最後の初恋
こういう映画が公開され始めると、ああ秋だなあと思う。ベストセラー作家の原作、リチャード・ギアとダイアン・レインの顔合わせ、季節はずれの海辺のホテル、嵐の夜に燃え上がる恋・・ロマンチック~。御膳立ては揃ってる。でもヒットしない。何で?ギアやレインじゃ賞味期限切れ?公開四週目の平日午前、お客は二人。確かに内容には新鮮味なし。安心して見ていられるけどね。ところどころお気楽だなあとか、はあ?とか思ってしまう。例えばあのホテル、今にも崩れそう。ハリケーンなんか来たらぺしゃんこになりそう。でもって予報とか出てるのに何となくぐずぐずしている。いくら客でももっと手伝わせろ。口論してるヒマがあったらとっとと仕事しろ。家がギーギー、窓がばたばたしてるのに何でいちゃいちゃが始まるの?翌朝嵐は去って内外はひどいことになってるけど、ポール(ギア)の車はぴっかぴか。あのさ、嵐くぐり抜けたんですぜ。外に出しっぱなしだったんですぜ。もっと汚れているはずでしょ。ポールは腕利きの外科医だけど、手術中に患者が死んでしまう。その夫(スコット・グレン)に会って話聞いてお悔やみ言って、ああいいシーンだなあと感動するわけだけど、その後はカニパーティ。嵐が去ったと町のみんなは食べて飲んで踊って騒ぐ。ポールとエイドリアン(レイン)も楽しむ。おいおい、その前の感動的なシーンがどこかに吹き飛んじゃったぞ。さらに二人でホテルでいちゃいちゃ。いい気なものだ。あたしゃてっきり嵐で大丈夫だったのかと心配したエイドリアンの夫が様子見にきてポールと鉢合わせするかと思ったのに。でもこういう時って邪魔は入らないんですね。そうよだってこの時間のおかげで二人の間には深い深いきずなが生まれたんですから。それぞれ問題をかかえていた二人だけど出会いによって成長する。ポールは息子(ジェームズ・フランコ)のいるエクアドルへ。エイドリアンは離婚を決意する。浮気して家を出ていた夫がやり直したいと言ってきた時には心がゆれた。子供二人は復縁を強く願っている。でもエイドリアンはポールに出会ってしまった!手紙を交換し、再会を待ちこがれる二人。でも運命は残酷だった。バカ娘アマンダの成長とか馬の暴走(?)とかあってエンド。この映画で一番印象的なのは手紙。電話よりメールよりやっぱり手紙。手紙っていいですね。ところで最後の手紙には何て書いてあったんですか?