シリアル・ママ

シリアル・ママ

これはどこの中古ビデオ売場にもあった。本当にどこへ行ってもあったので、こりゃ買わなきゃという気にさせられて、買ってしまった。一回見て、まあおもしろかったけどそのままほったらかし。久しぶりに見たわけだが、ネットで調べてみたらいつの間にかDVDもブルーレイも出ていて。メイキングやコメンタリー付きかぁ・・見たいなあ。ついでに太って別人のようになったキャスリーン・ターナーの写真もあったが、いったいどうしちゃったのかな。冒頭とラストに、これは事実・・みたいな、ビヴァリーが実在するかのような字幕が出るので、私もそう思っていたが、これは作り手のウソ、おふざけらしい。毒のあるコメディーとして楽しめる人もいれば、受けつけない人もいるようで、万人向けじゃない。家族揃って見ても大丈夫という内容じゃない。ビヴァリー(ターナー)は明るくて家庭的な主婦。夫のユージーン(サム・ウォーターストン)は歯科医。息子チップ(マシュー・リラード)は高校生か。ホラー映画大好きで、ビデオ店でアルバイトをしている。太っちょの娘ミスティ(リッキー・レイク)にはカールというボーイフレンドがいる。近所のヒンクル夫人はわいせつな手紙や電話に悩まされており、ビヴァリーのところにも刑事が聞き込みに来る。ヒンクル夫人をいじめているのはビヴァリー。以前、駐車場で横入りされたのを恨んでいる。学校で教師のスタビンズに、家庭に問題がある、チップを精神科医に見せろと言われたビヴァリーは、彼をひき殺す。ミスティをふって新しいガールフレンドといちゃつくカールを、火かき棒で突き殺す。夫とバードウォッチングに行くはずが、ラルフの歯痛でおじゃんに。無理に治療させておきながら、甘いものを食べ、歯科医の悪口まで!こりゃ許せんと妻もろとも殺す。ビデオ店で巻き戻しをせず返却した老女を殴り殺し、それを目撃したチップの友人スコッティを焼き殺す。後半この六人の殺害容疑で裁判にかけられるが、ビヴァリーは弁護士をクビにし、自分で自分を弁護し、無罪を勝ち取る。ところがその直後、秋なのに白い靴をはいている陪審員の女性を殺してエンド。

シリアル・ママ2

見ていて思うのは、この七人ですむかなということ。スタビンズ以前にも気に食わない人間はいたはずで。あと、迷惑電話なのに逆探知しないとか、目撃者がいても都合よくヤク中だったり変態だったりで証人として役に立たないとか。ビヴァリーが指紋のこと全然気にしてないとか、見ていておかしなことばかりだが、それは冒頭の字幕にだまされているからで。フィクションならこれらのこともあっさりクリアーできる。それにしてもターナーの演技はすごい。この映画が気に入らなかった人も、彼女の演技だけはけなすわけにはいかないだろう。明るくて生き生きしていて、ちょい太めだけど、そばにもっと太めのリッキー・レイクがいるから目立たない。食事はちゃんと作り、スタビンズには手作りのクッキーを持っていく。ゴミはちゃんと分別し、洗ってから出すから、ゴミ収集のオッサン達とも仲良し。いつもご苦労様とウィスキーか何かの小ビン渡す。ちなみに私がこの映画で一番気に入ってるのは、音楽を聞きながらビヴァリーが楽しそうにゴミを分別するシーン。さて、私達だって日に何度かはあいつは気に食わないとか頭の中で思ってるけど、思うだけで行動はしない。だからビヴァリーの行動にはスカッとさせられるが、一方でそこまでやらなくても・・と思う。スコッティなどは気の毒ですらある。出演者の中ではリラードがスラリと背が高く、若々しく、清涼感がある。ホラー映画が好きだが、別に異常なわけじゃない。でも、裁判が始まるとグッズを売ったりするなどビジネスに精を出し、清涼感は失われる。それに友人が殺されたのに何とも思ってないみたいだし。ミスティの方は男と見れば誰彼見境なしに色目をつかうなど異常。ユージーンも多数の人の命が奪われたことをどう思っているのかな。それに無罪になったとしてもビヴァリーのなかみは全く変わっていない。これからも殺し続けるだろう・・と言うか、早くも陪審員の女性始末しちゃったんだけど。この陪審員の女性やってるのはパトリシア・ハースト。新聞王ハーストの孫娘の事件は有名だけど、映画にも出ていたとは・・。なかなかきれいな人だ。他にスザンヌ・ソマーズ(知らん)。