに一作目はよくできていますな。ハスラインという名前が冒頭出てきたので、そもそもから彼が関係していたのだとわかった。テイラー(チャールトン・ヘストン)一行は空間のゆがみを利用して他の太陽系に行ったらしい。時間もゆがんでいて、地球ではもう2000年もたってるから例え帰れたとしても家族も知人もいない。どんな文明になってるかも不明。ムムこんなムチャな宇宙探検普通送り出します?志願します?独身ならともかく家族持ちが・・。冬眠から目覚めてみれば何やら荒漠とした砂漠みたいなところ。どこに着いたか不明なんていいかげんな探検計画だな・・と言うか、そもそもどこヘ向かっていたの?成果あったの?探検終わったから冬眠に入ったんでしょ?幸いここには空気があって水があって太陽があって。人間もいるけど原始人状態。どうやら支配しているのは猿らしい。でも英語しゃべるしアルファベット使うし・・じゃあ地球じゃん!何でラスト驚かなくちゃいけないの?よくよく考えればいいかげんな設定、ばればれのストーリー。でも、どうなるんだろうという興味で最後まで引っ張る。ハラハラさせるだけでなくけっこう笑わせる。テイラーが裸にされて困惑するところとか、審問官が見ざる聞かざる言わざるの格好するところとか。話されることも人間社会の裏返し・・みたいな皮肉感たっぷり。テイラーはさんざんな目に会うけど私はあんまり同情もしなかった。特に村(?)を出るあたりからどんどん態度でかくなるし、リーダー気取りなのがいや。好感持てないので私はコーネリアスの方見ていた。ジーラの甥も小柄でかわいい。まあ誰が誰だかよくわかんないんだけどさ、顔みんな同じで。ジーラは言い出したらきかない性格だがコーネリアスの方は権威の前では大人しくするタイプ。なるべく穏便にすませようとする平和主義者。その彼が「新」では、はずみとは言え人を殺しちゃう。そこまで追いつめられちゃって気の毒に。彼はジーラに引きずられてだけどテイラー助けて自分の立場悪くしちゃう。でも決して暴力にはいかなくて、そこが印象に残った。細くて若々しくて(動きがね)ブチブチぼやいたりヒョコヒョコ走るところが何とも胸キュン猿キュン。

続・猿の惑星

二作目は見るの初めて。一作目はブレンドン捜しながら見ていたけど二作目はその必要なし。えッ彼見つかったかって?見つかったような見つからなかったような・・。テイラーの隣りの檻に入ってたのが彼かしら。なぜかまたロケットが不時着。テイラーのあとを追って・・って何のために?ものすごくいいかげんな設定。今回はジェームズ・フランシスカス主演。ジーラやコーネリアスはさほど活躍しない。私としては三作目にどうつながるのか興味持って見ていたけど、何じゃあの終わり方は・・。猿族は平和主義者のチンパン系と頭のいいオランウータン系と頭からっぽゴリラ系の三つに分かれているらしい。ゴリラによる軍隊が力持つとろくなことにはならなくて、食料確保のために禁断地帯へ出かける。ところがそこには超能力者達がいて・・。彼らは人類の末裔?一作目のラストでは「やっちまった」とか言っていて、今の人はあんまりぴんとこないだろうけど昔はねえ・・ボタン(今ならスイッチと言うけど)一つで第三次世界大戦とかさ・・そんな時代もあったのさッ。今のところそういうのは起きないですんでいるけど、ここではそれをやっちまって、それで人類ほとんど滅びて猿と立場が逆転してしまって。書かれた歴史消えちゃった(たぶん)せいで(そのわりにはアルファベット残ってるのは変だけど)、猿やミュータント達は自分達でこしらえた妙な教義持ってる。ミュータント達があがめているのは何と核爆弾だ。神からつかわされたこれが、猿軍団撃退してくれる道具だと思っている。地球滅ぼす最終兵器だなんて気づいていない・・と言うか核が何かも知らないんだろう。ブラント(フランシスカス)とテイラーは何とか阻止しようとするが・・ラストは・・あれ?ずいぶん経済的なラストですな。これじゃ三作目につながらないじゃん。ジーラ達は宇宙飛行士のカッコしてロケットから現われなくちゃいけないのに。ああそうかパラレルワールドってやつね。似てはいるけどちょっとずつ違ってる世界。「新」で現われたのは別の次元でのジーラ達なんだわ。あっちではロケットの損傷軽くて、異端だの何だの言われてうんざりしていた彼らはロケット見つけて宇宙服試着していたのよ。その時爆発が起きて時空を超えちゃったんだわ。なーんて一人でつじつま合わせをしている私もばかよねえ。てなわけでわりとよく作ってあるけど資金切れみたいなしょぼいラストは残念・・な続編でした。

新・猿の惑星

このシリーズはいくつかあって、有名な一作目はちゃんと見たんだか見てないんだか記憶があいまい。ラストは知ってるけど。ブレンドン・ブーンが出ているらしいから見たいとは思うんだけど、猿の役だったらわかんないだろうし。と言うかIMDbのキャスト表には名前載ってないのよね、何で?この映画は三作目で、前のを見てないからつながりわかんないけど地球は爆発し、そのせいでタイムスリップして現代に飛ばされてきたらしい。三人(?)のうち、マイロ(サル・ミネオ)はすぐ死んじゃう。残ったコーネリアス(ロディ・マクドウォール)とジーラ(キム・ハンター)。この二人の夫婦愛とか豊かな人間性・・じゃない、猿性とか悲惨な運命に見る側は感動しウルウルするわけ。でも私はそっちの方はどうでもよくて、お目当てはハスライン博士役エリック・ブレーデン!彼を拝めるチャンスってあんまりないから、この映画は貴重なの。「戦闘機対戦車/砂漠の対決」は少し前テレビでやってくれたので録画できたけど、「地球爆破作戦」もやってくれないかしら。「ラット・パトロール」では主役の連中よりずーっとステキだった彼。ドイツ人なのでいつも役は限られていたけど、彼が演じたからこそデートリッヒには真実味があった。今回は大統領の科学顧問で、悪役なんだけどどうしても憎めない。彼は純粋に人類の未来心配している。審問の時も身を乗り出して真剣に聞いていたでしょ。このままじゃ猿が地球を支配し、2000年後には地球が消滅してしまう。他の連中は未来からの珍客を迎え、ショッピングやらパーティやらに連れ出し、気のきいたジョークに笑ってるけど、ハスラインにとっては笑い事じゃないわけ。誰も真剣に未来のことを心配しないのが腹立たしい。コーネリアス達を助けるルイス役はブラッドフォード・ディルマン。私この人も好きなんだけどエリック(私はこの名前より本名のハンス・グディガストの方がしっくりくる)の前では・・。正直言って彼はさほど演技うまくない。表情に乏しく演技が硬い。でもそこがいいの。目が鋭くて、サッカーやってたから体つきはがっしりしている。映画は前の二作にくらべ明らかに低予算、スケールダウンしている。でもこの後の二作にくらべりゃね。残りの二作は末期症状だもんね。他にリカルド・モンタルバンが出ていた。

猿の惑星・征服

設定は「新」の20年後1991年。1983年に宇宙飛行士が持ち帰った新種のウィルスのせいで犬とネコが全滅してしまう。人間はペット代わりに猿を飼い、そのうち仕事をさせるようになり、今では重要な労働力。おかげで人間は仕事にあぶれ、あちこちでデモ行進。「アイ,ロボット」みたいだが、話は人間ではなく猿の方。仕事をさせる以上命令にしたがわせなければならず、そのうち虐待めいてくる。コーネリアスとジーラの子シーザー(ロディ・マクドウォール)は、サーカスの団長アルマンド(リカルド・モンタルバン)のおかげで成長する(20歳のはずだが、オークションの時に7歳と言ってるのはおかしい)。しゃべれるし知能も高い。猿管理局のブレック知事は20年前の事件を忘れておらず、シーザーの存在を知るとつかまえようとする。尋問中(ほとんど拷問)アルマンドは転落死。正体を隠して管理局で働いていたシーザーは復讐に燃える。どうやら彼にはテレパシー能力があるらしく、猿達を暴動へと向かわせる。ブレック役ドン・マレーはまだ若く、悪役だけどなかなかステキ。他に見て楽しめるものはなし。「新」と違って今回は猿がうじゃうじゃ出てくるが、猿じゃ目の保養にならない。登場人物達のタートルネックがいかにも70年代風。メスの猿リザはナタリー・トランディ。「新」に出ていた人だが、「続」にもミュータント役で出ていた。シーザーとリザのロマンスでも見せられるのかと思ったらそっちへはあんまり行かなくて(ホッ)。ただ、混乱の中でブレックが猿達に殺されずにすんだのは、復讐に燃えていたシーザーの心を静めたのはリザ。彼女は平和主義者。そこがよかった。ブレックの心理・・猿を虐待するのは猿の能力に対する恐怖心の裏返し・・というのもよかった。わりとよく考えて作られていると思う。ただ・・やっぱり猿がうじゃうじゃ出てきて虐待されたりあばれたりというのでは見ていておもしろくないのよね。一作目の自由の女神とか、「続」の爆弾とか、「新」のヘルメットを取ったら猿だったとか、そういうハッとさせられるものがない。一番印象に残るのがタートルネックと言うんじゃねえ・・。ラストも平凡。まあブレックが殺されるとか後味の悪い結末じゃないのが救い。

最後の猿の惑星

2670年、シーザーが死んで600年後、予言者が彼の偉業を語るという設定。冒頭「新・猿の惑星」や「猿の惑星・征服」のクライマックスシーンが流されるが、こんなのいらん。「征服」の後街は破壊され廃墟に。放射能汚染もひどい。シーザー達は少し離れたところで人間と共同生活送る。例によってゴリラ達は勝手な行動取るから、まとめるのも大変だ。シーザーは人間のマクドナルドから両親の発言を録音したテープがあると聞かされ、街へ行くことにする。自分は両親の顔を知らないし、どう行動すべきか教わる機会もなかった。しかし街で生き残っていた連中は、猿が侵略してきたと思い込む。すぐ武器や車両を整えて攻撃に出る。「征服」からは12年ほどたっているらしい。汚染地帯になぜとどまっているのだろう。食料とかどうしているのだろう。ちなみに生存者達はミュータントということらしい。いちおう病人もいるが、放射能も平気という連中の出現か。それにしてもシーザーが街へ行こうと思わなければ、その後のモロモロは起こらなかったかも。ゴリラのアルドはそのうち反乱起こしただろうけど、シーザーの息子コーネリアスは死なずにすんだかも。さてシリーズ最終作、完結編なわけだが、何も目新しいものはない。主役が猿に完全に移っているので、感情移入もしにくい。やはり素顔と厚いメイクとでは、伝わってくるものが違うのだ。配役はかなり豪華である。シーザーがロディ・マクドウォール、アルドがクロード・エイキンス、予言者がジョン・ヒューストン、オランウータンのヴァージルがポール・ウィリアムズ、他にリュー・エアーズ、何とコリーン・キャンプまで。でもみんな猿メイクだからねえ。ミュータント側にフランス・ニュイエン、「スパイ大作戦」の常連ポール・スティーヴンス。このスティーヴンスのキャラはミュータントでただ一人、まともなやつなんだけど、何も生かされないまま。もうちょっと何とかなるのに。猿との戦いに敗れたミュータントが核ミサイルを崇拝し始めるとかさあ。でも、シーザーのおかげで、3950年に地球が滅亡するというのとは別の運命歩み出した・・というふうに終わらせたいみたいなんだな。まあ、どうでもいいけどさ。この後テレビで「猿の惑星」やって、ロン・ハーパーが出ていたので何回か見たが、よく覚えていない。新しく作られた方の二作には全く興味なし。見たいとも思わない。