スパイキッズ
これは見るの二度目。前回見た時のおもしろくないという印象が覆るかと思ったけど、やっぱりおもしろくなかった。たぶんアントニオ・バンデラスのイメージはこの映画によって変わったと思う。危険な香りを漂わせるセクシー男。恋人愛人夫というイメージはあっても、パパというイメージはなかったと思う。それがここではやさしくてちょっとドジなパパ。イメチェンという点ではダニー・トレホも同様。凶暴、異常、そんな役ばっかりだったけど、ここではあの顔つきなのに子供達はちっとも怖がらない。弟グレゴリオ(バンデラス)とは疎遠だったけど、実はさびしかったという何ともかわいいところのあるオッサン。グレゴリオとイングリッド(カーラ・グギーノ)はスパイ。敵どうしだったけど恋に落ち、結婚しスパイは引退状態。子供はカルメンとジェニの二人。「4」で10年後の二人を見ているので、子供だった頃の二人を見ると、ああこんな感じだったのかと・・。カルメンはこの頃から大人びている。ジェニはチリチリヘアーと丸い顔がかわいい。グギーノは・・まあ足の細いこと。子供抜きの・・バンデラスとグギーノによるスパイコメディーだったら、もっとおもしろかったかも。こちらは大人が大金使って遊んでるような感じ。もちろん遊んでるわけじゃないけど。ジェニが夢中になっているのがフループ(アラン・カミング)の番組。しかしそこに出てくるキャラは、実はOSSのスパイ達。つまりグレゴリオの同僚。フループによって姿を変えられてしまった。”第三の脳”というのがあって、スパイの叡知を詰め込んである。リスプ(ロバート・パトリック)は大金を出し、フループに軍隊を作らせ、各国に売り込もうとしている。しかしフループは自分の番組の視聴率の方が気になる。とは言えリスプにせかされ、作ったのが大統領や首相の子供にそっくりなコピーロボット・・スパイキッズ。そのうちカルメンやジェニのコピーも。はあ~でも・・おもしろくないんですわ。困ったな。フループは途中で味方に。彼の部下ミニオン(トニー・シャルーブ)が実は元OSSで、一番の悪人でしたとさ。ラスト、ジョージ・クルーニーがちょこっと。スパイグッズで硫酸クレヨンが出てきたのが気になった。硫酸なんて危ないでしょ。
スパイキッズ2 失われた夢の島
「サンダーバード」実写版が公開された時、多くの人が「スパイキッズ」と同じ・・と書いていた。あっちは大ヒットして「3」まで作られたのに、何で「サンダーバード」は大コケなのさ!「1」はWOWOWで見た。マット(マシュー)・オリアリー君が出ているという情報を密かに入手した(どこからだよ)私は、目をこらして見ていたわけですの。でも・・見当たらんかった。それもそのはず彼が出ているのは「2」と「3」なのさッ!「1」はどうってことなくて、何でこれがヒットし、あっちはコケたんだろ・・納得いかん。アントニオ・バンデラスがこういうのに出るという目新しさはあるけど、それ以外は別に・・。「2」もどうってことなくて子供が四人・・いや、大統領の娘も入れると五人か・・子供だからモタモタしてるし、演技は時々学芸会。・・でもいいんでーす。オリアリー君見てるだけで幸せ。色白で肌がきれい、顔が小さくてすらっとした体つき。主役のコルテス姉弟のライバルとして登場。妹役はエミリー・オスメント。あのハーレー君の妹ですってよ。最初見た時は全然知らなくて、鼻とか口とかウサギみたいで「あれ?誰かに似ているぞ・・」と。二回目に監督のコメンタリー聞いて知ったわけ。ハーレー君は女の子みたいにやさしい顔立ちが特徴だけど、エミリーちゃんは逆に女の子なのに男っぽい顔つき。ふてぶてしく強情そう。憎まれ役がぴったり。でも憎たらしく見せといて最後ちゃんと引っくり返るおいしい役。ハーレー君の瞳ウルウルけなげキャラとは違う生意気キャラがこれからも楽しみ。オリアリー君はステキだったけど、ラクダのフンに埋まっているシーンは削除して欲しかった。彼にこんなことさせちゃいけません。冒涜です。「神の手」が許しませんッ!冒頭いきなりビル・パクストンが出てきてびっくり~。オリアリー君のふるった斧で死んだはずだぜ「フレイルティー」のパパ。コメンタリーによるとパクストンが監督にオリアリー君推薦したらしい。面倒見がいいんだわー彼。ますますパクストン好きになっちゃう。今回は調子のいい南部男役。こういう軽い役もやるんですね。冒頭だけかと思ったらエンドロールの後また出てきた。でも公開された時は最後まで見ないで席を立っちゃった人も多いんだろうな。バンデラスは今回はくたびれていないのでよかった。明るく家族思いで時々すねちゃうさびしがりやでかわいいパパ。
スパイキッズ2 失われた夢の島2
爆発ヘアとかつけヒゲとか細かいギャグで笑わせてくれる。ケンカして倒れるところもグー。ママ役カーラ・グギーノはますますセクシーで美しい。彼女ジュリア・ロバーツとサリー・フィールドに似ていて、ゴージャスなような庶民的なような。この映画でも、きれいでグラマーなんだけど強烈な印象はない。かえって彼女の母親、つまり子供達にとってはおばあちゃんの役のホランド・テイラーの方が印象強烈。この人もどっかで見たような人で、「ジャングル・ジョージ」でアーシュラのママやってた。おじいちゃん役はリカルド・モンタルバン。もう80過ぎていて、体調もあんまりよくないそうで(この映画でも車椅子に乗ってる)ちょっと心配だが、「3」にも出てるし、今のところは生きているようだ。他にスティーヴ・ブシェミ。相変わらずブシェミ・・いや、ブキミです。レンズの割れたメガネがかわいい。怪獣になつかれるほのぼのシーンが最高!子供向け映画ということもあってモタモタしてるし、はじけるような爽快感もないのだが、大人が楽しめる部分はちゃんとある。ガイコツと戦うところはハリーハウゼンの「アルゴ探検隊の大冒険」、他に「SF巨大生物の島」とか。先日テレビ東京でやったので見たが、何度見てもおもしろい。頭蓋骨がはずれたり、くるくる回ったりするのもお約束。猿とクモを合成した生き物は「ハム2」のスコーピオン・キングみたいだし、ラルフという昆虫型メカはスパイダーマンみたいな動き。大統領の娘が危険な最新機器を持ち出すのは「エスケープ・フロム・L.A.」、ミニブタドリが空を飛んでるのは「千と千尋の神隠し」でも小さいのが飛んでいたような・・。トンボ型潜水艦の細い胴部分や赤い潜水服(?)は「2001年宇宙の旅」のディスカバリー号や宇宙服思い出させる。ミニ動物は「フランケンシュタインの花嫁」のミニ人間みたいだし、いろんなものが詰まっている宝箱のように楽しめる。見ている子供にサービスしていると言うより、作り手自身が子供の頃からの夢実現して楽しんでいるという感じなの。子供の頃読んだ本、見た映画、夢に見たこと、実際に経験したこと・・それらが元になってできているんだと思う。だから大人も楽しめる。そしてこういう映画を見た子供が大きくなって、これらを背景にしてまた別のものを作るかもしれない。・・こういうのも一種の次世代への遺産だろうな。
スパイキッズ3-D:ゲームオーバー
ロボットの試合とか溶岩上のサーフィンとかの部分は早送りした。二回目見る時ここはつまらないからと早送りすることはあるけど、一回目からと言うのは・・。いかにつまらないかの証明。いったいどうしちゃったんだろう。この映画ほとんどロケをしていないのでは?ほとんど合成。極限まで行っちゃいました映画。それも悪い方に・・。顔ぶれはやたら豪華で、「1」「2」のゲスト達がつき合いよく出てくれている。スティーヴ・ブキミ、ビル・パックンチョ、アラン・仮眠グス、そして今回は何とジョージ・クルクルニー、シルベスター・スタスタローン、サルマ・ハエックス-MENファイナル ディシジョン、イヤイヤ・ウッド。・・特にスタローンは何役やったのかな。豪華ゲスト、目くるめく人工的な映像、おまけに3-D、さらにおまけに超人気シリーズ第3弾!・・しかし・・私にはチョーおもしろくなかったです。ほとんどの部分学芸会。悪いけどつき合ってらんない。監督のバカ、どうしようもないものにお金かけてるとしか思えない。たまに・・例えばイライジャ・ウッドが突然出てくると(すぐに消えるんだけどさ)わかるでしょ。セリフ・表情・しぐさ・・おふざけ役だとしても演技の基盤がしっかりしているのがわかる。映画である以上中心はしっかりしていなくてはならない。ジェニ役の子はよくやっていると思うけど、現実世界(まわりに自然とか建物があって人がいて家具があって・・)なら何とかなるけど、何もない非現実的なゲームの世界に置かれると、彼一人ががんばったってだめなの。その上まわりの子がへたくそだからモタモタ学芸会状態。そこへイライジャが現われると、中心になるものができて、とたんに画面がびしっと締まるのよ。スターってそういうものなのだと思う。クルーニーはハンサムだしスタローンはいい味出してる。サルマはNGシーンがおかしかった。ヴァーチャルじゃなくて現実世界のあれこれだったら、この顔ぶれできっとおもしろいものができたと思う。ずーっとモタモタしていて、ラスト近くになってやっとテーマらしきものが披露される。おじいちゃん(今回大活躍)が歩けなくなったわけが明かされ、「復讐」ではなく「許す」ことの大事さが強調される。感動的なのだがそこへ行くまでがねえ・・。まあ私はオリアリー君目当てで見たので別にいいですけど。ほとんど出てこないけど順調にステキに成長してましたからウフ。
スパイキッズ4:ワールドタイム・ミッション
メンバーを一新したのかなと思ったら、成長したカルメンとジェニが出てくる。マリッサはカルメン達の叔母という設定。彼女は臨月だというのにOSSの任務をこなす。演じているジェシカ・アルバは、スタイルと言い美貌と言いパーフェクト!まばゆいばかりに白い歯、きりっとしていて、それでいて表情豊かな目。夫のウィルバーは彼女がスパイだとは知らない。まあ出産を機に彼女は引退したんだけど。いちおうインテリア・コーディネーターらしい。ウィルバーは最初の妻をなくし、マリッサと再婚して二年になる。娘のレベッカと息子のセシルは全然似てないが双子。セシルは耳が悪く補聴器をつけているが、量子力学の本を読んでいたりする。レベッカはマリッサが何か隠していると疑っていて、打ち解けてくれない。巷ではアルマゲドン装置のせいで時間の進み具合がおかしくなってきている。チックタックやタイムキーパーの仕業だ。装置を止めるのに必要なクロノスサファイアはマリッサがレベッカに贈ったネックレスについているが、タイムキーパー達に奪われてしまった。さあ大変・・と言うか、なぜマリッサがクロノスサファイアを持っていたのかね。家に秘密のパニック・ルームがあるとか、飼い犬が実はロボットとか、先代のスパイキッズが使った小道具とかそういうものの他に、子供の喜びそうなもの・・オナラにウンチ、ゲロネタもいっぱい。驚くほど大人びたカルメン。演じているアレクサ・ヴェガはアルバより年上に見える。ジェニ役ダリル・サバラはがっちりした体つき、ハンサムではないけれど一癖ありげないい顔をしている。子役のうちレベッカは生意気でかわいげがない。セシル役メイソン・クックは小柄で目が大きい。もう10年たってるからだいぶ変わったことだろう。クライマックスは意外と盛り上がらない。チックタックとタイムキーパーとその部下達とOSSの局長(ジェレミー・ピヴェン)が同一人物だったというのは、意外と言うより混乱を増す。時間を扱うのって難しい。ダニー・トレホがちょこっとうつる。ウィルバー役ジョエル・マクヘイルはどこかで見たような・・。調べたら「NY心霊捜査官」のバトラーだった。主役のエリック・バナよりカッコよかった刺青アンチャン。こちらのウィルバーは全然魅力がなく残念。まあ何たってアルバが光り輝いているんだもん、かすんじゃいますな。