サンダーポイント

サンダーポイント

この映画のことは何も知らない。レンタル店でふと目に入った。主演はカイル・マクラクラン。1998年ということは40になったかならないか。そんなに見苦しくもないだろう。原作はジャック・ヒギンズの「サンダー・ポイントの雷鳴」。ヒギンズって「鷲は舞いおりた」の人ね。見たこと読んだことないけど。ショーン・ディロンを主人公にした小説は四作映画化され、そのうち二作はロブ・ロウ主演。あとの二作がカイル。ロウのは二作ともビデオがあるようだが、カイルはこの作品だけか。ヒトラー政権末期、ウィンザー協定とかいうのがあって、それを入れたトランクがカリブ海に沈んでいて、発見した元スパイのオッサンが英国に売ろうとするが事故死。トランクの行方めぐってあれやこれや。アガサ・クリスティーにもこういうのなかった?秘密の協定、公表されると困る政府とか何とか。この作品はテレビムービーのようだ。宝捜し、スパイの暗躍、主人公の暗い過去、ヒロインとの出会い・・反発から恋に・・、逃避行、裏切り、恋人の死と復讐。いちおう全部揃ってる。でもそのどれもが中途はんぱ。出来が今いちでもカイル見てりゃ幸せ・・と言いたいところだが、彼も今いち。「ヒドゥン」や「ツイン・ピークス」では髪が真っ黒でつややかで、それが一つのチャームポイントだったけど、ここでは・・ばさばさと油っけなしで、茶色?せっかくのハンサムもオジンに見えちゃう。染めてでも真っ黒つやつやで出てきて欲しかった。ヒロイン、ジェニー役はパスカル・ビュシエール。ほっそりしていてきれいだ。よくある疫病神タイプのヒロインで、まわりに迷惑かける。上半身裸のディロン見て態度変える。「トランスポーター3」のバカヒロインみたいだけど、妖精めいた容姿のおかげで救われている。悪役アームストロング役ケネス・ウェルシュはどこかで見たような。「シルク」や「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」に出ていたようだ。よかったのはマイケル・サラザン。とらえどころのないキャラで、頼りになりそうでもあり、ならなそうでもあり・・。ピンチの時逃げ込むにはちょうどいい人。でも気の毒に殺されちゃった。ヒロインも死ぬし、ラストは間が抜けている。あのお金どうなったのかね。原作ではどうなってるか知らないが、ヒロインとこの金で再スタート・・なんていうハッピーエンドでもよかったのでは?