幸せの教室

幸せの教室

スーパーで働くラリー(トム・ハンクス)は、ある日突然クビに。どうやら大学を出ていないことが原因らしい。彼は独身だが、家のローンがある。再就職しようにも雇ってくれるところはなく、ならばまず学歴を・・と、短期大学へ。経済にはうといし、人前で自分をアピールできるようにと、経済とスピーチのクラスを取る。経済の担当マツタニ役はジョージ・タケイ。年々妖怪じみてきている。スピーチ担当はテイノー(ジュリア・ロバーツ)。彼女の夫はぐうたらで、夫婦仲は荒れ、仕事にも意欲がわかない。出席者が10人に満たないと休講になるのだそうで、彼女は来るとすぐ人数を数える。効率が悪いからという理由らしいが、ちゃんと出てきた学生に失礼だろッ!テイノーの態度はとげとげしいが、学生はさほどワルもおらず、大人しい。ハンクス自身が監督やってるから、出てくる人は善人ばかり。バイクグループのアンチャンもネエチャンもみんないい子。銀行の融資係はハンクスの奥さんリタ・ウィルソンか。ちょこっと出てくるピザボーイは息子のチェット・ハンクスらしい。テイノーの同僚がパム・グリア、ラリーの隣人がセドリック・ジ・エンターティナー。ラリーと仲良くなるタリア役ググ・ンバータ=ローはどこかで見たような。「ミス・マープル」の「無実はさいなむ」のティナだ。タリアはお尻に入れたタトゥーをラリーに見せるが、”醤油”・・ってアンタ。一番びっくりしたのは学生スティーヴ役でラミ・マレックが出ていたこと。相変わらずかわいい!最近では「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーンPart2」に出たらしい。人気スターの仲間入りか!?がんばってくれ!変わったところでは学部長のおっさんが太極拳教えてましたな。糖尿病が治ったそうです。さて、ラリーには学歴はなくても常識や勤勉さがある。ゴミが落ちていれば拾うし、真面目に勉強する。海軍で20年コックをしており、そのうち食堂で働き始める。リストラ、就職難、ローンが払えず家を手放すという悪循環は、今のアメリカの現実か。人種や性別で差別しないと言いつつ、学歴で差別し、効率を理由に切り捨てる。解雇を言い渡す側だった同僚が、次に会った時はピザの配達人。ラリー以上に困っていたというのはブラック。とは言えラリーのピンチは一時的で、すぐにすべて好転する。ここらへんはアメリカらしいノーテンキさ。ハンクスもロバーツもうまい役者なので安心して見ていられる。難を言えば、ラリーの働いている店にテイノーが来て、美しい微笑み浮かべるところで終わりにして欲しかった。その後も続くのは蛇足。