スパイ大作戦 シーズン5

スパイ大作戦5の1 ”怪物”粉砕作戦

スパイ大作戦5の2 血塗られた故郷

今回はミッションとは無関係。生まれ故郷へ帰ったジムが、女性の連続絞殺事件に挑む。豊かな自然に懐かしい顔ぶれ。しかしそんなのどかな田舎町も、今まで経験したことのない殺人事件が起きたせいで不穏な空気に。すでに二人殺され、今またコニーが危うく殺されるところだった。ジョー達は保安官オウンズを無能呼ばわり。そのうちベトナム帰りの若者セスが怪しい・・となる。しかしジムから見るとセスはむしろ精神科医に見てもらうべきだ。田舎町のこととて鑑識もなく、人手も不足している。バーニーが犯罪調査員という触れ込みで捜査に加わる。ダナは犯人の目を引く囮として、ミッジの店でウエートレスとして働き始める。出てくる人達はみんなジムの知り合いか幼なじみだから、この中に犯人がいるのではと疑うのは、ジムにとっても気の重いことで。ジムが近くにいたおかげで命拾いしたコニーだが、犯人については度の強いメガネをかけていたということしかわからない。で、記者のスターンとか、保安官助手のカールとか、セスとかみんなメガネを使用していて。ただ、そうやっていかにも怪しそうな連中は除外していいのがお約束。結局コニーも殺される。バーニーの調べで、犯人は手が小さく、歩幅も狭いことがわかる。そうなりゃ犯人が女性ということも考えられるが、保安官もジムも全然思いつかない。と言うか、コニーに話しかける犯人の声が女性なので、目星は早々につく。町の者は全部セスのせいにして、つかまえて裁いて一件落着としたい。ジョーを始め、病院へ入れるなんてとんでもないと思っている。それでウィリーがコニーのいとこと名乗って、遺体を引き取るフリをしてセスを連れ出す。犯人にとっては何をしてもセスのせいにできる状態を作り出す。標的になるようダナがわざとはすっぱな行動を取る。この回で印象に残るのは、ジムが感じたように、人々の心が冷たくなっていること。誰もセスの苦悩を気にかけない。保安官オウンズ役はジョー・マロス。戦争物や西部劇でよく見かけた人。その妻シンシア役はジャクリーヌ・スコット。ミッジ役ロレッタ・スウィットはテレビ版「MASH」に出ている。セス役フランク・ウェッブはなかなかの美形だが、この数年後26歳で死亡。

スパイ大作戦5の3 生きた研究ノート

今回はよくわからないが仕事はもう半分終わってる・・みたいな。パスタとマカロニ・・じゃない、コスタとマカニを無事亡命させ、ジムは考古学教授、ダナは学生に扮して発掘の名目で山へ。この国のことは説明されないが、軍が政権を握っているが、地方では武器を持って抵抗する者もいる状態。そのリーダーがアレックスで、彼の父親は亡命を拒み、死亡。父親はある研究のノートを残しており、ジム達が来たのはそれを渡してもらうため。後でわかるがノートは細菌兵器に関するもの。この一帯をおさえているのがバクラム大佐で、当然彼もノートを手に入れたい。受け渡しの時銃撃戦になり、クロスとイリナ、それにダナの三人がつかまってしまう。ジムは負傷したが、逃げ延びる。この展開は予想外だろうが、ジムは仲間を呼び寄せ、三人の救出にかかる。実はノートのなかみはアレックスの恋人でもあるイリナが記憶しているが、他の者は知らない。クロスは大佐の手先だが、彼もノートはアレックスがどこかに隠しているのだと思っている。到着したダグはまずジムのの手当てをする。銃弾が入ったまま動き回るなんてとんでもない・・と、ここは医者らしく譲らない。ダナは拷問されても口を割らず、周囲に気を配り、盗聴器を見つけたりクロスが裏切り者だと見抜いたり、さすが。アレックスの仲間はすぐにでも強行突入を・・と主張するが、ジムは止める。一方パリスは首都から来た情報部の者として大佐に近づく。大佐役はマーク・レナード。彼もよく見かける人だ。鼻の形に特徴がある。パリス役レナード・ニモイはスポック役で有名だが、レナードはスポックの父親サレクをやってたらしい。まあこちとら「スタートレック」には興味ないので全然知らないが。今回の見どころは美男が三人も出てくること。一人目はもちろんダグ。二人目はアレックス役ロバート・パーヴェイ。マイケル・サラザン風の顔立ちで、透き通った瞳が美しい。三人目は神父のセバスチャン役ジョナサン・ゴールドスミス。この頃はジョナサン・リッペという名。セバスチャンは事情は全然知らないんだけど、頭がよく機転もきき、メンバー達の脱出を助ける。おまけに大変なハンサム!いやホント、目の保養になるエピソードでした。

スパイ大作戦5の4 殺し屋

ローカは殺し屋。何でも一人でやるし、直前になって決めたりするので、行動が読めない。今回のミッションは暗殺の阻止と、依頼主サソリの正体を暴くこと。ローカは依頼を受けてLAへ飛ぶが、”誰をいつどこで”はまだわからない。前半の見せ場は空き家をホテルへ改装するところ。ローカが気まぐれに電話帳で選んだのがバウカーホテル。タクシーで空港から彼を運んでくる間にホテルを作り上げる。20分はかかるが、タクシーは15分で着きそう。タクシーだって、目の前にとまっているウィリーのではなくて、その後ろの車を選ぶ。でも大丈夫、二台目の運転手はパリスだ。大勢のスタッフがタオルや便箋やグラスにホテル名を入れる。バウアーの”B”だけだったり、住所や電話番号まで入れたり。日本人ならもっとテキパキと動くが、こちらは急いでるわりには動きがゆっくり。手間をかけてホテルを作ったのは、電話を盗聴したり部屋の中をカメラでうつすためだ。途中で標的はバートンという男性とわかる。黒人なので、本物には事情を話して避難してもらい、バーニーが身代わりになる。標的が白人、あるいは女性なら別のメンバーが?銃で背後から撃たれるのを予想してバーニーの精巧な人形まで用意してあったけど、他のメンバーの人形も?結局銃ではなく、換気口に爆弾を仕かける。これだって直前にサイコロを振ってこの方法にしたようで。バーニーは危ういところをジムの機転で命拾いする。その後報酬のことでサソリに裏切られたと思わせ、ローカがサソリのところへ乗り込むよう仕向ける。ローカ役はロバート・コンラッド。日に焼けた肌に、青く澄んだ目。小柄だががっちりとした体格が特徴。一匹狼だが女性も大好きという殺し屋を楽しそうに演じていた。変装なし、濃いサングラスをかけただけというパリスもいい。ただ、レスリー・ウォーレン演じるダナだけは、このシリーズには合っていないといつも思う。彼女が悪いわけではないが、目がきつすぎるのだ。あんなふうにいかにも何かありそうな顔つきをしていたのでは、目立ちすぎてスパイには向かないと思う。

スパイ大作戦5の5 狂気のルート

冒頭出てきたのは・・ん?サル・ミネオ?この頃はまだ生きていたんだ・・。今回のミッションは違法薬物で何千人も・・特に若者が命落としているから、西海岸を仕切っている売人メル(ミネオ)、クスリを供給しているマクシミリアン(ロバート・アルダ)、製薬会社のキャメロンの三人によるルートを暴けというもの。バーニーは移送中のトラックに忍び込み、発信装置を仕込んだ錠剤をまぜる。その後追跡中にドライバーに見つかり、ピンチになったりするが切り抜け、自分がドライバーとしてクスリを運ぶ。クスリはピーナッツ缶に入っているので途中で入れ替える。あのピーナッツ、粒が揃っていておいしそうだったな。ジムは大量にクスリを注文してくるシンプソンという男に扮する。注文を受けたメルはマクシミリアンに連絡してクスリを回してもらうが、受け取ってみるとなかみはピーナッツ。シンプソンには支払った前金を返せと言われるが、マクシミリアンに払ったから金はもうない。とにかく急いでクスリを用意しなければならないが、いつものような法に触れない合法的なやり方でやっていたのでは間に合わない。この後の違法な運びの描写は省略されていて、メルは何とかシンプソンの指定した期限内にクスリを用意。取引の現場は撮影されていて、警官が踏み込むという流れ。これとは別にダナがシンディという歌手に扮してマクシミリアンやキャメロンに近づく。シンディは以前マクシミリアンの恋人だったルーシーの娘。当然マクシミリアンは喜ぶ。会合のためロスへ行く途中マクシミリアンのところへ立ち寄ったキャメロンにも色じかけで迫り、彼の妻に警戒されたりする。このダナの部分は見ていても何のためにあるのだろうと思ってしまう。彼女は何の変装もしておらず、と言うことは彼女はルーシーにそっくりだということになる。マクシミリアンが何の疑いも抱かずシンディをルーシーの娘と信じ込むのだから。それってちょっと都合がよすぎるのでは?シンディは架空の存在ではなく実在したが、薬物のせいで死亡。見てる人は冒頭出てきたクスリで死亡する女性がシンディか・・と思うが、違うみたいだ。彼女がシンディならどこかダナに似ているはずだが全然違うから。

スパイ大作戦5の6 殺しのセンター

今回はミッションではなく、敵の罠に落ちたパリスを救う。パリスはジュネーブへ向かう途中、交通事故を装って拉致され、脳に電極を埋め込まれる。モールは去年パリスに煮え湯を飲まされたとかで、恨みを晴らしたい。パリスを使ってリーダーをあぶり出し、殺させようという計画。この方法がうまくいけば、殺人ロボット作り出すのも可能だ。タボール博士は薬と催眠術でパリスの過去を聞き出し、憎しみの感情を植えつける。彼は過去芸人一座にいたらしい。インガという女性と二人でミーガンの助手をしていたが、ミーガンがインガを殺してしまう。三角関係のもつれか。その記憶と、現在のパリス、ジム(ミーガンの代わり)、エニッド(インガの代わり)を混同させ、パリスにジムを殺させようと・・う~ん、こんな面倒な方法取らんでも・・。さすがにパリスは現在の自分の仕事については何も話さない。ジムはパリスが見つかっても、何かされてないか事後調査がすむまでは安心できないと思っている。ダグが一般の病院に勤めているらしいことも判明するが、個人病院ならともかく、普通の病院だと仕事の度に休みを取るのは難しいのでは?バーニーはパリスが乗っていたバイクについた指紋をコンピューターで照合するが、結果が出るのが早すぎる。あれじゃあ数人しか登録されていないみたいだ。タボール役マーク・リッチマンは「ロングストリート」でおなじみ。モール役ウェズリー・ロウはアラン・ラッドに似ている。モールはパリスのせいで逮捕されたけど脱走して、今は身を隠すでもなく普通に働いている。そこがちょっと引っかかる。バンダー役ブルース・グローヴァーは「暗殺者には面がない」で見たばかり。エニッド役はジル・ハワース。金髪ではかなげな感じ。「枢機卿」とか「栄光への脱出」に出ているが見たことなし。テレビだと「爆撃命令」。パリスのジムへの憎しみをつのらせるため、エニッドはバンダーに殺されてしまう。彼女も情報部員なのだが、始末しても惜しくないのを回してもらったとか言われていて、ずいぶんひどい扱いだなあと腹が立った。ラスト、実験に使われていたジャーマンシェパードが出てきたけど、元の飼い主に返してあげればいいのに・・と思った。かわいがっていたようだし。

スパイ大作戦5の7 大量殺戮兵器(デホミナント)

今回はバーニーが大ピンチ。どこかの国・・中東らしいが・・で、デホミナントAという化学薬品を作っていて、それは4時間で人を死に至らしめる。今はBを製造中で、それは8秒でオダブツらしい。ミッションの途中でバーニーが、流れ出たAを踏んでしまい、ウィリーも彼を置いて逃げるのがやっと。冒頭二人がやっていたことと、バーニーなしで進めた計画の間にずれがあるような気がするんだけど。二人でやっていたのはAを運び出すこと?その後Bの製造を阻止するつもりだった?ウィリーのミスで薬品が漏れたわけだが、あんなに簡単に漏れ出すなんて普通じゃ考えられない。バーニーの代わりに急遽引っ張り込まれたのが若き工学博士ジェリー。コンピューターに明るく、八ヶ国語を話せる。このミッションにはカザフ語の知識が必要らしい。たまたまこの国にはガールフレンドと骨休めに来ていたのだが、無理に協力させられる。化学兵器ったってアメリカだって作ってるじゃん・・と、もっともな言い分。パリスの変装やジム達の細工も、子供だましじゃん・・と、これまたもっともな意見。見ている我々だって毎回そう思ってる。やっと助け出したバーニーは動けず、ジム達にはコンピューターの知識はない。さすがのジェリーも協力する気になる。どんなに複雑かと期待して見ていたら、スイッチ押すだけですんじゃって拍子抜け。もう解毒剤も効かない状態のはずのバーニーもダグの注射一本で助かるし、何だかなあ。「ロボット」で見たばかりのラリー・リンヴィルが出ていた。彼のまわりだけ氷点下みたい。氷のように冷たいまなざし・・(ほへ~)。ダグ役サム・エリオットの美男ぶりにも目が行く。今はシワシワでカラカラで切り干し大根みたいになっちゃってるけど、この頃は本当にステキだったのだ。ジェリー役はクリストファー・コネリー。私は見たことないけどテレビシリーズの方の「ペーパームーン」に出ている。ジョディ・フォスターの出ているやつね。コネリーはまだ生きているのかしら・・あら、47歳でガンで死んじゃったらしい残念。鼻の形に特徴があって、小柄。ジムと並ぶと身長差が目立つ。それにしてもこの頃ってアクションの見せ方が今いち。どの回でも相手は殴られるのを待っている。ホント、パンチが来るのをじっと見ているんだからいやになっちゃう。ところでバーニーの救出と、Bの製造阻止でミッションを完了してたけど、Aがあのまま残ってますぜ、いいのかな?

スパイ大作戦5の8 罠

今回はジムが恋に落ちる。テレビの前で何度、そこでやめとけ・・と思ったことか。こういう・・恋に対して無菌状態で生きてきた女性って、恋に落ちると一直線。一人よがりもいいとこで、見ていて気の毒。どこの国で、どういう状態なのかはっきりしないが、独裁者が死んで、今は党とか委員会が国を動かしているのか。息子のアレクセイはパージがあって、自分は消されるとか言って、拳銃自殺を図ろうとする。もちろん本気ではなく、妹のアンナをだますためだ。彼女は兄を思いとどまらせようと、アメリカへの亡命を言い出す。父の残した極秘情報を持参すれば、きっと助けてもらえるはず。実はアレクセイは秘密警察のペトロヴィッチと組んで、アンナの持ってる情報・・西側に友好的な人物のリスト・・の入手と、アンナに接触してくるであろうアメリカのスパイをつかまえることと、両方手柄を立てようと企んでいて。父親がアンナに情報を託したってことは、アレクセイを信用していなかったってことだが、アンナはそこらへんどう思っているのだろう。彼女にアレクセイの正体わからせた方が話は早いと思うが。アンナがジムに恋してしまうのは、計算外だったのでは?父親も聖人君主だったわけではないようで、彼女の心も揺れっぱなし。父親を慕う気持ちと、残虐な行為を許せない気持ちと。多分にファザコン的なところがあるから、年上のジムに一目ぼれしちゃったのでは?自分達の亡命のためにアメリカが動き出したのを知って、心が躍る。それだけじゃない、ジムのことを思ってやはり心が躍る。しかしジムもスパイだったと知って情報目当て、利用したのね・・と動揺する。兄が裏切っていたのもショックだったし、亡命するのが自分一人というのも受け入れにくかった。残された兄は銃殺されるに決まってる。でも結局は決心し、ジムについて行くことにする。何とか国境を抜け、もう自由の身だ。ジムが結婚してくれることなどありえないが、それでも期待してしまう。たぶん時間の経過と環境の変化がアンナの恋の炎をゆっくり消していったことだろう。アンナ役はジュリー・グレッグ、アレクセイ役はポール・スティーヴンス、ペトロヴィッチ役はマイケル・ストロング。

スパイ大作戦5の9 暗殺スパイ「山猫」

南米のある国の大統領ロハスは、アメリカに招かれ、ワシントンで重要な演説をすることになっている。保安長官フェラール(ジョン・コリコス)は、その機会を利用し、大統領を暗殺し、政権を乗っ取ろうと企んでいる。暗殺者は”山猫”と呼ばれていることしかわからない。何とか演説までに”山猫”の正体を暴かなくては・・。顔を知っているのはフェラールだけなので、彼を誘拐し、飛行機事故で孤島に流れ着いたと思わせる。今回はミスが二つ。薬で眠らせたフェラールを乗せた救急車を、パリスが運転していたが、途中で人をひきそうになる。そのまま走り去ったが、ナンバーを記録され、警察に通報されたせいで、倉庫・・飛行機内のセットが組んである・・が、見つかってしまう。おまけにさっさと逃げるべきところをダナが勝手な行動を取り、つかまってしまう。ダナ役レスリー・ウォーレンは、泣く演技が多い。きつい顔立ちなので、涙は似合わない。大昔見ていた時も、わざとらしくて好きになれなかった。今回は珍しくウィリーが出ていない。彼が運転していたらこんなハプニングは・・。代わりにサム・エリオットがハンサムぶりを見せる。さて、フェラールをだましまくるという今回の作戦は、見ていてもあまりおもしろくない。飛行機のセットの次は海岸で、フェラールにここは囚人達が支配する孤島なのだと思わせる。もちろんちょっと丘を登ればすぐ住宅地なのだが・・。車も走ってるし、クラクションやサイレンが鳴ったらどうするつもりだった?フェラールの部下ディアズがなかなかのキレ者で、まあ彼のおかげで何とか見ていられる。論理的で冷静なタイプ。ダナは彼をうまく言いくるめてホテルへ。そこでバーニーと落ち合う。もちろんディアズはだまされたフリをしているだけ。ホテルを見張るが、盗聴だけというのは片手落ち。テレビの音がすれば、これは何かを隠すための目くらまし・・いや、耳くらまし(?)とわかるはず。音でごまかしといて逃亡・・となるに決まってるのに、いつまでも行動起こさなくて・・ディアズがこんな単純な方法にだまされるはずないのだが・・。それにしてもバーニーとダナは、どうやって天井裏へもぐり込んだのだろう。椅子かテーブルを利用しなければ、天井に上がるのは無理だと思うが・・。

スパイ大作戦5の10 スパイ狩り

アフリカの東ビクトリア政府は、コールダー博士を強制収容所から病院へ移したが、治療するのではなく拷問している。彼を救出し、新政府を作らせるのが今回のミッション。ダグともう一人が病院へ。救出には成功したものの、もう一人の方が足を撃たれてしまった。とにかく博士の救出が先というジムの判断で、いったんその場を離れる。置いてけぼりをくった男は近くの店へ。そこにいたのは黒人の若い女性で、洋裁でもしているのか。男は気を失うが、女性は彼が仮面をつけているのに気づき、いでみる。現われたのは・・何とバーニー。白人に変装していたのは、人種差別が激しいこの国の政情のせいだろうが、皮膚の色はともかく、目の色までは無理だと思うけど?コンタクトレンズしていたわけでもないし。男が来て金をせびるが、後で女性・・マリアンナのいとこだとわかる。いとこ役の人は7の21でボクサーのルーミスやってた人か。同じ人が何度も出てくるな。彼はコールダーには何の思い入れもなく、金のことばかり考えてるタイプ。バーニーはマリアンナにかくまってもらったり、弾を摘出してもらったりと世話になりっぱなし。彼がいるのは隠し部屋で、実は彼女はコールダーとは家族ぐるみの付き合いをしていたらしい。革命党員だった父親を射殺したのは、今の秘密警察長。彼女はろうあ者だが、父や家族を殺された心因性ショックのためとにらんだバーニーは、彼女をアメリカへ連れていく決心をする。彼女はすっかりバーニーに夢中になっているけど、彼にはその気なし。自分の仕事のこと考えればね。今の彼女は自分がそのうち失恋するなんて思ってもいないだろうけど。さて、幸い逃亡犯は白人の男だと思われている。パリスがその白人の男として盛んに目立つ行動をし、警官の目をそらすが、調子に乗りすぎて今度は自分がピンチに。肋骨を折ってしまった。と言うわけで、バーニー(とマリアンナ)救出の後はパリスの救出。今回は二段構えのクライマックスでした。バーニーが化けていた白人男性とパリスでは、髪の色も目の色も顔立ちも全然違うのが残念。もちろんバーニーが撃たれるなんて思ってもいなかったから、パリスで間に合わせるしか(←?)ないんだけどさ。

スパイ大作戦5の11 素人スパイ

東ヨーロッパのランズドルフという町のクラブにダナが入り込んでいる。客のポラロイド写真をとって売るという仕事。客の一人マックスは仲間だが、尾行され撃たれて死んでしまった。新型のロケット兵器をいくつかに分解して国外へ持ち出すのと、ベルナード神父が持っている西側スパイのリストの入手、今回ミッションは二つってことか?クラブのオーナー、エリックにはクララという10年越しの愛人がいるが、それでいてダナが気になる。クララはタバコを売って回る仕事をしていて、なかなかの美人。当然ダナの存在はおもしろくない。エッカート大佐がマックスの件で聞き込みに来るが、エリックはダナとマックスに関係があるらしいと気づき、彼女の弱味を握ったと思い込む。クララは素人が首を突っ込むと危ないと警告するが、エリックは聞かない。ダナが隠していた兵器の一部を偶然見つけると、さらに期待はふくらむ。正直に大佐に申し出たって金にはならない。逆にダナ達の仲間に売りつけてやれ・・と企み、止めるクララを撃ち殺す。彼は知らなかったが、大佐側に監視されており、行動は筒抜け。電話も盗聴されていた。題名にある”素人スパイ”ってマックスのことかなと最初思っていたが、エリックのことだった。彼は自分の頭のよさに自信を持っており、自ら泥沼にはまり込む。彼を愛し、心配するクララだが、撃ち殺されてしまうのは気の毒。エリック役の人は見た顔だ。アンソニー・ザーブ・・そうそう彼だった。「地球最の男 オメガマン」に出ていた人。2023年8月現在87歳でまだ生きてる。知ってる人が出てくると、まだ生きてるかどうかネットで確認する。昔だと調べようがないが、今は便利だ。大佐役の人は大柄で冷酷そうな顔つき。こういう人と張り合おうとするなんて無理なんだけど、自信家のエリックは気づかない。結局ニセ札をつかまされ・・お気の毒様。大佐の命令で出入国には厳しく目が光っているが、そっちの方も難なく切り抜ける。神父の方は直前に卒中で倒れ、話もできない状態だったが、ジムは無事聖書に組み込まれたリストを見つける。ただ、こっちのエピソードはなくてもいいような・・時間稼ぎみたいな感じだった。

スパイ大作戦5の12 死体は一切関知しない

サンパスカルという国の首相フエゴと、甥で後継者のラモンは、国と手を結び、このままでは第二のキューバ危機を招きかねない。ミサイルを導入する前に条約書を入手して公開するのが今回のミッション。フエゴの兄でラモンの父でもあるビクトリオの遺体はガラス張りの棺の中に保存され、守衛四人は1時間ごとに交代する。条約書を入手するにはフエゴかラモンの掌紋が必要。ダナがラモンに色じかけで迫り、彼がダナの夫を殺すよう仕向ける。夫役はダグ。ラモンの銃はすり替えてあるが、替えてなかったらダグ死んじゃいますぜ。あんなふうに靴の先でボタン押すなんて・・届かなかったらどうするって思っちゃった。ラモンは逮捕され、気がつくと監獄へ。その前にパリスがサンチェスと名乗って接近し、ビクトリオの死は戦死ではなく、フエゴやロドリゲス大佐による暗殺と吹き込んである。一方フエゴ達はラモンが姿消したのをいぶかしみ、捜す。監獄では頼みの目撃者ダナは嘘の証言をし、パリスは老けメイクでサンチェスの父として登場し、ラモンの父親は生きていると吹き込む。バーニーとダグは例の棺を天井から吊り上げ、なかみを人形に入れ替え、また吊り下ろす。守衛四人は背を向け、棺を見ていないとは言え、大きくて重い棺を動かせば、いくら何でも気づくはずだ。空気が動くし、ウインチも全く音がしないなんてありえない。監獄から脱出したラモンは棺を壊し、遺体が人形なのを知る。療養所で廃人同様になっている父を見たラモンは、叔父達に復讐するため、条約書を盗み出す。今回はいつものメンバーの他に、ニセの秘密警察官や、ラモンの父、修道女などいろいろ出てくる。いつもより人件費がかかっております。ラモンが去ると父のニセモノや修道女は大急ぎで変装を解いていたけど、ラモンが(気を変えて)引き返して来たらどうするのかね。ラモン役はジョン・ヴァーノン。「インセクト」に出ていた人。この頃はまだ若く、青い目が印象的。いつも悪役だが、彼なら大人のラブコメディーもいけそう。今回はフエゴもロドリゲスもあまり悪党には見えず、だまされまくりのラモンもちょっぴり気の毒に思えてくる。冷酷な性格だってのはところどころ強調されてたけどね。

スパイ大作戦5の13 知り過ぎた娘

今回はフランスあたりが舞台か。リストを手に入れ、組織を壊滅させるのがミッション。麻薬組織のボス、ゼンブラは病気で死が近い。後継者候補はカルロスとポール。カルロスはゼンブラの孫イブと婚約している。ポールはアメリカから来るが、整形手術を受けて顔が変わったのを利用し、パリスがりすます。髪の色くらい同じにすりゃいいのに。ゼンブラは後継者はカルロスと決めているし、イブは身のまわりで起きること・・特に殺しには心を痛めているが、育ててくれた祖父には愛情を感じているので、自分からは行動起こさない。見ている方は贅沢な暮らし失いたくないんでしょ・・と、意地悪く思うが。彼女は子供の頃ポールが好きだったようで、久しぶりに彼に会えてうれしい。ロルフという犬を飼っていて、当然パリスに吠えかかるが、パリスはこんなこともあろうかとポールの上着を着ていたので犬も大人しくなるが、上着だけじゃ足りない気も。ズボンもパンツも・・。ダナは看護師として入り込み、バーニーはゼンブラの命を狙う殺し屋の役。パリスが阻止し、ポールの株を上げる。警備担当のカルロスの株は下がる。ジムとウィリーは合併を持ちかけるフランスの組織に扮し、ポールの出現がおもしろくないカルロスに揺さぶりをかける。彼が裏切るよう持っていき、ゼンブラがポールを後継者に決め、リストを渡すという流れ。途中イブはポールがニセモノなのに気づくが、なぜか黙っている。パリスやジムが芝居しているのだとわかっている。その彼女をどうやって説得し、協力させるのか。彼女はゼンブラの悪事を聞かされても、結局祖父のそばにいることを選ぶ。自由になり、自立するのは祖父が死んでから、それまでは・・。カルロスが始末されるが、メンバーは知らん顔。リストさえ手に入ればいいらしい。ゼンブラ達を殺人未遂で逮捕し、カルロスに洗いざらい悪事を吐かせるという方法もあったのに。ゼンブラの部下の殺し屋役はニコラス・ジョージアーデ。テレビシリーズの「アンタッチャブル」に出ていた人。こういうキャラはたいてい死ぬけど、最後まで生き残っていたな。

スパイ大作戦5の14 死の商人

ミッションは死の商人アンダーサリアン(ジョージ・サンダース)を再起不能にすること。国防省のビルに侵入していたジムは、窓から抜け出したところを警備員につかまってしまう。こりゃ計画に重大な狂いが生じるのかなと思ったら、その後の展開見てると、つかまったからうまくいった・・みたいな。地中海沿岸のどこやらのカジノに、名ギャンブラー、クロールに扮したパリスが乗り込む。バーニーが作ったインチキをするための機械(いちおうコンピューター)があって、誰が何のカード持ってるかという情報が、パリスかけているメガネを通して伝る。アンダーサリアンを破産させるつもりらしい。違法な武器は香港から来る。取引相手の人は見たことがある。「ブレードランナー」などに出ていたジェームズ・ホンだ。尋問を受けていたジムは、戦時中アンダーサリアンの命を助けたテルマン大佐としてあっさり彼の信頼を得、釈放してもらう。テルマンは通信センターをドイツに持ち帰ったことがある。彼が今こんなところにいるのは隣国にある最新鋭のレーダー基地が目当てに違いない。この国へ運べば政府が金払ってくれる。安く買って高く売れば利益はたんまり。テルマンへの支払いは500万ドルだが、アンダーサリアンの部下はそれだと武器が買えなくなると心配する。アンダーサリアンの妻ニコールは贅沢な暮らしをしているが、酒浸り。愛情より金儲け優先のアンダーサリアンへの不満はつのる。おまけにヘレンとかいう若いギャンブラー(ダナ)がいて、浮気されるのではと心配でしょうがない。いろいろ嗅ぎ回ったらヘレンの部屋にはクロールがいて、妙な機械もある。彼らはぐるで、機械を使ってインチキをしていたのだ!これを聞いたアンダーサリアンは、自分の補聴器の周波数をいじって、バーニーの指示が聞こえるようにする。これで大きく賭けてもクロールに勝つことができる。ジム達の方はハリボテのレーダー機器をアンダーサリアンの部下に売りつけ、500万ドルを持ってトンズラ。こうなったら武器の代金はカードで・・と、アンダーサリアンを追い込む。途中ニコールがなぜかテーブルに水をこぼし、そのせいでコンピューターが故障。パリスは自力で勝つしか方法がなくなる。あの~でもアンダーサリアンからだまし取った500万があるよね。万一パリスが負けても彼が弁償とはならないよね。そんな状態じゃハラハラもドキドキもしませんて。

スパイ大作戦5の15 黒い犯罪組織

バーニーの兄は記者か。母親もまだ生きていて、休みがあると兄弟で釣りに行ったりするらしい。でも家族はバーニーのホントの仕事知らないんだろうな。久しぶりに会った直後、爆発が起きて兄は死んでしまう。犯人は黒人組織のトップ、コーリーと、所轄警察のアボット署長。兄は何やら暴こうとしていて、バーニーは心配していたのだが・・。と言うわけで今回は通常のミッションではなく、友情から。持つべきものは仲間・・ってか。コーリーの会計士ゴズリンは妻をなくし、心霊術にはまっている。パリスとダナが妻クレアの霊を装い、ゴズリンに危険が迫っていると警告。バーニーはコーリーの秘書ミリーに近づき、そのうち会計士におさまる。細工してゴズリンを陥れ、追いめられた彼が保身のため情報盗むよう仕向ける。インチキ降霊会はばかばかしいが、ゴズリンはよっぽど妻を愛していたんだな・・と、気の毒に思えた。爆発の実行犯はハンプ。ミリーに気があるらしくバーニーの出現は気に食わないが、ミリーはぐんぐんバーニーに惹かれていく。後でコーリーはミリーのことを署長のスパイだったのかとか言っていたが、彼女のことはよくわからない。コーリーは表向きは保険会社装っているが、裏では麻薬を売っている。彼女は犯罪や人殺しが行なわれていることを承知で働いている。バーニーの経歴・・前科がいっぱいあって手配中でもある・・を知っても驚かず、会計士としてここで働くよう勧める。金を稼げるから・・と、後ろめたさは全然感じていないようだ。あれこれあるのだが、見ていてもよくわからない。ジム達を見る度、今回はタダ働きなんだわ・・と、余計なこと考えてしまう。最終的にはコーリー達を検事局へ。スキャンロン検事も起訴に持ち込めると太鼓判。兄の復讐は成ったわけだが、バーニーの心は晴れない。だまされていたと知ったミリーは怒る。バーニーの命を助けようとしたことが情状酌量され、刑期は二、三年短くしてもらえるだろうなんて慰めにもならないこと言われてたけど、怒りはおさまらない。だって彼女は自分が悪いことしてたなんて思ってないし、刑務所行くなんてありえな~い。悪いのは自分をだましたバーニー。兄が殺された?それが何だってのよって感じ。演じているアビー・リンカーンはジャズ・ボーカリストらしい。目も口も大きい。鼻の穴も大きく、吸い込まれそうだ。

スパイ大作戦5の16 銃殺

あるミッションを終え、パリスは帰国するためアメリカ領事館を出、タクシーに乗ったところを拉致される。彼は今回の任務ではホテル王フェイランを名乗っており、新聞にもでかでかと写真が載っている。カツラやメガネで変装しているのならともかく素顔が・・。これで他のところで仕事をしていてもスパイとばれないの不思議だが、考えてみりゃ今と違ってネットで写真や動画が瞬時に拡散するわけでもないしな。さて、いつもなら政府が悪役だが今回は違う。どこの国か不明だが、パリスを拉致したのは人民革命戦線。リーダーはホルゲだが、どちらかと言うと元医学生のシオムネイが主導している。フェイランと三人の服役囚を交換しろというのが要求。三人のうちの一人はホルゲの息子ルイス。シオムネイ達のいる本部の位置がわからないのでジム達も動きようがないが、パリスは何かの実を食べて熱を出し、ホジキン病だと偽る。その治療薬(なかみはビタミン剤)をバーニーとダグがヘリで指定された場所に投下。薬ビンのフタに発信器が仕かけてあって、本部の位置を特定。直接交流できない状態で、メンバー双方がどこまで意思を通じ合えるかが今回の見どころ。パリスが電話メッセージに込めた暗号などもう少し説明して欲しかったがスルー。また、本部の正確な位置がわかったわけだが、それを政府に伝えるのか。ホルゲ側にとっては大打撃だが・・。それはともかく政府は人質交換には応じないので、ジム達はかなり思いきった行動に出る。三人を数時間おきに処刑するが、直前に人形とすり替える。テレビ中継を見ているホルゲ達にはそんなことわからない。息子は助けたいけどリーダーとして個人的な感情は殺さなきゃならないしで、心が揺れ動きつらい思いをするホルゲ。それに比べシオムネイは家族がどうなるわけでもないから、ルイスの恋人として現われたダナを疑ったり冷静。結局囚人三人は怖い思いをしたあげく刑務所へ逆戻りなわけだが、処刑はされずにすんだ。死者を一人も出さない方法だったのはよかったと思う。革命戦線がなぜ政府に抵抗していのかは不明だが、頭のいいシオムネイがいなくなれば弱体化していくだろう。

スパイ大作戦5の17 市長室乗っ取り

今回は学生運動だ。こんな分野までやるのだ。学生運動自体は別に押さえつける必要はないのだが、中にはビリーのように金をもらって扇動する者もいる。副市長のペックは、市長のトールマンを知事にしたい。ビリーによって起きた暴動をトールマンがうまくおさめ、点数を稼げば、現知事を破れる。ロス警部補も仲間だ。トールマンは気が弱く、ペックの言いなり。見ている我々は不思議に思う。ペックはなぜ知事選に立候補しないのだろう・・と。表に出たくない性格だからというだけでは説得力がない。賄賂ががっぽがっぽ懐に入ってくるからというのならわかるが。まず車のトランクに武器をいっぱい積んだダグがわざとつかまる。ダグのボスとしてジムが資産家を装ってペック達に近づく。ダナはトールマンの隠し子として近づき、金を要求する。ダナは活動家としてビリーにも近づく。バーニーは暴動鎮圧のため、知事から派遣されてきた男に。ダナの提案で学生達は立大学ではなく市長室に立てこもる。パリスはトールマンに変装する。ビリーは市長室に爆弾を仕かけ、ダナを含め学生達を殺すつもり。その一方でバーニーを狙撃するつもり。最後の方はわりとあっけない。バーニーはあっさり爆弾を解除。これじゃドキドキもハラハラもしない。それにしてもダナは昔の恋人の娘になることが多いな。相手の持ってる後ろめたさのようなものにつけ込む。死んだはずなのにいきなり現われて金をせびられれば当然詐欺を疑うはずだが、トールマンはそうならない。金を渡しちゃう。学生もろとも娘を殺すと言われた時にはびっくりするが、強いて反対もできない。どこまでも優柔不断な男なのだが、見ていてかわいそうになってくる。パリスのニセトールマンが場をおさめる間・・ロスとペックが逮捕される間・・本物は何もできない。パリスが仮面を剥ぎ、自分がだまされ、利用されていたことに気づく。娘の存在もウソと知り、がっかり。このトールマン役の人はよく見かけた。ロイド・ボックナー・・チェザーレ・ダノーヴァをちょっと若々しくした感じで、なかなかの男前ではあるのだが、スケールの大きさはなくこぢんまりしたイメージ。

スパイ大作戦5の18 敵の作戦に乗れ

リードという男が兵器テストセンターの視察に来ることになっているが、実は彼はスパイで、ミサイルの誘導装置の情報を盗むのが目的。秘書のドリスが妻子持ちのウィラードを誘惑し、骨抜きにしてある。これをネタに脅迫し、装置の写真や設計図を・・というわけだ。所長の協力のもと、その作戦に乗ってやれ。向こうが顔を知らないのを利用し、ダナがドリスに、ジムがウィラードに。ドリスはスパイ容疑で逮捕され、ウィラードは解任・・つまりクビってことか。妙なことに門衛はドリスのIDを見せたダナをやすやすと通す。朝通った時とは別人ですぜ。職員が多いから顔いちいち覚えてないってことかもしれないが、美人のドリスは目立つ。絶対記憶しているはずなんだけどな。さて、ダナの乗った車が故障。仕方なく修理工場へ。彼女を見かけた整備員は「マーリン」とつぶやく。ダナのことはパリスが見張っているが、この青年ジョニーのことは気づいていない。リードはウィラードをもっと追いめたいと、ダナと一緒のところを写真にとったり会話を録音したり。仕事柄ダナは毎回のようにキスをするが、今回はジムと。メンバーどうしでというのは珍しい。用がすめばウィラードは始末されるに決まっている。どうやら写真のネガを取りに行かせ、暗室に閉じ込めて焼き殺すつもりらしい。バーニーが閉じ込められ、危うく焼け死ぬところを、ウィリーが怪力で扉をこじ開け、救出する。ただこれは予備の計画で、その前に車に細工をし、事故を起こさせようというのがメインの計画。それを知らせようとしたダナはジョニーに拉致されてしまう。こらパリス、ちゃんと見張っていなきゃだめじゃん。目を覚ますと修理工場で見かけた青年。壁に貼られた新聞の切り抜きには殺人鬼ジョニー・ベッカーとある。いや、貼るにしても自分のこと殺人鬼って書いてある記事は貼らないと思うけど。だって彼は自分が殺人鬼とは思っていないと思うよ。とにかくダナは彼が殺したマーリンという女性にそっくりらしい。この後ダナがジョニーのために料理をし、逃げ出すスキをうかがう。リードにはニセの情報をつかませ、病院から脱走していたジョニーもつかまえ、任務は終了。ジョニー役はジョン・ベック。どこかで見たような人だ。ウィラード役はバリー・コー。

スパイ大作戦5の19 暗号名”キタラ”

西アフリカのボタモでダーシーという男がつかまる。コーラー大佐は、ダーシーが暗号名”キタラ”と呼ばれる自由運動のリーダーだと確信している。キタラは運動資金にと金塊を盗んでどこかに隠しているはず。ここは人種差別の激しい地域で、今回はそれを利用している。白人のコーラーを、特殊な薬と滅菌装置で黒人に変えてしまう。彼は5歳で孤児院に入り、努力して今日の地位に。今は将軍の地位を狙っている。二年前には妊娠中の妻が事故死。そういった過去を利用し、彼は黒人の血がまじっているが、それを隠しているというふうに持っていく。隔世遺伝などで、肌の色が違う子供が生まれるというのは、「白いカラス」などがそうだった。今回は薬と光で一時的にだが、一晩のうちに白人から黒人へ・・皮膚の色が変わってしまうというのは、実際にあるのだろうか。とにかく本人にとっては大ショックだろう。孤児という過去を利用して、さらに別の記憶を植えつけるなど、一人の人間の人格を傷つける、あらゆる操作がなされる。それまでのコーラーがいばりくさった圧制者だとは言え、どうも単純にいい気味だとは思えないのよ。ラストは、おまけだとばかりに、実はキタラはコーラーだったというふうに持っていく。今回ウィリーはお休み。拷問のため、炎天下の中、鉄の箱に入れられるダーシー。バーニーがこそ泥に入ってわざとつかまり、隣りの箱に。金塊のありかを聞き出すのは、スワヒリ語によるモールス信号。バーニーはスワヒリ語わかるのかね。と言うか、ダーシーに味方だと信じてもらうのは大変だったと思うが、どう説得したのかは不明。カンカンコンコンですませる。コーラー役ローレンス・ドブキンはジェームズ・デイリーとユル・ブリンナーをミックスしたような感じ。坊主頭で目が鋭い。部下のマックスフィールド大尉役レックス・ホルマンはなかなかのハンサム。西部劇の出演が多いようだ。ダーシー役ロバート・ドクーはよく見かける。「ロボコップ」に三作とも出ている。執事のジェイソン・ウィングリーンがこれまたよく見かける人。

スパイ大作戦5の20 地雷原突破!

今回ウィリーはお休み。この頃のエピソードは出来なんかどうでもよくて、サム・エリオットの美男ぶりに見とれていりゃいい。アドリア海のある島に敵性国家の人工衛星コントロール基地がある。まわりには地雷がいっぱい埋めてあって、近づくことができない。衛星には核爆弾が積んである。バーニーが基地の中に忍び込んで、コンピューターをいじくって、衛星が軌道をはずれて落ちてくるようにする。そのためには、入る時と出る時、地雷のスイッチが切られていなくてはならない。これを設計したのはアメリカから亡命したノリス。基地の連中はノリスの顔を知らないので、今回パリスは変装せずそのまま島へ。ただ、ノリスは親しくなった歌手のキャサリンを殺していたため、警察が乗り出し、ややこしいことになる。あいにくなことにコダール警部はノリスの顔を知っている。島から連れ戻されたパリスが彼と会ったら、ニセモノとばれてしまう。おまけにバーニーは仕事がすんだのに地雷原のスイッチが入ったため、戻れなくなってしまった。早くパリスが島に戻ってスイッチを切らなければ。ノリスがキャサリンを殺したのは、スパイだと見抜いたため。キャサリンを近づけたのは警部達。警部にそれを命令したのは軍の上層部。いくら亡命したからってアメリカ人をそのまま信用するはずがない。監視がつくことぐらいノリスにもわかりそうなものだ。今回の見どころは、ダナが事件の目撃者として登場し、証言するのをパリスが注意深く聞いていて、実はダナが殺したというふうに持っていくところ。警部補達の前だから打ち合わせもできない。相手の意図を読み取り、即興で芝居をするのだ。ここはよかった。バーニーは余計なことはせず、パリスが戻ってくるまでじっと待機。落ちてきた衛星を見てニッコリ。コダール警部役はミルトン・セルツァー。胃薬みたいな名前だな。ラブ警部補役マイケル・ベースレオンは渋くてステキ。いい人そうなストロム大尉役はH・M・ワイナント。ノリス役はデニー・ミラー。パリスは自分とノリスじゃ体格が違いすぎると言っていたけど、ミラーはターザン役をやったことがあるようで、筋肉質なのだろう。

スパイ大作戦5の21 革命の黒幕

スパイ大作戦5の22 消えた汚染死体

今回は少々変わっている。ベインブリッジの息子ハワードは東側に亡命し、特殊な神経ガスの製造に関わっていたが、事故でガスを浴び、死ぬ前に息子ポールに一目会いたいと、鉄のカーテンを抜けて戻る。しかしベインブリッジは許さず、争っているうちにはずみでハワードを殺してしまう。ミッションはハワードの死体を見つけること。戻る際彼は書類を破棄したため、神経ガスの手がかりになるのは死体だけ。東側からも死体を狙ってスパイが送り込まれている。警備主任のサンドラーだ。ベインブリッジの所有地は2000エーカーもあるから、幽霊を見させて良心のかしゃくに耐えきれなくさせ、死体を掘り出すよう持っていく。冒頭部分は「刑事コロンボ」を見ているような感じにさせられる。幽霊作戦はいつものことだが、フルートならぬオーボエの音が聞こえてくるのは「悪魔が来りて笛を吹く」みたいだ。ジムがポールの家庭教師として屋敷に入り込むが、ポールは何か隠しているようだ。屋根裏へ通じる部屋からポールの笑い声が聞こえてくるというのは、メンバーの把握していないことが起きているってことで、ここもいつもと違っている。家政婦のフォスターが東側のスパイというのも想定外。どうも今回は下調べが十分ではなかったようだ。フォスターの正体を見落とすなんて普通はありえない。そのうち細工が効を奏して、ベインブリッジは死体を掘り出す。ところが・・あるはずの死体がない!結局ハワードは死んではおらず、どうせ死ぬならポールと一緒に過ごしたいと、屋敷に隠れていたことがわかる。ジムはまだ望みはある、解毒剤が作れるかもと励ますが・・。ガスを浴びて、アメリカへ戻り(そもそもどうやって鉄のカーテンを抜け出したのだ?)、ジム達に見つかるまでかなりの日数たってる。あの後解毒剤が開発されるまで生き延びられたとは思えんが・・。それにしても某国は研究・開発のために資金や設備用意して、それで逃げられちゃったのだから踏んだり蹴ったりだよな。ベインブリッジ役アンドリュー・ダガンは、息子と対立する頑固おやじの役が多いな。ハワードはフランク・ファーマー、フォスターはマリオン・ロス。ところでベインブリッジの指輪を交換したのは何のためだったのだろう。

スパイ大作戦5の23 偽装パーティー

今回はあまりおもしろくない。位置関係がよくわからん。ここはどこ?アメリカ?それとも東ヨーロッパ人民共和国?ヴァーニン大佐がつかまる。その直前、電話で妻オルガに6ケタの数字を伝える。アメリカで使っているスパイのリストのありかなのだが、これだけでは捜しようがない。大佐は自己催眠をかけて記憶を消したので、数字を聞いても何のことかわからない。自己催眠を解くにはオルガに数字を言ってもらうしかないのか。現在の彼は20年の刑を言い渡され、服役中。まずスパイ交換のため本国に送還するということにして、ジムとダグが大佐を刑務所から領事館へ移す。領事館では革命25周年を記念するパーティをやっていて、ダナが接待する。事前にバーニーが爆弾を仕かけたフリをし、そのため領事のミシェンコ達は避難する。パーティも延期する。館が空っぽになったところで、味方の連中が地下道を伝って入り込み(それと言うのも、館の近くでミシェンコが爆弾解除を待って見張っているからだが)、ニセのパーティをくり広げるわけ。一方パリスは秘密警察と偽ってオルガをアメリカへ連れてくる。すでに身元がばれているのに、どうやって出国手続きすませたのかいな。ともかくパーティの席上で夫婦は再会、喜び合うが・・。ここらへんでやっとからくりがわかるが、それまでは前に書いたようにここはどこ状態。冒頭の電話部分はアメリカでのことで、この時点ではオルガもアメリカに・・領事館にいたんだな。ダナはたったあれだけのことのために東ヨーロッパなんちゃらへ行き、すぐアメリカへ戻ったわけ?ヴァーニン大佐役フランク・マースはよく見かけた人。ナチの将校とかそういうのがぴったりの顔立ち。オルガ役はアントワネット・バウアー。「スパイ大作戦」には何度か出ているし、いろんな番組にゲスト出演している。昔はずいぶんシワだらけの人だな・・と思ったものだが、今見るとなかなかの美人。ミシェンコ役アルフレッド・ライダーは三谷昇氏にそっくりだ。秘書ヴァレンコフ役の人はどこかで見たような・・。「ポリアカ」シリーズで、タックルベリーが結婚するカークランドの父親やってた人だ!結局あの数字はバスの番号。リストは座席の下に隠してあった。でも、廃車になったらどうするつもりだったの?まあ大佐にとってはリストのありかが不明というのが大事で。見つかったらアメリカにとっても本国にとっても彼はもう用なしで。それが一番困ることで。