スーパーノヴァ

スーパーノヴァ

この映画は最初WOWOWで見たんだけど、途中からだった。その後は放映されなくて、それでも別に何とも思わないでいた。ところが「ザ・ウォッチャー」見て、ジェームズ・スペイダーいいじゃん・・と思って、全部見る気になったのよ。DVDをレンタルしたら未公開シーンも入ってるし、何よりもスペイダーがいいので、結局はDVD買ってしまったのよ。銀座シネパトスで公開されたらしいが、全然気がつかなかったわん。本編だけ見ても何が何だかわからないストーリーなので、たいていの人はけなしている。ただスペイダーファンが見ると、内容はともかくスペイダーはハンサムだし適度にムキムキだしステキよ・・ということになる。それにしてもB級映画という言葉は重宝だよな。内容はよくないんだけど特撮部分はしっかり作ってあって、手抜きとかしょぼさが全くない。出演者もわりと豪華で時間つぶしに見るには最適なの。時間も短いしね。監督が交代したとかいろんな裏事情があるみたいだけど、見ていて最初の頃とはだいぶ方向性が変わったんじゃないの?という気のする映画だ。宇宙を舞台にしたSF映画の傑作と言えば「2001年」や「エイリアン」がある。本編だけ見ているとあんまり感じないが、未公開シーンまで含めて「スーパーノヴァ」を見ると、私はこれらの映画を連想してしまう。ボーマンはモノリスによって人間を超えた存在になった。モノリスに相当するものはこの映画では九次元の物体である。それに触れた者は細胞が若返り、筋肉が強化されるなどの変化が起こる。だんだん若くなって不死身に近くなるが、最後には胎児のようになってしまう。胎児と言えば「2001年」!未公開シーンに出てくる、カールに裏切られ月に置いてけぼりにされたトロイは、大きな胎児のようになっている。本編だと凍りついたようになって死んでいる男が出てくるだけなので、物体の影響を受けて若くなった者が最後にはどうなるのかは不明のままである。でもトロイのシーンをカットしたのは正解だった。ショッキングと言うよりばかばかしさの方が先に立ってしまうから。メイクして演じた人には気の毒だけどさ。400万年前、モノリスは猿人の前に現われ、道具の使用を伝えた。400万年後、人類は宇宙に進出するほどになっている。月面で発掘されたモノリスはなぜか木星に向かって電波を発信。それで今度は木星探査のためにディスカバリー号が飛び立つ。

スーパーノヴァ2

モノリスは400万年前に月面に意図的に埋められたもの。それが掘り出されたということは人類が宇宙に進出したということ。モノリスはその情報を誰かに伝えたのだ。誰か・・それは宇宙人に違いない。同じように九次元の物体も宇宙の果てにある月で掘り出されたが、その月よりも古い年月を経ていた。カールになぜそれがわかるのか、あるいは彼がその物体を人工のものではないと言っていることなど、不明な点が多いのだが(宇宙人が作ったものなら人工とは言わないってことか?)、それはまあ置いといて、この物体は誰かがわざと、あるいは始末に困って地中深く埋めたのだ。後にこの物体はコンピューターの分析によって爆弾であることがわかる。・・広大な宇宙に地球人のような知的生命体が存在する確率がどれくらいなのか知らないが、低いことは確かだ。その生命体が宇宙を旅する確率はもっと低いし、辺境のはぐれ月に埋められている物体を掘り出す確率なんてゼロに近い。しかしゼロではないからこうやってカールのようなろくでなしに掘り出されてしまうのだ。物体もただじっと待っているわけではない。フェロモン(違うって)まき散らして人間誘っている。カールが物体を地球に持ち帰れば、真っ先に宇宙きっての高等生物である人類を滅ぼすことができるわけよ。また見方を変えるとこの物体、別に誰かに発見されなくてもいいのよ。これが埋められていた月は軌道をはずれて宇宙をふらふらさ迷っているんだけど、そんな状態いつまでも続くわけがない。近くにはブルー巨星があってその引力の影響もある。ブルー巨星の爆発に巻き込まれるか、引力で落下して燃え尽きるか(こっちの方が確率が高い)。その時物体は待ってましたとばかりに爆発して宇宙を焼き尽くし始めるのだ。ちょっと時間はかかるけどいずれは地球も焼き尽くす。何だ、別にフェロモン出す必要ないじゃん。あるいは物体自身が時限爆弾になっているとかさ、これじゃ何でもアリだな、映画にならん。さてモノリスは「2010年」では木星を爆発させ、太陽にしてしまう。太陽系は二つの太陽を有し、木星の衛星エウロパには第二の地球とも言うべき進化の歴史が始まったらしい(らしいと言うのは、人類はエウロパへの立ち入りを禁止されちゃったのよーん)。九次元の物体の方はモノリスと違って破壊しかしない。すべてを焼き尽くすからいずれは太陽系も巻き込まれて消滅してしまう。

スーパーノヴァ3

ただコンピューターではっきりとした結論を出せるほどのデータはないので(もう一つのエンディングでは結論を出しちゃうけど)、人類は滅亡するかもしれないし、新しいレベルの人類が登場するかもしれない・・というふうにしてある。ラスト、ケイラはニックと同じ次元安定ユニット(以下ユニット)で次元ジャンプをしたために、どさくさにまぎれて(?)妊娠する。しかもコンピューターによると生まれるのは女の子である(何でそこまでわかるんじゃい)。衝撃波が地球に到達するのは51年後。映画では何も言及していないが、新しいレベルの人類は51年後に誕生するのではなくて、今ケイラの体内に宿ったのかもね。女の子ということはその子がまた次の世代を生むということ。51年後新しい宇宙を生き抜いていくのはニックとケイラの孫やひ孫なのかもしれない。まあこれは私のかってな、しかもかなり楽観的な予測だけどね。さて一気にラストのことまで書いてしまったが、このように「2001年」との共通点がいくつかあるってことなのよ、要するに。ラストシーンで宇宙空間に胎児が浮かんでいたっていいくらいなのよ。まあケイラの体内にいるのはまだ卵に毛の生えた段階の生き物だけどさ。「エイリアン」の方は、まあカールは別に寄生されているわけではないけれど、だんだん外見が変わっていくところとか、舞台のほとんどが宇宙船の中で、乗組員が一人ずつ殺されていくところとか・・エイリアンもののお約束でしょ。こういう設定にしておいて、しかもいい映画にするには乗組員一人一人のキャラがしっかりしていなくちゃならないんだけど、そっちの方はねえ・・。順番に書いていくと、まず舞台となるのは緊急医療救助船ナイチンゲール号である。画面には出てこないが22世紀らしい。船長のマーリーを演じているのはロバート・フォースター。名前と顔だけは昔から知ってるけど、老けちゃって全然気がつかなかったなー。副操縦士ニックがスペイダーで、彼の経歴ははっきりしない。軍隊にいて、薬物依存症になって、そこから何とか立ち直ろうとしているらしい。普通ならそんな人採用しないと思うけど、船長はものにこだわらない心の広い人らしい。もっとも未公開シーンで、ケイラが病死した乗組員を解剖するってのがあった。人手が減ったということで、薬物依存だろうが何だろうがニックがいないと船長は困るってことよ。

スーパーノヴァ4

このシーンもカットして正解。だってエグイんだもーん。広い宇宙、緊急事態などそうそう起こるものでもなく、毎日は単調で退屈だ。それにしても・・ニックは口に出さずにはいられない。まともな人間は一人もいない・・。船長はアニメの「トムとジェリー」を元に人類学の博士論文を書いている。「トムとジェリー」が作られたのは20世紀。21世紀になると人間に悪影響があるからと、マンガから悪役が追放された。しかしだからと言って人間の中に本来ある暴力性がなくなるわけではない。22世紀の人間は悪役の登場しない、暴力的描写のないマンガを見て育ったはずだが、全員平和主義の善人というわけでもない。カールのような悪人はいつだって存在する。人間の中には悪は元々存在するもの。善も存在し、バランスを取りながら、あるいは崩しながら生きているのが人間なのだ。船長はそういうことを研究しているのだろう。悪役が出てくるアニメを22世紀でも簡単に見られるというのはちょっとおかしい気もするが、研究用に保存されているのだろう。未公開シーンでは船長とニックとの会話が出てくる。秩序と無秩序、序列と混沌。ここでの船長はアニメのことではなく、宇宙では無秩序も秩序の一部なのだ・・なんていうわけのわからないこと・・じゃない高尚なことを考えているらしい。そういうことを考えてしまうほど宇宙での勤務はヒマなのであり、そういうことを考えさせるほど宇宙は深遠なのである。どちらにせよこの船長は・・つまりアニメオタク船長だろうが哲学オタク船長だろうがという意味だが、精神的にはちょっと危ない状態にある。次元ジャンプの時の彼の行動は自殺行為だが、心のどこかでは自殺願望があったのかも。暴力的で無秩序な死に引きつけられていたのかも。ニックの方はまだそこまで行ってない。最初登場した時にはひどく虚無的だが、薬物依存から抜け出そうという意欲は持っている。静かで人間関係にわずらわされないここでの生活は、リハビリのいい機会だと思っている。薬物依存からの回復日誌もつけている。これもまた未公開シーンではそうなっているということで、本編には日誌のことは出てこない。この映画、元々はニックがつける日誌の形でストーリーが展開していくのではなかったか・・私はそう思っている。彼の独白・・宇宙での静かな日々、内面を見つめるニック。

スーパーノヴァ5

宇宙で起きる事故・事件を彼なりの視点で記録し、分析する。「○月×日、船長の突然の死により・・」とか「○月×日、トロイと名乗る青年を救出して以来・・」とかさ。ラストシーンだって何の説明もなく終わるんじゃなくて・・まあこれはまた後で書くけど。とにかくもうちょっと哲学的な沈んだ感じの映画になるはずだったのでは?今の本編の内容だとハデでわかりやすい描写なのに説明不足という矛盾した感じを受けるのよ。ニックも途中から虚無的でも何でもなくなって普通のヒーローになってるしさ。ナイチンゲール号は次元ジャンプしたとたんいろんなトラブルに見舞われるんだけど、ニックはさほど動揺することもなく冷静に対処する。時には無謀と思われることも平気でやっちゃう。そして決してあきらめない。なぜなら彼はもっと危険な事態を経験し、生き抜いてきたから。もっとも今だからそういう態度を取れるのかもしれない。おそらく彼は軍隊時代危うく命を落とすような目に会ったのだ。それが原因で悪夢にうなされるなどの症状が出、逃避するために薬に頼り、ついには中毒患者となったのだ。ナイチンゲール号のドクターであるケイラ(アンジェラ・バセット)は、ニックはまだ完全には治ってないと見て薬を処方するがニックは飲まない。精神的な病気の場合、薬によってよくなる場合もあれば、患者自身の「治してみせる」という強い意志の方がきく場合もあるのだろう。ニックにとっては後者が治療方法だった。最初出てきた時の暗いニックと後半のヒーローニックとの間には差がありすぎるが(つまり病気をいとも簡単に克服してしまったように見えるが)、それは彼に起こった内面的な変化が何も描写されないからである。上に書いたことは私のかってな想像で、ホントの中毒の理由は他にあるのかもしれない。描写を省いたために人物像がうすっぺらになってしまったが、描写されていれば内容がくどくなったかもしれず、どちらがよかったのかは私にもわかりましぇん。もう一つのエンディングだとニックは最後また虚無的になってる。さて乗船してから日が浅く、孤立しがちなニックにケイラはもっとクルーと親しくなるよう勧める。それでニックは航海士のベンジャミンとカードをしてみる。こういう時のベンジャミンを見つめるニックの目つき、つまりスペイダーの目つきってことになるんだけど、一種独特でファンはこういうのにしびれるんだろうな。

スーパーノヴァ6

ベンジャミンはコンピューターにスイーティーという名前をつけ、人格のようなものも付加して会話する。ニックから見ると妙なコンピューターオタクである。ケイラに言われて彼にまず近づいてはみたものの、人間よりコンピューターの相手をしている方が好きなベンジャミンは落ち着かないようだ。ニックにじっと見つめられ、居心地悪そうにモジモジする。何でオレに近づいてくるんだろ。コンピューターに余計なことしたの船主に告げ口する気かな。男対男と言うより男対小娘みたいになっちゃっている。ニックには告げ口する気なんか全くないんだけど、見ている者に何かあるのでは?と思わせる眼力と言うか、そういうスペイダーの特徴がよく出ているシーンだ。いい俳優って目に特徴があるよな。あまりうまくいかなかったニックは次にケイラに近づく。彼女はニックの見るところ乗組員の中では一番マシに見えるが、自分には必要以上に冷たく接しているように思える。彼が中毒したヘイゼンという薬に敵意を持っているようだが、過去に何かあったのだろうか。医療技師のヤージー(ルー・ダイアモンド・フィリップス)と検査技師のダニカ(ロビン・タニー)はヒマさえあれば色事に精を出す。ケイラに冷たくあしらわれたニックは乗組員と親しくなるのはあきらめたらしく、この二人には近づいていない。もっとも近づこうにもこの二人、部屋にこもりっきりなのだが。ニックと同様我々もロクな乗組員いないじゃん・・と思う。ケイラがいくら「仕事のできるいいクルーよ」と太鼓判押したところで、ホントかよ・・ってなもんである。昔は訓練され、精神的にも肉体的にもすぐれた者しか宇宙へは行けなかった。しかし22世紀ともなると体さえ丈夫なら誰でも行ける。アニメオタクの船長でもコンピューターオタクの航海士でも色ボケ医療技師でも。当然なことに悪人も行ける。どこへ行ってもトラブルを起こすカールのような悪党も。ある日ナイチンゲール号は緊急救難信号を受信する。地球の中でとか太陽系の中で(それでもだいぶ広いが)ならともかく、無限の宇宙を航行していて、何かあったからといって助けを呼んで、間に合うものなのだろうか。子供の頃は宇宙パトロール隊とかそういう設定を何の疑問もなく受け入れていたけど(子供の考える宇宙は狭いのだ!)、今大きくなって宇宙の大きさを知ってみると・・こんな効率の悪いことするかな・・って思えてくる。

スーパーノヴァ7

定期航路ならともかく。それと次元ジャンプのこともよくわからない。すでにそういう方法が存在するということで、原理の説明もなし。プラズマ加速って何のこと?私達はただ特撮技術を駆使した映像を見せられるだけ。私は科学オンチだし、「スター・トレック」を見たこともないし、よくわからないんだけど、ワープするんでしょ?ワープという言葉は便利で、乗組員の誰か(たいていは船長)が「ワープしろ!」と叫ぶと、宇宙船はとんでもない距離を一気に飛び越えるんでしょ?安直よねえ。「スーパーノヴァ」の場合、救難信号が発せられた月の位置をA、ナイチンゲール号が今いる位置をBとすると、AB間の距離は3432光年。光の速さで飛んだとしても月に着くのに3432年かかるのよ。とても間に合わないからワープする。紙の上に書かれたA点とB点の距離を縮める方法はただ一つ。紙を折り曲げることだ。ワープの意味は「ゆがめる」、つまり空間をゆがめて、おそらくは別の次元を通って目的地に到達するってのがワープ航法なんでしょ?次元ジャンプの間、いろんな場面が挿入される。最初見ている時は気づかないし、気づいても忘れちゃうんだけど、こうやって感想を書くためにくり返し映画を見ていると、挿入されているのがまだ起こっていない未来のことなのに気づく。最初は何でこんなのが入るの?って不思議に思ったけど、そのうちに気がついた。異次元を通っているのだから時間の流れも三次元とは違うのだ・・ってね。空間をゆがませて無理に通っているのだから、時間だってゆがんでいるはず。ただ彼らにはジャンプしている間の記憶は全く残らないようだ。まあ残らなくて正解なんだけどさ。自分の死ぬとこ見せられたってねえ・・。ゆがんだ空間と時間の中を通っている時、時計がどういう動きをしているのか(そもそも何でコンピューターが故障しないのか・・2000年問題みたいのが起こってさ)興味のあるところだが、それはまあ置いといて、私が気になったのは信号のことなんでありんすよ。発信されてから受信するまでに5日かかっているんです。光でさえ3432年かかるっていう距離を何で5日で届くんですか?電波をワープさせたんですか?どうやって?誰か説明してくんなまし。さてナイチンゲール号は目的地に出現したとたん(着いたじゃなくて出現した・・だよな、やっぱ)、隕石のために燃料タンクを破損してしまう。

スーパーノヴァ8

近くにはブルー巨星があって、引力が太陽の10倍もあり、月の重力もおかしくなっている。このままではナイチンゲール号は月に引っ張られて墜落、逃げ出そうにも燃料が流出して次元ジャンプができない。おまけにいつの間にか船長は爆発してるぞ。このユニットの件もいろいろ不明なところがある。後でベンジャミンが調べている時、画面にうつっているユニットの数は七つである。そのうち二つに赤い印、つまり故障マークがついてるの。本編には出てこないけど、未公開シーンから乗組員が七人だったってことはわかってる。一人病死したから今は六人。故障ユニットが二つということは、次元ジャンプの前にすでに一つ壊れていたってことだ。二つめが今回船長を死に至らしめたユニットで、これは元々はケイラが入るはずのものだった。・・で何が言いたいかというと、ユニットは乗組員の数しか用意されていないってことなの。救助船でしょ?誰かを助けてその後すぐに次元ジャンプを・・なんていう事態も起こるはず。現に今の状態がそうでしょ?何で予備のユニットないんですか?船長は死んだけどトロイが増えたから船の乗員は六人。ユニットは五つしかない・・なんて相談しているニック達を見ると、この救助船設計したヤツ何計算してたんじゃい・・と思ってしまう。数年に一度くらいしか使わない装備だから気にしなかったんですかね。次にコンピューターのスイーティーですけど(いやーこの映画突っ込みどころ満載でうれしくなっちゃうわ、次から次へと出てくるんですもの)、救難信号受信してすぐに目的地割り出して船をジャンプさせていたけど、位置はともかくそこの環境については何もわかっていなかったんでしょうかね。つまりその月が軌道からはずれたはぐれ月で、タイタン37という民間の企業がいたんだけど撤退して・・そういうことがわかっている反面、ブルー巨星が近くにあって、引力強くてそこらへんの重力おかしくなってて隕石群が引き寄せられてて・・よーするにものすごーく危険な状態だってことはわかんなかったんですかね。船長は船長で住人が撤退して無人のはずの月から送信があったことを管制所に問い合わせもせず(普通はそこを経由して指令を受けるらしい)、しかも!ユニットが故障していることを知りながらそれに入って、結局は死んでしまった(正確にはケイラに殺してもらったんだけどさ)のよ。

スーパーノヴァ9

何考えてるんですか(やっぱ自殺志願?)。まあ映画だから何かトラブルが起きないと話にならないんだけどさ。頼まれて船長死なせたケイラはさすがに落ち込んでしまう。故障していたユニットは自分が入るはずのものだった。船長は自分の身代わり地蔵になったのだ(違うって)。現実の世界で例えば私なんかが落ち込んでいたって、誰もなぐさめに飛んできたりはしないんだけど、映画だと早速ニックがお酒持って部屋を訪ねてくるわけよ。二人してお酒飲んで♪あとはおぼろ~あのねぇ・・いくら宇宙で誰も見ていないからって、ここで何でこういう映像になるんですか。それに救難信号のこと完全に忘れてまっせ、この二人。実際には信号はなぜか途中で途切れてしまい、スイーティーが呼びかけを続けているんですけどね。「2010年」でもフロイドがお酒持って落ち込むロシアの女船長なぐさめていましたけど、こちらは健全でしたね。持って行ったのは梨の入ったブランデーでしょうか。ビンの中で熟したまま取り出すことができない梨は、ニックに言わせればケイラ自身なんですな。なかなかニックはアプローチ上手です。目で相手を誘うのが上手です。あの目くばせに、思わずうなずいちゃったのは私だけではないはずです。いやーそれにしてもこの宇宙船どうなってるんですか?何のために脱ぐんですか?・・と言うか何のために服着てるんですか・・だよな。それくらいひんぱんに素っ裸になるんなら、最初から着る必要ないじゃんよ。ダニカはヤージーとアツアツのはずなのに救出されたトロイ(実はカール)にたちまちのぼせ上がる。いつも口を半開きにして頭の中は色事のことでいっぱい。カールの悪だくみで生きたまま宇宙にほうり出されてしまうのは気の毒だが、アンタ警戒心なさすぎ。ヤージーはダニカがトロイにポーッとなっているのが気にくわないが、謎の物体を見たとたん心を奪われ、ダニカのことなんかどうでもよくなってしまう。この物体からは何やら放射されているのだが、影響される者とされない者がいて、その差がどこから来るのかは不明である。この物体モノリスみたいに名称つければよかったのに。九次元の物体だから「キューちゃん」・・とかさ。ま、それは冗談だけど、ニックは物体をロボットに扱わせる。ロボットなら何の影響も受けないからだ。このフライボーイと名づけられた負傷兵スタイルのロボットがいい。

スーパーノヴァ10

ロボットと言っても本物ではなくて、人間が演じているんだけど(キャストにもちゃんと出ている)、やたら素っ裸になったり金儲けや色欲に目がくらむ人間達にくらべれば非常にまとも。船内に漂う不気味な妖気にも我関せず・・とばかりにヒョコヒョコ動き回る。スイーティーみたいに意味もなくベンジャミンたたき起こしてチェスをせがんだり、彼の死を悲しんで声を詰まらせるなんていういかにもな行動は取りません。船長の好みでプログラムされた通りの動きで、黙々と雑用こなします。この単純さが好き。さてナイチンゲール号が大きな犠牲をはらって助けたトロイと名乗る青年は実はカール本人。ケイラの昔の恋人だ。物体の不思議なパワーでだんだん若くなり、肉体は強靭になってきている。ただし物体のパワーを以てしても性格の悪さは改善できないようで・・。採鉱事業の連中が撤退した後の月で、彼は仲間と宝捜し。ついに見つけたがお定まりの仲間割れ。仲間を置き去りにし、一人だけ助かろうと、宝を一人じめしようと、♪昔の名前で出て~います・・じゃない、カールの名前で昔の恋人ケイラの乗る宇宙船に信号を送ったのだ。助けられた後はカールの息子トロイだと偽って(何しろ若くなっているからカール本人だと名乗るわけにはいかないのだ)。カール役の人はトム・クルーズをうんとだらしなくさせたような人で、魅力もなーんもなし。何でこういうのにダニカは引っかかるのかね。彼のせいでこの映画いっそうチープになっちゃったんだけど、最後の方人相が変わって、不死身の怪物になって、人間性なくして(ついでに眉もなくなってるけど)からはなかなかよかったヨ。ヤージーもダニカも殺されちゃうけど、ベンジャミンくらいは助かってもよかったのでは?・・という気もする。まあラストでニックとケイラは言わばアダムとイブのような存在になるわけだし(つまり新人類の祖先と言うか・・私のかってな想像ですけどね)、ベンジャミンはお邪魔虫ってことですかね。彼とスイーティーとの結びつきはこの映画の見ものの一つなはずなんだけど、描写は今いち。ベンジャミンの死を悲しむところなんかホロリとするより「わざとらしー」って思ってしまうの。だいたいスイーティーもおかしいのよ。彼女はディスカバリー号におけるHALと同じで、ナイチンゲール号をすべてコントロールしているんでしょ?

スーパーノヴァ11

全くの手動に切り替わった時は別として、もし人間が間違った行動を取ろうとしたら反応しないよう、あらかじめプログラムされているはずだと思うんですけど。つまり生きた人間が装備もなしに宇宙へ飛び出すとかさ。でもカールは簡単にダニカを宇宙へほうり出すことができた。ヤージーの場合はすでに死んでいたようだが(未公開シーンだと血だらけになってる)、これも宇宙にポイッ。スイーティーはお義理に警告しただけだ。それでいて助けを求めるベンジャミンには新しいパスワードをくれなきゃ助けてあげないもーんとか言って結局は見殺しにしちゃったのよ。しかもこの時は人間に危害は加えられませんとか言っちゃって、カールのいるモジュールから空気を抜くのを拒否したのよ。だったら何でダニカの時には拒否しないのよ。この宇宙船のセキュリティはどうなっているんじゃー!こらスイーティー、泣きまねしたってだめよ。ちゃんとご主人様助けろっつーの。さてと・・ニックはカールの悪だくみで(みんなオレオレ詐欺のカールに簡単にだまされすぎ!もっと警戒心持とうよ)、月へ燃料捜しに行ったところを置き去りにされてしまう。でもその後の展開見ると、燃料なしでも何とかなっちゃっているんですけどー。ニックが月へ行く必要ないじゃんよ。留守の間に乗組員は次々に殺され、ケイラ一人になってしまう。でもさすがにニックは用心深い性格。シャトルは爆破されてしまったけれど、ちゃんと緊急帰還艇を用意していたのよ。彼って帰りの切符はあらかじめ買っておくタイプだと思うわ(何のこっちゃ)。それに乗って「おまえはアホか、今行くから待ってろよ」とか何とか言って猛スピードで戻ってきて、かっこよく登場したかと思ったらこてんぱんにやられて・・。ヤージーもベンジャミンもやられちゃったのに、何でアンタは死なないのよーって、そりゃもちろん主役だからよ。何とかしのいでケイラと二人で知恵をしぼる。物体が爆弾だってことはもうわかってる。カールが物体に固執しているのなら、望み通り贈ってあげましょ。そんなことしているうちにカールは自分のぶんだけ残してユニットをメチャメチャに破壊してしまう。結局ニック達はカールを物体ごと吹き飛ばしたんだけど、結果は最悪。物体のせいで宇宙は焼き尽くされ始める。ナイチンゲール号は間一髪逃げ出すんだけど、ユニットが一つしかないからもめるわけ。

スーパーノヴァ12

二人して入ったら合体して怪物になっちゃうかも・・。でも一人だけ助かるのはいやだし・・。で、結局はまたまた素っ裸になって、一つのユニットに二人で入ってジャンプして・・いやこれだとユニットの中で二人して裸で飛び跳ねてることになっちゃうな、正確に書かなきゃ・・次元ジャンプして、さてどうなったでしょーってどうにもならないのだわん。怪物になるわけないじゃん、主役なんだから。遺伝子が2%入れ替わって、ケイラはオメデタですってよ。私はずっと字幕で見ていたので気がつかなかったけど、ある時吹き替えにしてみたら、ケイラは「カールと別れたのは5年前」で「その時には子供の生めない体になっていた」とニックに言っているのよね。それなのに何でオメデタなんですか?この時の次元ジャンプのシーンでは、星の爆発などの他に、どさくさにまぎれてオタマジャクシだの卵だの受精シーンだのがみんな入っていて、NHKスペシャルになっているのよ。次元ジャンプは不妊も解決するらしい。オメデタと聞いてもケイラがちっともうれしそうじゃないのは「アタシは妊娠はできても出産にまでこぎつけられないのよ。このオセッカイ(スイーティーのことです)!」と思っているからでしょうね。ケイラは医者ですからね、自分の体のことはよくわかっているはず。ところでユニットに入る時に素っ裸になるのは、服を着ていると人体に影響するからなんでしょ?二人で入ると遺伝子がまじってしまうように、人と服とがまじってしまうんでしょ?とするとコンタクトレンズとかペースメーカーとかシリコンとか、そういうのがくっついて、あるいは埋め込まれている場合はどうなるんですか?体に異物がくっついていても次元ジャンプできるなら服だって着ていてかまわないはずで、それでも素っ裸になるってことはやっぱお客さんへのサービスなんですかね。それともう一つ、お二人の裸に気を取られてたいていの人は気がつかないと思いますけど、ユニットバスに入る入らない(違うって)でもめる時のケイラのセリフがおかしいのよ。望みがかなうんでしょ・・とか何とか初めて(何が?)みたいなこと言ってさ。ニックがお酒盛って(梨の他にホレ薬も入っていたのよ)・・もとい、お酒持ってナンパしに来た時、アンタ達仲良くなったんでしょうが。何カマトトぶっているんですか・・。でも実際は違うんでーす。

スーパーノヴァ13

話の流れからだとあのシーンでの二人はニックとケイラだけど、うつっているのはダニカとカールに修正をほどこしたニックもどき、ケイラもどきらしい。はーやっぱりね、バセットさんの方はよく見えないけど、スペイダーさんは明らかに違う・・って前々から思っていたのよ(スペイダーさんじゃないって確認するためにコマ送りで見たほどよ・・なんて、口が裂けても言えないけどさ)。さて・・ブルー巨星の爆発も物体の爆発を相殺することはできず、宇宙は崩壊し始める。衝撃波が地球に届くのは51年後。人類は滅亡するだろうけど、もしかしたら・・というかすかな望みはある。もう一つのエンディングだとカールはエイリアン並みにしぶとく生き残り、二人が眠るユニットに近づいてくる。しかしさすがに次元ジャンプを耐え抜くことはできず・・船長みたいに爆発したんでしょ?ニック達が目を覚ました時には、そこらへんにチーズ味のカールとカレー味のカールが飛び散っていたはずよ。♪それにつけてもおやつはカール・・そうじはフライボーイにやらせよう・・ってアイツもういないんだっけ。でもカールの痕跡の描写はなし。どして?そこへスイーティーの最終予測報告。ケイラのオメデタなんていうのではなく、すべては焼き尽くされ257年49日後には地球もオダブツというお先真っ暗な内容。新人類もへったくれもなし。ふん、何よ。地球がどうなろうと人類が滅亡しようとアタイには関係ないこった。・・ベンジャミンが死んだのでスイーティー嬢ふてくされております。映画は「処方に従い日誌を・・」というニックの声で終わる。ね、やっぱりそうでしょ、虚無的なニックで始まり、やはり虚無的なニックで終わるのよ。こういう映画だったんだと思うわ。結末を二つ用意して、少しは救いのある方で手を打ったのよ。本編では冒頭、宇宙船の窓からは星々が見えていた。ラストシーン、同じ窓に今度は地球が見えている。どうやら次元ジャンプによってナイチンゲール号は地球のそばまで一気に戻ってきたらしい。スイーティーは「お帰りなさい」って言ってたし。それにしても燃料は手に入れられなかったし、エンジンは大破したしで満身創痍なのに、そんな簡単に地球に戻れたことにしていいんですかあ?もっとも見ている方は「51年後かあ・・」とか「あっ地球だ!戻ってきたんだ・・」とか、そっちの方に気を取られているんですけどね。

スーパーノヴァ14

もう一つのエンディングだと人類滅亡間違いなしったって、257年も先の話だから、自分のしでかしたこととは言え、ニックも今いちぴんとこないでしょうね。星の爆発は「2010年」の木星爆発シーン、次元ジャンプは「2001年」のチカチカサイケシーンを連想させる。特撮技術の進歩のせいもあるけど、とてもよくできている。別エンディングの方がちょっと長くて(間にカールが入るから)、NHKスペシャルはなし。妊娠しないからね。それにしてもこんな余計なもの置いたヤツはどこの誰よ。宇宙からやって来て、人工衛星にくっついて人類が近づいてくるのを辛抱強く待つのが「ノイズ」、回収されるのを待つのが「アンドロメダ・・・」である。遠い星で卵のままじーっと待っているのが「エイリアン」。形や大きさは違うけど、彼らの目的はただ一つ。自分達が生きのび、繁栄すること。でも「スーパーノヴァ」の場合は違う。物体の目的は破壊すること・・それだけ。同じ正体不明でもモノリスとは全然違う。・・物事には始まりがあれば終わりがある。無限に広く、無限の時間存在すると思われている宇宙にも終わりはあるのだ。星に寿命があるように、宇宙にも寿命がある。物体のせいで宇宙は消滅し、人類は滅び、この世は無に帰する。宇宙を航行し、次元ジャンプできるほど進化した地球人の存在は抹殺されてしまうのだ。その後はどうなるのだろう。・・でも、もしかしたら宇宙はそうやって何度も生まれ変わっているのかも・・。この映画に何か伝えたいことがあるとしたら、こういうことだと思う。ただ、この宇宙がなくなってしまったら、物体を置いた者自身も滅びるってことよね。それとも九次元の存在には関係ないのかな。本当に宇宙をリニューアル(違うって)しようと狙っていたのなら、あの月だけに物体を埋めて、誰かが目をつけるのを待ったりするかな。あちこちばらまくでしょ。あれを見つけても、それがニックやケイラのような欲に目がくらむことのない人間だったら、宇宙は生き長らえることができたのかな。あの物体を爆発させたのはニック。「危険な賭けだ」と言っていたけど、結果は最悪。まあカールがあの物体持っていたってどうせロクなことにはならなかったでしょうけどさ。あの物体を置いた者の正体や目的を、無理にはっきりさせる必要はないと私は思っている。謎が謎のまま終わっても別にかまわない。

スーパーノヴァ15

過去SF映画で正体は・・真相は・・の段になって、アホらしいエイリアン見せられてがっくりしたこと数知れず・・だからね。今のままだと「この度カールというケチなチンピラ一人のために宇宙が滅亡することになりました」・・で終わりだ。たいていの人は「おいおい、期待させといてそれで終わりかよ」と怒るだろうけど、私は「そういうのもアリだよね」と思っている。何しろ私は別エンディングのカール並みにしぶといのだ。往生際が悪いと言われようが、考えすぎと言われようがこう思っている。この宇宙に地球が誕生し、生物が、人類が生まれたってことは大変な奇跡なのである。すっごく運がよかったのである。誕生しなくたって、途中で絶滅していたってちっとも不思議じゃないのだ。NHKの「ジュニア・スペシャル」なんかでそういうのを見ると、「私達は幸運なのだ。生きているっていうだけで奇跡なのだ」って思う。そして同時に地球も太陽も永遠の存在ではないってことも知らされる。太陽はいつか燃え尽きるし、太陽の恩恵を失った地球は冷たい死の星となる。あるいは太陽の爆発に巻き込まれてこなごなになるか。人類の多くはそんな先のことは考えていない。人類の繁栄は当然なことで、しかも永遠に続くものと思っている。さすがに不老不死は無理だとわかっているから、同じ寿命なら人より少しでもいい思いをしよう、少しでも多くのものを獲得してやろう・・と思っている。運がよけりゃ、要領がよけりゃ・・。地球はカールと同じような人間でいっぱいだ。大事にしなくたって地球はこうやって自分達の足の下に存在するんだし、今日の次には明日が必ずやって来るのだ。感謝の心を大事にしない一人の人間が自分の利益のことだけを考えて、例えば九次元の物体を掘り出す。するとどうなるか。この映画のようになるわよね、おそらく。宇宙はここまで来る間にとっくにどこかの欲張りによって滅亡していたってちっとも不思議じゃないし、近い将来に滅亡したってちっとも不思議じゃないの。何でもアリなのよ。もう一つ言うと、地球が太陽爆発の巻き添えをくって消滅する時点では、人類は滅びていると私は思う。よくSFだとその頃には人類は太陽系を捨てて別の惑星を開拓しているだろう・・なんて書いてあるけど、そこまで行かないと思うよ。地球は人間以外の動物や植物がいるだけの、文明のない星になっていると思う。

スーパーノヴァ16

人類がいるよりいない方が地球は長持ちすると私は思っている。環境破壊だの核実験だのロクなことしないでしょ、人類って。そういう「人類のいない地球」がある日突然爆発してなくなったとしても、「無に帰する」とは言えないと思う。有とか無とかは人間の目から見てであって、人間がいないのなら有でも無でもないのよ。地球がなくなったら動植物は困るだろうと思うかもしれないけど、それだって人間の視点。動植物が何を考えているかなんて人間にはわからないし、「考える」という言い方からして人間の視点でしょ。地球じゃなくて宇宙規模で考えたとしても、この物体のせいで宇宙が崩壊したとして、その後はどうなるんでしょうなんてことは考える必要はないのよ。答は必要ではないの。だって人類はもう存在しないのだから。「死ぬまでにしたい10のこと」のアンも似たようなこと言っていたな。・・こんなこと考えている私はヘンですかね。もちろん作り手はこんなこと考えていないと思うけど。さて唐突ですがノヴァ(新星)とスーパーノヴァ(超新星)の違い。ある日突然それまで何も見えなかったところに急に輝き出したのが新星。前からそこにあったんだけど暗くて見えなかったのよ。でも爆発によって明るくなって見えるようになった。爆発と言っても星の一部が爆発するだけで、その後はだんだん暗くなって元に戻る。同じ星が数十年たってまた新星になるってこともある。それに対して超新星の方は規模も大きくて一回こっきり。要するに星の寿命が尽きるってこと。だから広い宇宙でもめったに起こらない現象。映画の作り手にとっては、ふくれあがる予算(何と6000万ドル!)がスーパーノヴァに思えたことでしょうね。そして爆発した後の暗黒(大コケってこと)。DVDのカバーには「本格SF巨編」とか、「ハリウッドの重鎮フランシス・コッポラやウォルター・ヒルらが製作に加わるも完成を断念せざるを得なかった究極の問題作」なんて書いてある。「さじを投げた」と言うところを、うんとねじ曲げれば(ワープさせれば)そういう表現になるよね。何だか物悲しさを感じるな。この映画が出来損ないだってことは私も否定しない。でも全くのクズだとは思っていないの。もしクズだったらこんなに長い感想なんか書かないわ。この映画は何度見てもあきずにそれなりに楽しめる。いろいろ考えさせるものはあるのよ。