最高の人生の見つけ方

最高の人生の見つけ方

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの顔合わせ・・それだけがすべての映画。どっちも名優だからそれなりのもの見せてくれる。失望することはまずない。二人が演じるキャラは、二人が持ってるイメージそのまんま。ニコルソンのエドワードは実業家。事業は何もかもうまくいき、大金持ちだが家族はいない。四回も結婚したが長続きせず、娘が一人いるものの疎遠になってる。ごうまんでいばりくさっているが孤独。フリーマンのカーターは車の整備士。本当は大学教授になりたかったが、大学一年目に恋人が妊娠。学業どころではなく、家族養うために働き始め、気がつけば老人になっていた。性格は真面目でおだやか。一度も浮気せず妻一筋。子供はりっぱに成長し、孫もいる幸せな家庭。読書家で博識。テレビのクイズ番組が好き。住む世界が異なる二人だが、末期ガンとわかり入院。エドワードにとっては自分の病院だが、誰も特別扱いはしないという自分が掲げたスローガンのせいで個室に入れず、カーターとの二人部屋。最初は波長の合わない二人だが、そのうち仲良くなる。カーターが書いたメモ・・棺桶リスト・・をエドワードが読み、こりゃおもしろいどうせ死ぬなら何でもやろう・・と。そういうコメディーだが、ガンの現実も描かれる。私が一番印象的だったのは、カーターが長く入院し、いろいろな薬を試されていて、詳しいことを医者から話して欲しいのに、それがされないでいること。薬をいろいろ変えて試すというのは去年亡くなった義兄もそうだった。どの薬がその患者のガンに効くかはすぐにはわからない。とにかく時間がかかり、その間にも病状は悪化。そのうち死んでしまうという感じ。まあある程度は運命だから仕方ないとあきらめるしかないが、説明する医師の態度がねえ・・。患者や家族に同情しろ!とは言わないが、もうちょっと人情味があってもねえ。話がそれたけど、二人がカーレースだのスカイダイビングだのあれこれやるのは・・別にぃ。何たってお金があるから自家用機で世界中飛び回り、豪華なホテルに泊まり、何でもでき・・でも失った健康だけは取り戻すことができないんだよなあ。考えさせられるのはそれくらい。あとは金にあかせて・・の鼻につく描写の連続。せっかくレストランに行ったのに病状が進んで料理が食べられない。包んで持ち返りたいと言う「死ぬまでにしたい10のこと」のヒロインのつつましさが思い出された。